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横浜DeNA、26年ぶりの日本シリーズ制覇。

2024年11月3日。
横浜DeNAベイスターズは、福岡ソフトバンクホークスを4勝2敗で下し、日本シリーズを制覇した。

38年ぶりのセ・リーグ優勝を果たし、続く日本シリーズも制した1998年から、26年ぶりの日本シリーズ制覇。

「26年ぶりの歓喜」なので、書きたいことは山のようにあるが、今回は、7年前に書いた、2017年のソフトバンクとの日本シリーズと同じく、全6戦のレビューをする形で、この喜びをかみしめたい。

なお、その前に、改めてクライマックス・シリーズから日本シリーズ制覇までの道のりを記してみる。

10/12(土)DeNA ○3-1● 阪神(甲子園)
10/13(日)DeNA ○10-3● 阪神(甲子園)
【セ・リーグCS 1stステージ・2勝0敗】

10/14(月)
10/15(火)
10/16(水)DeNA ○2-0● 巨人(東京D)
10/17(木)DeNA ○2-1● 巨人(東京D)
10/18(金)DeNA ○2-1● 巨人(東京D)
10/19(土)DeNA ●1-4○ 巨人(東京D)
10/20(日)DeNA ●0-1○ 巨人(東京D)
10/21(月)DeNA ○3-2● 巨人(東京D)
【セ・リーグCSファイナルステージ・4勝3敗※】
 (※巨人のアドバンテージ1勝を含む)

10/22(火)
10/23(水)
10/24(木)
10/25(金)

10/26(土)DeNA ●3-5○ ソフトバンク(横浜)
10/27(日)DeNA ●3-6○ ソフトバンク(横浜)
10/28(月)
10/29(火)DeNA ○4-1● ソフトバンク(福岡*)
10/30(水)DeNA ○5-0● ソフトバンク(福岡)
10/31(木)DeNA ○7-0● ソフトバンク(福岡)
11/1(金)
11/2(土)雨天中止
11/3(日)DeNA ○11-2● ソフトバンク(横浜)
【日本シリーズ・4勝2敗】
(*福岡…みずほPayPayドーム)

10/12から3週間にわたる14試合。トータル10勝4敗という戦いは、DeNAの選手たちが、これまでにない、チームとしての強さを見せてくれた戦いでもあった。
特に、前回も書いたが、CSファイナルステージ最終戦。8回表、巨人の菅野-小林のバッテリーが三者凡退に抑え、その裏、伊勢がピンチを迎えるも凌ぎ切り、9回表、「先頭の森がヒットで出塁→ 代打柴田が見事送りバント成功 → 桑原のサードゴロで森が三塁進塁 → 牧の勝ち越しタイムリー」で、日本シリーズの進出を決めた試合は、ペナントでは何度となく「負けてはいけない試合」を落としていたチームが、一皮むけたように感じた。

そして迎えた日本シリーズ。

開幕前、勝負のポイントだと思っていたのは、

1. 山川をどれだけ抑えられるか
2. DeNAのブルペン陣
3. CS終盤、当たりが止まっていた佐野・オースティン・宮﨑の復調

といったところ。

では、2024年の日本シリーズをレビューしていく。
なお、書き方としては、勝敗が決した現在からの視点ではなく、できる限り、それぞれの試合を見ていたとき、あるいは直後に感じたもの(次戦以降の結果がわからない状況での視点)を書いていく(6戦全体の総評はその後に記す)。


【第1戦】(横浜スタジアム)

先発は有原とジャクソン。

1回表、初球、桑原の三遊間への当たりを、今宮が逆シングルで捕って深い位置からアウトに。初っ端から、ソフトバンクのチームとしての強さを感じさせるプレーを見せた。
このプレーに助けられたこともあり、有原は初回、2死一・二塁のピンチを迎えるも無失点に抑える。

