アジアシリーズの意味
2007年 11月 13日
決勝戦序盤は、レイボーン投手からいい当たりを放つも「打球が野手の守備範囲内」という、中日からするとちょっと嫌な展開。
しかし、5回表に逆転、さらには6回表に李炳圭選手の2ランで5-2となったところで、「これでたぶん大丈夫だな」と思いました。7回表のチャンスで追加点をとれなかった時も「まあ、しょうがないか」ぐらいに考えていたのですが、8回裏のイ・ジンヨン選手の同点2ランで一気に目が覚めましたね。さらにチョン・ギョン選手がレフトへとてつもない当たりを打ったときは、「一瞬ダメか」と思いましたが……。
その後、岡本投手を継いだ鈴木投手がよく抑えましたね。あのまま岡本投手が続投していたら、SKワイバーンズが優勝していた確率が高かったかもしれません。
さて、そのアジアシリーズですが、中日は今回ウッズ選手が不参加。
さらに昨年の日本ハムも、日本シリーズまでは出場していた新庄選手、セギノール選手が不参加でした(新庄選手は引退、セギノール選手はパスポートのトラブルという原因ではありましたが)。
また、一昨年のロッテに関しては一応主力が出ていたものの、決勝進出が決まった3戦目の中国戦では、早坂・塀内・竹原・井上・辻・渡辺正とシーズンでは控えだった選手がズラッとスタメンに名を連ねる(なお、先発は黒木投手)など、各チームとも、日本シリーズに比べると戦力を落として臨んでいます。
本来であれば、「日本シリーズで日本一」→「さらにアジアシリーズを制してアジア一へ」と盛り上がりが加速していくべきなのかもしれませんが、現状のアジアシリーズは、NPBの球団、選手・監督、さらには日本のファンからすると、まだそこまでの認知をされていない、というのが現実でしょう。
(今回、中日が優勝できなかったら、ファンの認識も大きく変わる可能性がありましたが)
思えば、このアジアシリーズは唐突に始まった感があります。
前年に球団合併問題で日本球界が揺れ、最終的に「2リーグ制維持」「新球団誕生」ということで始動することとなった2005年3月に、その開催は静かに発表されました。
当時は、前年起こったいろいろな問題において、幾度と無く会合を開いても結論を出すことのできない球界の構造を見せられていただけに、「日本よりさらに広いアジアの大会というのに、随分あっさり(開催が)決まったものだなあ」と感じた覚えがあります。
もちろん大会の趣旨自体は反対するようなものではないですが、それまでそうした動きが報道されたことはあまりなかっただけに、当初は「ふ~ん、そういう大会やるんだあ」ぐらいの認識だったファンも少なくなかったと思います。
それから3年が経ち、「日本シリーズの後に、さらにアジアシリーズがある」ということ自体は、多くのファンが認識として持つようになりましたが、「アジア一」という冠の割には、まだ盛り上がりはいま1つの感があります。
「アジアシリーズ」の公式HPを見ると、「アジアシリーズとは?」というところで、「日本及びアジア野球界では最高峰の大会」という記述があります。
さらに、「アジアチャンピオンになることが、選手、チーム関係者、ファンの目標となり、名誉をかけた真剣勝負が大会を盛り上げ」とした後で、「将来的な『クラブ世界一決定戦』の実現に向けた大きなうねりとなることが期待されます」と書かれています。
現在はアジアの中のみの大会ですが、ゆくゆくは「野球世界クラブ選手権」へ。
それはつまり「MLBの優勝チームとの対戦」を意味しているでしょう。
今年でいえば、中日ドラゴンズ-ボストン・レッドソックス。
ベケット・シリング・松坂を、ウッズ、中村、森野が迎え撃つ。
川上・中田・朝倉は、果たしてラミレス・オルティーズら強力レッドソックス打線を抑えられるのか?
荒木・井端らは、弱肩と言われるバリテックをどれだけ揺さぶることができるか?
局面によっては「代打・立浪」に対し「リリーフ・岡島」の場面も。
最後、パペルボン・岩瀬、果たしてクローザーをより多く登板させることができるのはどちらか?
さらにはレッドソックス・中日、どちらのファンが熱狂的?
といったように、いろいろな想像が膨らんできて楽しくなってきますが、その実現性を考えると……。
「ワールドシリーズ」という言葉に表れているように、「MLBのチャンピオンチームがさらに他地域の優勝チームと対戦する」といったことを考えているMLB関係者はゼロに等しいでしょう(一方で、アジアシリーズ後、「次はレッドソックスだ!」と思った中日ファンもほとんどいないでしょうが(^^))。
もしかしたら「プレーオフへの参加(アジアの球団の)ぐらいなら考えてみてもいい」なんていうMLB関係者はいるかもしれませんが、「クラブ版WBC」の実現とまでなると、想像ができないぐらい、いろいろな要素をクリアしていかなければなりません。
ただ、もしこれが実現するとなると、NPB優勝チームの「アジアシリーズ」に対するモチベーションはそれこそ格段に上がるでしょう。
(ただし、プレーオフから続く短期決戦の連続で、コンディション的にはかなりキツくなると思いますが)
現状では「荒唐無稽」といっても大げさではないほどの「(本当の意味での)ワールドシリーズ」実現ですが、あのWBCだって、数年前に実現できると思っていた人がどれほどいたでしょうか?
それこそ、アジアシリーズの決定のように、ひょっこり「開催決定!」なんて可能性もなくはないと思います。
いずれにせよ、実現に向けて大事なのは、「やってほしい」と思うファンの気持ち。
もし実現すれば、「日本の球団で、メジャーの球団を倒す」という新たな目標ができることで、MLBへの選手流出が止まるかもしれません。
すぐの実現は厳しいかもしれませんが、アジアシリーズが4回、5回……と回を重ねていくごとに、大会に対するファンの熱が上がっていき、それがさらに「球団世界一決定戦」が見たいという機運につながっていけば、「アジアシリーズ」の格も上がっていくでしょう。
もしかしたら、6・7年後、「中日・イチロー vs マリナーズ・松坂」「日本ハム・中田翔 vs レッドソックス・ベケット」なんてシーンが見られるかもしれません。



























