「もみスポ」
2024-03-05T23:04:32+09:00
momiageyokohama
「読んだ方が野球をより好きになる記事」をという思いで、20年目に突入。横浜ファンですが、野球ファンの方ならどなたでも。時折、ボクシング等の記事も書きます。/お笑い・音楽関連の記事はこちら→http://agemomi2.exblog.jp/
Excite Blog
2024シーズン 「横浜優勝」実現のための3つのポイント
http://agemomi.exblog.jp/33261915/
2024-02-17T00:34:00+09:00
2024-02-17T00:57:55+09:00
2024-02-17T00:34:42+09:00
momiageyokohama
横浜ベイスターズ
先週末からは、練習試合も始まった。
キャンプ・オープン戦は、シーズンを戦っていくうえで、いろいろなことを試行する時期。
横浜DeNAも、当然、様々な部分でクリアすべき課題があるが、そのなかでも、今季の大きなポイントは、下記の3つではないか。
1. 先発投手6枠で投げられる投手の確立
2. 出塁率.320以上見込める、一・二番の最適解
3. ショート
ということで、今回は、この3つについて見ていきたい。
1. 先発投手6枠で投げられる投手の確立
正直、今季の横浜DeNAのチーム成績への影響度は、このポイントが7割以上を占めると思う。
昨季の先発登板試合数は、東24、石田23、今永22、バウアー19、大貫13、濵口13、ガゼルマン13、平良11、坂本2、笠原2、上茶谷1。
このなかで、今季は今永とバウアーがいない(なお、バウアーについては、本人や三浦監督のコメントを聞く限り、残留の可能性はほぼゼロと考えた方がいいだろう)。
さらに、エース格だった2投手に加え、退団したガゼルマン、笠原の登板数も足すと、56試合。
果たして、これだけの数字をどう埋めていくか。
現時点で、先発陣に入ると思われるのは、下記の投手たち。
東 大貫 ジャクソン 石田 濵口 平良
森唯 深沢 小園
(上茶谷 松本凌 入江 ケイ?)
上段は、現状、6枠に入ってきそうな投手。
ただ、昨年飛躍を遂げた東、過去2度二桁勝利を挙げている大貫はともかく、NPB1年目となるジャクソン、規定投球回到達は1度のみの石田、昨年QS達成わずか5試合の濵口というラインアップは、かなり心許ない。
なお、平良に関しては、昨年終盤の安定度、また、故障明け2年目を迎えるということもあり、場合によっては東・大貫に次ぐ3番手となる活躍を期待している。
中段は、その他のローテ候補。
ただ、キャリア自体は申し分の無い森唯斗だが、先発で5イニング以上投げたのは、昨年の4試合のみ。
また、昨年オフから名前の挙がることの多い、深沢・小園の高卒3年目の投手2人も、二軍でまだ出色と言えるほどの成績を残してはいないことを考えると、過大な期待は早い。
(なお、小園は、際立った球種で抑えるというより、配球を含め、総合的な力で抑える投手だと思うので、一軍での活躍にはまだ時間がかかるのではと思われる)
そう考えると、「先発6枠を『埋める』ことすらできないのでは」という不安が募る。
上段・中段で挙げた投手の調子によっては、現時点の構想としては昨年のような先発が早いイニングでマウンドを降りたときに投げる役割を担うであろう上茶谷、適性的にはブルペンの方が合っているのではと思う松本凌人の先発起用。さらには、入江の先発再転向、当初中継ぎでの起用かと思われたケイの先発起用といったことも考えなければいけないかもしれない。
その意味では、昨年・一昨年のドラフトで獲得した、大学卒・社会人卒の徳山、三浦銀二、吉野といったところが、現在のところ、全く一軍の戦力になることができていないことも痛い。
いずれにしても、先発6枠をただ「埋める」のではなく、「奪い合う」ぐらいのレベルでないと、優勝は、夢のまた夢だろう。
なお、このブログで何度か紹介している、「優勝に必要な先発投手の勝利数:54勝」という数字(算出の根拠はこちら)。
これを、現陣容でシミュレーションしてみると、東…13勝、大貫…11勝、平良…7勝、石田…7勝、ジャクソン…6勝、濵口…4勝、その他の投手合計…6勝。
果たして、実際のシーズンで、各投手が、これらの数字をクリアすることはできるだろうか。
2. 出塁率.320以上見込める、一・二番の最適解
昨季、首位打者と打点王を擁しながら、リーグ4位の得点に終わった大きな原因の一つは、「七・八番より低い、一・二番の出塁率」。
七番が2割4分台、八番が2割3分台の打率なのに対し、なんと、一番が2割2分台、二番が2割1分台。
出塁率も、七番・八番が3割を超えているのに対し、一・二番は、いずれも3割に届かず、二番に至っては、2割6分台。
シーズン序盤に機能していた「一番・佐野、五番・桑原、六番・関根」の打順を、佐野の打撃等を考え、解体したこと自体は間違いとは言い切れないが、その後、主に一・二番に入った関根・桑原は、中軸を打っていたときより大きく数字を落とした。
両選手に共通するのは、四球を多く選ぶタイプの打者ではない、ということ(両選手とも規定打席に到達しているが、四球は30個未満)。
昨年、岡田監督が、四球への査定を球団に働きかけ、チームの四球数が大きく増えた(358→494)というケースもあるが、両選手が打撃スタイルを変更する可能性は低いと思われる。
その他、林や大田が、一・二番を務めたこともあったが、両選手とも、打率が低かったこともあり、機能としたとは言えなかった。
そうしたなか、今季、一・二番の候補として挙がるのが、度会、そして梶原となるだろうか。
度会に関しては、その打撃を見る限り、プロでもある程度の成績を残せるのではと思われる。
四球を選ぶタイプではないようにも見受けられるので、将来的には、三番などの方が適性があるかもしれないが、打率.275以上を残せるようであれば、チームに勢いを与える役割を担うという意味も含め、一番起用もいいと思う。
より一番での活躍の可能性を秘めているのは、どちらかというと、梶原の方かもしれない。
二軍とはいえ、昨年の打率.338、7本塁打、15盗塁(73試合)は、魅力を感じる数字。ルーキーイヤー、4月の一軍デビュー戦での初本塁打含む4安打もインパクトがあったが、人数としては一軍レベルの選手が多いDeNA外野陣のなかでも、「使ってみたい」と思わせるものを持っている。
昨年は、「これから」という時に故障での離脱を余儀なくされたが、首脳陣が「使いたい」と思ううちに、レギュラーに手をかけたいところ。
なお、個人的には、昨年10年目にして、初めてレギュラー格で出場する1年となった関根にも、まだまだ上を目指してほしい(これまで「『関根大気の2017年』の行く末」「『関根大気の2023年』の行き先」という2つの記事も書いたが)。
NPB終了後に参加したメキシコ・ウインターリーグでは首位打者を獲得。打撃のさらなる進化により、一・二番で躍動する姿も期待したいが、ことレギュラーを掴めるかのポイントの一つは、目立たない部分ではあるが、内野への送球の意識を高めることだと思う。
いずれにしても、どの選手が努めるにせよ、優勝を狙うのであれば、一・二番には、最低ラインとして出塁率.310、できれば.320以上を求めたい。
3. ショート
DeNAファンの立場から見ても、他球団のファンからの目線で見ても、そして、おそらくDeNAのチーム内部から見ても、現在のDeNAのウイークポイントは「ショート」ということになるだろう。
現在、レギュラー候補として名前が挙がるのは、林、森、石上、京田……といったあたり。
いずれの選手にもチャンスがある。ただ、矛盾するかもしれないが、一方でいずれの選手も「崖っぷち」の立場に置かれていると言ってもいいのではないか。
(なお、大和は、少し上記の選手たちと、置かれている立場、求められている役割が異なるように思う)
思えば、昨年のキャンプの時点では、4年目を迎える森への期待度が非常に高かった。
しかし、1年経った今年、森は奄美でのキャンプを送っている。
入団当初から「内野よりも外野の方が」という声もあった森だが、その外野陣も、中堅・若手が多数名をつらね、年々入る隙は少なくなっている。
一方、昨シーズンの終盤、スタメン・ショートでの出場が多かった林。ただ、打率.206という数字は、レギュラーとして到底満足できる数字ではない(なお、8月以降の成績は、打率.253)。
昨季、最もショートでの出場機会が多かった京田。しかし、打率の低さ(.227)もあり、9月初めに抹消。
以降、一軍での出場機会はなかった。
四球率については、これまでのキャリアのなかでも格段に高かった昨シーズンだが、30歳という年齢もあり、置かれている立場は厳しい。
また、キャンプ序盤で注目を浴びた石上だが、年齢的には、林、森とほとんど変わらず。ということは、林、あるいは森のレギュラー奪取は、自身のプロキャリアでのレギュラー奪取が大きく遠のくことを意味する。
さらに言えば、今オフのドラフトでは、先日、侍JAPANの日本代表にも選ばれた宗山(明治大学)が控える。
もし、DeNAが獲得を表明し、そして実際に獲得した場合、上記の選手たちの一軍での居場所は、かなり狭まることになるだろう。
「ショートのレギュラー決めの苦悩」というと、他球団だが、中島裕之が抜けたあとの西武が思い出される。
中島退団後、ショートがなかなか固定できず、チーム自体も、2014年から3年連続Bクラスに終わった。
しかし、2017年、ルーキーの源田がレギュラーを奪うとチームも2位に(なお、その3年前、大学選手権で見た源田(当時は愛知学院大)のプレーには衝撃を受けた)。
さらに、2018年・2019年と連続してリーグ優勝。
高いレベルの選手がショートに固定されることの影響力を、まざまざと見せつけられた。
現在のDeNA内野陣で、唯一といってもいい、まだレギュラーでない選手がレギュラーを獲れる可能性があるポジションといってい、ショート。
それを奪うに足る選手が出てきたとき、ようやく、優勝争いの土俵に立てる、といっても過言ではないように思う。
来週末からは、オープン戦も始まる。
シーズン開幕までの日数も、あと40日あまり(3/29 対広島:浜スタ。その後、京セラでの阪神戦、東京ドームでの巨人戦と続く)。
「優勝」を勝ち取れる力があるのかを問われる日々は、刻々と迫っている。
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穴口選手の逝去に想うこと
http://agemomi.exblog.jp/33252015/
2024-02-07T00:04:00+09:00
2024-02-07T09:27:50+09:00
2024-02-07T00:04:27+09:00
momiageyokohama
ボクシング
その興行のセミファイナルとなったのは、堤聖也(王者)vs穴口一輝(挑戦者)の、日本バンタム級タイトルマッチだった。
堤が9勝(7KO)2分け、穴口が6勝(2KO)という、無敗同士の一戦。
近年の配信でのビッグイベントは、セミファイナルも世界戦、あるいは世界前哨戦の意味合いを持つ試合がほとんどである。
そうしたなか、セミファイナルが日本タイトルマッチであることに、少し物足りなさを感じたファンもいたかもしれない。
しかし、この試合は、近年、というより、この数十年を振り返っても、随一といっていいかもしれないほどのドラマティックな一戦となった。
序盤を支配したのは、穴口。
リズムのいいボクシングで、少しずつ主導権を握っていく。
しかし、4R、堤がダウンを奪い返し、ややポイントを戻す。
それでも、5回を終わっての公開採点は、一人が同点、穴口の2ポイントリードが2人と、やや穴口優勢。
その後も、左目上の傷の開き具合が気になることもあり更にプレスを強める堤と、序盤よりは多少精度が落ちるも技術の高さをうかがわせる穴口の、見る者を惹きつける攻防が続く。
6Rは、穴口の優勢。
しかし7Rは、堤が、この試合2度目のダウンを奪う。
8Rは穴口が優勢。
が、9R、堤が、3度目のダウンを奪う。
そして、10R、両者が最後の力を振り絞ったラスト。
残り10秒で、堤が4度目のダウンを奪う。
それでも穴口が4たび立ち上がり、試合終了。
判定は、堤が、94-92、94-92、95-91で勝利。
しかし、堤がダウンを奪ったラウンド以外は、ほぼ穴口にポイント。
堤がダウンを奪ったラウンドでも穴口が優勢だったシーンもあり、最終回、穴口がポイントを獲っていれば穴口の勝利。
まさに、堤の「大逆転勝利」といえる内容で、見た者すべてに強烈な印象を残した一戦となった。
よく試合後に、解説者が「こんな激闘はなかなか見られない」ということがあるが、掛け値なしに「こんな凄い試合は見たことが無い」と言える一戦だった。
堤の勝利に賭ける執念、そして、実際に勝利を手にした、その精神力は凄まじいものがあったが、敗れた穴口も、バランスの取れたボクシングスタイル、そして実力者である堤相手に、ある意味互角以上と言ってもいい試合内容を見せたその姿に、今後の大きな可能性を感じた。
興行後、X(Twitter)でも、こう書いた。
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井上尚弥vsタパレス。
結果は井上の完勝だったが、タパレスが時折振るう右フックに怖さを感じた人も少なくなかったと思う。
しかし、今日は何と言っても、セミの堤聖也vs穴口一輝。
ボクシングの面白さを凝縮した試合。
両者のダメージは心配だが、その激闘に心から拍手を。
井上尚弥vsタパレス。結果は井上の完勝だったが、タパレスが時折振るう右フックに怖さを感じた人も少なくなかったと思う。しかし、今日は何と言っても、セミの堤聖也vs穴口一輝。ボクシングの面白さを凝縮した試合。両者のダメージは心配だが、その激闘に心から拍手を。#井上尚弥 #堤聖也 #穴口一輝— もみあげ魔神 (@momiagemajin) December 26, 2023 --------
ただ、Xにも書いたように、試合後の両者のダメージは気になった。
特に、コーナーに戻った際、足が痙攣し、座れない状態の穴口は非常に心配だった。
専門知識が無いことを承知で書くが、「早く、担架に乗せるなどして退場し、病院へ向かった方がいいのでは」と思った。
(ただし、試合直後の映像には、堤と健闘を称え合い、笑みを浮かべる穴口選手の姿もある)
その後、穴口選手が意識を失い、病院にて開頭手術が行われたというニュースが報じられた。
ボクシングファンの誰もが、その回復を願っていたと思うが、残念ながら、2024年2月2日に、その逝去が報じられた。
こうしたリングでの痛ましい事故が起こると、試合のストップのタイミングがクローズアップされる。
しかし、試合を目にした、ほぼ全員のボクシング関係者、そしてボクシングファンは「止めるタイミングは無かった」と感じたと思う。
それこそ止めるなら、傷口が開いたまま戦い続けていた堤の方がストップの対象となる可能性が高かったという見方もあるだろう。
それでも、今回の事態が起きたという現実に、ボクシング関係者は、向き合わなければいけないと思う。
これまでも、リング禍が起きるたびに投げかけられてきた「では、どうするか……」。
甚大なダメージが見られると思われる選手の試合直後の処置、病院への搬送体制、傍目には深刻なダメージには見えなくとも危険な兆候がある可能性の試合中の見極め、試合前の選手のコンディション管理……など。
ボクシングという競技が、「危険」に向かっていくスポーツであることは間違いなく、その意味で、上記のようなことの強化は、その目的地を考えると極めて矛盾しているのかもしれないが、それでも、こうした事態が起きてしまった事実をもとにして、今後のボクサーたちの命を守る取り組みは、してもし過ぎることはないだろう。
当然、今回のようなことは、無念を持って余りある穴口選手のジムの関係者だけでなく、すべてのボクシングジム、そしてすべてのボクサーに起き得ることだからこそ、尚更、皆で、ほんの少しでも痛ましい事態を防ぐ可能性を高めることが求められる。
ボクシングは、究極的にそれぞれの選手がその存在証明を懸けた競技だと思う。
人間同士が拳で、お互いを殴りに行く。その、ある意味何の装飾もない部分が、見る者を強く惹きつける部分でもある。
しかし、それは、極めて悲しい事態を引き起こす可能性もある、という現実もある。
その遺志を継ぐという部分とは別の意味合いで、今回のことを、ボクシング関係者は、今後のボクシング界に残していく責務があると思う。
最後に、改めて言いたい。
堤聖也 vs 穴口一輝。
素晴らしい、本当に素晴らしい一戦だった。
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ブログ20年目。
http://agemomi.exblog.jp/33224784/
2024-01-19T23:12:00+09:00
2024-01-22T12:06:53+09:00
2024-01-19T23:12:54+09:00
momiageyokohama
未分類
気づけば、今年でブログを書き始めて20年目。
20年前の2005年の横浜は、前年まで3年連続最下位という状態。この年こそ、牛島監督のもと、4年ぶりのAクラス入りを果たしますが、翌年は再び最下位となり、その後は、いつ終わるとも知れない暗黒時代に。
ブログを書き始めてからの10年は、その多くを愚痴に費やしていた感がなくもありません(^^)。
なお、最初のブログ投稿のテーマは、「小川博文選手の引退に思うこと」。
80年代からの大洋(横浜)ファンという時点で、かなりこじらせている感もありますが、さらに「ファンとはいえ、横浜ばかり見ていては、横浜の本当の問題は見えてこない」という天の邪鬼な考えもあっての、このテーマ選びだったと記憶しています。
野球界全体に目を移すと、20年前は、それこそ、球団再編騒動があったり、ドラフトの裏金問題だったり、日本野球界のあり方が非常に問われた時期だったように思います。巨人を中心とした旧態依然とした体質も、まだ残っていた時代と言えるでしょうか。
それから20年が経ち、日本野球界を取り巻く環境は大きく変わりました。
巨人を中心としたピラミッド的構造みたいなものはほぼ無くなり(そこに、新庄剛志氏の果たした役割は大きいと思います)、今、野球界を語る大きなテーマの一つは「『NPB』と『MLB』」でしょうか。なお、20年前の2005年、大谷翔平少年は、まだ水沢リトルリーグにいます。
果たしてこの20年で、日本野球界は良くなったのか?
