2年目のジンクス
2008年 06月 11日
さらに今日は、鶴岡選手と真田投手のトレード(「鶴岡投手、巨人での活躍を。真田投手、ようこそ横浜へ」)と、2日続けて驚きの動きを見せているベイスターズですが、前回に引き続いて、ちょっとここ10年の横浜を振り返ってみようと。
大矢監督2年目となった今年の横浜ですが、開幕前は期待感を抱いてたファンも結構いたのではと思います。
昨年は4位とはいえ、シーズン中盤までAクラスに踏みとどまり、71勝72敗と5割まであと一歩という戦いぶり。寺原投手、仁志選手の加入はあったものの、ドラフトを含め大幅に戦力補強をしたわけではなかっただけに、「よく健闘した」という印象がありました。大矢監督2年目となる今年は、1年目に比べてより監督の戦い方も浸透していくと予想されるだけに、あわよくば優勝争いまで期待したファンも少なくなかったのではないでしょうか。
自分もその1人でした。ただ、オープン戦、あまり結果も内容もよくなかっただけに、ちょっと不安はありましたが……。
で、シーズンが始まってみると、この有り様(^^)。
思えば、こうした事態は2年前もありました。
2005年、牛島監督が1年目、しかもコーチ経験もなく初の監督業だったにもかかわらず、3位に(69勝70敗7分け)。
「来年は優勝争いを」と期待を膨らませたのですが、2006年シーズンは一転して負け続け、結局8年連続Bクラスを続けていた広島よりも下の最下位。
年齢のことを考えると「長期政権も…」と期待していた牛島監督は、わずか2年での辞任となりました。
さらに言えば、2001年、2002年の森監督も同じ軌跡を辿っています。
森監督というと、負け続けた02年シーズンの記憶の印象が強いファンもいると思いますが、就任1年目の01年は69勝67敗(4分け)の3位でした(勝率は4位の広島が上だったが勝ち星で上回って3位に)。犠打や盗塁が大幅に増えるなど戦い方は変わりましたが、勝敗としては前年の権藤監督下での69勝66敗(1分け)とほぼ同じ成績を残しています。しかも、前年、前々年と打ちまくった(もちろんその前もですけど)ローズ選手を欠いてのAクラス確保でした。
しかし、翌年は開幕からつまずき、結局5位広島と14.5ゲーム差、勝率.368と散々たる成績に(森監督は、最下位確定後、退団)。
結局この10年、1つ勝っただけで涙目になっていた山下監督を除いて、3人の監督が「1年目でまずまずの成績 → 2年目 開幕から負けに負け続け、最下位に定着」という結果になっています(そして、1人例外の山下監督は2年連続の最下位…。もちろん今年の場合は、まだまだ試合はありますが)。
さらに昔をたどっていくと、90年、監督1年目で旋風を巻き起こし、前年の最下位からAクラスを果たした須藤監督も、2年目以降は5位(ただし勝率は前年と変わらず)→3年目・開幕から成績が振るわず辞任。
また、監督1年目で優勝した権藤監督(ただし前年から投手コーチを務めていたので、実質的な1年目とは違うが)も、2年目以降は優勝争いに絡むことはできず、2年連続で3位に終わり、結果退団することなりました。
もちろん、権藤監督の場合は、他の監督と多少事情が違いそうですし、各監督それぞれ在籍していた選手も違うのでひとくくりに語ることはできませんが、共通しているのは「1年目より2年目の成績が悪くなる。それも圧倒的に」ということ。
その原因は1つだけではないでしょう。ただ、これだけ同じことが繰り返されている大きな要因として、「監督1年目でのまずまずの成績に満足し、補強を疎かにしたフロントの怠慢」というところは避けて通れないと感じます。
昨年の「シーズン中盤までの3位」という成績は、「大矢監督が上手にやりくりをした」という側面が大きかったと思います。5月に首位に立ったときも、打率、本塁打、打点、防御率といった成績はおしなべてリーグ下位の成績。その後、5月、8・9月と二度の大型連敗シーズンを過ごすも、結果的に終盤まで阪神に食い下がったのは、粘り強さと「変えるところは変える」メリハリのある選手起用があったからだと感じました(その意味では、前回の監督時より格段に選手起用が上手くなったと思います)。
しかし、そうしたやりくりが2年も続くほどプロ野球は甘くなく……。
