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「部活動内いじめ」を、どうしたらなくせるか

前回の投稿から2か月、空いてしまいました。

例によって、「書きたいことはあるが、時間が…」という状況のためですが、贔屓チームが、何とも言えないシーズンを送っていることが、筆を鈍らせていることは否定はしません(^^)。

そうしたなか、先週の土曜日、夏の甲子園大会が閉幕しました。

大会中盤以降は、県岐阜商-横浜の激闘や沖縄尚学の(夏の大会での)初制覇など、見ている側をポジティブな気持ちにさせてくれるトピックが増えましたが、大会前半の報道は、残念ながら、広陵高校の部活動内暴力の話題一色に塗りつぶされました。

本ブログでは、以前、少年野球・高校野球の指導者の「叱責や暴力に頼る指導」について書いたことがあります(「筒香発言の重み」)。
今回の広陵の件も、そうした問題と地続きといえる部分もあるかもしれませんが、一方で、こうした「部活動内いじめ」は、指導者の体罰問題とはまた別の角度から考える必要もあると思っています。

今回の広陵に関する報道については、未だに存在する「部活動内いじめ」にスポットが当たったこと自体には大きな意味があると思いました。
ただ、途中から、過熱する一方の広陵叩き報道や、SNSによる追及の是非というところに話題が行くなど、「『部活動内いじめ』をどう解決するか」というところから話がどんどん離れていくことに、「果たして今回のことに関して発言や報道している人のなかで、真剣に『部活動内いじめ』をなくしたいと思っている人は、どれだけいるのだろうか」という疑問も抱きました。

それこそ、10年前、20年前と比べて、数は少なくなっているかもしれませんが、それでも、現在進行形で「部活動内いじめ」に悩んでいる学生は、国内に数多くいると思われます。

今回のブログ記事で、そのことに関する明確な解決法を見出せるとは思いませんが、現時点で、この問題に関して感じることを書き記していきたいと思います。


さて、一口に「部活動内いじめ」といっても、その様態は、いくつかの種類があると思います。

自分が思い描いたものは、下記の3つでした(すべてのものがこの3つに分類される、ということではなく、ひとまず思い描いた様態)。


1. 上級生による下級生への制裁的行為

今回、広陵高校で1月に起きたとされる行為はこれにあたるかと思われます。今回の件は、下級生が部の規則を破ったことへの制裁的行為のようですが、規則を逸脱しているか否かにかかわらず、日常的な制裁的行為が行われている事例は、強豪野球部出身の元プロ野球選手から、それこそ「ネタ」のような形で披露されてもいます。
時代が変わった現在、そうした風習がどれほど残っているかは定かではありませんが、今回報道されたようなことは、広陵高校以外の、特に強豪校とされる学校で起きている可能性も十分にあり得るのでは、と思ってしまうほど、スポーツ強豪校というのは特異な環境であるという現実があります。
(なお、強豪校でなくても、上級生による下級生への制裁的行為が存在する学校もあるかもしれませんが)

2. ある特定の部員に対して、「いじめる理由」、あるいは「いじめやすい理由」を見つけ、いじめを行っていくケース

これは、教室内で起こるいじめと似た構造があるのではと思いますが、同級生→同級生というケースが一番多く、最も酷いケースでは、部全体で一人(あるいは少数名)の部員をいじめる、というケースもあるかもしれません。

3. その競技における技量の低い部員を、いじめる・からかうケース

運動部の場合、技量の巧拙によってのヒエラルキーというものが発生しやすい状況があります。
このケースは、2と重複するところもありますが、自身がいじめられる立場にこそならなかったものの、部活動において、技量のことで嫌な思い(「○○ができなくて悔しい」というのはまた別の感情)をしたことがある人は少なくないのではないでしょうか。
このケースのとらえ方として難しいのは、ケースによって、「いじめ」「からかい」「いじり」の境目が曖昧なところです。
言葉上の定義では「やられている側が『いじめ』と感じたならば、それはいじめ」とも言われる昨今ですが、実際、自身がやられたときに、どうとらえるか(また、どう対応するか)は微妙な部分があるところが、学生の立場としてのリアルかなとも思います。