個人的には「良くなった」と思っています。
そう思う理由の一つは、ファンの野球の楽しみ方の範囲が格段に広がったこと。
ネットで得られる野球の情報の増加やSNSの発達が大きいと思いますが、それぞれの野球ファンが、自分なりの野球の楽しみ方を見つけられるようになったことで、今までは、球界側(球団・機構・選手などの側という意味)にあった主導権が、いい意味でファンの方に移った。そのことで、球界側も、ファンの存在をこれまで以上に意識するようになった20年ではないでしょうか。
もちろん、なかには、首を傾げるような意見であったり、不快な気持ちしか湧かないものを目にしたりすることもありますが、それでも、ファンが思い思いの楽しみ方をできる環境となったことは、そのスポーツにとって、非常に大きな動力となると思います。
なお、今後の野球界のテーマは、「『データ』と『生身の感覚』とのバランス」になるでしょうか(これは日本球界に限らず)。
野球にとって、データが占める割合の増大は不可避であるようにも思われますが、その行きつく先が「野球の楽しさを感じられる」ものになるかについては、注意を払う必要があるように思います。
この先、20年後もブログを書いているかはわかりませんが(^^)、今後も、野球界、ひいては、野球というスポーツが魅力的なものであり続けてほしい。
そんな思いを持って、またブログを書いていきたいと思います。
なお、次回は、昨年のドラフト前に書いた「プロ野球12球団 の『育成力』と『即戦力獲得力』(2014-2023)」の改訂版をアップする予定です(その後、結構、選手異動があったこともあり)。
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今年も、ありがとうございました。
http://agemomi.exblog.jp/33206632/
2023-12-31T01:07:00+09:00
2023-12-31T01:07:07+09:00
2023-12-31T01:07:07+09:00
momiageyokohama
未分類
できれば、年内に、先日書いた「プロ野球12球団 の「育成力」と「即戦力獲得力」(2014-2023)」の改訂版(11・12月で、新たな移籍や、初めてベストナインやゴールデングラブ賞を獲った選手の発表などもあったので)と、横浜DeNAの来季について書こう(ただし、バウアーの去就如何で、書くことが随分変わってしまいますが)と思っていたのですが、残念ながら、書く時間がとれず。
2024年1月は、なんとか、その両方を書きたいとは思っています。
今年も、更新頻度は高くありませんでしたが、見ていただいた方々、ありがとうございました。
気づけば、来年は、ブログを書き始めてから20年目。
更新頻度は、あまり変わらないかもしれませんが(^^)、来年も、「これは書きたい!」と思ったことを書いていこうと思います。
2024年こそ、本当の意味での「横浜優勝」を見たいですね。
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プロ野球12球団 の「育成力」と「即戦力獲得力」(2014-2023)
http://agemomi.exblog.jp/33132676/
2023-10-25T01:37:00+09:00
2024-03-05T23:04:32+09:00
2023-10-25T01:37:53+09:00
momiageyokohama
野球(全般)
毎年のことながら、今年も、各球団、明暗が分かれる結果となりました。
ペナントが終わり、戦力外通告の厳しいニュースを聞く一方で、10月26日には、ドラフト会議が行われます。
昨年の5月、「プロ野球12球団 真の育成力を持つチームは?」と題した記事を書きました。
球団の「育成力」について、「入団3年目以降に主力となった選手」をチームの「育成力」と考え、さらに、ドラフトの順位によって重みづけを図り(ドラフト順位が下位の選手ほど高く評価する)、ポイント化するという試みでした。
もちろん、選手によって、その成長が「球団の育成力によるもの」か、それとも「故障が癒えたことによるもの」なのか、あるいは「球団の育成方針が誤っていたため、時間がかかった」ものなのかといったように、一概に「入団3年目以降の主力化=球団の育成力」とは言えない部分もあるかとは思います。
ただ、とかく漠然としがちな「育成力」というものを可視化した意味はあったかと思っています。
一方で、記事を書き終えた後、ポイントの対象としなかった「1年・2年目での主力化」についても、例えば、球団の「選手獲得力」として評価の対象にするべきではないか、ということも思いました。
また、対象を2008年ドラフト入団者からとしましたが、2000年代と現在では、各球団の状況も変わっており、「今」の球団の育成力を見るには、もう少し年代を絞った方がいいようにも思いました。
そこで今回は、2013年~2022年ドラフトの入団選手を対象として、各球団の「育成力」と「即戦力獲得力」を見ていきたいと思います(成績の対象となるシーズンは、2014~2023シーズン)。
なお、今回は、主力クラスだけでなく、準主力クラスの選手についても、ポイント化しました。
また、各年のドラフト上位選手の活躍度を見るために、ドラフト1位・2位の選手については、成績にかかわらず、掲載をします。
「ポイントの付け方」、「育成力」「即戦力獲得力」の計算方法などは、下記のように規定します。
【ポイント対象となる基準】
●A基準(主力クラス)
〔内野・外野手〕
350打席以上(※ただし、2020年は、コロナ禍により試合数が少なかったため、294打席以上)
〔捕手〕
300打席以上(※2020年…210打席以上)
〔投手〕
110イニング以上、または、
セーブ+HPが20以上、または50試合登板
(※2020年…93イニング、または、セーブ+HPが17以上、または42試合登板)
●B基準(準主力クラス)
〔内野・外野手〕
250打席以上(※2020年…210打席以上)
〔捕手〕
220打席以上(※2020年…185打席以上)
〔投手〕
95イニング以上、または、
セーブ+HPが15以上、または36試合登板
(※2020年…80イニング以上、または、セーブ+HPが13以上、または31試合登板)
【「育成力」の計算方法】
1.
入団3年目以降に、初めて「A基準」「B基準」を満たした選手、あるいは、タイトルホルダーが対象
(入団1・2年目で、A基準を突破した選手は対象外)
※なお、対象となるのは、ドラフトで入団した球団での成績のみ(移籍した球団での成績は対象外)
2.
基準ポイントは、ドラフト1位入団:110点、2位:120点、3位:130点、以下、順位により10点ずつ多くなり、10位は200点。
なお、育成入団選手は、順位に関係なく、220点。
3.
基準ポイントは、「主力として活躍した年数」および、
2年目までに「B基準」に達したかによって、下記のように計算する。
〈2年目までに、B基準に達したシーズンが無い選手〉
●3年目以降に、A基準を満たした年が「2シーズン以上」
→〔基準ポイントそのまま〕
●3年目以降に、A基準を満たした年が「1シーズン」、B基準を満たした(かつ、A基準には達していない)年が「1シーズン以上」
→〔基準ポイント×0.75〕
●3年目以降に、A基準を満たした年が「1シーズン」、B基準を満たした(かつ、A基準には達していない)年が「なし」
→〔基準ポイント×0.5〕
●3年目以降に、A基準を満たした年が「なし」、B基準を満たした(かつ、A基準には達していない)年が「2シーズン以上」
→〔基準ポイント×0.5〕
●3年目以降に、A基準を満たした年が「なし」、B基準を満たした(かつ、A基準には達していない)年が「1シーズン」
→〔基準ポイント×0.25〕
〈2年目までに、B基準に達したシーズンが1シーズン〉
●3年目以降に、A基準を満たした年が「2シーズン以上」
→〔基準ポイント×0.5〕
●3年目以降に、A基準を満たした年が「1シーズン」
→〔基準ポイント×0.25〕
〈2年目までに、B基準に達したシーズンが2シーズン〉
●3年目以降に、A基準を満たした年が「1シーズン以上」
→〔基準ポイント×0.25〕
※なお、いずれの場合も、計算した数の末尾が、2.5、7.5の場合は、2.5点を追加(例:110×0.25=27.5→30ポイントに)
4.
2年目までのA基準・B基準達成に関係なく、3年目以降に初めて、下記のいずれかのタイトルを獲得した場合は、上記のポイントに、40点を追加。
〔投手〕
最優秀防御率、最多勝、最高勝率、最多奪三振、最多セーブ、最優秀中継ぎ
〔野手〕
首位打者、最多本塁打、最多打点、最多安打、最高出塁率、最多盗塁
〔投手・野手共通〕
MVP、新人王、ベストナイン、ゴールデングラブ
【「即戦力獲得力」計算方法】
1.
入団2年目まで「A基準」クリア … 1年につき、100点
2.
入団2年目まで「B基準」クリア … 1年につき、50点
3.
入団2年目までタイトル獲得 … 2年の合計に、40点を追加
(タイトルホルダーの対象は、「育成力」の項目に記述したタイトルと同じ。なお、2年連続でタイトルホルダーとなっても、加点は40点のみ)
4.
ドラフト順位よるポイントの変更はなし
【リストの見方】
1.
〔2年目までに、B基準に達したシーズンが無い選手〕
(青字のみ、または青字+黒字)
●A基準を満たした年が「2シーズン以上」
→ 青・太字 + 青・太字
●A基準を満たした年が「1シーズン」、B基準を満たした年が「1シーズン以上」
→ 青・太字 + 青字
●A基準を満たした年が「1シーズン」、その年以外にB基準を満たした年が「なし」
→ 青・太字 + 黒字
●A基準を満たした年が「なし」、B基準を満たした年が「2シーズン以上」
→ 青字 + 青字
●A基準を満たした年が「なし」、B基準を満たした年が「1シーズン」
→ 青字 +黒字
2.
〔2年目までに、A基準に達したシーズンがある選手〕
(赤字のみ、または赤字+黒字)
●1年目・2年目を、下記の色・太さで区別
・A基準をクリア → 赤・太字
・B基準をクリア(A基準には達せず)→ 赤字
・B基準に達せず → 黒字
※(記載例)
・1年目、2年目ともA基準をクリア
→ 赤・太字 + 赤・太字
・1年目はB基準をクリア(A基準には達せず)、2年目はA基準をクリア
→ 赤字 + 赤・太字
・1年目はB基準に達せず、2年目はB基準をクリア(A基準には達せず)
→ 黒字 + 赤字
3.
〔2年目までに、B基準に達した(ただし、A基準には達していない)シーズンがあり、かつ、3年目以降にA基準に達したシーズンがある選手〕
※(例として、4文字の場合を例示)
・1字目 … 1年目を表す
・2字目 … 2年目を表す
・3字目以降 … 3年目以降を表す
上記の区分にならい、下記の色・太さで区別
・2年目までのB基準クリア(A基準には達せず) → 赤字
・3年目以降のA基準クリア → 青・太字
・3年目以降のB基準クリア(A基準には達せず)→ 青字
・B基準に達せず → 黒字
※選手の字数によって、該当字数に差異あり
4.
〔タイトル獲得経験〕
●2年目までに獲得 … ★
●3年目以降、初めて獲得 … ★
5.
〔ポイントの表示〕
●「育成力」「即戦力獲得力」の順に記載
●「-」はポイント無し
●各球団のポイント横の( )は、12球団中の順位
6.
選手の異動・退団など
・【 】… 移籍したチームなど(「M」はMLBの意)
・〔引〕… NPB引退
・〈外〉… 戦力外通告(2023年シーズン後通告。2023.10.24現在。ただし、育成契約の報道がある選手はのぞく)
説明が長くなりましたが、これより、各球団の「育成力」「即戦力獲得力」を見ていきます(紹介順は、各リーグ、ここ10年のトータル順位で、上位→下位の順番)。
なお、全体の総評については一番最後に書くので、最初にそれを見た後で、各球団の数字をチェックする形で読んでいただいても構いません。
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【ソフトバンク】
2013 1位 加治屋蓮(投)55/- →【神】
2013 2位 森 唯斗★(投)40/200〈外〉
2013 4位 上林誠知(外)140/-〈外〉
2013 育1 石川柊太★(投)260/-
2014 1位 松本裕樹(投)110/-
2014 2位 栗原陵矢(外・内・捕)120/-
2015 1位 髙橋純平(投)55/-〈外〉
2015 2位 小澤怜史(投)-/- →【ヤ】
2016 1位 田中正義(投)-/- →【日】
2016 2位 古谷優人(投)-/-〔引〕
2016 4位 三森大貴(内)105/-
2017 1位 吉住晴斗(投)-/-〔引)
2017 2位 高橋 礼★(投)-/140
2017 4位 椎野 新(投)-/50
2017 5位 田浦文丸(投)40/-
2017 育2 周東佑京★(内・外)205/-
2017 育4 大竹耕太郎(投)-/50 →【神】
2018 1位 甲斐野央(投)-/100
2018 2位 杉山一樹(投)-/-
2018 4位 板東湧梧(投)35/-
2018 6位 泉 圭輔(投)-/50
2019 1位 佐藤直樹(外)-/-
2019 2位 海野隆司(捕)-/-
2019 3位 津森宥紀(投)65/50
2019 5位 柳町 達(外)150/-
2019 育2 大関友久(投)110/-
2020 1位 井上朋也(内)-/-
2020 2位 笹川吉康(外)-/-
2021 1位 風間球打(投)-/-
2021 2位 正木智也(外)-/-
2022 1位 イヒネイツア(内)-/-
2022 2位 大津亮介(投)-/50
〔育成力〕
1490点(4位)
投手:770点(5位)/ 野手:720点(3位)
〔即戦力獲得力〕
690点(12位)
投手:690点(10位)/ 野手:0点(12位)
〔育成力+即戦力獲得力〕
2180点(11位)
投手:1460点(8位)/ 野手:720点(12位)
育成選手を数多く主力に育て上げるなど、長らく、その「育成力」が評価されてきたソフトバンク。
今回は対象年数を10年としたことで、千賀・牧原・甲斐の2010年育成ドラフト組がポイントの対象から外れたが、それでも、「育成力」のポイントは、12球団中4位と悪くはない。
しかし、「即戦力の獲得」という部分では、圧倒的に他球団に遅れをとっている。
将来性を重視しての高校生指名中心の時期があったとはいえ、大学・社会人の上位指名選手の成功度の低さを見ると、高校生重視指名の方針だけがその原因とは言えないだろう。
2013年以降のドラフト1位で、主力として2年以上活躍したといえる選手は、昨年から勝ちパターンで投げるようになった松本のみ(甲斐野も今年、復活の兆しは見せたが)。
今オフは、髙橋純平、佐藤直樹のドラフト1位組の戦力外(佐藤は、育成契約打診との報道)が少なからぬ衝撃を与えたが、ソフトバンク在籍時は全く成績を残せなかった田中、小澤が、他球団で花開いている姿を見ると、能力のある選手のポテンシャルを発揮させることができていない現状も垣間見える。
「育成力+即戦力獲得力」のポイントは、「即戦力獲得力」の低さが響き、12球団中11位。
この10年もほぼリーグ上位に居続けたソフトバンクだが、それは2014年ドラフト組ぐらいまでの貯金と、高額を支払っての他球団からの外国人選手獲得による部分が大きいと言えるかもしれない。
今年の「首位から10ゲーム差以上(15.5ゲーム差)」という成績は、王監督最終年の2008年以来。
オリックスにリーグ覇者の座を奪われ続けている状況を打破するには、「育成」「即戦力獲得」の両面とも、現状の見直しが必要と言える。
【西武】
2013 1位 森 友哉★(捕)40/100 →【オ】
2013 2位 山川穂高★(内)160/-
2014 1位 髙橋光成(投)-/100
2014 2位 佐野泰雄(投)30/-〔引〕
2014 3位 外崎修汰★(内・外)170/-
2015 1位 多和田真三郎★(投)70/100〔引〕
2015 2位 川越誠司(投→外)-/- →【中】
2015 3位 野田昇吾(投)35/50〔引〕
2015 4位 愛斗(外)105/-
2015 6位 本田圭佑(投)80/-
2015 7位 呉 念庭(内)130/-
2016 1位 今井達也(投)110/-
2016 2位 中塚駿太(投)-/-〔引〕
2016 3位 源田壮亮★(内)-/240
2016 4位 鈴木将平(外)35/-
2016 5位 平井克典(投)-/150
2016 6位 田村伊知郎(投)40/-
2017 1位 齊藤大将(投)-/-〈外〉
2017 2位 西川愛也(外)-/-
2017 4位 平良海馬★(投)180/-
2017 5位 與座海人(投)75/-
2018 1位 松本 航(投)-/100
2018 2位 渡邉勇太朗(投)-/-
2018 6位 森脇亮介(投)-/100
2019 1位 宮川 哲(投)-/100
2019 2位 浜屋将太(投)-/-
2019 8位 岸潤一郎(外)-/50
2020 1位 渡部健人(内)-/-
2020 2位 佐々木健(投)-/50
2020 育5 水上由伸★(投)-/140
2021 1位 隅田知一郎(投)-/100
2021 2位 佐藤隼輔(投)-/50
2021 3位 古賀悠斗(捕)-/50
2022 1位 蛭間拓哉(外)-/-
2022 2位 古川雄大(外)-/-
2022 4位 青山美夏人(投)-/50
〔育成力〕
1260点(9位)
投手:620点(9位)/ 野手:640点(5位)
〔即戦力獲得力〕
1530点(5位)
投手:1090点(3位)/ 野手:440点(5位)
〔育成力+即戦力獲得力〕
2790点(5位)
投手:1710点(3位)/ 野手:1080点(5位)
伝統的に評価の高い「野手の育成力」の部分では、外崎以降、主力に完全に定着する選手は出ておらず(愛斗が、あと一歩という形)、長年の西武ファンにとっては、歯がゆい状況かもしれない。
一方で、2018年ドラフト組以降、2年以内で、主力、あるいは主力に準ずる成績を残している選手の割合は、他球団と比べても高い(森脇、佐々木健は、怪我の影響で今オフ、育成契約になる模様だが)。
2021年の上位指名3人(隅田、佐藤隼、古賀)は、ドラフト的にも評価の高かった指名だったが、3名とも2年目までに準主力クラスには到達しており、来季以降、さらなるステップアップをすることができれば、チームの柱となる存在になり得る。
あとは、渡部、蛭間らの野手陣において、伝統的な「野手育成力」を復活させることができれば、再び、上位争いに食い込む存在になっていくだろう。
ただし、こちらも「伝統的」な「主力選手のFA流出率の高さ(今後は、髙橋光成、平良あたりの去就が気になるところ)」への対策も、優勝奪取のカギではあるが。
【オリックス】
2013 1位 吉田一将(投)110/-〔引〕
2013 2位 東明大貴(投)-/150〔引〕
2013 3位 若月健矢(捕)130/-
2014 1位 山﨑福也(投)110/-
2014 2位 宗 佑磨★(内・外)160/-
2014 7位 西野真弘(内)-/100
2015 1位 吉田正尚★(外)70/100 →【M】
2015 2位 近藤大亮(投)-/100
2015 3位 大城滉二(内)-/100
2015 5位 吉田 凌(投)40/-
2015 10位 杉本裕太郎★(外)240/-
2016 1位 山岡泰輔★(投)40/200
2016 2位 黒木優太(投)-/150
2016 4位 山本由伸★(投)40/100
2016 6位 山﨑颯一郎(投)80/-
2016 8位 澤田圭佑(投)-/50 →【ロ】
2017 1位 田嶋大樹(投)110/-
2017 2位 鈴木康平(投)-/- →【巨】
2017 3位 福田周平★(内・外)40/150
2017 4位 本田仁海(投)35/-
2018 1位 太田 椋(内)-/-
2018 2位 頓宮裕真★(内・捕)130/-
2018 4位 富山凌雅(投)70/-
2018 7位 中川圭太(外・内)-/100
2019 1位 宮城大弥★(投)-/140
2019 2位 紅林弘太郎(内)-/100
2020 1位 山下舜平大(投)30/-
2020 2位 元 謙太(外)-/-
2020 6位 阿部翔太(投)-/100
2020 育3 宇田川優希(投)110/-
2021 1位 椋木 蓮(投)-/-
2021 2位 野口智哉(内・外)-/50
2021 7位 小木田敦也(投)-/50
2022 1位 曽谷龍平(投)-/-
2022 2位 内藤 鵬(内)-/-
2022 育4 茶野篤政(外)-/50
〔育成力〕
1545点(3位)
投手:775点(4位)/ 野手:770点(2位)
〔即戦力獲得力〕
1790点(3位)
投手:1040点(4位)/ 野手:750点(2位)
〔育成力+即戦力獲得力〕
3335点(1位)
投手:1815点(2位)/ 野手:1520点(2位)
「育成力」ポイント、「即戦力獲得力」ポイント、ともに3位。
「育成力+即戦力獲得力」ポイントは、堂々の1位。
リーグ3連覇の結果を裏付けるように、すべての部分において、ポイントが高い。
大学・社会人即戦力の獲得(吉田正・山岡)、高卒即戦力の獲得(宮城・山本)、伸び悩むドラフト上位選手を育成する力(山﨑福・田嶋)、高卒野手の育成(若月・宗)、高卒投手の育成(山下・山﨑颯)、さらには、くすぶっている選手をブレイクさせる力(杉本・頓宮)もある。
それを支える要素としては、中嶋監督の起用法、また、注目されることの多い「投手の育成力」が大きいと言えるが、ドラフト1位・2位の選手の成功度の高さもかなりのものがある(それこそ、ソフトバンクの上位指名選手と比べると、その差は歴然としている)。