一方、ジャクソンは、ストレートの威力は感じるものの、制球が定まっていないのが気になった。
迎えた2回裏。2死二・三塁から甲斐を敬遠して、ピッチャーの有原と勝負。しかし、ここで、有原にまさかの一・二塁間を破る2点タイムリーを浴びる。
甲斐の敬遠策自体は間違いでないと思ったが、全体的に制球が定まっておらず、満塁ということで、ストレートをストライクゾーンに投げ込むしかなかったジャクソンのピッチングの状態が招いた2失点だった。
結局、ジャクソンは、4回2/3で交代。被安打3、三振を9奪うも、四球5と、安定感には欠ける投球だった。

一方、有原は、左バッターの内角へのカットボールが抜群の効果を発揮するなど、安定した投球を続け、7回を4安打2四球で、DeNA打線を無失点に封じる。
有原の後を受け、8回のマウンドに上がったヘルナンデスも、3アウトをすべて空振り三振で奪い、さらに、ソフトバンクのチームとしての強さを感じさせた。

一方のDeNA投手陣も、ジャクソンの後を継いだ投手たちがソフトバンク打線に得点を許さない展開が続く(ただし、山﨑康は1イニング2四球と不安を感じる内容)。
しかし、9回表、堀岡が、嶺井に詰まったセンター前ヒットを打たれたのを皮切りに、4安打を浴び、3点を失う。
ただ、DeNAのブルペン事情を考えると、この堀岡の登板、さらに続投は致し方ないと思った。

その差5点と、勝負を考えると、かなり厳しい状況で迎えた9回裏。先頭のオースティンが、オスナからツーベースを放ち、出塁。
ここで、三浦監督はオースティンに代走の京田を出したが、この代走は、絶対にしてはいけない選手交代だと、そのときは思った。
オースティンの足の状態と、9回5点という点差を天秤にかけての交代だとは思ったが、ペナントでの試合ならまだしも、1試合が非常に重い日本シリーズの舞台では、たとえ勝ち目が薄かろうと、試合の最後まで勝利の可能性を捨てるべきではない。
その意味で、5点差が付いているとはいえ、オースティンへの代走は、自ら勝利の可能性を捨てるような選手起用に思えた。
その後、宮﨑、戸柱が凡退し2アウトになるも、梶原、森敬斗、筒香が3連打。さらには、桑原のピッチャーゴロをオスナがファーストへ悪送球をし、3点を返してなお、2死一・三塁でバッター牧という状況に。
もし、ここで牧がタイムリーを打ったとすると、1点差に詰め寄り、2死一・ニ塁、または2死一・三塁という場面に。その後、続く佐野が繋ぎ、満塁となった場合、オースティンではなく、代走で入った京田勝負というシチュエーションとなる。
そう考えると、「9回1イニングで、相手の守護神相手に5点差を追いつく」という確率は極めて低いかもしれないが、それでもオースティンに代走を送る起用はしてほしくなかった。
結果的には、牧がいい当たりながらもセンターフライに倒れ、2点差までに追いすがるも、初戦は敗れる。

打者・有原の予想外のタイムリーという要素はあったにせよ、有原にほぼ完璧に抑え込まれ、また、守備の面でも、今宮、周東の堅い守りを見せられた一方で、エラーはつかなかったが梶原がチャージに行った際にファンブルをするなど、差が出た初戦。
これを、両チームの「力の差」と感じるか。それでも、最後に追いすがったことに光を見出すか。
まだ、この時点では何とも言えないところではあるが、両チームとも取りたかったであろう初戦は、ソフトバンクが取った。

●横浜DeNA(0勝)3-5 福岡ソフトバンク(1勝)○


【第2戦】(横浜スタジアム)