新外国人5人、入来投手、小山田投手、小関選手、斉藤秀選手といった選手たちの獲得を、球団は大幅補強と考えたのでしょうが、結果はこうなってしまいました。さらに、吉村選手の外野再転向にもかかわらず大西選手を獲得したことで、小池選手、下窪選手といったところが完全にあぶれしまう状況を作り出す始末。一方で、20年来の課題である左の中継ぎ部門で、吉見投手が打たれても打たれても投げ続けているのを見ると、「本当にフロントはチームの試合を見てるんだろうか?」と、何度首をひねっても足りないぐらい「?」が浮かびます。
牛島監督の1年目も、防御率が前年の4.47→3.68と変わったように、その投手陣への働きかけの手腕によって、チーム成績がアップした面が大きいと思います(もちろん、あくまで外部からの推測ですが)。雑誌記事などを見ると、クルーン投手を成功に導いたのも、牛島監督のアドバイスが大きかったようです。10年来一軍投手として投げつつも不安定な投球の多かった門倉投手も、プロ入り以来最高の成績を残しました。
しかしその神通力(?)も2年は続かず、チーム防御率は4.25でリーグ最下位。さきの門倉投手も二桁勝利こそ挙げたものの、試合序盤で試合をぶち壊すことも多く、防御率は1.5近く下がりました(そして巨人へFA移籍…)。
なお、牛島監督2年目となる06年開幕前に、球団がドラフト以外で獲った選手は、野手も含めて佐久本投手、ベバリン投手の2人のみ。負けが込んでようやく獲った選手が山北投手、ソニア投手。さらには前年、牛島監督の就任時に、ドラフト、外国人以外で移籍で獲った選手はゼロです(^^)(前年最下位だったにもかかわらず)。
さらに追い打ちをかけるようなことを書くと、森監督の1年目、ドスター選手、ズーバー選手の失敗をふまえて(もしかしたらふまえないで?)、翌年獲ったのがグラン選手とロドリゲス選手。ロドリゲス選手はなんとか及第点の成績を残しましたが、一方のグラン選手はハイペースで三振を量産し続け、打率も.226(67試合)。望みを託してシーズン中盤まで主軸で使い続けた森監督を退団に追いやる大きな一因になってしまいました。
なお、過去には、江藤選手、新庄選手などFA選手の獲得に積極的に手を挙げていた横浜ですが、この10年で獲得したのは若田部投手のみ(横浜3年間で1勝)。一方、2001年には谷繁選手が中日へFA移籍し、その後長らく後継キャッチャー問題に悩まされました(相川選手には申し訳ないけど、現在の状況を見ると今もその影響に悩まされているといってもいいかもしれない)。
那須野投手に5億払ったそうなので、そんなにお金が無いとも思えないんですけどね(^^)。
と、横浜のマイナス要因をたっぷりと挙げてきましたが、要は1年目のまずまずの成績に浮かれて、自軍のマイナスポイントを分析できず、見当違いの補強あるいは「補強無し」状態を繰り返し続けてきたフロントが、こうした「2年目のジンクス」を招いているといってもいいでしょう。給料をもらっているプロの仕事として、「あまりにも甘過ぎる」の一言に尽きます。
さらに自戒を込めて言えば、1年目の成績で安易な期待をしてしまうファンも甘いのかもしれません(まあ、それがファンというものなんですけどね(^^))。
まあ、残念ながら、球団のフロントがファンの意見で変わるということはそんな簡単にあるものではない(たぶん)と思うので、当面ファンとして出来るのは、粘り強く1試合1試合見続けいくことでしょう。
そんなわけで、今週はオリックス(大阪ドーム)、ソフトバンク(ヤフードーム)と対戦です。今週は1週間に1勝と言わず2勝、いや全勝で……。
私のブログにコメントありがとうございました。
非常に興味深く記事を読ませて頂きました。私もまったくその通りだと思います。
こんな状況で監督を変えても何も変わらないでしょう。監督を変えたいファンの気持ちもわかりますが少し冷静になってもらいたいですね。
よっしーさんのブログのコメントを見て、コメントしにきました。
実は以前から何度も読ませていただいていて、しっかり
お気に入りにも入れさせていただいています。
フロントの怠慢はおっしゃる通りなのですが、それ以上に
オーナーが問題ですね。砂原前オーナーから若林現オーナーに
替わっても余計なお金は出さないと渋り、ここに来て、
補強費は出すから、何がなんでも補強しろですよ。