なお、今回のリストでは、今季後半戦でブレイクした東晃平はポイントとして換算していない(イニング数が基準に達していなかったため)。加えて、今後、山下や曽谷あたりが、さらなるスケールアップを果たすことになれば、上記のポイントは、さらに伸びていくだろう。
3年前まで予想だにしていなかったが、オリックスがもの凄い勢いで強くなっている。
【ロッテ】
2013 1位 石川 歩★(投)-/240
2013 2位 吉田裕太(捕)-/-〔引〕
2013 5位 井上晴哉(内)150/-
2013 6位 二木康太(投)160/-
2014 1位 中村奨吾★(内)70/100
2014 2位 田中英祐(投)-/-〔引〕
2014 3位 岩下大輝(投)100/-
2015 1位 平沢大河(内・外)55/-
2015 2位 関谷亮太(投)-/-〔引〕
2015 4位 東條大樹(投)140/-
2016 1位 佐々木千隼(投)55/-
2016 2位 酒居知史(投)60/- →【楽】
2016 5位 有吉優樹(投)-/150 →【D】〔引〕
2016 6位 種市篤暉(投)160/-
2017 1位 安田尚憲(内)110/-
2017 2位 藤岡裕大(内)-/150
2017 4位 菅野剛士(外)35/-〈外〉
2017 育1 和田康士朗★(外)40/-
2018 1位 藤原恭大(外)85/-
2018 2位 東妻勇輔(投)60/-
2018 3位 小島和哉(投)-/100
2018 4位 山口航輝(外・内)105/-
2019 1位 佐々木朗希(投)55/-
2019 2位 佐藤都志也(捕・内)90/-
2019 3位 髙部瑛斗★(外)105/-
2019 4位 横山陸人(投)35/-
2020 1位 鈴木昭汰(投)-/-
2020 2位 中森俊介(投)-/-
2021 1位 松川虎生(捕)-/-
2021 2位 池田来翔(内)-/-
2022 1位 菊地吏玖(投)-/-
2022 2位 友杉篤輝(内)-/-
〔育成力〕
1670点(1位)
投手:825点(3位)/ 野手:845点(1位)
〔即戦力獲得力〕
740点(11位)
投手:490点(11位)/ 野手:250点(9位)
〔育成力+即戦力獲得力〕
2410点(10位)
投手:1315点(11位)/ 野手:1095点(4位)
前回の統計(2008-2020年ドラフト対象)では3位だったが、今回の統計では「育成力」ポイント1位の座に就いた。
上記のリストでは、青字の選手がずらっと並ぶ。
ドラフト会議が間近に迫っているが、この結果を見ると、「育ててもらうなら、ロッテ」と言えるかもしれない。
一方で、入団2年以内に主力になった選手の数は、極端に少ない。
ただ、ほとんどの上位指名選手が、3年目以降には主力となっていることを考えると、単に「即戦力を獲得する眼力が低い」と判断するのは早計に思える。
まだ準主力クラスまで到達してない、2020年ドラフト以降の指名選手も、そのポテンシャルや現在の起用状況を見ると、近い将来、主力クラスに成長する確率は高いように見え、ロッテという球団自体が「数年をかけて育成する」チームだと理解する見方の方が合っているように思う。
ただし、主力クラスにはなったといえ、安田、藤原の成績に物足りなさを感じているファンは少なくないだろう。
また、平沢、佐々木千隼に関しては、一定水準以上の成績を残した年があるとはいえ、実質1年のみ。
その意味で、「リーグにおいても上位の成績を残す選手」は育て切れていないという現状もある。
なお、「育成力+即戦力獲得力」のポイントは、「即戦力獲得力」の低さが響き、12球団中10位。
ただ、6位の日本ハムとわずか70点差と、実際は中位の数字といえる。
現在、チームの主力となっている選手たちが、リーグでも他の主力選手と遜色のない成績を残すようになってくれば、ポイント自体も上位になるだろうし、ひいては、2005年以来のリーグ優勝(シーズン勝率1位を記録しての優勝となると、1974年まで遡る)にもつながっていくかもしれない。
【日本ハム】
2013 1位 渡邉 諒(内)110/- →【神】
2013 2位 浦野博司(投)-/100〔引〕
2013 3位 岡 大海(外)-/50 →【ロ】
2013 4位 高梨裕稔★(投)180/- →【ヤ】
2013 6位 白村明弘(投→外)-/100〔引〕
2014 1位 有原航平★(投)-/190 →【M→ソ】
2014 2位 清水優心(捕)60/-
2014 3位 淺間大基(外)65/-
2014 4位 石川直也(投)140/-
2014 7位 髙濱祐仁(内)85/- →【神】
2015 1位 上原健太(投)30/-
2015 2位 加藤貴之(投)-/100
2015 3位 井口和朋(投)-/50〈外〉
2016 1位 堀 瑞輝★(投)150/-
2016 2位 石井一成(内)-/100
2016 8位 玉井大翔(投)90/50
2017 1位 清宮幸太郎(内)55/50
2017 2位 西村天裕(投)-/- →【ロ】
2018 1位 吉田輝星(投)55/-
2018 2位 野村佑希(内)120/-
2018 4位 万波中正(外)105/-
2019 1位 河野竜生(投)30/50
2019 2位 立野和明(投)-/-
2020 1位 伊藤大海(投)-/200
2020 2位 五十幡亮汰(外)-/-
2020 6位 今川優馬(外)-/50
2021 1位 達 孝太(投)-/-
2021 2位 有薗直輝(内)-/-
2021 8位 北山亘基(投)-/100
2021 9位 上川畑大悟(内)-/100
2022 1位 矢澤宏太(投・外)-/-
2022 2位 金村尚真(投)-/-
〔育成力〕
1275点(8位)
投手:675点(7位)/ 野手:600点(8位)
〔即戦力獲得力〕
1290点(7位)
投手:940点(5位)/ 野手:350点(7位)
〔育成力+即戦力獲得力〕
2565点(6位)
投手:1615点(5位)/ 野手:950点(9位)
一時は、安定して、リーグ上位の成績を残していた日本ハムも、ここ7年は、5位4回、最下位2回という成績。
その成績を裏付けるように、前回の統計では1位だった「育成力」のポイントは、8位に落ちた。
(なお、前回は、2008-2020年ドラフト対象ということで、大野・谷元・中島・西川・近藤・上沢といった選手がポイントの対象だった)
万波・清宮・野村の若い主軸3人には大きな可能性を感じるが、一方で、センターラインの不安定さが、長年の低迷の一因だと感じる。
今季の起用を見ると、来季以降も、センターラインの安定がなされるのは、まだかなり先になると思われるが、果たして、球団としてどういうビジョンを描いているかが気になる。
また、日本ハムというと、選手の放出の早さ。
2021年オフの、西川、大田、秋吉への「ノンテンダー」という決断は、その後の各選手の成績を見ると正しかったようにも見えるが、ここ数年の低迷は、リリースの早さに、育成ペースが追いついていないことも一因とも思える。
上記リストで「育成力」ポイントの対象にはなっているものの、今季は一軍の戦力になっていない(あるいは、なりきれていない)選手も多い。
加藤、上沢の去就のみならず、FA取得まではまだ年数がある伊藤大海の今後も気になってしまうぐらいの、球団の選手の保有・入れ替えの方向性は、そろそろ見直すべき時期に来ているようにも思える。
【楽天】
2013 1位 松井裕樹★(投)40/200
2013 2位 内田靖人(内)-/-〔引〕
2013 5位 西宮悠介(投)-/50〔引〕
2014 1位 安樂智大(投)110/-
2014 2位 小野 郁(投)-/- →【ロ】
2015 1位 オコエ瑠偉(外)-/- →【巨】
2015 2位 吉持亮汰(内)-/-〔引〕
2015 3位 茂木栄五郎(内)-/200
2015 5位 石橋良太(投)75/-〈外〉
2015 7位 村林一輝(内)45/-
2016 1位 藤平尚真(投)-/-
2016 2位 池田隆英(投)-/- →【日】
2016 3位 田中和基★(外)-/140
2016 5位 森原康平(投)40/50 →【D】
2016 9位 高梨雄平(投)-/150 →【巨】
2016 10位 西口直人(投)100/-
2017 1位 近藤弘樹(投)-/- →【ヤ】
2017 2位 岩見雅紀(外・内)-/-〔引〕
2017 3位 山﨑 剛(内)35/-
2018 1位 辰己涼介★(外)40/150
2018 2位 太田 光(捕)60/-
2018 7位 小郷裕哉(外)85/-
2018 8位 鈴木翔天(投)135/-
2019 1位 小深田大翔★(内)40/200
2019 2位 黒川史陽(内)-/-
2019 3位 津留﨑大成(投)-/50
2019 6位 瀧中瞭太(投)-/50
2020 1位 早川隆久(投)-/150
2020 2位 高田孝一(投)-/-
2020 6位 内 星龍(投)80/-
2021 1位 吉野創士(外)-/-
2021 2位 安田悠馬(捕)-/-
2022 1位 荘司康誠(投)-/50
2022 2位 小孫竜二(投)-/-
2022 3位 渡辺翔太(投)-/100
〔育成力〕
885点(12位)
投手:580点(9位) 野手:305点(12位)
〔即戦力獲得力〕
1540点(4位)
投手:850点(7位)・野手:690点(4位)
〔育成力+即戦力獲得力〕
2425点(9位)
投手:1430点(10位)/野手:995点(6位)
前回の「育成力」調査では、断トツの最下位。
今回も「育成力」のポイントは最下位となったが、投手で鈴木翔天・内、野手では小郷・村林と、人数は少ないながら、入団後数年を経て一軍の戦力となる選手が出始めてきた。
一方、「即戦力獲得」という部分では、毎年とまではいかないものの、茂木・高梨・辰己・小深田・早川・渡辺翔太と、コンスタントに、主力となる選手を獲得している。
近年は、かなり積極的に、他球団の主力選手を獲得した楽天だったが、結局、優勝にはつながらなかった。
FAなどで獲得したベテラン選手たちの力が下降曲線に入っていることを考えると、現在、少し光明が見え始めている「育成」の部分へのさらなる注力が必要だろう。
特に、ここ数年、獲得した外国人野手がほとんど活躍していないことを考えると、野手の育成は待ったなしといえる状況だと言える。
【巨人】
2013 1位 小林誠司★(捕)150/-
2013 2位 和田 恋(内・外)-/- →【楽】
2013 3位 田口麗斗(投)130/- →【ヤ】
2014 1位 岡本和真★(内)150/-
2014 2位 戸根千明(投)-/100 →【広】
2014 3位 高木勇人(投)-/200 →【西】〔引〕
2015 1位 桜井俊貴(投)30/-〔引〕
2015 2位 重信慎之介(外)-/-
2015 7位 中川皓太(投)170/-
2016 1位 吉川尚輝(内)-/100
2016 2位 畠 世周(投)60/-
2016 6位 大江竜聖(投)120/-
2016 育5 松原聖弥(外)220/-
2017 1位 鍬原拓也(投)30/-
2017 2位 岸田行倫(捕)-/-
2017 3位 大城卓三★(捕・内)※ 40/100
2017 5位 田中俊太(内)-/50 →【D】〈外〉
2017 6位 若林晃弘(内・外)-/50
2018 1位 髙橋優貴(投)55/-
2018 2位 増田 陸(内)-/-
2018 6位 戸郷翔征★(投)40/100
2019 1位 堀田賢慎(投)-/-
2019 2位 太田 龍(投)-/-〈外〉
2020 1位 平内龍太(投)-/100
2020 2位 山﨑伊織(投)30/50
2020 5位 秋広優人(外・内)75/-
2021 1位 大勢★(投)-/190
2021 2位 山田龍聖(投)-/-
2021 育6 菊地大稀(投)-/100
2022 1位 浅野翔吾(外)-/-
2022 2位 萩尾匡也(外)-/-
2022 4位 門脇 誠(内)-/50
2022 5位 船迫大雅(投)-/50
※大城の2年目の打席数基準は「野手(捕手以外)+捕手の打席数」÷2を適用
〔育成力〕
1300点(7位)
投手:665点(8位) 野手:635点(6位)
〔即戦力獲得力〕
1240点(8位)
投手:890点(6位)・野手:350点(7位)
〔育成力+即戦力獲得力〕
2540点(7位)
投手:1555点(6位)/野手:985点(8位)
「育成力」「即戦力獲得力」とも、12球団で見ると、中位からやや下と、ここ3年の成績(3位・3位・4位で、勝率も5割前後)を象徴するような結果に。
2022年は、プロ初勝利を挙げた投手の人数が話題になったが、それだけ、投手陣の層が薄くなっているという表れといえ、2023年もその状況は変わらなかった。
一定以上の成績を上げている若手投手はいるが、そのほとんどは、2年目以内に頭角を現している投手。
中川・大江のリリーフ左腕以降、「チームで育てた」とまで言える投手は見当たらず、「投手の育成力」強化がチームの大命題であることがわかる。
野手に関しては、岡本以来、チームでの育成を経ての主力選手がほとんど出てこなかったが(岡本以外だと、上記のリストでは「即戦力獲得力」の対象にしたが大城〔3年目にベストナインを獲得〕、松原ぐらい)、2023年の秋広、また、1年目ではあるが門脇の台頭は、チームの光と言える。
以前のように、FA宣言した選手、あるいは他球団で成績を残した外国人選手の代理人が、こぞって巨人入団を熱望する状況ではなくなった今、投手、野手ともに自チームの育成力を上げていかないと、優勝争いに加わることすら難しいと思われる。
【阪神】
2013 1位 岩貞祐太(投)110/-
2013 2位 横田慎太郎(外)-/-〔引〕
2013 3位 陽川尚将(内・外)35/- →【西】
2013 4位 梅野隆太郎★(捕)110/50
2013 6位 岩崎 優★(投)200/-
2014 1位 横山雄哉(投)-/-〔引〕
2014 2位 石崎 剛(投)-/- →【ロ】〔引〕
2014 4位 守屋功輝(投)70/-〔引〕
2015 1位 高山 俊★(外)-/240〈外〉
2015 2位 坂本誠志郎(捕)30/-
2015 4位 望月惇志(投)35/-〈外〉
2015 5位 青柳晃洋★(投)190/-
2016 1位 大山悠輔★(内・外)40/100
2016 2位 小野泰己(投)-/100 →【オ】
2016 3位 才木浩人(投)65/-
2016 4位 浜地真澄(投)70/-
2016 5位 糸原健斗(内)-/100
2017 1位 馬場皐輔(投)30/-
2017 2位 髙橋遥人(投)-/50
2017 4位 島田海吏(外)35/-
2018 1位 近本光司★(外)-/240
2018 2位 小幡竜平(内)-/-
2018 3位 木浪聖也(内)-/200
2018 6位 湯浅京己★(投)120/-
2019 1位 西 純矢(投)-/-
2019 2位 井上広大(外)-/-
2019 3位 及川雅貴(投)-/50
2020 1位 佐藤輝明(内・外)-/200
2020 2位 伊藤将司(投)-/200
2020 5位 村上頌樹★(投)115/-
2020 6位 中野拓夢★(内)-/240
2020 8位 石井大智(投)90/-
2021 1位 森木大智(投)-/-
2021 2位 鈴木勇斗(投)-/-
2021 3位 桐敷拓馬(投)-/50
2022 1位 森下翔太(外)-/100
2022 2位 門別啓人(投)-/-
〔育成力〕
1345点(6位)
投手:1095点(1位) 野手:250点(12位)
〔即戦力獲得力〕
1920点(2位)
投手:450点(12位)・野手:1470点(1位)
〔育成力+即戦力獲得力〕
3265点(2位)
投手:1545点(7位)/野手:1720点(1位)
2023年、18年ぶりのリーグ優勝を果たした阪神。
前回「育成力」を調べた際にも書いたが、2016年以降で見ると、2年目以内に主力となっていた野手の人数は12球団で最も多かった。
前回の記事を書いたのは、序盤の大失速が響いて、まだ断トツで最下位だった2022年5月だったが、その際、「今季、頭角を現してきつつある若手投手たちの台頭が、うまくかみ合っていけば、(今季序盤の戦いからするとファンは信じきれないところもあるかもしれないが)近い将来のリーグ優勝もあり得るのではないか」と書いた。
その1年後、実際にリーグ優勝を果たしたことを考えると、即戦力獲得力の高さが、優勝を大きく支えた要因だと言える。
ただし、「育成力」「即戦力獲得力」の内容を見ると、投手・野手の割合が真逆である。
「育成力」のポイントの大半は、投手によるもの(投手…12球団中1位、野手…12位)。
一方、「即戦力獲得力」の大半は、野手によるもの(投手…12位、野手…1位)。
結果、「育成力+即戦力獲得力」は、12球団2位となり、同ポイント1位のオリックスとともに、2023年は、圧倒的な強さを見せてのリーグ優勝を成し遂げた。
ロッテのところで同様のことを書いたが、投手で、プロ入り後の飛躍を実現したいならば、阪神がおすすめといったところか。
なお、まだ主力クラスには至っていないが、投手では西純矢・森木・門別、野手では前川など、将来が楽しみな選手も多い。
オリックスと同じく、その強さは、今季だけにとどまることなく、しばらく続きそうな感もある。
【広島】
2013 1位 大瀬良大地★(投)-/240
2013 2位 九里亜蓮★(投)160/-
2013 3位 田中広輔★(内)40/150
2014 1位 野間峻祥(外)110/-
2014 2位 薮田和樹★(投)100/-〈外〉
2014 3位 塹江敦哉(投)130/-
2015 1位 岡田明丈(投)-/100〈外〉
2015 2位 横山弘樹(投)-/-〔引〕
2015 5位 西川龍馬(外・内)150/-
2016 1位 矢崎拓也(投)110/-
2016 2位 高橋昂也(投)-/-
2016 3位 床田寛樹(投)130/-
2016 4位 坂倉将吾(捕・内)140/-
2016 5位 アドゥワ誠(投)-/100
2017 1位 中村奨成(捕・外)-/-
2017 2位 山口 翔(投)-/-〔引〕
2017 3位 ケムナ誠(投)65/-
2017 5位 遠藤淳志(投)115/-
2018 1位 小園海斗(内)110/-
2018 2位 島内颯太郎★(投)160/-
2018 3位 林 晃汰(内)65/-
2019 1位 森下暢仁★(投)-/240
2019 2位 宇草孔基(外)-/-
2019 6位 玉村昇悟(投)-/50
2020 1位 栗林良吏★(投)-/240
2020 2位 森浦大輔(投)-/200
2020 3位 大道温貴(投)35/-
2021 1位 黒原拓未(投)-/-
2021 2位 森 翔平(投)-/-
2021 5位 松本竜也(投)-/100
2022 1位 斉藤優汰(投)-/-
2022 2位 内田湘大(内)-/-
〔育成力〕
1620点(2位)
投手:1005点(2位) 野手:615点(7位)
〔即戦力獲得力〕
1420点(6位)
投手:1270点(1位)・野手:150点(10位)
〔育成力+即戦力獲得力〕
3040点(3位)
投手:2275点(1位)/野手:765点(11位)
2016~2018年の3連覇以降は、4年連続Bクラスと、下降傾向にあった広島。
ただ、坂倉・小園・床田らが主力選手になるなど、新たな萌芽も見られ、前回「育成力」の記事を書いた際は阪神と同じく、「地道に『育成』を続けているその姿勢は、今季も含め、再び優勝を勝ち取る十分な土台となると思う」と、ポジティブな展望を書いた。
結果、昨年は5位に終わったが、新井監督が就任した今年、貯金9での2位となり、5年ぶりのAクラス入りを果たした。
「育成力+即戦力獲得力」のポイントは、オリックス、阪神に次ぐ、3位。
その詳細を見ていくと、大瀬良・森下・栗林と、いわゆる「大当たり」と言える即戦力の投手の獲得が目立つ。
その他、「育成力」の点でも、投手の戦力化が目立ち、西川・小園・坂倉の存在がありながら、野手の「育成力+即戦力獲得力」ポイントは12球団11位。
現在の主力野手が30歳以上が多いことを考えると、もう少し、野手の戦力化ベースを上げていきたいところか。
30オーバーの野手陣の顔ぶれを見ると、まだまだ活躍しそうな感もあるが、故障欠場が目立ち始めている選手もおり、このあたり、今後、新井監督の選手起用の腕が試されるところとも言えそう。
【DeNA】
2013 1位 柿田裕太(投)-/-〔引〕
2013 2位 平田真吾(投)90/-〈外〉
2013 3位 嶺井博希(捕)65/- →【ソ】
2013 4位 三上朋也(投)-/100 →【巨】〈外〉
2013 5位 関根大気(外)75/-
2013 育1 砂田毅樹(投)220/- →【中】
2014 1位 山崎康晃★(投)-/240
2014 2位 石田健大(投)-/100
2014 3位 倉本寿彦(内)-/150〔引〕
2015 1位 今永昇太★(投)40/200
2015 2位 熊原健人(投)-/- →【楽】〔引〕
2015 3位 柴田竜拓(内)65/-
2015 4位 戸柱恭孝(捕)-/200
2016 1位 濵口遥大(投)-/100
2016 2位 水野滉也(投)-/-〔引〕
2016 9位 佐野恵太★(外・内)230/-
2017 1位 東 克樹★(投)-/140
2017 2位 神里和毅(外)-/150
2017 8位 楠本泰史(外)45/-
2018 1位 上茶谷大河(投)-/100
2018 2位 伊藤裕季也(内)-/- →【楽】
2018 3位 大貫晋一(投)-/100
2019 1位 森 敬斗(内)-/-
2019 2位 坂本裕哉(投)-/-
2019 3位 伊勢大夢(投)65/50
2020 1位 入江大生(投)-/100
2020 2位 牧 秀悟★(内)-/240
2021 1位 小園健太(投)-/-
2021 2位 徳山壮磨(投)-/-
2022 1位 松尾汐恩(捕)-/-
2022 2位 吉野光樹(投)-/-
〔育成力〕
895点(11位)
投手:415点(11位) 野手:480点(10位)