前述したように、今回の広陵高校の件は、上記の1にあたると思いますが、今回の報道を聞いたときに思ったのは、「なぜ、指導者(今回の場合は監督になるでしょうか)は、こうした事態を防げないのか」ということです。
甲子園出場を果たし、知名度があるから報道されるという部分もありますが、いわゆる「名将」と呼ばれる強豪校の監督のもと、今回のような、上級生による下級生への苛烈な制裁が問題化したケースは、枚挙にいとまがありません。
個人的には、こうした問題が噴出した学校の監督を「名将」とうたう、高校野球報道メディアに強烈な違和感がありますが、「人間力を育てる」ということは、決して「上級生への絶対服従の環境を叩き込む」ことではないし、そうした状況を見て見ぬふりすることでもないと思います。
今回の、広陵高校の1月の件では、制裁行為を行った上級生に、指導者から、過大な罰則が与えられたというニュースソースもありますが、そもそも、そうした制裁行為が行われる素地が作られた(あるいは、いまだに受け継がれている)原因を変えていかない限り、根本的な解決には至らないように思います。

一方、上記の2、3については、今回の広陵高校のケースとは、事の成り立ちを異にするケースかと思われます。
ただ、その競技が好きで(あるいは、やりたくて)部活動に入ったにもかかわらず、自身の存在を否定されるような思いをする、あるいは、状況に置かれるという意味で、本人は、やるせない思いを抱いていると思います(酷い場合は、身体的外傷や生命の危機にさらされる場合も)。
絶対数としては、1よりも、2や3の状況に置かれている学生の方が多いと思われ、「部活動内いじめ」への対応という意味では、こちらのケースへの対応が、より求められる部分かもしれません。


さて、いつもの記事ですと、次に「では、どうすれば、この問題を解決できるか」という風に論を進めるのですが、今回の件については、正直、「こうすれば」という解は持っていません。
標題で「……を、どうしたらなくせるか」と書いたので、本来ならば、それを書かなければいけないのかもしれませんが、上記に挙げたように、それぞれ、「部活動内いじめ」が発生する理由は異なる部分もあるので、それぞれの様態について、そうした状況が発生しない環境をどう作るかが必要となる、という紋切り型のようなことしか書けないのが、今の現状です。

ただ、今回の件に関する解ではないですが、今回の問題を受けて、下記のようなことを思いました。

本来、野球部に入るということは、多くの人にとって「野球を楽しみたい」「野球が好きだ」と思って、入るはず。
(プロを目指す学生の場合は、そんな生易しいメンタリティではない、という見方はあると思いますが、そのことについては、ひとまず置いておいて)
しかし、実際の野球部は、ともすると「部活動>>>>>野球」となり、いつの間にか好きだった「野球」が嫌いになっている…。
そうまでして、野球部にいる必要があるのか(実際に、そういう思いとなり、野球部を辞めた人も少なくないでしょう)。
それならば、高校生も入れる草野球チームの方が……ということで検索してみると、意外とそういうチームも存在しているようです。
また、活動実績がいかほどかという部分もありますが、高校生のみで構成されているも存在している様子。
であれば、多少の大人のサポートは必要かと思いますが、高校生で構成される草野球チームどうしの試合、さらには、リーグ戦があったっていい。

もちろん、実際にやるとなると、いろいろとクリアすべき問題は出てくると思いますが、とにもかくにも「そのスポーツを楽しむ」ということを考えたときに、今の部活動の仕組みは、かなり制度疲労を起こしているのではないか、という思いが沸き上がります。
野球に限らず、日本のスポーツのトップレベルの育成を支えてきたのは部活動である、ということを完全には否定はしませんが、それによって犠牲にされてきた部分(本来の意味でのスポーツの楽しさを感じる気持ち、そして、今回のような部活動内でのいじめの発生 etc)もかなり多いのではないでしょうか。
ただ、では、日本でも「部活動」から「クラブ」への移行を、といっても、まだまだ敷居が高い部分もありますし、家庭から捻出できる費用の問題もあります。
そんな思いから、ふと沸き上がった、高校生どうしのチームの草野球の大会があっても(実際にあるかもしれませんが)という思いなのですが、方法はいろいろな形が考えられるとして、「『部活動』という枠からスポーツを解放する」ということは、現存する「部活動内いじめ」をなくす大きな力になるようにも思いました。

今回については、最後は、かなり理想論、かつ抽象的な話になってしまいましたが、いずれにしても、今回の広陵高校の一件を、単なるネットの炎上案件の一つに終わらせるのではなく、子どもたちが本当の意味で、そのスポーツを楽しめる契機にしなければいけないと、強く思います。

by momiageyokohama | 2025-08-26 02:36 | 野球(全般) | Comments(0)

「読んだ方が野球をより好きになる記事」をという思いで、21年目に突入。横浜ファンですが、野球ファンの方ならどなたでも。時折、ボクシング等の記事も書きます。/お笑い・音楽関連の記事はこちら→http://agemomi2.exblog.jp/


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