上原の凄さ。
2005年 02月 17日
今回の件に関して、自分はどちらがいい悪いといったことは、あまり言えません。
ただ今季から上原がメジャーへ行ってしまう、と思っていなかったので、この結果には「よかった」と思っています。
極めて個人的な理由ですが、メジャーへ行くとなると、NHK衛星を見れない自分にとっては、そのピッチングを見ることが圧倒的に少なくなるので、とりあえず今年は「巨人で投げる上原」(ここでの「巨人」は「日本球界で」という言葉と同じ意味)を見たい、という思いもあったので。
(話は逸れますが、いまの自分の財政面(^^)やそのコストパフォーマンス(MLBを見れるようになっても、深夜~午前の放送が多いということで、実際は見れる機会が少ない)を考えると、衛星への加入やスカパーのMLBセットに入るというのは、まだ二の足を踏むんですよね)
さて、その上原投手ですが、ここ何年かのピッチングを見ていると、150kmの球速やズバ抜けた奪三振数といった数字に分かりやすいものではないのですが、ある種の「凄み」を感じます。
それは「①ストライクゾーンに行く確率の高さ+②しかも打たれないボールを投げる+③その持続」ということです。
「な~んだ、そんなことか」と言われるかもしれませんが、実は①②の条件をクリアして、さらにはそれを毎年持続していく(1年だけよかったという投手は何人もいますが)というのは、実は現在のプロ野球全体を見ても、ほとんどいないんですね(ここ何年かの投手ベスト10なんかを見ると、いかに隔年投手が多いかがわかります)。
まず、コントロールの良さですが、昨年まで3年間連続で四球数が「23」(敬遠含む。しかも、02・03年は200イニング以上投げての数字)と、驚くべき数字を残しています。昨日のフリー打撃でも、170球近く投げて、その9割がストライクゾーンに入ったということで、小久保選手なども感心していました。
さらに、コントロールがいいということは、逆にバッターからすると的が絞りやすいということも言えるのですが、バットには当たっても打球を前にとばさせないボール(特にストレートにおいて)を投げることを完全に会得している感があります。
これはあくまで想像に過ぎませんが、長いイニングを投げるための対策として、ファーストストライク・セカンドストライクは、7・8割程度の力で投げてファールを打たせ、最後の決め球は全力(あるいはそれ近く)で投げるということも、かなりの確率でやっていると思います。
さらには、それらの毎年の持続。昨シーズンはよかったものの、オフ明けて、新しいシーズンに入ると、前年のよかった球の回転が失われて、まったく活躍できないという投手は少なくない(横浜なんかはたくさんいますねえ(川村投手・斎藤投手・吉見投手etc))と思いますが、そうした段階はすでに卒業した、とも言わんばかりに、毎年安定した成績を残しています。
おそらく最近の上原投手は、自分の投げるボールをかなりの確率でコントロールできているのではと思います。そうした手応えがあるからこそ、「調子のいい今、メジャーに行きたい」という思いも強いのではないでしょうか。
球団とのメジャー移籍交渉は、今後も続けるということで、今季で「日本で上原投手を見るのは最後」という可能性も多分にありますが、まだテレビでそのピッチングを見れる機会が多い今季、改めて、そのピッチングの凄さの細部を見ていきたいと思います。
今年、20勝か防御率1点台とかの成績を出してメジャー、とかなったら凄いですけどね(^^)。