〔即戦力獲得力〕
1970点(1位)
投手:1230点(2位)・野手:740点(3位)
〔育成力+即戦力獲得力〕
2865点(4位)
投手:1645点(4位)/野手:1220点(3位)
「即戦力獲得力」は、堂々の12球団トップ。一方、「育成力」は12球団中11位と、真逆の結果となった。
まず、「即戦力獲得」の部分を見ていくと、2014~2017年ドラフト組の、即戦力化の確率の高さが際立つ。
その後、少しペースダウンした感もあったが、2020年ドラフトでは、2位の牧が、いまやリーグを代表する選手になるまでの選手に。
ただし、2019年以降は、入江をのぞいて、期待していた大学・社会人出身の投手がほとんど戦力になっておらず、この先のチームの投手力に不安を覚えるところ。
一方、「育成」の視点から見ていくと、この10年で「育成」して主力化したと言えるのは、野手では佐野、投手では砂田ぐらい(今季、関根が10年目でのブレイクを果たしたが)で、本当に育っていない。
2023シーズンでは、石川・宮城が可能性を感じる投球を見せたが、他球団と比べると、二軍からの新戦力輩出ペースは、まだまだ遅い。
そうしたなか、森・小園・松尾のドラフト1位組を、一軍の主力にできるかが、今後のDeNAの「育成力」を測る試金石といえるだろう。
阪神、広島の後塵を拝した2023年は、試合終盤での「あと一人」の戦力の不足を感じる試合が多かった。
今後、1998年以来の優勝を成し遂げたとして、果たしてその時はどんなラインアップになっているだろうか。
【ヤクルト】
2013 1位 杉浦稔大(投)-/- →【日】
2013 2位 西浦直亨(内)120/- →【D】
2013 3位 秋吉 亮(投)-/200 →【日→ソ】〔引〕
2013 6位 藤井亮太(内・外・捕)40/-〔引〕
2014 1位 竹下真吾(投)-/-〔引〕
2014 2位 風張 蓮(投)60/- →【D】〔引〕
2015 1位 原 樹理(投)-/100
2015 2位 廣岡大志(内・外)-/- →【巨→オ】
2015 3位 高橋奎二(投)65/-
2015 5位 山崎晃大朗(外)150/-
2016 1位 寺島成輝(投)-/-〔引〕
2016 2位 星 知弥(投)-/100
2016 3位 梅野雄吾(投)130/-
2016 4位 中尾 輝(投)-/100〔引〕
2017 1位 村上宗隆★(内)0/140
2017 2位 大下佑馬(投)-/-〈外〉
2017 4位 塩見泰隆★(外)180/-
2018 1位 清水 昇★(投)-/140
2018 2位 中山翔太(外)-/-〔引〕
2018 4位 濱田太貴(外)35/-
2018 5位 坂本光士郎(投)40/- →【ロ】
2019 1位 奥川恭伸(投)-/50
2019 2位 吉田大喜(投)-/-
2019 4位 大西広樹(投)70/-
2019 5位 長岡秀樹(内)150/-
2020 1位 木澤尚文(投)-/100
2020 2位 山野太一(投)-/-
2020 3位 内山壮真(捕・外)35/-
2021 1位 山下 輝(投)-/-
2021 2位 丸山和郁(外)-/-
2022 1位 吉村貢司郎(投)-/-
2022 2位 西村瑠伊斗(外)-/-
〔育成力〕
1075点(10位)
投手:365点(12位) 野手:710点(4位)
〔即戦力獲得力〕
930点(10位)
投手:790点(8位)・野手:140点(11位)
〔育成力+即戦力獲得力〕
2005点(12位)
投手:1155点(12位)/野手:850点(10位)
前回の統計では、「育成力」ポイントが、12球団中11位だったヤクルト。
今回は、対象期間を短くし、また、準主力クラスについてもポイント化したが、「育成力」は、12球団中10位と、大幅な伸長は見られなかった。
また、「即戦力獲得力」も、12球団中10位で、「育成力+即戦力獲得力」ポイントは、12球団中最下位。
今季、下位に低迷したことで、首脳陣への不満を抱えているヤクルトファンは多いもしれないが、このポイントの低さを見ると、一昨年、昨年の連覇は、いかに高津監督の選手のやりくりが巧かったかの表れとも言える。
投手、野手ともにポイントが低いので、いずれも強化が必要ではあるが、より深刻なのは、投手の方か。
特に、先発ローテを複数年担える投手が全く育っていない。そして、全く獲得できていない。
これが、チームの「育成力」の問題なのか、それとも「戦力獲得眼」の問題なのかを精査することも必要だろう。
ここ10年で、リーグ優勝3回、最下位4回(今季は5位だったが、最終戦で最下位を免れるというシーズンだった)と非常に浮き沈みの激しいヤクルト。
明らかに、その大きな原因である「育成力」「即戦力獲得力」の改善がなされない限り、今後も苦しいシーズンが続くと思われる。
【中日】
2013 1位 鈴木翔太(投)-/- →【神】〔引〕
2013 2位 又吉克樹(投)-/200 →【ソ】
2013 5位 祖父江大輔★(投)40/100
2014 1位 野村亮介(投)-/-〔引〕
2014 2位 浜田智博(投)-/-〔引〕
2014 5位 加藤匠馬(捕)40/- →【ロ→中】
2015 1位 小笠原慎之介(投)-/100
2015 2位 佐藤 優(投)30/-〔引〕
2015 3位 木下拓哉(捕)130/-
2015 4位 福 敬登★(投)180/-
2015 5位 阿部寿樹(内)150/- →【楽】
2016 1位 柳 裕也★(投)150/-
2016 2位 京田陽太★(内)-/240 →【D】
2016 4位 笠原祥太郎(投)-/50 →【D】〈外〉
2016 5位 藤嶋健人(投)150/-
2017 1位 鈴木博志(投)-/150
2017 2位 石川 翔(投)-/-
2017 4位 清水達也(投)140/-
2018 1位 根尾 昂(投・野)-/-
2018 2位 梅津晃大(投)-/-
2018 3位 勝野昌慶(投)65/-
2019 1位 石川昂弥(内)55/-
2019 2位 橋本侑樹(投)-/-
2019 5位 岡林勇希★(外)190/-
2020 1位 髙橋宏斗(投)-/100
2020 2位 森 博人(投)-/-
2020 3位 龍空(内)35/-
2021 1位 ブライト健太(外)-/-
2021 2位 鵜飼航丞(外)-/-
2022 1位 仲地礼亜(投)-/-
2022 2位 村松開人(内)-/50
2022 7位 福永裕基(内)-/50
2022 育1 松山晋也(投)-/50
〔育成力〕
1355点(5位)
投手:755点(6位) 野手:600点(8位)
〔即戦力獲得力〕
1090点(9位)
投手:700点(9位)・野手:390点(6位)
〔育成力+即戦力獲得力〕
2445点(8位)
投手:1455点(9位)/野手:990点(7位)
2000年代の強さはどこへやら。ここ10年のプロ野球で、最も低迷している球団といっていい、中日。
ただ、「育成力」「即戦力獲得力」ともに、そこまで悪い数字ではない。となると、低迷の要因は、単なる戦力不足とも言えないか。
中日というチームを考えたときに、一つの大きなポイントが、バンテリンドーム(ナゴヤドーム)の広さ。
広いということで、より長打力のある選手を求める思いが湧いてくる一方で、その選手の守備が悪かったときのマイナスの影響も頭をよぎる。
そうした要因を考えると、中日に求められるのは、主軸を打てる中距離打者(ある程度のスピードを持っていれば、なお良し)ではないかという結論に行きつく。
かつて主軸を張った、福留、平田、森野。こうした選手を獲得できていない、あるいは育てられていないことが、現在の中日の低迷の一因ではないかと考えられる。
現在のメンバーを見ると、高橋周平が、その座に座り続けなければいけないところだったが、30歳を前にして、出場数を徐々に減らしている状況。
どちらかというと、いわゆる「小兵タイプ」の獲得・台頭が目立つ中日だが、「スピードのある中距離打者」の獲得・育成を意識することが、現況の打破につながるようにも思える。
----------------------
以上、チーム別の内訳を見てきましたが、改めて各球団のポイントを並べてみると、下記のようになります(区切り線は、上位・中位・下位のイメージでつけてみたものです)。
【育成力】
1位 1670点 ロッテ
2位 1620点 広島
3位 1545点 オリックス
4位 1490点 ソフトバンク
--------
5位 1355点 中日
6位 1345点 阪神
7位 1300点 巨人
8位 1275点 日本ハム
9位 1260点 西武
--------
10位 1075点 ヤクルト
11位 895点 DeNA
12位 885点 楽天
【即戦力獲得力】
1位 1970点 DeNA
2位 1920点 阪神
3位 1790点 オリックス
--------
4位 1540点 楽天
5位 1530点 西武
6位 1420点 広島
--------
7位 1290点 日本ハム
8位 1240点 巨人
9位 1090点 中日
--------
10位 930点 ヤクルト
11位 740点 ロッテ
12位 690点 ソフトバンク
【育成力+即戦力獲得力】
1位 3335点 オリックス
2位 3265点 阪神
--------
3位 3040点 広島
4位 2865点 DeNA
5位 2790点 西武
--------
6位 2565点 日本ハム
7位 2540点 巨人
8位 2445点 中日
9位 2425点 楽天
10位 2410点 ロッテ
--------
11位 2180点 ソフトバンク
12位 2005点 ヤクルト
「育成力」はロッテ・広島・オリックスが上位に、「即戦力獲得力」はDeNA・阪神・オリックスが上位に、そして、「育成力」と「即戦力獲得力」の合計は、今季、2位を大きく引き離しての優勝を果たした、オリックスと阪神が、1位・2位となりました。
今回のリストでは、主力化・準主力化した選手と、ドラフト1位・2位指名の選手のみを掲載しましたが、実際、過去のドラフト指名選手の成績を辿っていくと、大半の選手がプロで実績を残せずやめていくという現実を、否応なく思い知らされます。
一方、今回、「育成力」「即戦力獲得力」で上位となった各チームも、これまで、数多の失敗を経ての「現在」とも言えるでしょう。
プロ野球、ひいてはアマチュア野球も含めた、野球に関わるさまざまな人が、さまざまな経験をしながら、現在のプロ野球が作られている。
そんなことを思いながら、今回の記事を終わりにしたいと思います。
]]>
更新。
http://agemomi.exblog.jp/33123312/
2023-10-13T21:24:00+09:00
2023-10-13T21:24:08+09:00
2023-10-13T21:24:08+09:00
momiageyokohama
野球(全般)
なお、前回の投稿で、「以前に書いた各球団の『育成力』記事の改訂版」を、クライマックスの始まる前あたりにアップ予定と書いたのですが、ちょっと難しくなってしまいました。
ドラフト会議の前までにはなんとか(^^)、と思っています。
なお、今回は「育成力」に加え「即戦力獲得力」も載せる予定で、データの部分はあらかた調べたのですが、やはり、今季リーグ優勝したオリックスと阪神の数字は高いです。
その他、チームによっては、「育成力」「即戦力獲得力」がかなり偏っている球団もあり、面白いところ。
そうしたなか、横浜DeNAは……。
何とか、10月26日前までには、更新したいと思います。
]]>
「横浜優勝」を逃して。
http://agemomi.exblog.jp/33107307/
2023-09-30T02:48:00+09:00
2023-09-30T18:51:07+09:00
2023-09-30T02:48:58+09:00
momiageyokohama
横浜ベイスターズ
2つ前の投稿で、「9月中に、以前に書いた各球団の『育成力』の記事の改訂版をアップする」と書いたのですが、2023年のペナントの成績を反映させたいと思ったので、これについては、ペナント終了後(クライマックスの始まる前あたり)に、アップをしようと思います。
------
ということで、今回は表題の件について。
2023年のペナントも、9月半ばに、両リーグとも優勝が決まり、残りも、あとわずか。
そうしたなか、横浜DeNAは、140試合目で、クライマックスシリーズ出場を決めた。
その約2週間前の、9月14日。
阪神が、2023年のセ・リーグ優勝を決めた。
横浜DeNAとのゲーム差は、16ゲームだった。
6月下旬、交流戦明けの阪神との直接対決で3連勝し、5月中旬以来の首位に立った。
しかし、その後の連敗ですぐに逆転され、阪神に追いすがったと言えるのは、7月上旬ぐらいまで。
優勝に必要な「8月以降の加速」も全くできず、優勝はおろか、今年も、本当の意味での「優勝争い」をすることなく、シーズンが終わろうとしている。
開幕前に、「「横浜頂戦」のポイント。」として、いくつかの注目点を挙げたが、正直、個人的には、不安の方が大きかった。
大貫・今永が開幕不在という状況で迎える先発陣。さらには、オープン戦で全く打てなかった打線。
実際、シーズンに入ると、開幕から4連敗。
しかし、平良・東の復活もあり、4月は「驚異的」と言っていいペースで白星を重ねる。
その後、5月中旬に一度失速するが、バウアーが本来の実力を見せ始めたこともあり、前述のように、一度は阪神を再逆転する。
だが、7月以降、「優勝を勝ち取る」には程遠い勝敗ペースで、阪神に瞬く間に引き離された。
今季の貯金は、阪神に3タテした6月25日の12が最大である(9月29日現在、貯金7で、残り3試合すべて勝っても、貯金は10どまり)。
正直、東・バウアー・今永という、リーグでも屈指の先発3投手を擁し、かつ、リリーフ陣にも、150km、あるいはそれに近い球速を投げる投手を数多くそろえ、打線も、打点王と首位打者を獲得する打者がいる状態で、「優勝争い」すらできなかったという現実は重い。
しかも、来季は今永、そして、バウアーが抜ける可能性が大きいことを考えると(さらに言えば、スタメンを外れることも多い宮﨑の体調が、来季以降どこまで持つかという懸念も)、余計に「今年、優勝できなかった」ことの重みを感じる。
8月以降は、ゲーム差を考えれば、優勝という目標がかなり難しいという状況が続いており、心の準備はできてはいたが、実際、阪神の優勝が決まった時は、虚無感を感じた。
その阪神自体も18年ぶりの優勝だったのだが、その間、決して低迷期だったわけではなく、2位・8回、3位4回を記録して、それでもなお、17シーズン優勝まで届かなかったことには、「優勝」までの道のりの遠さを感じざるを得ない。
そんな2023シーズン、横浜が優勝を逃したと、個人的に思う要因について、今回は、4つのポイントを記していきたい。
1. 先発4番手以降の不安定さ
さきに、リーグ屈指の先発3人(東・バウアー・今永)と書いたが、それに続く4番手以降の先発投手が弱かった。
実績的にも、年齢的にも、この3人に続いてほしいのが、石田と大貫だったが、石田は23試合で4勝9敗・防御率3.97・QS率26.1%、大貫はわずか12試合の登板(4勝4敗、昨年は24試合に登板)と、先発としての合格点には遠く及ばなかった。
なお、このブログで、たびたび出している、
●優勝に必要な先発投手勝利数の目安 … 54勝
●内訳は、先発1・2番手で24勝、先発3~5(6)番手で24勝、その他の投手で6勝
という数字(算出の根拠はこちらの記事を参照)。
今季のDeNA先発陣に当てはめてみると、下記のようになる。
●先発1・2番手 … 26勝(東16・バウアー10)
●先発3~6番手 … 18勝(今永7・石田4・大貫4・濵口3)
●その他の投手 … 7勝(平良4・ガゼルマン3)
●合計 51勝
目安の54勝にあと3勝まで迫りはしたが(140試合消化時点)、3~6番手の勝利数の不足が、阪神との差にもつながっている。
なお、阪神の先発陣は、下記の数字である。
●先発1・2番手 … 22勝(村上10・大竹12)
●先発3~5番手 … 26勝(伊藤10・才木8・西勇8)
●その他の投手 … 15勝(青柳8・西純5・ビーズリー1・桐敷1)
●合計 63勝
勝利数の関係上、先発1・2番手を村上・大竹としたが、投球回で考えると、伊藤が1番手とも言える陣容。
いずれにしても、先発5番手までの層を考えると、DeNAと、かなりの差がある。
青柳の「8勝」は防御率からすると、多い印象も受けるが、苦しいシーズンとなったなかでも、8月から9月にかけて、3失点以内の投球を続け、5勝したところに、優勝した要因の一端が見て取れる。
2. 「勝ちパターン継投」再構築の失敗
今季の序盤は、クローザー…山﨑、セットアッパー…伊勢、その前を、三嶋・入江・ウェンデルケン・森原といった投手で繋ぐという形だった。
しかし、セーブは挙げるものの、開幕から、山﨑の調子が上がらず。
さらに、序盤はよかったものの、交流戦あたりから、伊勢も、失点を重ねる試合が続く。
エスコバー(5月初めに抹消)、三嶋(序盤は好調も、6月に入り失点が続き抹消)といった実績のある投手が不調だったこともあり、シーズン序盤の陣容からは、再考が求められる状況となった。
だが、不調となった、山﨑、伊勢のその後の起用が、適切だったとは言い難い。
山﨑は、7月に配置転換されるまで、6敗を喫した。
さらに、伊勢に関しては、すでに5月頃から黄色信号が出てきた(6月に書いた記事でも、そのことに触れたが)にもかかわらず、夏場までセットアッパーを任せ、こちらも5敗(セットアッパーを任せられた時期までの数字)を喫し、防御率も3点台中盤まで落ちた。
現在は、ともすると、右のワンポイントのような起用をされているのを見ると、昨年の71試合登板という数字も含め、もう少し、その体調を考慮した起用はできなかったのだろうかと思う。
7月下旬以降、8・9回に関しては、ウェンデルケン-森原という継投パターンが確立したが、優勝するには、勝ちパターン継投で安定して投げられる投手が「6人」は必要な時代、この2人以外の陣容に不安を抱える状態で、阪神に追いすがることは難しかった。
なお、DeNAと阪神、それぞれのチームで、「ホールドポイント+セーブ数」が多かった6投手の成績を比べると、下記のとおりである(9月29日現在)。
【DeNA】
●山﨑(49試合 防4.37/11HP・20S/7敗)
●伊勢(57試合 防3.24/36HP・2S/6敗)
●ウェンデルケン(60試合 防1.69/35HP・2S/2敗)
●森原(46試合 防2.32/12HP・17S/1敗)
●エスコバー(40試合 防4.55/13HP/1敗)
●三嶋(27試合 防4.84/9HP/1敗)
【阪神】
●岩崎(58試合 防1.33/15HP・34S/2敗)
●岩貞(50試合 防2.70/25HP/0敗)
●石井(43試合 防1.15/20HP/1敗)
●加治屋(50試合 防2.39/17HP・1S/4敗)
●島本(33試合 防1.78/17HP/2敗)
●桐敷(24試合 防0.98 14HP/0敗)※
※救援のみの数字(先発2試合をのぞく)
阪神の方が圧倒的に防御率がいいのが一目でわかるが、敗戦数も、阪神の9に対し、DeNAは18ある。
なお、島本・桐敷は、8月から勝利の継投パターンの一角に入った。
序盤の湯浅の不調に加え、ケラーの離脱、浜地の不調といった状況を、新旧の左投手の起用で乗り切った阪神と、山﨑・伊勢に代わる勝ちパターン投手を作る(具体的には、石川・入江の抜擢が必要だったか)などの再構築をすることができなかったDeNAとの差が、両チームのゲーム差となったといってもいいかもしれない。
(なお、NPB全体を見ると、「8人前後の勝ちパターンで投げられる投手を、試合やチーム状況によって使い分ける」という、さらに一段上の取り組みをしているオリックスというチームもあるが)
3. 見つからなかった「1・2番」の正解
序盤戦は、「1番・佐野」「5番・桑原」「6番・関根」の打順がはまった形のDeNA打線。
ただ、佐野が本来の実力からすると打率が上がってこない状況、さらに、桑原、関根に、もう1ランク上の活躍をしてほしい、という思いもあってか、6月上旬から、佐野が3番に、代わりに、5月中旬からは2番を打っていた関根が、1番に入ることとなった。
しかしその後、1番・2番の正解が出ることはなかった。
組み合わせ的には、「関根・桑原」の1番・2番が最も多かったが、両選手とも中軸以降を打っていたときと比べると、打率・出塁率ともに、大きく数字を落とした。
ここでも、あえて、阪神の選手と比べるが、下記のような数字となる(9月29日現在)。
●関根(1番/30試合)… 打率.211/出塁率.279
●関根(2番/50試合)… 打率.251/出塁率.280
●桑原(1番/16試合)… 打率.224/出塁率.278
●桑原(2番/34試合)… 打率.237/出塁率.311
●近本(全成績)…打率.285/出塁率.378
●中野(全成績)…打率.288/出塁率.351
(参考)
〇関根(6番/34試合)… 打率.342/出塁率.402
〇桑原(5番/31試合)… 打率.299/出塁率.342
数字が全てを物語っているように思うので、多くは語らない。
なお、最近は、DeNAだけでなく、試合によって1・2番を変えることは、球界の潮流になっている感もあるが、そうした起用は、そのことによって数字が上がってこと意味がある。
関根・桑原以外の選手も含めた1・2番の数字も、下記の通り、上位打線の数字としては、非常に低い。
●1番 … 打率.222/出塁率.289
●2番 … 打率.215/出塁率.268
(参照:佐野(1番)… 打率.245/出塁率.319)
ここ数試合は「一番・大田」という起用も多かったが、1年かけても、「1番・2番」の正解を見つけられなかった、2023年のペナントだった。
4. 選手交代の早さが生んだ「あと1枚」の不足
今シーズンの三浦監督の選手起用は、試合終盤での野手交代が目立った。