先発は、大貫とモイネロ。

東が負傷で登板できないとなると、シーズンでの序列を考えればケイが第2戦の先発かとも思ったが、CSファイナルでの好投を買ってか、大貫が第2戦の先発。

その大貫。
立ち上がりは悪くないように見えた。だが、初回、2死一塁の場面、山川に、1-2のカウントから、甘く入ったカーブをレフトスタンドに放り込まれ、モイネロを相手とする状況で、痛い先制点を許す。
この場面の前だったか後だったか定かではないが、解説を務めていた杉内(現・巨人投手コーチ)が、レポーター(もしかしたら実況アナだったかも)による、大貫の「ゾーンにボールを残さないことにようにしたい」というコメントに対し、「ゾーンで勝負してほしい」といった解説をしていた。
おそらく、(杉内は)「交わすことに気持ちが向いているピッチングだと、ソフトバンク打線相手では苦しくなっていく」ということを言いたかったのではと思った。

大貫は、2回もピンチを招くが、ここは無失点。しかし3回、強くなった雨の影響もあったか、制球に苦しみ、無死満塁のピンチを招く。
続く柳町に強烈なセカンドへの打球を打たれるも、牧の好捕(本塁封殺。ただしホームゲッツーはできず)で、辛うじて1アウトを取る。しかし、続く牧原にタイムリーを浴び、しかも、梶原が前日に続き、この打球をファンブルして2失点。
大貫はここで交代。後を継いだ佐々木が甲斐に犠牲フライを浴び、3回表で、早くも0-5の展開となった。
4回には、3番手で登板した濵口が、さらに1点を失い、0-6に。

一方、打線では、オースティンが、前日の自打球の影響ということで、ベンチ入りせず(代わりに、筒香が四番に入る)。
「そうした状況だったならば、前日の代走への交代も致し方なかったか」という思いがわく一方で、ペナントで、必ずしもセーフティーリードとは言えない状況下、守備固めの選手に代えたことで落とした試合も見ているだけに、個人的には「やはり、前日の代走は…」という思いも拭えなかった。

その打線は、モイネロ相手にヒットすら出ず、3回までノーヒット。4回、ようやく、牧がチーム初ヒット。

続く5回裏、森が、モイネロを強襲する内野安打を放ったところから、少し風向きが変わる。
続いて、日本シリーズ初出場となる松尾が三塁線を抜くツーベースを放ち、1死二・三塁。さらに、桑原がツーベースを放ち、2点を返す。
さらに、梶原もヒットで繋ぎ4連打となるが、牧が併殺に倒れ、反撃は2点止まり。
その後、7回に1点を返したところで、モイネロは尾形に交代。DeNAからすると、2死二・三塁のチャンスだったが、筒香が倒れ、3-6で8回に突入。

以降は、前日に続き、8回をヘルナンデス、そして、9回は、初戦では大きな不安をのぞかせたオスナに抑えられ、そのままゲームセット。
なお、DeNAブルペン陣は、佐々木、中川颯、坂本が早くも2連投(しかも、中川、坂本は、大貫が3回持たず降板したこともあり、イニングまたぎ)。また、伊勢がシリーズ初登板を果たした。

前日と同じく、序盤にリードを許し、イニングこそ違え、その後、反撃には転じるも及ばず、という試合展開。
全く可能性が無い、というわけではないが、現状での先発2番手として起用した投手が序盤に打ち込まれ、ペナントでのブルペン状況の苦しさを思い起こさせるような継投。打線も、ヒットは出ているものの、佐野、宮﨑に当たりが出ず、オースティンが今後も欠場となると、「もしかして、1つも…」という思いもよぎりかねない、2戦目となった。
いずれにせよ、3戦目以降、まずは先制点を取る展開に持って行かないと「勝負できる」ラインに行かない。
なんとか、主軸の選手たちに復調してほしい、という思いが募った。

●横浜DeNA(0勝)3-6 福岡ソフトバンク(2勝)○


【第3戦】(みずほPayPayドーム)

横浜DeNA、3戦目の先発は東だった。
阪神とのCS 1stステージで左ハムストリンクを負傷して13日。
かなりの急仕上げで間に合わせてきたことが推測されたが、不安も感じつつも、2連敗しているチームの、まさに「救世主」となってくれることを期待した。
さらに、第2戦ではベンチにも入らなかったオースティンが、指名打者でスタメン復帰。
形としては、投打の二枚看板が戻ってきた格好となった。

