セカンド守備の重要性。
2005年 02月 14日
監督になって、その顔をアップで見ることが多くなりましたが、「解説ぶりからソフトな印象があったけど、目は笑ってないなあ」という印象。いずれにせよ、「目は笑っていないということが、シーズンを終わってみて、よい結果につながっている」ことを期待、です。
さて、表題の「セカンド守備」ですが、昨年、中日が優勝した大きなポイントとして、よく「二遊間(荒木・井端)の堅い守備」ということが挙げられました。
井端選手の方はもともとその堅実なプレーに定評がありましたが、特にもう一方のセカンド・荒木選手の守備の成長というものが、中日の優勝に貢献したように思います。
荒木選手は、02・03・04年と、規定打席に到達していますが、本当にその守備が安定してきたのは昨年からだと思います。
エラー数を見る限りでは、03年も04年も「6」と同じですが、一昨年までは、そのエラーの少なさほど「安定していた」という印象はありません(中日ファンの方がどう感じていたかはわかりませんが)。
特に「スローイングの不安定さ」が目立ち、併殺をとれるところで送球が逸れてホースアウト止まり、というシーンがかなり目立ちました。ちなみに、03年のデータは見つからなかったのですが、04年の併殺参加数「91」に対して、02年の併殺参加はわずか「38」です(打席数を見ると両年で1.4倍ぐらいの差はあるのですが、それにしても少ない数字です。なお昨年の2位は仁志選手の「75」)。
それこそ、一時期の荒木選手は「イップス」とも思われる症状になっていましたが、「では昨年、どうしてそれが改善されたのか」という部分は、もしかしたら、一般レベル(子どもたちや草野球etc)で野球をやっている人にも参考になるかもしれません。
さて、ここで横浜の状況に目を移してみると、昨年、主にセカンドを守った選手は、内川・種田選手の二人。内川選手は、94試合出場でエラーが「12」でしたが、特に送球が逸れる場面が目立ちました。
その前年(03年)は、村田・種田選手がセカンドを守ることが多かったですが、両者とも、セカンドの守備で投手を助けることができたかというと、むしろ逆の場面が多く、横浜の「投壊」の一翼を担ったといえるのではないかとも思います。
村田選手のセカンド起用は、古木選手との先発併用、という意味合いもありましたが、それを考えても、その守備範囲・捕球の確実性などからして、セカンドでの起用はハイリスクでした。そのことがあったのか、昨年はセカンドで村田選手を起用することはほとんどありませんでしたが、かといって、内川・種田というラインアップも、現時点では、セリーグの中では下の方に位置する守備力。
種田選手の場合、実際に球場で練習を見ていると、「守備が上手い」という印象があまりないせいか、「意外と上手いな」とも思うのですが、やはり試合になると、守備範囲の狭さや、常時セカンドで出場していないことに起因するのか、守備位置の悪さなどが気になります。
プロ野球全体を見てみると、前述の荒木選手もそうですが、最近(に限ったことではないかもしれませんが)は、セカンド守備の重要性が増しているように思います。
井口選手の守備力は、ダイエーの強さを支えていたと思いますし(特に、肩の強さが◎)、守備位置で称賛されることが多い仁志選手(ただしスローイングがもう少し強いといいですが)、度々ピンチの場面でスーパープレーを見せる高木浩選手(西武)などの存在は、それこそ相手チームにとっては厄介です。
広島が、昨年中盤までいい戦いを見せたのも、木村拓選手からラロッカ選手に変わったことでの守備力アップが少なからずあったのではと思います。
セカンドは、単に直接的なゴロやフライの処理の他にも、たとえヒットにはなったとしても、1・2塁間の当たりを内野で止めることで、1・3塁になるところを1・2塁で防ぐ、あるいはセカンドランナーのホーム突入を防ぐ仕事、また前述した併殺成功の増加での貢献など、かなり重要なポジションであると思います(よく言われることではありますが)。
横浜の話に戻りますが、何年か前(00年)、ドスターという外国人選手がいました。
ローズ選手の後釜を期待されたというのがあった為、打撃面ではかなり物足りない印象を残して一年で帰ってしまいましたが、守備の面では、堅実なプレー(時にはファインプレー)を見せていました。
個人的には、今季、横浜が外国人選手を獲るにあたっては、飽和状態とも思える外野の選手を獲るよりは、守備の面で心許ない内野に、打撃は多少非力でも、守備面で補完できるような選手をとってみてはどうかとも思っていました(複数ポジションできれば、なお良し)。
おそらく、今季の横浜は、昨年と同じく内川・種田選手あたりが軸(ルーキーの藤田選手あたりが絡んでくる可能性もあるかもしれませんが)となると思いますが、誰が出場するにせよ、首脳陣の方には、「セカンド」の守備力強化を、今シーズンの目標の一つとして取り組んでほしいと思います。
追記:前回、このブログで触れたウイット選手が、一昨日の特打でスタンドインを連発したそうですが、あくまで打ちやすい球を打ってのこと。「いざシーズンでどうか」というところですね(もちろん打ってほしいですが)。