同点時でも、主力選手に代え、守備固めや代走を起用するケースが多くあった。
ただ、こうした早めの選手交代は、試合終盤の投手が盤石ではない状況、また、チャンスで得点が取れなかったとき等のことを考えると、諸刃の剣でもある。
実際、選手を代えたがゆえに、その後のチャンスで、打つ確率がかなり低い打者に委ねざるを得ないというシーンが何度となくあった。
宮﨑の交代に関しては、その起用状況を見る限り、かなり無理してプレーをしている可能性もあり、外から見ているだけでは何とも言えないところはあるが、他の野手の交代に関しても、結果、早さが「拙速」となった試合が多くあった。
試合終盤での早めの交代自体は、それこそ前任のラミレス監督も、一部の選手に行っていたし、それこそ、原監督の専売特許という印象もある。
ただ、それは、ある程度、控え陣に力のある選手がいてこそ、意味のある交代であったりもする。
その後のチャンスで、打率1割台の選手に託さなけばいけない状況や、「代打→守備固め」のような、1度の交代で2選手を使うような起用の頻発は、選手起用のどこかに問題があったのではと、振り返る必要があるだろう。
なお、賛否のあった、8月の阪神戦での、得点機での佐野への、代打・楠本の起用。
個人的には、「選手起用の一策」という視点だけで見ると、その後の好機に「代打・楠本」というカードが使えないという意味で、悪手だと思った(実際、その後の好機で、蝦名のところで代打を出せなかった)。
ただ、強引な打撃が目立ち、なかなか結果を出せていなかった佐野に対し、「お前は、こんな選手じゃないだろう」というメッセージを込めての交代であれば、意味はあるように思った。
いずれにしても、「もう一つ待った方がいいのでは」と思うことの多かった、今季の三浦監督の選手起用。
「守備・走塁ともに、控え陣にスペシャリスト的な存在がいない」という、チーム自体の問題もあるが(厳しい言い方をすると、現時点では、まだ若手野手に経験を積ませているだけの交代のようにも見える)、この部分について、どのような振り返りをしているかは、来季以降、指揮を執る執らないを問わず、指導者としての力量を高められるかの分岐点になるように思う。
今日は、クライマックスシリーズ進出が決まったという、ある意味喜ばしい日だったのかもしれないが、「そこが目標ではなかったはず」という意味も込めて、あえて「優勝できなかった」原因について書いた。
読み終えて、もやもやが残った人もいるかもしれないが、それが「優勝を逃した」ということなのだと思う。
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井上尚弥が見せた「本当の強さ」と、その今後と、ボクシング界の今後
http://agemomi.exblog.jp/33094201/
2023-09-13T00:14:00+09:00
2023-09-13T00:25:18+09:00
2023-09-13T00:14:12+09:00
momiageyokohama
ボクシング
正直、ブログに書くトピックとしては、あまりに遅いが(^^)、その振り返りを書いておきたい。
スーパーバンタム級(55.54kg)転級初戦にして、無敗、しかも、ブランドン・フィゲロア、ダニエル・ローマンといった実績のあるボクサーに勝ってきた、スティーブン・フルトン(WBC・WBO同級チャンピオン)と激突。
長年、その強さに見合うだけの相手を渇望してきた井上にとって、プロキャリア25戦のなかでも、最も「敗北」という可能性もあり得る相手。
もちろん、フルトンのKO率を見るとKO負けのようなことはほぼ考えにくいが、井上のパンチがすかされ、そのまま最後までズルズルと行くこともあるのでは。
階級アップにより、井上のパンチのアドバンテージも、これまでほどは無いかもしれない……。
そんな試合前に思っていた不安要素を、ただの一度も感じることなく、井上が完勝した。
試合内容については、すでに色々なところで語られているので、細かくは触れない。
ただ、自分が一番驚愕したのは、試合後の井上の「(中盤、あえて)ペースを落とした」というコメント。
試合を見ていて、5Rぐらいから「フルトンが本来の力を発揮し始めてきた」と感じていた人は、専門家や記者も含めて多かったと思う。
自分も、その技術力も含め「さすが、フルトン」と感じていた。
しかし実は、それは、釈迦ならぬ井上の手の平で踊らされているに過ぎなかった。
序盤は、ペース、ポイントを譲らず。その後、中盤は、フルトンに出てこさせる状況を作るために、ペースを落とし、フルトンが出てきたところを叩く。
もちろん、圧倒的な力の差があれば、こうしたことも可能かもしれない。
ただ、相手は実力者のフルトン。ボクシングにおいて、相手にペースに与えることは致命傷にもなりかねない。
しかし現実には、キャリア史上最難敵と思われたフルトンとの「圧倒的な力の差」を証明してみせた。
そして、その「強さ」が、ただのポテンシャルだけではなく日頃の「鍛錬」と、標的とする試合に向けてのチームのメンバー含めての「戦略」、『自信』はあっても『過信』はない「精神面」に支えられたものであることを今回も見せてくれた、井上尚弥。
「本当の『強さ』に『虚勢』はいらない」ことを体現してくれる姿は、本当に「格好よく」見える。
なお、試合後のリングには、WBA・IBF級チャンピオンであるタパレスが上がり、今年末での統一戦実現の機運を高めた。
さらに、大橋会長は、今後の対戦候補として、カシメロ、ネリの名も口にした(その後、井上尚弥自身も、今後の対戦相手として、これらの選手の名前を挙げた)。
ただし、タパレス(フィリピン)、カシメロ(フィリピン)、ネリ(米国)は3名とも、過去に、試合での体重超過の前歴があることは気に留めておく必要があるだろう。
さらに、カシメロ、ネリは、ドーピングの可能性も疑われる。
その意味では、これらの選手との対戦には、体重超過やドーピングについて、かなり綿密な契約を結んでおくことが必要となるのではないか。
そうした要素を考えると、タパレスはともかく、カシメロとネリとの契約は、そうそう簡単にまとまらないかもしれない。
ネリに関しては、6年前に、山中戦での体重超過により、JBCが日本での活動について永久停止とした経緯もある。
大橋会長のコメントを聞く限り、ネリ戦についても日本で考えているように見えるが、果たして、再びアメリカのリングに立つことも考えているのだろうか。
正直、度重なる体重超過、さらには、ドーピングの疑惑も晴れていないことを考えると、ネリとの対戦の是非は「是」と言い難いところがある。
ただし、ネリ戦でないにしても、このままキャリアの最後まで、井上尚弥が日本国内で戦い続けるのは、世界のボクシングファンへのアピールという意味ではあまりに勿体ないとも思う。
なお、他の同級の強豪としては、アフマダリエフ(ウズベキスタン)、アリーム(米国)がいるが、両選手とも、判定とはいえ、前戦で初黒星を喫したことで格が落ちた印象は否めない。
なお、両選手が敗戦を喫した、アフマダリエフ vs タパレス(WBA・IBF世界タイトルマッチ)、アリーム vs グッドマン(オーストラリア)(IBF世界タイトル挑戦者決定戦)の試合は、アリーム対グッドマンの方がレベルが高く見えた。
その意味では、グッドマンとオーストラリアで戦い、その強さをオーストラリアのファンにも体感してもらうという選択もあるのでは、とも思った。
ただし、実現したとしても、同じオーストラリアのジェイソン・モロニー戦(モロニーが粘るも、井上が7R KO勝利)のようになる可能性が高いとは思うが。
現時点では、井上自身、「まだ数年は、スーパーバンタム級で」という姿勢を崩していないが、フルトンを早々に撃破。交渉の状況により、今後、魅力的な相手との対戦がなかなか決まらない場合は、現時点での予想より早く、1階級上のフェザー級(57.15kg)への転級が早まる可能性もあるだろう。
ただし、現在のフェザー級を見ると、強豪ではあるものの、いま一つインパクトに欠けるレイ・バルガス(メキシコ)、フルトンに敗戦を喫しているフィゲロア(米国)、世界チャンピオンとしてはまだキャリアが浅いルイス・アルベルト・ロペス(メキシコ)やリー・ウッド(英国)という顔ぶれは、必ずしも心躍るものとは言えない。
そうしたなか、今後の展開によっては、井上vsフルトンのセミの試合で清水聡に力の差を見せつけた、ロペイシ・ラミレス(キューバ)との対戦は、ある程度ファンの期待を満たせるものになり、かつ、対戦の可能性も高いカードかもしれない。
いずれにしても、これだけ圧倒的な強さを見せつけられると、実現の可能性はほぼゼロに近いが、現在はライト級(61.24kg)まで階級を上げたジャーボンテイ・デイビス(米国)の名が取り沙汰されてしまうのもやむ無し、といったところか。
それこそ、現実的な対戦での敗戦の可能性となると、数年後、井上の力がもし落ちた時に、階級を上げてきた中谷潤人に敗れる、といったことぐらいしか想像できない。
さて、最後に、井上から少し離れて、今後のボクシング界のことについても触れたい。
今回の井上尚弥の試合は、映像配信サービス lemino で放映された。
自分の場合、ハナからリアルタイムで見ることはできなかったので、前の試合も含め追いかけ再生で見たのだが、途中、インターバルの部分を早送りしようとすると、かなり反応が遅いのには閉口した。
そして、井上vsフルトン戦直前のフルトンを取材したVTRの部分でストップ。その後、何度も試みても、同じところで停止。
結局、一度終了して再び開いたところ、見ることができたため、「結果を知った後で視聴」という最悪の状況は回避することができたが、画質も含め、大きな不満を感じた。
なお、来週9/18に行われる、寺地拳四朗、中谷潤人の世界戦、また、那須川天心の第2戦は、prime videoのボクシング中継第5弾として配信される。
先日の井岡一翔の世界戦も、ABEMA、さらにはPPVでの配信となり、もはや、地上波どころか、テレビ媒体での有力選手の世界戦自体が皆無になりつつある。
一番大事なポイントは、そうした流れが、ボクシングファンの拡大につながっているか、ということ。
配信サービス会社の参入で、ボクサーのファイトマネー含め、ビジネス的には大きな額の話も聞こえてくるが、日本国内での試合も含め、ボクシングの試合放映がほぼ配信サービスに移行している状況が、果たしてボクシングファンの増加につながっているか。そこを、ボクシング界自身がしっかりと分析していかないと、せっかくの井上尚弥人気も、ボクシング人気の向上にはまったく繋がっていないということにもなり得る。
この件に関しては、まだまだ書きたいことがあるが、長くなってしまうので、次の機会にしたい。
ただ、現時点でどうしても書いておきたいことは、下記の3つ。
●ボクシングを見る環境が細分化されている(WOWOWも含め)現在の状況は、新規のファンにとっては、相当敷居が高いのではないか。
●現在のボクシングは、情報強者と情報弱者の差がありすぎる。ボクシングを見る眼云々というより、情報強者であるかどうかで、そのスポーツについてモノが言えるかどうかが決まってしまうようなスポーツは、多くの人には広がってはいかない。
●ボクシング人気の拡大について議論されるときに、「マニア」か「一般層」という二分化がされがちだが、大事なのは、その間の「スポーツ好き層」に、いかにボクシングに興味を持ってもらえるか。
井上尚弥自身、常々、ボクシングというスポーツが単なる殴り合いではないこと、そしてボクシングの魅力を知ってほしい、といったコメントをしている。
「ボクシングの面白さを、どうやって、ファン以外の人たちに伝えていくか」
井上尚弥が誰もが知る存在になったなか、ファンも含めて、ボクシングに関わる人たちが、今、本当に考えなければいけないことである。
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更新(^^)
http://agemomi.exblog.jp/33089882/
2023-09-07T12:48:00+09:00
2023-09-07T12:48:15+09:00
2023-09-07T12:48:15+09:00
momiageyokohama
未分類
●井上尚弥のフルトン戦について(こちらも、もう試合から1ヶ月以上経っていますが)
●昨年書いた12球団の「育成力」の記事の大幅改訂版
をアップ予定です。
横浜DeNAの現状については、思うところは色々とありますが、然るべきタイミングで書こうとは思っています。
一つ言うならば、前々から優勝の目標値として挙げている、先発投手で「54勝」という数字には、今年も届かなかったなあという思い。
(残り試合21試合で、44勝。なお、阪神は現時点で54勝到達、広島はDeNAと同じ44勝)
改めて、「リーグ優勝」は、さまざまな部分で、隙のない野球をして、ようやくつかみ取れるものだということを思い知らされるシーズンになっています。
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「関根大気の2023年」の行き先
http://agemomi.exblog.jp/33049278/
2023-07-22T03:02:00+09:00
2023-07-30T15:07:10+09:00
2023-07-22T03:02:18+09:00
momiageyokohama
横浜ベイスターズ
大洋時代から数えると30数年、横浜ファンであるが、特定の選手を「応援する」ということは実はあまり無かった。
(もちろん、大洋・横浜、それぞれの選手に思い入れはあり、過去に、石井琢朗、佐伯貴弘、盛田幸妃、そして、三浦大輔(現監督)についてのブログを書いたこともあるのだが)
そうしたなか、なぜ、関根大気が、自分が横浜(大洋)を見てきて、ほぼ初めてと言っていい、応援しようと思える「特定の選手」になったのか。
その理由は、2017年の開幕前に、Numberの記事で見た「今年(レギュラーを)奪い取らないと、ぼくは終わってしまう」というコメントだった。
その前年の2016年シーズンは、筒香が、リーグ2冠(44本塁打、110打点。打率もリーグ3位の.322)を達成した。
また、長年故障に弱いイメージのあった梶谷も、レギュラーとなって3年目。
さらに、関根の2学年上である桑原が、チームで希少な右打ちの外野手としてレギュラーを勝ち取った。
3人とも、まだまだ、この先も外野のレギュラーを担っていける年齢(2017年開幕の時点で、筒香25歳、梶谷28歳、桑原23歳)。
そうした、明らかに外野のレギュラーを勝ち取るのが難しい状況にもかかわらず発せられた、前述のコメントが、強く印象に残った。
2016年、11年ぶりのAクラスを果たした横浜ではあったが、それ以前の大洋時代にも経験のないほどの2000年代から2010年代の低迷期は、「プロ野球選手になったことだけで満足しているのでは」と思ってしまうコメントであったり、姿勢だったりが、ファンの耳にも漏れ伝わってきた。
自分も一人の社会人として働いているということを考えたときに、「プロとしての仕事をしていない」ように見えるチームを、さすがにこれ以上応援し続ける気にはなれず、1年間、ファンという視点を外してチームを見たこともあった。
そうしたなか、21歳にして、「今年奪わないと、終わってしまう」という猛烈な危機感を持ってプレーしている選手の存在に嬉しい気持ちになった。
そして、チームが本当の意味で変貌を遂げていることの象徴(言っても、この時点ではまだ10数年ぶりにBクラスを脱出したばかりのチームだった)になり得る選手だとも思った。
なお、入団前の「野球太郎」で見たその表情にはあどけなさを感じたが、ルーキー時に二軍で見た姿は、意外と下半身ががっちりしていて、かつ、赤いリストバンドも相まって「華」を感じさせた。
それこそ、プロ野球選手とは思えないほど細かった川﨑宗則や、ルーキーイヤーに二軍で高い数字を残したものの一軍での実績は無かった2シーズン目の青木宣親が我慢して起用され続けたように、最初は結果が出なくても、使い続けていけば、レギュラーに、しかもチームを代表する選手にもなる可能性も秘めているとも思った。
そうした入団時の期待、さらに、オープン戦で5割近い打率を残したこともあり、2017年の開幕前、シーズンのポイントとして、一番に「関根大気」の名を挙げた。
しかし、2017年、関根が一軍で残した数字は、29試合、19打数3安打、打率.158、盗塁0というものだった。
二軍での、71試合、打率.272(293打席)、17盗塁という数字は、当然、本人の渇望を満たすものではなかっただろう。
この年、一軍の外野陣は、筒香はもとより、前年、故障欠場期間のあった梶谷も、ほぼフルシーズン出場。
さらに、最もレギュラー陣で若い桑原が全試合、一番打者として出場した(打率.269、13本塁打、87得点)。
翌2018年も、関根にとっては、厳しいシーズンとなった。
一軍出場は、前年と同じく29試合。26打席で、25打数7安打(打率.280)、盗塁2。
この年の外野陣は、梶谷が故障で41試合の出場にとどまり、桑原も前年ほどの活躍を見せることはできなかった(127試合に出場するが、前年より200以上打席数を減らす)。
しかし、新外国人ソト(この年は主にライトで出場)が、結果的にリーグ本塁打王を獲得する大活躍。
さらに、ルーキー神里が、86試合に出場し、打率は.251ながら、5本塁打、15盗塁と、長打力も機動力もあるところを見せる。
大卒・社会人出身とはいえ、関根がなかなか見せることができなかった、一軍でヒットを打つ「打撃力」、さらに「盗塁数」という形で「機動力」も見せた。
そのほかにも、乙坂(73試合)、楠本(56試合)が出場数を伸ばし、左打ちの外野手が飽和状態とも言えるチーム状況であった。
この年に二軍で残した、.308(225打席)、2本塁打、11盗塁という成績とその内容を、関根自身は、どうとらえていたのだろうか。
翌2019年は、一軍の実績としては、さらに厳しいシーズンとなった。
32試合の出場で、27打席、26打数1安打、打率.038、盗塁0。
確かに、与えられた打席数は少なかった。しかし、その1打席1打席は、残念ながら、可能性を感じられるものではなかった。
「三振を繰り返す」という内容ではなく、バットには当たる。
しかし、「ただ、バットに当たった」という印象で、ボールをヒットゾーンに持って行くような、主導権を握った打撃ではなかった。
さらに言えば、前年もそうだが、「四球で出塁する」ということもできず。
8月10日以降、一軍での出場機会は無かった。
この年、二軍では、最終的に、346打席で、打率.329(イースタン・リーグ2位)、12本塁打、8盗塁という成績を残している。
ただし、この頃の関根は、見るたび、打撃フォームが変わっていた印象がある。
時期によっては、可能性を感じさせるフォームもあったが、なかには、たとえヒットを打ったとしても、このフォームでは……と思うときもあった。
あまりに変わるその様子に、入団時に強みだと感じた、下半身のどっしり感はどこへ行ってしまったのだろう、という気持ちになったこともあった。
この年、一軍では、不振の桑原に代わって、神里がセンターのレギュラーポジションに入った(123試合出場、打率.279、6本塁打、15盗塁)。
また、ソトや筒香が内野に入る試合では、ラミレス監督が辛抱強く起用し続け、その芽が開きつつあった佐野が外野の一角に入ることも増えてきた。
佐野の魅力は「振れること」。しかも、追い込まれても振ることができ、かつ、バットに当てることができるところが、ラミレス監督に「将来主軸を担える力」を感じさせたのかもしれない。
また、乙坂も、前年を上回る97試合に出場する一方で、細川という将来クリーンアップを任せられる可能性のある選手が出番を与えられる機会も出てきた。
チームとしては、20数年ぶりとなる2位にもなった。
高卒4年目での「意識の高さ」を感じた2017年から2年が経ち、一軍での成績だけを見れば、関根にとって「本当に、終わってしまう」ことを意識せざるを得ないような、6シーズン目が終わった。
シーズン終了後、関根はメキシコのウインターリーグに参加。約3ヶ月間、プレーをした。
翌2020年シーズンは、筒香がMLB移籍によりチームを去ったが、佐野が、ついに首位打者を獲得するブレイクを果たした(打率.328、20本塁打)。
また、梶谷が復活し、3年ぶりに規定打席に到達、打率.323、リーグトップの88得点を記録した。
一方、神里が不振で出場試合数を減らし(80試合、ただし、打率は.308と自身最高)、ソトも内野での起用が大半となったが、その空いた外野の一角に、オースティンという強烈な選手が加わった(怪我で65試合の出場に留まるが、.打率286、20本塁打の成績を残す)。
この年、関根は、自身初の「一軍出場無し」に終わった。
正直、この頃の野球誌の陣容予想において、関根の名前は、一軍メンバーの控え、さらには、外野の控えポジションの3番手にすらないことも多かった。
数年前は、少なくとも外野の「控え」メンバーには名前があったことを考えると、現在おかれている状況のシビアさが感じられた。
そうしたなか、6月には、二軍の試合で、一塁帰塁の際に右肩を脱臼した。
その映像を見た時は、「選手生活の終わり」という言葉もよぎった。
前回、関根についてブログで書いたときに、下記のようなことを書いた。
「決して、『応援したから活躍する』といった幻想はもっていない。」
その後、関根を取り上げた記事であったり、取材者のツイートだったりを見ていると、その「性格の良さ」をほめたたえるものをよく見かけた。
自分が応援する選手がそうした選手であることを嬉しく思う一方で、こうも思った。
「『性格の良さ』は、決して、その選手の現役生活を保障するものでない」
確かに、「会ってみるとあまり…」といった感想が漏れ伝わってくる選手もいるなか、取材者に好印象を与えるその人柄は素晴らしいものだと思う。
しかし、それと、「一軍で結果を出す選手とみなされる」「一軍で結果を出す可能性を感じさせる」こととは別。