一方、ソフトバンクの先発は、日本シリーズ初登板となる、スチュワート・ジュニア。
その立ち上がりを、先頭の桑原が叩く。ライトへのツーベースで出塁。
続く梶原は、セーフティーぎみの送りバント。
1死三塁の場面で、牧はショートゴロ。
ここで、ソフトバンクは前進守備を敷いておらず、DeNAが3戦目で初めて先制点を奪った。
この場面、ソフトバンクが前進守備を敷かなかったこと自体は、2勝0敗とリードしていること、また、まだ初回であることを考えると、もっともな判断だとも言える。
ただ、わずか1点ではあるが、このシリーズ初めて先制点を取ったことは、DeNAのチームに、「今日の試合は、2戦目までとは違うぞ」と思わせる切っ掛けになるように感じた。

さらに、続くオースティンがツーベースを放ち(走塁時の足の状態が心配)、再びチャンスを作るが、この日、五番に入った筒香はサードフライに倒れ、追加点はならず。
ポストシーズンに入り、起用される場面が増えている筒香だが、まだその期待に応えきれているとはいえない状況。

その裏、大事な東の立ち上がりだったが、1死を取った後、柳田のショート前の緩い当たりを、森敬斗が一塁に悪送球。記録はヒットだったが、CSファイナルステージ最終戦での、同じく、前への緩い打球を一塁へ悪送球した場面を思い出したファンも多かったのではないか。
このシリーズの結果云々を問わず、来季、前への緩いゴロの打球処理が、森のクリアすべき大きな課題となると感じた。
さらに森は、その後、打った瞬間「ダブルプレーでピンチを乗り切った」と思われた山川のショートゴロをファンブルし、併殺を取れず。
続く、この日からスタメン復帰した近藤にタイムリーを許し、初回で同点に追いつかれた。

一方のスチュワート・ジュニア。
2回は三者凡退に抑えるも、3回、連続フォアボールで、無死一・二塁のピンチ。
しかし、ここで、梶原が送りバントをファール→空振り三振で、走者を送れず。初回のバントはセーフティぎみにやったので成功したのかもしれなかったが、ここでのバントは、正直、送れる可能性をあまり感じられなかった(シーズンでの犠打はわずか1)。
その後、スチュワートが、牧、オースティンも打ち取り、無失点。
続く4回もスチュワートはピンチを招く。
筒香ツーベース→宮﨑四球で、無死一・二塁。ここで、佐野はボテボテのピッチャーゴロ。ここで、スチュワートが一塁へ高投。佐野が全力疾走で走っていればセーフの可能性が高いと思ったが、佐野は全力では走っておらず、アウト。1死二・三塁の形に。
結局、後続も倒れ、この回も無得点に。

そして5回、小久保監督は、スチュワートを交代させる。
失点は1であるものの、4回で4安打、そして3四球、という内容は、小久保監督の眼から見て、いつ捕えられてもおかしくない、と感じさせるものだったか。