これじゃフロントも混乱をきたすのは目に見えています。
上に立って1番指揮しないといけない人が、何も足下を見ていないことを
露呈させたようなこの一連のことですから、現場が1番
影響を受けるのは当たり前ですね。
まずオーナーの意識が変わって、フロントも変わらないといけない、
これはいうまでもないです。
大西くんの獲得ですが、これは現場からの要求もあってのことで、
克明くんも出たがった、大西くんも出たがった、
おまけに裕基が外野にコンバートしたものの、ゴジは内野に再チャレンジ、
下窪くんは足首痛で、キャンプン時点で開幕には間に合わないことが
分かっていたので、この補強は間違っていないんですよ。
現状の大西くんのがんばりをみても、良かったと思います。
本人の意識がいいですし。
結構プレーだけで彼のことを判断されるのが、残念に思います。
彼は、試合に出ようが出まいが、研究して、キャッチャー陣
みんなにいろいろアドバイスをします。
キャッチャー陣の若手の成長は、彼の影響も大きいんですよ。
キャプテンシーの部分でもいわれますが、彼はチームをよくまとめています。
彼が今、もしいなかったら、もっとベイスターズはバラバラになっていたでしょう。
それぐらい彼の存在は大きくて、選手の信頼感も厚いですよ。
でなければ、脇腹を痛めて戦線離脱したときに、
いろんな選手から『相川さん、亮二のために・・・。』なんていう
言葉は出てきませんから。
先日のファーストへのヘッドスライディングでチームを乗せたのも
象徴的なことです。
それは分かっていただきたかったので、コメントしました。
長文になってしまってスミマセン。
コメント、ありがとうございます。リンクにも加えさせていただきました。
過去20年間、監督を交代してある程度の成果を残せたのは大矢監督→権藤監督の時だけでしたからね。横浜(大洋)ファンの方ならば、「監督を代えればよくなる」という単純な問題ではないことは重々身にしみていると思うのですが(^^)。
今日も、追加点を何としてもとりたいところで野中選手が牽制死。相手を助けるのではなく、相手に嫌がられる攻撃をする早くチームになってほしいものです。
コメント、ありがとうございます。
大西選手自身はいかにも「元近鉄」っぽくて魅力のある選手だと思いますよ(あの松坂投手が投げた横浜vsPLの時の5番打者(PLの)なんですよね)。
ただ戦力構想的に考えると、どう考えても、ここ数年の横浜は外野手が過剰気味。金城、内川、吉村、小池とレギュラー実績のある選手だけですでに4人(1人余る状態)。そこにビグビーの加入。さらには下窪、桑原、内藤、西崎ら若手陣もいることを考えると、獲るべきなのはどう考えても外野手ではなくて、ピッチャー(あるいは二遊間)だろうと。古木選手も、横浜外野陣の状況を考えて出場機会を外に求めたわけで、そこで一軍クラスの戦力である大西選手を獲ったとしても、結局また外野手のあぶれ状態を生み出すことになり、それはチームにとっても選手にとっても不幸なことになるのではと思いました(今でこそ一軍で活躍している大西選手ですが、開幕しばらくは二軍。考えようによっては、最初の1ヶ月はその力をチームとしてまるまる有効活用できなかったとも言えます。今は小池選手がその状態になってしまっているといえるでしょう)。
ただ気になるのが盗塁阻止の部分。昨年は.250でリーグ最低(チーム全体の許盗塁数81も最低)。今年も.267。谷繁選手の4割前後の盗塁阻止率と比較するとディスアドバンテージは大きいですよね(必然的に相手の盗塁企図数も増加)。酷な言い方ですが、肩痛は低い盗塁阻止率の「理由」にこそなれ相手からしたら「つけこみ所」。
またリードに関しては、1試合を通して見られる機会が少ないので軽々しく言うことはできませんが、これだけの防御率ですからキャッチャーに責任が無いということにはならないでしょう。後半戦はそうした批判をシャットアウトするリードを見せてもらいです。
いずれにせよ選手への罵倒のようなことはあまり好きではありません。自分の場合、140kmを投げられるだけで「すげえ」と思いますし(^^)。「ファンが甘いから弱いんだ」ってことを言う人もいますが、そうした声が出ないような戦いを、ベイスターズには一日も早く見せてもらいたいですね。



