「決して、『応援したから活躍する』といった幻想はもっていない。」
怪我のニュース、そして映像を見たときに、自分が書いたこの言葉が反芻された。
しかし、かなりの長期離脱も考えられた脱臼の後、関根は、1ヶ月もしないうちに、二軍戦で復帰した。
のちに目にした記事によると、球団には手術を勧められたが、「手術をすると、復帰まで3ヶ月かかってしまう。それを考えると、他の方法での復帰を」との自身の判断で、保存治療を選んだとのことである。
結果的に、この年、ファームで残した打率は、.301(185打席)。
これで、3年連続して、二軍で打率3割を残したことになるが、この年の四球率.172(185打席で32四球)というのは、2018年の.071(225打席で16四球)、2019年の.107(346打席で37四球)と比べると、かなり高い数字だった。
迎えた、自身8年目となる、2021年シーズン。
この年から、三浦大輔が一軍監督となった。
2019年の一軍投手コーチ、そして、2020年の二軍監督を経ての就任だった。
2020年、二軍監督として、その目に関根の姿はどのように映っていたのだろうか。
オープン戦、関根は、打率.429(14打数6安打)の結果を残した。
そして、8年目にして、初のスタメンに名を連ねた。
オープン戦で打率.476(42打数20安打)の数字を残してなお、スタメンに名を連ねることはできなかった2017年の開幕戦から4年が経っていた。
開幕後、3週間ほどは、ほぼスタメンに名を連ねた。
しかし、徐々に打率が下がり、2割5分を切ったあたりで、コロナ禍の影響で合流が遅れていたオースティンが戻ってきたこともあり、スタメンから外れた。
その後、スタメンに名を連ねることは、ほとんどできなかった。
それでも、2度の抹消はあったものの、シーズンの多くを一軍のメンバーとして過ごし、代打・守備固め・代走と、自身の役割をこなした。
103試合の出場は、自身最多。打席数139は、2年目のシーズン(159打席)には及ばなかったものの、初めて、一軍の1ピースとしてプレーし続けられたシーズンとなった。
なお、この年の外野陣のレギュラーは、レフトが佐野、ライトがオースティン。
そして、FA移籍した梶谷が抜けたセンターには、2年間結果の出なかった桑原が、3年ぶりにレギュラーの座に返り咲いた(2019年は72試合、2020年は34試合に留まり、ともに打率1割台。2021年、135試合で、打率.314、14本塁打と復活を果たす)。
迎えた2022年シーズン、オースティンが長期離脱となり、外野の一角に空きが出る状況となったが、そこにレギュラーとして名を連ねたのは、楠本だった。
楠本の良さは、打撃フォームに「懐」を感じさせるところ。
残している打率以上に、安打の可能性を感じさせ、また、ボールに対しミートできなくても、それがファールになることで打ち直しができるという打撃特性も、レギュラーでの出場数を増やすことできた要因のように思う。
ただし、関根も、前年からさらに一段、打撃での確実性を上げ、時期によっては、連続してスタメンの座に就くこともあった。この年から、佐野のファースト・外野併用が始まったことも追い風になった。
代打でも、スタメンでも、ヒットを放つ場面が格段に増え、結果、6月上旬以降、打率が2割5分以下に落ちることはなかった。
最終的には、104試合、225打席で、打率.254。放った51安打は、過去4年間の合計を上回るものだった。
そして、2023年、前半戦、10年目にして、レギュラーを掴んだ関根は、7月17日時点、88試合で、打率.287(88安打)、出塁率.333、7盗塁、27打点、44得点という成績を残している。
重心を低くして、あまりバックスイングをとらず、振り抜きを意識しているように見えるその打撃フォームは、関根が、長年の試行錯誤を経てたどり着いた「今」の理想のフォームなのだろう。
前半戦、打撃・守備・走塁それぞれにおいて賞賛を浴びることが多かった関根だが、レギュラーとして出続けるということは、よいプレーを披露する機会が増える一方で、失敗をする数が増える可能性もある。
失敗をしたときに、その理由を認識しておくとともに、よいプレーのメカニズムの引き出しを自身にインプットしておくことは、今後、よいパフォーマンスを継続していく鍵になるのではと思う。
なお、今回は、2023年シーズンのプレーの詳細について深く論じることはしないが、前半戦の最後の時期に気になったことを2点だけ記しておきたい。
一つは、内野への送球の際において、ときに、山なり、かつ左右のラインがずれたボールを投げることがあること。
いざ、内野手、あるいはキャッチャーへ速くて強いボールを投げなければいけないとき、ともすると、スローイングをおろそかにしているように見えるこうしたプレーは、その妨げになるのではないかと思う。
もう一つは、内野ゴロの際、アウトの可能性が高いときに、ベース前でスピードを緩めること。
これについては、長いシーズンにおいて、故障を防ぐための予防策という側面もあるかもしれないが、どんな時でも全力疾走をしてくる打者と比べて、内野手へのプレッシャーは弱いだろうし、自身のバッターとしてのタイプ的に、そうした(スピードを緩める)クセが付くことの悪影響を考えておくことも必要ではないかと思う。
2023年シーズンも、6割弱を消化した。
これまでの成績や、試合でつかんだ感覚を、自身の揺るぎない「力」とできるか、そして、失敗したときこそ、それを次のプレーの糧とできるが問われる、後半戦が始まる。
2023年シーズンが終わったとき、ブログで、こんな言葉が書ければと思う。
「関根大気のプレーに勇気をもらった」
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横浜DeNA 交流戦を終えて。「横浜優勝」に向けての、今後の注目点。
http://agemomi.exblog.jp/33007642/
2023-06-21T02:51:00+09:00
2023-06-23T12:46:16+09:00
2023-06-21T02:51:59+09:00
momiageyokohama
横浜ベイスターズ
その交流戦18年目にして、横浜DeNAは、球団初の優勝を果たした(11勝7敗)。
ポイントは、ソフトバンク・オリックス相手のビジター6連戦となった第2週。
ソフトバンクとの初戦、今永が8回1安打1失点の投球を見せるも、最後はサヨナラ負け。
翌日も敗れ3タテの危機だった3戦目。
序盤から得点し、5回表の時点で6-0。ただ、8回・9回と失点を喫し、あわや逆転サヨナラ負けかというところまで追い込まれるも、何とか逃げ切って連敗をストップ。
その後、オリックス戦の3戦目、序盤から宮城を攻略し、カード勝ち越しを決めた試合も大きかった。
他のカードでも、髙橋光成、そして佐々木朗希といった、リーグを代表する投手に勝利をしたことも、交流戦優勝を手繰り寄せる大きな要因となった。
なお、リーグでの位置を改めて見てみると、62試合を終了し、35勝26敗1分け。首位の阪神とは、負け数2の差。
今週金曜からは、約1ヶ月ぶりにリーグ戦が再開する。
その再開を前に、現況をふまえつつ、今後に向けて気になるポイントを見ていきたい。
1. 勝ちパターン継投のマネジメント
交流戦優勝を果たしたDeNAだったが、交流戦最終戦は、現在のチームで最も心配な点を認識させられる試合となった。
セットアッパーの伊勢、そしてクローザーの山﨑が、ともに不安定という現実問題。
シーズンはまだ半分にも達しておらず、優勝を狙うには多いに不安を抱えているチーム状況と言える。
伊勢に関しては、シーズン序盤は安定した投球を見せていた。
しかし、5/5以降は、12試合中11試合で被安打あり。交流戦(7試合)の防御率は7.94で、0点台だった防御率も2点台まで落ちた。
一方、山﨑は、4月中盤、無失点を続けていた時期もあったが、ここまで防御率4.70、そして被打率.298という数字に表れているように、バッターをなかなか振り切れないマウンドが続いている。
これまでの経験をフル活用して、フォームや投球間隔に変化をつけるなどの工夫でなんとかセーブを積み上げてはいるが、昨年のようなバッターを圧倒するような投球ができていないことは、本人自身が一番感じていることではないか。
両投手とも、4月下旬から5月初めにかけての登板がかさんだ時期と比べると、連投に次ぐ連投という状況ではないが、登板の準備回数を考えると、登板数だけでは測れない疲労状況もあると思われる。
他のブルペン陣(ウェンデルケン、入江、森原、三嶋)が、まだ全幅の信頼を置けるとまでは言えないことを考えると、8・9回を投げる投手を変えることはかなりの決断力がいるとは思うが、伊勢や山﨑が1つのアウトを取るのに汲々としている現在の状況は、かなり危険な状態に映る。
伊勢・山﨑交互でもいいので、一定期間抹消するなどのリフレッシュ期間を設けたり、昨年のオリックスのように、その時の状況によって最後に投げる投手を変える(チームの全43セーブ中、ストッパーの平野佳が挙げたセーブは28。セーブを挙げた投手は全部で8人)といった投手起用も必要ではないか。
先日の登板では、エスコバーが復調した投球を見せ、欲していた勝ちパターンの投手が一人増えた(森原も、想定外の負傷から復帰)。
その他、ファームで結果を残している投手を試合中盤の継投に組み込むことで、各投手の出番を一つ後ろに下げるなど、今だからこそ試せることを試しておくことも必要だと思われる。
シーズンは長い。そのシーズンで優勝を勝ち取るためにも、本当の勝負所で盤石の継投ができる状況を作っておきたい。
2. 先発投手「6枠」の現況
現状の先発投手陣は、ある程度計算できる「7名」の投手(東・今永・石田・ガゼルマン・平良・大貫・バウアー)で「6つ」の枠を回していくという、かなり理想的な形となっていると言える。
なお、開幕からここまでの、主にローテを担ってきた8名(前述の7名に濵口を含む)の投手の成績を見ると、下記のようになる。
(A…7回・自責点2以内、B…6回・自責点3以内、C…5回・自責点3以内、E…それ以外の成績、― …登板なし)
石田 E B A B C-E A C C-Cガゼ E B C B B-E C A E C-濵口 E E E--E-----E平良 B-B E--E A-E--東 A B-B A E B E A B--今永 ---A A E E B A A A-大貫 ---C E---A-B Bバウ ----A E E-B A A A
※金曜~翌週木曜を1ローテと見た、全12週の成績。ただし、バウアーの6/14登板は、第11週だが、中4日での登板のため、第12週に組み込んで記載。※上記8名のほか、笠原、上茶谷が、先発として各1試合登板。
序盤は、長期故障離脱からの復帰組である東と平良が、不安定な部分も多かった先発陣を引っ張る形。第4週からは今永が復帰し、第6・7週を除くと、エースと呼ぶにふさわしい投球を見せる。また、シーズン当初は陣容に入っていなかった大貫・バウアーも、第9週ぐらいから、安定した投球を見せ始める。一方、序盤以降も東が安定した投球を続けているのに対し、故障明け1年目の平良の成績は下降傾向。ガゼルマンも、序盤に比べると数字を落とす。そうしたなか、石田は5回1失点ペースの登板が続いている(先発登板10試合は、ガゼルマンと並び、チーム最多)。
平良の成績下降、ガゼルマンの3.78という防御率をみると、現状は、5~6名のある程度安定した投手で「6つ」の枠を回しているとも言える。そう考えると、他の投手が入り込む余地はまだあり、今後、新たな先発投手の台頭を期待したいところ。バウアーの中4日希望、また、雨天中止や、相手チームとの相性を考えての投手起用策も考えられるため、今後も、各投手、毎回、登板間隔が異なる状況が続くと思われるが、首脳陣には、各投手の状態の適切なチェック、さらには、メンタル部分のフォローも求められるところかもしれない。
3. 「外野の一角」の穴
交流戦の日本ハム戦初戦で、「1番・関根」が2安打3打点、「2番・桑原」が3安打2打点と活躍したのを見て、「これで、ようやく理想の打線の形ができた」と思った。しかし翌日、桑原が左脚肉離れで抹消。「理想の打線」は、現時点では、1試合で終わってしまった。その後、スタメン2番には、蝦名(3試合)、大田(1試合)、楠本(1試合)が入ったが、トータルの成績は、17打数ノーヒット(四球1、死球3)。打撃面では、桑原不在の穴を全く埋められなかった。現在の横浜は、ソトが不調であれば、佐野がファーストに入り、外野の一角が空くケースもある。桑原が不調とみなされたときは、スタメンを外れることもあり、現レギュラー陣以外にチャンスが無いわけではない。しかし、スタメンの座を狙う立場にいるはずの外野陣の打率が、総じて非常に低い。神里-.167、大田-.125、昇格したばかりという事情はあるにせよ、蝦名が.083。そして、本来レギュラー陣に食い込む一番手といっていい楠本も、代打出場時を除くと、打率は.105である(代打成績は .333)。この状況では、過剰気味な外野陣にチャンスを与えることが目的だった佐野のファースト起用も、あまり意味がなくなる。さらに、たとえソトの調子が上がらなくても起用せざるを得ないということにもつながる。なお、「今季、中日で大ブレイクを果たした細川がいれば」という意見もあるだろうが、細川の活躍に関しては、中日・和田コーチとの出会いが大きかったのではと思っている。
いずれにせよ、桑原が復帰すれば、外野の枠が再び埋まる状態となる。もし、オースティンがファーストを守れる状況になれば、さらに、現レギュラー以外の選手の出場機会は限られていく。大袈裟ではなく、「現在おかれている状況は、野球選手を続けられるかということにも繋がっている」という意識を、レギュラー以外の外野手陣がどれだけ持てるか。それこそ、一時期は選手生活の崖っぷちまで追い込まれた外野手が10年目にしてレギュラーを掴む姿を、今季間近で見ているだけに、現在、控えに甘んじている選手たちの意識の変化に期待したいところであり、かつ、そのことが、本当の意味のチームの強さにも繋がっていくように思う。
4. ショート争いの今後と、宮﨑不在時の大きすぎる穴
開幕時点では、森を我慢して起用するかと思ったショート争いだが、開幕3試合目で、早くも森ではなく京田をスタメンに起用。その後、しばらく林を起用していた時期もあったが、4月中旬からは、ほぼ、京田か大和がスタメンを張っている。最も多く出場しているのは京田だが、打率.233は高い数字とは言えず。守備範囲の広さを見せる場面もあるが、余裕がある場面での送球が弱くなる傾向には、不安を感じる。また、得点圏打率(.139)では、大和(20打数8安打の.400。7打点)に大きく差をつけられており、打撃面においては、大和のインパクトの方が強い。
そうしたなか、森が約2ヶ月ぶりに一軍登録。交流戦最終戦では、代打でヒットを放ち、絶対に刺されてはいけない場面での盗塁も決めた。今季が4年目のシーズン。京田が29歳であることを考えると、もしこのままレギュラーを獲れないとなると、入団時、一部にあった外野へのコンバートといった意見も再燃してくるかもしれない。なお、昨年YouTubeに出演した石井琢朗コーチが、森の今後のポイントとして、「野球への集中」を挙げていた。その石井コーチは、プロ入り3年目オフからの野手転向にもかかわらず、4年目の後半にはレギュラーの座に就いている。
もう一つ、内野陣で気になるのが、宮﨑の出場具合。これまで、62試合中13試合でスタメンを外れている(青柳回避のための欠場もあるが)。試合終盤に退くケースも結構あり、おそらく抱えているだろう故障の程度を考えると、今後もこうしたペースでの出場が続くと思われる。問題は、宮﨑欠場時、サードで出場する選手との打撃面での圧倒的な差。もちろん、宮﨑に匹敵するような打撃力を望むのは厳しいが、これまでの、宮﨑→京田、あるいは林への変更は、相手チームにとっては、かなりプレッシャーが低減される状況だったと言えるだろう。この部分も、外野陣と同じく、今季スタメン1試合に留まっている柴田を含め、長いシーズンにおいてリーグ優勝を勝ち取るには、控え野手陣の打撃力の底上げが必須。実は、最後に優勝できるか否かを分けるのは、控え陣の層の差だったりもする。
5. 阪神戦
横浜DeNAが上位に進出するにあたってポイントとなるのは、やはり阪神戦。それは、今季、交流戦終了時点で阪神が首位に立っているからだけではない。横浜にとって、過去に遡っても、圧倒的に相性が悪いチームだからである。
2002年から2021年までの20年間で、横浜が阪神に勝ち越したのは、わずか2度。Aクラスに3度入ったラミレス監督時代も、阪神には一度も勝ち越せず。古くは、80年代後期から90年代前半の「阪神暗黒時代」と言われた時期ですら、横浜(大洋)は阪神に相性が悪かった。
一方で、横浜が優勝した1998年は、開幕の3タテに始まり、19勝8敗と大きく勝ち越し。その後、2001年まで連続してAクラスに入ったが、それらのシーズンはすべて阪神に勝ち越している。また、9シーズンぶりに勝ち越した昨年(2022年)は、チーム自体の順位も2位となった。
今季のここまでの対戦は、横浜の2勝6敗。これまでの阪神戦のパターンとしては、浜スタでは、甲子園に比べてかなり狭いことで阪神打線が楽に打てるのか、本塁打を数多く打たれて敗戦。逆に、甲子園では、ロースコアになるものの、終盤のブルペン陣の力の差によって接戦を落とす、という展開が多かった。ただ、今季は、京セラドーム・甲子園で負けた6戦すべてで6失点以上を喫しており、敗因を改めて分析しておく必要があるだろう。
一方、例年強力である阪神ブルペン陣が、今年は、現時点では時折、綻びを見せている。その代わりというわけではないが、防御率1点台の才木・大竹・村上、さらに故障から復帰した伊藤将らが並ぶ先発陣は強力(交流戦明け最初のゲームは、ビーズリー、伊藤、才木の3人が先発との報道)。
いずれにせよ、横浜としては、昨年から抜群の勝率を誇る浜スタでの戦いを、まずは取りたい。横浜戦に格別強い大山を完全に抑えることは難しい可能性もあるが、その前後を打つノイジー、佐藤輝が、他球団との試合と比して横浜戦でかなり打っている(ノイジー:通算.237、対横浜.382、佐藤輝:通算.233、対横浜.370)ので、この2選手への対策は必須。また、安定度の高い阪神先発陣を、1イニングでも早い回で下ろす展開に持って行きたい。
6月は、交流戦明け初戦の3試合(浜スタ 3)、7月も3試合(倉敷 1、甲子園 2)のみだが、勝負所となる8月に、8試合(浜スタ 6、甲子園 2)の阪神戦が予定されている(9月は甲子園で2試合)。優勝を争う可能性が高いチームでもあるだけに、戦って「横浜、強し」の印象を与えたいところ。そのことが、直接対決の試合だけでなく、他チームとの対戦時にも、相手チームへのプレッシャーになったりもする。
シーズン残り81試合。本当の「横浜優勝」を成し遂げるには、まだまだ、山を越えていく必要がある。
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「横浜優勝」への道のり -ブルペン陣への懸念と今後に向けて-
http://agemomi.exblog.jp/32969305/
2023-05-09T00:46:00+09:00
2023-05-09T01:26:01+09:00
2023-05-09T00:46:51+09:00
momiageyokohama
横浜ベイスターズ
広島との1戦目、2戦目は、いずれも伊勢・山﨑を登板させる展開に(1戦目は、山﨑が秋山に勝ち越し打を浴びた後、坂倉に満塁弾を浴びて敗戦。2戦目は、3点差を守りきり、バウアーに来日初勝利をもたらす)。
続く広島との3戦目は、早めの代打策をとったこともあり、6回から、三嶋-入江-ウェンデルケン-森原とつなぎ、結果、サヨナラ勝利。
翌日のヤクルト戦は、今永が先発。中継ぎ陣を前の3試合で結構使っていることもあり、できれば今永に長いイニングを投げてほしいところだったが、風の影響もあり乱打戦となり、今永は5回で降板。
三嶋(2連投)、ウェンデルケン(4日で3試合目)とつなぎ、4点差で迎えた8回裏、復調を期待してエスコバーを起用したが、ホームラン、ヒット、四球で、1アウトもとることなく、伊勢に交代(4日で3試合目)。
伊勢が2アウトをとるも、濱田に粘られた後、今季初失点となる3ランを浴びた後、9回に登板した山﨑(こちらも4日で3試合目)が、長岡に逆転サヨナラ2ランを浴びて、乱打戦に競り負ける形となった。
続くヤクルトとの2戦目は、ウェンデルケン・伊勢は、ベンチ外。山﨑もできれば登板させたくない状況のなか、エスコバーと同じく、復調を期待しての先発起用となった濵口だったが、3回持たず。
「果たしてどう継投していけば…」という状況のなか、濵口の後を継いだ上茶谷がなんとかしのぎ切るも、4回まで。
ただ、中盤以降も打線が点を取り続け、さらにリードを広げたこともあり、石川(1イニング)-坂本(2イニング)-宮國(2イニング)という継投で9回までたどり着く。
3戦目は、雨天中止だったが、勝ちパターンの投手で、この週3登板未満の投手は、入江と三嶋だけ。上茶谷、坂本とも、前日30球以上投げている状況を考えると、もし、前々日、前日に続き、打撃戦となった場合はかなり厳しい状況だった。
前回の記事では、勝ちパターンの投手(この時は、明確に勝ちパターンで投げる投手の意で使い、主に山崎・伊勢・入江を念頭に置いていた)にプラスしての戦力の重要性を書き、三嶋・森原・ウェンデルケンの名を挙げた。
7回・8回・9回を投げる3人にプラスして3人の合計6人、信頼に足る投手がいれば、ある程度安定した戦いができるのではと考えての記事だった。
しかし、「優勝を目指す戦いが続く」という状況は、今まで以上に、勝ちパターン(あるいは僅差のゲーム)で投げる投手の登板機会が増える。
そうなると6人では足りないということを思い知らされたのが、先週の一連の試合だった。
では、一体どれほどの投手が必要になるのか?