代わってマウンドに上がったのは、ペナントでは、先発ローテの一角を担っていた大津。
この大津の起用について。
日本シリーズの試合数を考えると、ペナントで投げていた先発投手が一人は余ること、また、大津が昨シーズンはプルペンの一角を担っていたことを考えると、その起用は決して間違いとは言えないと思った。
しかし、その立ち上がりを、またも桑原が叩く。
しかも、「ホームラン」という、ソフトバンクベンチからすると対策の講じようのない形での勝ち越し打。
さらに、動揺の色の隠せない大津から、チャンスを作り、ノーアウト満塁。
このチャンスで、筒香が、ライトへ大飛球。
テレビ中継での、打った瞬間、筒香の表情をズームアップした画は、まるで満塁ホームラン確定かのような印象を与えたが、この打球を、ライト柳田がジャンプ一番、好捕。
犠牲フライとなり1点は追加したものの、セカンドランナー牧が全くタッチアップの体制に入れておらず、三塁に進めず。
この牧の走塁ミスが響き、続く宮﨑の外野フライで得点できず、結果、桑原ホームラン、筒香犠牲フライの2点のみの追加に終わった(なお、大津は、筒香に犠牲フライを打たれたところで、岩井に交代)。
勝ち越しはしたものの、さきの佐野の「抜いた」走塁、牧のボーンヘッド、さらには、その前の4回、筒香がツーベースを打った際、ベース上でポーズを取っていて、ソフトバンクの中継ミスに対し、三塁を狙う姿勢を示さなかったことなど、試合中盤の段階で、走塁面の甘さが随所に見られた。

一方の東。初回からヒットは打たれるも、初回をのぞき、そのランナーをホームには返さない、粘り強い投球を見せてくれた。
2回には、この回先頭の正木が放ったヒット性の打球を、桑原が、横浜ファンが幾度となく見ているダイビングキャッチでアウトにする、という大きなプレーもあった。
状態が不安視された東だったが、7回を、10安打されるも1失点(森のファンブルがあったことを考えると、実質無失点といってよいかも)という、チームのエースたる投球を見せる(四球は0)。

それに対し、ソフトバンク投手陣は、岩井の後、公式戦でわずか1試合の登板という前田純が、2イニングを、走者を一人も許さず無失点という投球を見せる。
この前田の投球は、少なからぬインパクトを与えた。

ソフトバンクからすると、試合終盤まで、勝利の可能性を繋ぐ展開だったが、8回、今季飛躍を遂げた杉山が、戸柱にタイムリーを浴び、両チームにとって大きな追加点が入る。
3点リードという状況で、8回は伊勢、そして9回は今シリーズ初登板となる森原が無失点に抑え、DeNAがこのシリーズ、初勝利を挙げた。
結果的には、日本シリーズ仕様ということで、今季先発起用の大津を中継ぎで登板させたソフトバンクの思惑を、第2戦が終わった後にチームに奮起を促したとの報道があった桑原が、見事に打ち砕いたことが大きかった、第3戦。
そして何より、ヒットを打たれても、ペナントと同様、見ているものへの安心感を感じさせてくれた東のピッチングは、7年前のシリーズより1試合早く、チームへの勝利をもたらしてくれた。

第4戦先発のケイが、前回登板の巨人戦(CSファイナルステージ最終戦)の内容がよくなかった(3 1/3イニング2安打4四球2失点)だけに、次戦以降の不安が拭えたわけではないが、まずは1勝したことで、少し感じていたであろう日本シリーズのプレッシャーから、選手たちが解き放たれる契機となることを期待したい1戦だった。

○横浜DeNA(1勝)4-1 福岡ソフトバンク(2勝)●


【第4戦】(みずほPayPayドーム)

先発は、石川とケイ。
石川は、前回2017年のDeNAとの日本シリーズでは、中継ぎとして登板。全6戦中4戦に登板し、中継ぎながら2勝を挙げている。
その石川が、1回表、DeNA打線を三者凡退に抑えたその裏。
ケイがなんと、柳田・周東・栗原を三者連続三振に切って取る。さらに2回も、山川、今宮から三振を奪う(五番の近藤はセカンドゴロ)。
この日のケイは、投球におけるコースのずれが無く、かつ速い、という、理想的な状況。しかも、ときにストレートより速いツーシームもある、ということで、ソフトバンク打線は、かなり打ちづらかったのではないか。

