野球中継のない週末
2007年 06月 19日
この週末の2試合は、各地で接戦が多かったように思います。
なかでも、上位チーム同士となった、巨人vsソフトバンク、中日vs日本ハムは内容も濃い試合でした。
しかし、関東地区では、土曜の巨人vsソフトバンクの地上波中継はありませんでした(杉内と高橋尚という現時点でのハーラートップどうしの戦いだったのですが)。
改めて言うまでもなく、今シーズン、ゴールデンタイムの野球中継は激減しています。まあ、関東地区の場合は、ゴールデンタイムの野球中継=巨人戦ということになるのですが、3連戦で3試合とも中継することはほとんどなし。日テレだけではなく、TBS、フジでの中継がざっくり減り、ネット局が少ないテレ朝、テレ東での中継が多くなりました。
厳しい言い方をすれば、昨年は「プロ野球に巨人がいらなくなった年」だったと思います(と書くとちょっと言いすぎかもしれませんが、少なくとも、これまで野球界で巨人だけが持っていた特別感は消えた年だったと思います)。
しかし、今年はそれにさらに輪をかけて「テレビ界において『巨人戦中継がいらなくなった年』」といえるのではないでしょうか。
もしかしたら、「今まで弱かろうがなんだろうが巨人戦だけが優遇されてきた状態がおかしかったのだから当然」という人もいると思います。
ただ、ここで問題なのは、「巨人戦中継がいらなくなった」ということが、「プロ野球中継がいらなくなった」とほぼ同義語である、ということです。
もちろん、これは地上波での話(さらに言えば、関西・北海道・福岡などにおいては状況が違うかもしれませんが)で、スカパー、あるいはNHK衛星、BSデジタル、UHFなどを見られる環境にある家庭では、野球中継を見られる頻度はグッと高まります。
ただ、これらの放送を見る場合は有料のケースが多く、「お金をはらわなければ見られない」という状況の人も少なくないでしょう。
自分の場合は現在、スカパーのプロ野球セットに入っているので、見ようと思えばプロ野球全試合をリアルタイムで見ることができます。
ただし、自分の子どもの頃を考えてみると、自分の親は決して「すごく野球が好き」というわけではありませんでした。今でこそ親から離れ、自分の主導権で、見るテレビを選べますが、当時のことを考えると、正直お金を払ってまで親が野球を見ていたとは思えません。
自分の野球の原体験を考えたとき、巨人ファンというわけではありませんが、やはり「ゴールデンタイムになれば巨人戦がテレビでやっていた」ことが野球を見始めた大きなきっかけだったと思います。
もし今の中継状況で子ども時代を過ごしていたら、野球を好きになっていたか正直わかりません。
もちろん、今の野球をとりまく状況は、その頃(20年前ぐらい?)とは様変わりしています。スポーツニュースでは、日本のプロ野球より先にメジャーリーグの日本人の結果を当たり前のようにやりますし、インターネット動画で試合を見ることも可能になりました。
先週末の交流戦では、各球場のきなみ盛況で、「日本人は野球が好きなんだなあ」と改めて思いました。
それでも、現在のゴールデンタイムでの地上波中継の少なさが、このさき、「野球ファンの先細りにつながっていくのでないか」という懸念はぬぐえません。
現在のこの中継状況がもたらすかもしれない将来を、プロ野球に携わっている人たちは、どこまで本気で考えているでしょうか。
このことに関する結論が出るのは、10年後、20年後かもしれません。
ただ、自分が50代になったときに、「むかしは、野球も人気があったんだよ」とつい愚痴ってしまうような世の中にはしたくないですね……。