その参考となるのが、昨年優勝した、ヤクルト、オリックスのブルペン陣である。
それぞれのチームにおいて、昨シーズン、救援で20試合以上登板した投手を、下記に挙げてみた。
(順番は、1番目は最多セーブの投手。2番目以降は、セーブ+ホールドポイントの合計数順。同数の場合は防御率が低い順番に記載)
【ヤクルト】(救援平均回…3.59回)
1 マクガフ 55試合(防2.35 38S・6HP)
2 清水 50試合(防1.16 33HP)
3 田口 45試合(防1.25 2S・19HP)
4 梅野 41試合(防3.00 20HP)
5 石山 38試合(防1.75 18HP)
6 今野 51試合(防3.72 1S・17HP)
7 木澤 55試合(防2.94 17HP)
8 久保 29試合(防2.70 8HP)
9 コール 34試合(防2.75 8HP)
10 大西 42試合(防4.45 6HP)
※大西の防御率は、先発(1試合)を含む数字。
20試合登板した投手は、計10人。
マクガフ・清水・木澤が50登板を超えているが、それ以外の投手は50試合未満。
なお、原則9回を投げるマクガフ、8回を投げる清水に対して、田口、木澤に関しては、様々なシチュエーションでの登板が多かった。
特に、試合中盤、どちらのチームに勝利が転ぶかわからない場面での登板が多かった木澤は、先発投手陣の層が薄いなか(二桁勝利の投手無し。チーム勝利数に対しての先発勝利割合61.3%は、DeNAの65.8%、阪神の79.4%を下回る数字)、チームを支えた。
【オリックス】(救援平均回…3.00回)
1 平野 48試合(防1.57 28S・11HP)
2 阿部 44試合(防0.61 3S・23HP)
3 近藤 32試合(防2.10 2S・16HP)
4 本田 42試合(防3.50 2S・16HP)
5 ビドル 33試合(防4.02 16HP)
6 ワゲスパック 22試合(防2.97 5S・7HP)
7 比嘉 30試合(防2.53 1S・10HP)
8 村西 22試合(防4.44 9HP)
9 黒木 27試合(防2.36 1S・7HP)
○ 山﨑颯 10試合(防3.00 1S・6HP)
○ 宇田川 19試合(防0.81 5HP)
※ワゲスパック・山﨑颯・ビドルの防御率は、先発での数字を含む(ワゲスパック…10試合、山﨑…5試合、ビドル…2試合)。
山本、宮城という、スーパーエース級の投手2人を抱え、また、パ・リーグのため、打順に影響されない継投が可能ということもあって、救援平均回は3イニングに留まる。
それでも、救援登板20試合以上の投手は9人にのぼる。なお、50試合以上登板した投手はゼロ。
特徴的なのは、クローザーを平野としなかった試合が多数あること。チームの43セーブ中15セーブは、平野以外の投手が挙げている。
また、ワゲスパックのリリーフへの配置転換。さらに、20試合未満の登板数ではあったが、シーズン中盤以降に、宇田川、山﨑颯という、強力なブルペンの新戦力が台頭したことで、最後、ソフトバンクをほんのわずか上回り、優勝を果たした。
この2チームを見ると、優勝するには、「ストッパー + シーズン20試合登板以上、かつ5ホールドポイント以上挙げる投手9人」の計10人、ブルペンの戦力となる投手が必要であることがわかる。
では、上記の2チームと比べ、横浜DeNAの2022年のブルペン陣はどうだったか。
【横浜DeNA】(救援平均回…3.42回)
1 山﨑 56試合(防1.33 37S・3HP)
2 伊勢 71試合(防1.72 1S・42HP)
3 エスコバー 70試合(防2.42 2S・38HP)
4 田中 47試合(防2.63 16HP)
5 入江 57試合(防3.00 15HP)
6 平田 47試合(防4.29 14HP)
救援登板20試合以上の投手は6人。
ヤクルトの10人、オリックスの9人と比べると、いかに一部の投手に負担が集中しているかがわかる。
さらに、前述の2チームは60試合以上登板の投手がいなかったのに対し、70試合以上登板が2人。
中継ぎ・ストッパーの負担は、単に登板数だけではなく、球数やブルペンでの調整法とも関わってくるので、登板数だけで負担の程度を論じることはできないかもしれない。
ただ、勝ちパターンで投げる投手たちの登板数が、さきの2チームと比べてかなり多い。
このことが、昨年、首位ヤクルトに迫りながらも、8月下旬以降に息切れした大きな要因といってもいいだろう。
では、2023シーズン、ここまで(5月8日現在・28試合消化)のDeNAブルペン陣の登板状況はどうか。
28試合経過ということで、現在、救援で4試合以上の登板がある投手を挙げてみる。
(143/28≒5.1、4×5.1=20.4ということで、シーズン20試合登板に届くと仮定)
1 山﨑 15試合(防5.93 9S・1HP)
2 伊勢 14試合(防0.64 1S・11HP)
3 三嶋 10試合(防0.00 6HP)
4 入江 11試合(防1.74 6HP)
5 ウェンデルケン 9試合(防2.00 4HP)
6 森原 7試合(防0.00 3HP)
7 上茶谷 7試合(防1.00 1HP)
〔○ エスコバー 9試合(防15.63 4HP)〕
〔○ 石川 4試合(防0.00)〕
なお、4試合以上した登板は9人だが、現在、防御率10点以上のエスコバー、また僅差のリードの場面での登板はまだ無い石川は、現時点では、対象から外したい(山﨑も現在の防御率は5点台だが、坂倉に満塁本塁打を打たれた試合前の12試合登板時点では、防御率1.54と安定)。
そうなると、中継ぎで一定以上の成績を挙げているのは7人。
昨年の6人よりは多いが、まだ、目標とすべき10人には、3人足りない。
さらに、山﨑・伊勢は、シーズンに換算すると70試合以上登板のペースで、登板過多の危険性を感じる。
また、三嶋は、難病からの復帰となる年。入江、ウェンデルケン、森原も、DeNAにおいて一年通して勝ちパターンの投手として登板し続けた経験は無い(森原は楽天時代にセットアッパーの経験があるが)。
そう考えると、優勝には、あと4~5人、一軍で勝ちゲームにも起用できる中継ぎ投手が必要となるだろう。
では、具体的に、候補は誰になるか。
現在のファームの成績を見ると、故障からの復帰組となる、田中、平田という、実績のある投手たちが、ある程度の数字を挙げている。
また、これからの若手というところでは、中川、さらに現在一軍にいる石川の台頭を期待したいところもある。
その他だと、一軍の先発にはなかなか定着できなかった京山の配置転換での可能性。
2021年・2022年ドラフトの大学・社会人投手組が、現時点で一軍の戦力になっていないなか、三浦、橋本に出てきてほしいといった気持ちもあるが…。
さらに言えば、DeNAに来て7年、2018年から5年連続で50試合以上登板。この5年のチームへの貢献度という点では、投手で一番といってもいいエスコバーが復活する姿を見ることはできるだろうか。
いずれにしても、ここまでの好調さとは裏腹に、冷静に見ると、ブルペン陣の層にかなりの不安がある、現在の横浜DeNA。
勝負はまだまだこれから、というより、9月・10月までの長いシーズンを戦い抜くためにも、一軍のブルペンの戦力「10人」という目標値は、優勝するための大きなポイントとなる数字だと思う。
今週は、新潟、そして移動日を挟んでの東京ドームでの巨人との2戦。そして、週末は甲子園での阪神3連戦。
徐々に継投の内容に変化が見られる部分もあるだろうか。
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「横浜優勝」までの道のり
http://agemomi.exblog.jp/32963035/
2023-05-02T01:55:00+09:00
2023-05-04T22:35:41+09:00
2023-05-02T02:29:20+09:00
momiageyokohama
横浜ベイスターズ
横浜DeNAの、3・4月の成績である。
正直、開幕前は、「期待」より「不安」の方が大きかった。
WBCの盛り上がりの裏で、なかなか新戦力が出てこない投手陣、そして、12球団ワーストの打率に終わったオープン戦の戦いぶりに、不安はますます増していった。
そこに来ての、開幕4連敗。
今永・大貫の不在もあり、不安視していた先発陣の弱さが如実に出た格好で、序盤でつまずいた2021年・2022年シーズンを思い起こさせた。
しかし、平良の復帰、そして東の復活が、チームの状況を180度変えたといっていいかもしれない。
昨年、2人合わせて1勝(平良に関しては、手術の影響で一軍登板自体無し)だったのが、この4月だけで5勝を挙げている。
先々週末から先週末にかけては7連勝。
しかも、ミスもありながら他の選手がフォローしての勝利、中盤での4点ビハインドをひっくり返しての勝利、相性がよいチームとはいえ、小笠原・髙橋宏斗という好投手相手に僅差の試合を制しての勝利と、その内容も濃い。
開幕4連敗後は、16勝3敗。
それこそ、横浜の序盤での戦いにおいては、史上一番といってもいいほどの勝利ペースである。
また、これだけ勝利を重ねてはいるものの、まだまだ不足を感じている部分、さらには新たな戦力の合流見込みもあり、それらを今後の上がり目とみなせば、失速への不安もそこまではない。
そんな、自分が応援し始めてからもなかなか無かった、今のチーム状況と今後、そして「優勝」というものについて、3つの視点から見ていきたい。
1. 「投」「打」の型と、戦力の今後
4月の好調の一番の要因としては、やはり先発6人の枠が、きっちりと埋まったことが大きい。
開幕1巡目の、
〔石田・ガゼルマン・笠原・濵口・平良・東〕という6人から、
先週は、
〔ガゼルマン・石田・平良・今永・大貫・東〕の6人となった。
先週の6人に、二軍調整中の濵口、そして5/3にNPBデビュー予定のバウアーを加えると、一定の力がある投手「8人」で「6つ」の枠を争うという、レベルの高い争いとなる。
平良・東は、故障のこともあり、何回かに一度はローテを外れる形での起用となりそうだが、2試合結果が出なかった大貫が抹消となるなど(一方で、濵口は、このGWで再度チャンスを与えられる可能性が)、「結果が出なくても起用してもらえる」状況ではなくなりつつある。
もちろん、上記の8人中、1年通して(NPBの)先発ローテで投げた経験を2年以上もつ投手は今永と大貫のみ(その今永も、一時離脱するシーズンも多い)であることを考えると、見かけほどは盤石とはいえないかもしれない。
ただ、シーズン序盤から、ある程度、先発投手の計算が立つということは、「優勝」を果たすためには、かなり大きなアドバンテージといっていい。
救援陣の安定も、4月の好調を支えた。
ただし、勝ちパターンの投手のなかで、エスコバーは厳しいマウンドが続いた。
また、入江も、被安打がイニング数を上回っているように、防御率(1.93)ほどの信頼は、まだ無い。
勝利の可能性が高い試合が増えれば増えるほど、勝ちパターンの投手の登板が増えるという状況にもなるので、勝ちパターンの一角に入ってきた三嶋に加え、森原、ウェンデルケン、そして新たな戦力が、どれだけ信頼に足るピッチングをできるかが、勝利のペースを落とさないポイントとなる。
なお、長いシーズンでは、現在の濵口やエスコバーのように、成績を挙げられていない投手を、復調を支援する意味も込めて、起用をするケースも出てくる。
当然、その起用がうまくいかないときもあるが、そのことによる影響を、チームとしてどこまで最小限にとどめるかも、三浦監督に今後求められてくる部分になるだろう。
一方、「打」の方は、決して、全員が好調というわけではないが、先週も書いたように「5番・桑原」「6番・関根」という打順が、打線を、つながった「線」にしている。
桑原の7三振(87打席)というのは、昨年まで(2021年…75三振、2022年…89三振)を考えると驚異的な数字だが、チーム全体でも120三振と、リーグ断トツで少ない(続くのが、広島の151三振、他の4球団は190台)。
このことは「見えない打撃力」と言えるかもしれない。
ただ、一番を打ち続けている佐野の打率がズルズルと落ちているのは、少し気にかかる。
コンタクト率が高く、かつ「振れる」のが持ち味の佐野にしては、三振のペースが早い(現在17三振で、シーズン100を超えるペース)。
今後、5番以降の選手を含めた、全体的な打順の変更もあるかもしれない。
なお、先日、二軍で試合に出場したオースティンだが、ポイントとなるのは「守備の際のスローイング」。守備時の負担などを考えると、ファーストの座をソトと争う形かとも思うが、昨年のような代打専門での起用は、今年はしないのではないか。
そうなると、果たして、復帰時に、どのように打線のピースに嵌めていくか、気になるところではある。
また、ショートのレギュラー争いだが、現時点では京田がスタメンで出ているものの、森や林の成績次第では、まだまだわからないだろう。
戸柱・伊藤・山本が、それぞれ打撃で存在感を見せているキャッチャー陣の争いとともに、互いに成績を出し合うことは、チーム力の上昇にも直結する。
2. 「2位」の翌シーズン
2つ目は、少し角度を変えた視点から。
自分が、大洋-横浜-DeNAを応援をしてきた40年間で、2位になったのは、3度である。
(なお、1983~2017年の振り返りは、こちらの「『横浜・大洋・DeNA』35年史」へ)
1度目は、1997年(72勝63敗)。
「もしかしたら優勝も…」と期待したところでの、首位ヤクルトとの直接対決で喫した石井一久のノーヒットノーランを記憶している人も多いと思う。
実はこの97年、スタートは、かなりつまずいたシーズンだった。
投手がいないこともあり、それこそ開幕直後は4人の先発で回すほどだった。
それが、新たに就任した権藤投手コーチの手腕によるものか、段々と投手陣が整備されていった。
そこに、主力野手が育ちつつあった打撃陣がかみ合っていき、7・8月と勝ちまくった。
9月初めの首位攻防戦で、前述のようにヤクルトに敗れ、結果的には11ゲーム差の2位に終わったが、翌98年は、チームも、そしてファンも、「優勝しかない」という雰囲気だったように思う。
その意味では、石井に喫したノーヒットノーラン、そして、翌日の試合で、終盤劣勢の展開でのファンによるメガホン投げ、そして選手による回収のあったヤクルト戦の連敗が、翌年への「必ず優勝する」という思いにつながったようにも感じる。
翌98年は、開幕カードで、苦手だった阪神戦に3連勝。そして、シーズン中、何度となく、信じられない逆転劇・同点劇を繰り広げていく。
6月に首位に立って以降、ゲーム差的には2位に迫られた時期もあったものの、ほぼ危なげなく、優勝を果たしたという印象が強い。
権藤氏(98年から監督)の加入により、投手陣が整備されたことも大きいが、やはり、9回で1点ビハインド、それこそ7回で3点ぐらい負けている分には、全然取り返せると思わせてくれた「マシンガン打線」の存在も大きかった。
その意味では、97年の悔しさと、爆発力(もちろん、そこには個々の選手の技術があるのだが)によって勝ち取った優勝といっていいかもしれない。
2度目の「2位」は、そこから20数年経った、ラミレス監督のもとでの、2019年(71勝69敗3分け)。
このときの2位は、その前の3シーズンで2度Aクラス(3位)に入っていたこともあり、6年連続Bクラスからの2位だった1997年ほどの意外感は無かった。
ただ、シーズン終盤まで優勝の可能性があったとはいえ、首位・巨人のもたつきによるところが大きく、4位・広島とわずか1ゲームということを考えると、実質的には3位に近い2位と言ってもよかったかもしれない。
また、ラミレス監督の「監督」としての能力は高い、と思う一方で、「勝利への道筋が、ラミレス監督の頭の中だけにある」という状況(このことについては、2018年のシーズンオフに「ラミレス監督続投の必要条件」として書いた)は、「順位」と「チーム力」が必ずしもイコールではない状態とも言えるのではと感じていた。
結果的に、翌2020年、もう一つ戦力が揃わなかったこともあり、チームは4位に終わり、ラミレス監督は、5年間で3度のAクラスという結果を残して、退任した。
そして、3度目が、昨年2022年(73勝68敗2分け)である。
7・8月に勝ちまくり、首位ヤクルトに迫る、という展開は、1997年を思い起こさせたが、8月下旬でのヤクルトとの首位攻防で3連敗。
その後も、勝ったり負けたりを繰り返すという状況だったため、最終的には、首位ヤクルトに8ゲーム差をつけられる形となった。
昨年に関しては、開幕から6月にかけて、負けが込んだことが大きかったと思う。4月は大きく負け越し、6月下旬には、一時、借金9に。
その後、浜スタ17連勝を含め、かなりのハイペースで勝ち星を重ねたが、投手起用で無理をした部分も見受けられ、やはり、序盤に負けが込んだことで、多少無理をせざるを得なかったことが、「優勝争いに手をかけたところ」までで終わった原因だと思う。
そして、迎えた「2位」の翌年である2023年。
序盤は、これ以上ないスタートを切った。
では、今後、「優勝」を勝ち取るには何が求められるのだろうか。
3. 「4月首位」がチームに与えた意味
4月の数々の勝利は、チームや選手たちに、ある種の自信をもたらしたのではと思う。
一方で、現在のチームの位置、そして、現在の陣容を見ると、「4月首位」という事実は、改めて、チーム、そして選手たちに、本気で「優勝」を狙う覚悟を求めるものになったのではないかと思う。
もちろん、昨年の「2位」という結果を胸に刻んだうえで、「優勝」を目指して臨んだ2023シーズンだと思うが、開幕前は、まだ、自チームの現在地についてわからないところもあったのではないか。
そうしたなか、自チーム・他チームの状況の輪郭がある程度見えてきた、4月の戦い。
そこでの手応えに加え、今後さらに勝ち続けていくためにクリアすべき(あるいは続けていくべき)ことも見えてきたのではと思う。
そして、この先は、本気で「優勝」を目指していく戦いが始まる。
もちろん、これまでも「本気」で優勝をめざしてきた選手はいるとは思うが、4月から、これだけはっきりと「優勝」が目に見える位置で戦うということを、横浜DeNAというチームで経験してきた選手はいない。
その経験の不足がゆえに、「なるたけ優勝というものを意識しない」でプレーしていく、というのも一つの方法ではあるだろう。
ただ、「優勝」に関しては、はっきりとそれを成し遂げたいという気持ちで臨まなければ、勝ち取ることができないものであるように思う。
村上という新星が登場し、伊藤将も復帰した、阪神。
新井監督のもと、菊池・秋山・九里らが昨年から大きく成績を上げている、広島。
今は我慢の時期になっているヤクルト・高津監督も、その選手を生かす力で上がってくるだろうし、経験値という点では圧倒的なものを持つ巨人・原監督も、色々な策を練ってくるだろう。
中日も、先発投手陣のレベルは高い。
また、6月末からは、交流戦がスタート。先発陣・ブルペン陣とも、セ・リーグの投手以上に力のあるストレートを投げてくる投手たちに、どう対峙するか。
1試合で4人以上のブルペン陣を起用することが当たり前となった状況下、投手の疲労がたまってくる時期と言われる夏場に、どう投手のマネジメントを行っていくか。
さらには、シーズン終盤での、「優勝」を見据えた投手起用・野手起用をどのように行うか。
選手個々が、また、チームとして、「優勝」のプレッシャーに、どう向き合っていくか。そして、どうプレーしていくか。
「優勝」ということを意識することでのマイナス面を懸念する意見もあるだろうが、「優勝」というものを、はっきり意識するからこそ、できるプレー、また、できる取り組みもあると思う。
40年近く応援してきたなかでも、初めての状況といってもいい、今シーズン。
「優勝」を明確に意識した選手たちが、果たして、どんなプレーを見せてくれるか。
そんな思いを胸に、また、明日から、横浜DeNAの試合を見ていきたい。
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横浜DeNA、2023シーズン。一回りを終えての現在地。
http://agemomi.exblog.jp/32956940/
2023-04-25T02:07:00+09:00
2023-04-25T07:43:33+09:00
2023-04-25T04:22:52+09:00
momiageyokohama
横浜ベイスターズ
横浜DeNAは、広島とはこの週末が初対戦、巨人、阪神とはすでに2カード対戦という状況だが、ここまで,10勝7敗。
開幕4連敗したときは、どうなることかと思ったが、5戦目で、トミー・ジョン手術を経ての2年ぶりの登板となった平良が、6回無失点と、チームを救う投球。
翌日も、復活を期す東が、7回無失点の好投で、巨人に連勝。
その後、相性のいい中日にも連勝。
ヤクルトとの1勝1敗を経て、開幕カードで3連敗を喫した阪神に連勝(1試合雨で中止)→ 巨人との九州シリーズ1勝1敗 → 広島戦勝ち越しと、開幕カード後は、カード負け越し無し、という戦いが続いている。
三浦監督の3年間のなかでは、初めて、序盤戦をいい状態で迎えたといってもいいシーズンだが、開幕前に挙げたポイントにも触れつつ、簡単な振り返りを。
1. 不安を抱えたスタートの先発投手陣
→ 平良の復帰・東の復調で安定した陣容に
大貫・今永が開幕には間に合わず、かつ、その代わりを務める投手が台頭しているとは言い難い状況を考えると、開幕時、非常に不安だった先発陣。
実際、開幕から3試合連続で先発が5回持たず、という状況に、ますますその不安は強まった。
そこを救ったのが、平良・東の好投。
さらに、今永・大貫も復帰し、現在二軍で調整中のバウアーも入れると、先発である程度の投球が期待できる投手が8名いる状態となる。
(今永・石田・平良・東・大貫・ガゼルマン・濵口・バウアー)
ただし、このうち、濵口は、3試合とも4失点以上で、現在は調整もかねて二軍。ガゼルマンも防御率4点台と、まだ信頼に足る投球とは言い難い。
また、平良、東は、故障歴も考えて、登板間隔に配慮した起用となるため。多くても、シーズン19試合程度の登板に留まるのではないか。
そうなると、上記の8投手に次ぐ先発投手の台頭が望まれるが、現時点での二軍での成績を見ると、それには、まだ時間がかかる模様。
先発陣が不足したときは、まずは、現在中継ぎに回っている上茶谷、坂本が、その座に入る形となるかもしれない。
なお、平良・東の起用方針もあり、登板曜日が決まった先発起用でないことは、相手チームが、事前の対策をとるのが難しいという利点があるかもしれないが、一方で、各投手の調整能力や、コーチ陣を含めたコンディション作りの力も重要となっていく。
2. 勝ちパターン以外でも投げるブルペン投手の安定
→ 現状は、総じて安定
昨年の2位から一つ順位を上げて優勝を勝ち取るためには、昨年から上積みが必要ということで、開幕前に挙げた、このポイント。
まだ、そこまでシビアに、これらの投手の安定が求められる状況にはなっていないが、シーズンが進むにつれ、より大事になってくるポジションでもある。
現状では、三嶋、森原、ウェンデルケンといったところが、その役割を担っているが、総じて安定している。
なお、勝ちパターンの一角を担うエスコバーの調子が上がっていないので、これらの投手たちのポジションが一つずつ、繰り上がっていく可能性もある。
そうなると、現在、二軍にいる田中や櫻井はじめ、新たな投手の力も必要となってくるだろう。
3.「形」が見えなかった打線
→ 模索の結果、見えてきた新たな「形」
オープン戦で試されていた「1番・佐野」「2番・宮﨑」という打線に、不安を覚えていたファンは少なくなかったように思う。
青柳対策ということで、宮﨑・ソトをスタメンから外した開幕戦の打順は不発に終わり、その後も、もう一つ収まりが悪い打順の試合が続いたが、開幕5戦目から採用した「3番・宮﨑」「5番・桑原」「6番・関根」という打順が機能し始めたことで、チームの勝利も増えてきた。
この打順の機能化を支えている一因は、宮﨑は言わずもがなだが、ここまで3割超の打率を残している、関根の存在も大きい。
関根に関しては、6年前に、応援の思いも込めた記事を書いたが、その後、一軍出場無しに終わったシーズンや、メキシコのウインターリーグ参加などの経験を経て、ようやく、一軍での輝きを見せつつある。
応援している一ファンとしては嬉しいが、まだ、シーズンは始まったばかり。本当の真価が問われるのは、これからだろう。さらに輝く姿を期待しつつ、そのプレーを見ていきたい。
なお、形が見えてきた打線だが、2番と7番は、試合や選手の調子によって、まだ試行錯誤中といったところ(試合によっては「7番・キャッチャー」も)。
この部分が、さらに強固になってくれば、さらなる得点力も生まれていくだろう。
また、ゆくゆくは、佐野の中軸への移動という形もあるかもしれない。
4. ショートのレギュラー争い
→ 森→ 林→ 京田と起用
開幕前は、森でしばらくは行くのかと思っていたが、開幕3試合目でスタメン落ちと、思ったより見切りは早かった。
その後、しばらくは、ルーキーの林が起用されていたが、こちらも、打撃では結果が出ず、4月半ばからは京田が起用されている(この日曜の試合では、大和がスタメン起用)。
その京田も、打撃において飛び抜けた成績を残しているわけではないので、他の選手に、まだチャンスが無いわけではない。
なお、森は、この月曜に登録抹消。早速、二軍戦で「9番・ショート」で出場していたが、次は、ある程度数字を残してからの一軍登録となるか。
京田の年齢(29歳)を考えると、もし、今季、レギュラーのチャンスを逃すと、ショートでのレギュラー獲得は、かなり遠のくかもしれない。
高卒4年目とはいえ、実はがけっぷちの状況にある、ということを、どこまで認識してプロ生活をおくれるか。
また、ここまで出番が限られている、大和、柴田の動向も気になるところではある。
5. キャッチャー陣の打撃
→ 現状、及第点か
ここまで、戸柱-打率.286・出塁率.400、山本-打率.400、出塁率.500、伊藤-.118、出塁率-.167。
トータルすると、打率.226、出塁率.314。
伊藤の成績が低調ということもあり、高い数字とはいえないが、印象的な一打もあり、ここまでは、嶺井の抜けた穴はそこまで感じないと言ってもいいかもしれない。
なお、時折、期待値の高い記事も見る、松尾は、現在、ファームで打率.286(49打数14安打)である。
セ・リーグの他球団を見ると、ここまで、巨人・大城、中日・木下が及第点以上の成績を残している一方、他の3球団のキャッチャーは苦労している感じだが、キャッチャーが、打率.250、出塁率.305以上を残すと、打線のまわりも、かなりよくなるので、今後、その数値以上を目指してほしいところ。
6. バウアーの存在
二軍戦で、2試合を消化したバウアー。
ニュース記事では「剛腕」と評されることも多いバウアーだが、どちらかというと「投球術」の方が目に付く。
二軍戦では、数字・内容ともいい結果を残しているが、一軍の主力打者と対峙したとき、どこまでのピッチングを見せられるか。
実績は申し分ないが、公式戦での登板からは遠ざかっていること、日本の打者との対戦が初めてであることを考えると、一軍登板では、さらなる、自身の感覚の調整が必要となってくるだろう。
「頭」と「体」の同期という部分への意識が高い投手だけに、他の投手へもたらす影響も気になるところ。
一軍デビューは、かなりのフィーバーも予想されるが、重要なのは、シーズントータルでの成績。
バウアーにとっても、球団にとっても、実りある結果となることを期待したい。
7. 三浦監督の采配
開幕戦のオーダーは不発に終わったが、開幕5戦目を境に、ある程度の「形」と、臨機応変さを兼ね備えた、選手起用をしている印象がある。
投手起用に関しては、勝ちパターンに入ったときに、不調の投手がいたときの投手交代(あるいは続投)、攻撃に関しては終盤の代打起用というところが、見えやすい采配のポイントだが、前者は的確な起用をしている感があるし、後者は、楠本はじめ、おしなべて代打成功率は高い。
ベンチでの表情を見ていても、1年目・2年目と比べると、ずいぶん余裕が出てきたように見える。
もちろん、その裏には、コーチ陣への信頼であったり、選手の力の把握力の向上といった要因もあるだろうが、監督力というものが、一朝一夕では身につかないということも感じる。
今後、シーズンが進むにつれ、その表情がどう変わっていくか(あるいは、変わらないか)、というところにも注目して、シーズンを見ていきたい。
ということで、各ポイントを見てきたが、一時期、4強2弱の構図になりつつあったセ・リーグも、この週末は、巨人・中日が、ヤクルト・阪神に勝ち越すなど、今後、さらなる混戦になっていく可能性も高い。
そうしたなかで、どこまで、安定した戦いを続けていけるか。
5月末までのセ・リーグとの戦い。そして、5月末からの交流戦と、1試合1試合、そして1プレー1プレーに、心動かされる日々が続く。
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開幕前夜。「横浜頂戦」のポイント。
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2023-03-31T00:40:00+09:00
2023-04-04T08:44:34+09:00
2023-03-31T07:08:21+09:00
momiageyokohama
横浜ベイスターズ
横浜DeNAは、京セラドームで阪神戦。
その後は、浜スタで巨人戦、中日戦と続く。
そこで、今シーズンのポイントをじっくり……と行きたいところだが、時間も無いので、今回は、現時点で思っていることをざっと。
なお、今年の年頭に書いた「2022シーズンをふまえての、2023シーズン『横浜優勝』のポイント」は、こちらから。
1. 不安を抱えたスタートの、先発投手陣
今年の年頭、優勝するには「今永・大貫・濵口・石田以外の、先発投手の勝利数」が大事と書いたが、今永はWBCの影響、大貫は故障による一時離脱により、開幕は両投手が不在(大貫は、早期復帰の可能性もあるが)。
開幕してしばらくは、先発6人をどうやってやりくりしていくか、という状況となる。
1月にキーマンとして挙げた吉野のローテ入りは、まだまだ厳しそうだが、東・平良という故障からの復活を期する2人が、どこまでのピッチングを見せられるか。移籍してきた笠原。バウアーの加入でうかうかしていられなくなったガゼルマンも然り。
なお、開幕では、上茶谷、坂本は、中継ぎとして待機とのこと。
先発陣が厳しい間は、先発が早い回でつかまるような場合は、第二先発を早めに登板させる、といった戦略も取って行くかもしれない。
2. 層が厚くなってきたリリーフ陣
心配が多い先発と比べると、森原の好調、三嶋の復帰もあり、昨年より、やや陣容が厚くなった印象もある。
心配な点をあげるとすると、田中が開幕に間に合わないということもあり、左で実績のあるブルペン陣がエスコバーのみというところだが(他では、前述の坂本に加え、石川が開幕メンバーに)、「左対左」にこだわならければ、そこまで問題にはならないかもしれない。
もちろん、山﨑の昨年に引き続いての安定も期待したいが、もし不振でも、伊勢、入江など、それに取って代わろうかという投手が控えているのは心強い。
3. バウアーの存在
まさに「寝耳にバウアー」だった、トレバー・バウアー入団のニュース。
実績は文句無し。年齢的にも、脂の乗り切った年齢といえ、それだけを考えれば、とてつもない成績を残すのではとも思える。
ただ、1年半の長期ブランク。先日、右肩の張りを訴えたというニュースもあり、フルシーズン、故障もなく通して投げられる、とは考えない方がいいかもしれない。
MLBとはスタイルが違う日本のバッターたちを相手にするということも考えると、うまく適応したとして、17試合、8勝4敗といったところが、まずは期待し得る数字ではないか(もちろん、この数字を上回れば、言うことはないが)。
また、いきなりの環境の変化ということで、球団としてのフォロー体制、また、チーム内でのコミュニケーションというところも重要だろう。
なお、バウアーについては、MLBで長期出場停止になった理由が非常にセンシティブなことなので、それについての問題視という部分は避けて通れないだろう。
本人は、そのことも含めて、自身のYouTubeチャンネルで、過去の過ちについて反省の色を示した、という記事もあったが、自身の行為によって、長期出場停止という大きな代償を払った一人の選手が、どういった形で、そのキャリアをリスタートさせていくか(野球人というだけでなく、一人の人間としても)。
なお、MLBでも、ある意味異質な存在ともいえた投手だけに、今まで日本の野球ファンが見てこなかったものを見られる選手になるかもしれない。
4. 打「線」の実現
オープン戦は、とにかく打てなかった。チーム打率.208は、12球団最下位。19試合で47得点、ということで、1試合3得点以下。
いくら牧が不在だったとはいえ、シーズンにおおいに不安を残したまま終わった、DeNA打線。
佐野、宮﨑、そして、ぶっつけ本番で開幕を迎える牧をのぞくと、一体どんなスタメンになるのかと案じる状況だが、各選手が、それぞれのポテンシャルを高めていくことに期待するしかない。
いずれにせよ、開幕してしばらくは、その時の選手の調子、また相手チーム(投手)との相性によって、いろいろと、打順・スタメンが変わっていくことになりそう。
オープン戦で数少ない好調な選手だった林をどのように起用するかも注目されるが、先発陣に不安を抱えるだけに、オープン戦での貧打線のままであれば、優勝は、遥か彼方にかすむものとなる。
「4月中旬での実践復帰も」とのニュースがあったオースティンも、スローイングのことを考えると、復帰したとしてフルで出られるかは50/50で考えておいた方がよく、昨年以上に「打線のつながり」が求められる状況といえる。
5. ショート・森
オープン戦30打席連続無安打で終わった森を、果たして、ショートで使い続けるか。
近年のプロ野球では珍しい「打てなくても出し続ける」ここまでの森の起用だが、「内野のスタメン定着を期待したがかなわず→外野転向」ということを幾度となく繰り返してきた(梶谷、筒香、桑原)横浜だけに、森をショートから外さなかったことには、賭けの要素と、腹を括った様が感じられる。
森としても、今は期待されているが、結果を出さずとも出してもらえる時期は、そう長くはない。「将来が約束された立場」から「次の選手へチャンスのバトンが渡された状態」になる前に、ポジションをつかみ取れるか否か。
6. キャッチャー陣の現在とこれから
1月の展望で、ショートと並んで、その打撃がポイントだと書いた、キャッチャー。
当面は、戸柱・伊藤・山本という陣容で行きそう。
この3人だと、打撃面では、伊藤に一日の長があるが、故障離脱が多い選手でもあり、フルシーズンでの活躍を期待するのは難しいだろう。
そうなってくると、松尾が、どのタイミングで一軍の戦力となることができるか。
高卒1年目のキャッチャーというと、ロッテの松川の名前が出てくるが、打撃も含めた戦力化ということを考えると、ヤクルトの内山の方が、今後を予想する参考になるかもしれない。
アマチュア野球はそこまで見ていない自分だが、星稜時代の内山を見て、小柄ながら引っ張り切れるバッティング、また、テレビのドキュメント番組でのインタヒューで垣間見られたキャプテンシーに、大きな可能性を感じた(余談ながら、ヤクルトは近い将来、中村・内山問題が出てくると思っている〔この数年で飛躍的にリード力が伸び、かつ、打撃も勝負強い、今、日本で一番と言っていい中村悠平と、パンチ力のある打撃、かつ、若いながらキャプテンシーも兼ね備え、非常に大きな可能性を持つ内山壮真のどちらを起用するか問題〕)。
キャッチャーは、もちろんリード力やキャッチングも大事だが、他の選手に差をつけられるのは、実はバッティングだったりする。
バッティングでの評価が高く、かつ、俊足も併せ持つ選手だけに、今シーズンでのスタメンデビューの可能性も無くはない。
前述の森とともに、将来のチームの要となることへの期待は、球団も、そしてファンも大きいだろう。
7. 3年目を迎えた三浦監督体制
最後に、監督について。
そのインタビュー、またテレビの取材などからも、人柄の良さは伝わってくる。
ただ、そのコメントを聞いていると、総体的、かつ抽象的な内容が多く、物足りなさを感じていたのも事実である。
そんな三浦監督も3シーズン目。
以前に比べて、コメントにおいて、具体的な数字を口にすることも増えてきた。
泰然自若とまではいかないが、その表情からは、随分と落ち着いてきた様子もうかがえる。
昨年、石井琢朗、齋藤隆、鈴木尚典といった、元先輩のコーチが復帰してきたことも大きいのだろうか。
今季は、青山コーチがヘッドを外れ(巡回コーチに)、相川コーチが、チーフ作戦兼バッテリーコーチを担うとのこと。
また、ファンからは見えないところで、作戦や選手起用において、データ班による分析の占める割合も多いと思われる。
現時点でのチームの戦力状況、また、混戦が予想されるセ・リーグということを考えると、昨年の2位は、今季の上位進出を確約するものではない。
ただ、この2年での経験、さらには、今季重ねていく1試合1試合が、その監督としての力を高めていくことになるか。
自身もその一員だった1998年の優勝から25年。
その後一度も果たせなかった「優勝」を果たして、宙を舞う姿が見たい。
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