一方、石川も好投を続けるが、4回表、真ん中やや外寄りのストレートをオースティンにライトスタンド前のホームランテラスへ運ばれる。
その後も両投手の好投が続く(4回裏には、栗原の強烈なライナーを牧がダイビングキャッチして、ピンチを未然に防ぐという場面もあったが)も、6回表、2死一塁、バッター・オースティンというところで、石川は尾形に交代。
少し交代が早すぎる気もしたが、前の打席、ホームランを打たれているオースティン、また、石川が、シーズン中も、多くて90~100球程度で降板している(この場面までで90球)ことを考えての、小久保監督の決断だったのだろう。
代わった尾形は、オースティンを空振り三振に切って取り、DeNA 1-0という展開は続く。

その裏、ケイが、この日初めて出した四球などで、1死一・二塁のピンチを招く。
しかし、ここで、栗原をファーストゴロ、さらに、山川をセンターフライで打ち取り、無失点を続ける。
正直、この日のケイは、1-0の展開で感じる「いつか追いつかれるんじゃないか」という思いすらわかないほど、内容がよかった。

迎えた7回表。イニングまたぎとなった尾形から、先頭の宮﨑が、レフトスタンドへソロホームラン。
CSファイナルの終盤から、珍しく、空振り三振をする場面が続き、日本シリーズに入ってからも調子がよいとは言えなかった宮﨑が、ここで、欲しかった追加点を叩き出してくれた。
さらに、続く梶原が内野安打、その後、梶原の盗塁や、日本シリーズに入り、俄然打席での粘りが出てきた森敬斗のヒットで1死満塁。
ここで、ソフトバンクは、尾形から岩井にスイッチ。
しかし、ここで、桑原が、レフトへ2点タイムリーツーベース。
さらに、その後、牧が粘って得た四球などを経て、オースティンがタイムリー。
この回4点を入れ、5-0に。

結局、ケイは、7回まで投げ、4安打1四球無失点(102球)のピッチング。
今季一番といっていい内容で、チームに貴重な2勝目をもたらした(なお、8回・9回は、坂本、ウェンデルケンで締める)

2連敗からの2試合連続快勝で、星は五分。
7年前は、3連敗→2連勝→敗戦という展開だったことを考えると、一歩前進している感もあるが、5戦目も、この勢いで勝利することができるか。

5戦目の先発が中4日のジャクソンと発表されたことに若干の驚きを持ちつつ、翌日へ。

○横浜DeNA(2勝)5-0 福岡ソフトバンク(2勝)●


【第5戦】(みずほPayPayドーム)

DeNAが中4日でジャクソンを持ってきたのに対し、ソフトバンクは、左背部の張りで、9/18以降、一軍登板の無かった大関。
好調であれば、かなり打ちづらい投手だけに(今季、ペナントでの被打率は.195)、結構苦戦するのでは、という予想もしていた。
ただ、この日は、審判の判定との相性に苦しむ。
1回表、結果、2死一・二塁のピンチを無失点に抑えたものの、初回だけで29球を要する。
なお、この日、DeNAは、佐野をスタメンから外し、五番にフォード(ファーストでスタメン)を入れた。

一方、ジャクソンは、その裏、なんと、前日のケイに続き、笹川・柳田・栗原と、三者連続三振に切って取る。

それとは対照的に、大関は、2回も、判定との相性に苦しんだ影響もあり、苦労する。
連続フォアボールもあり、二死満塁。ここで、梶原をショートゴロに抑え、初回に続き無失点には抑えるものの、この回も29球。
2回で58球という球数は、かなり追い込まれている印象を感じた。
そして3回、2死一・二塁から、落ち切らなかったフォークを、筒香に運ばれ、とうとう1点を許す。
ここで、小久保監督は、大関を松本晴に交代。
大関は、2回2/3で79球と、本来の力を出せず、マウンドを降りることとなった。
個人的には、この日の大関は、そこまで悪くないように見えた。
ただ、際どいボールがことごとくボールと判定され、打者を打ち取る術を徐々に失っていったように見えた。
一方のジャクソンは、そこまでストライクゾーンの際を狙うピッチングスタイルではないため、この判定の影響を受けなかったように思ったが、この試合は、両チーム問わず、この後のストライクボールの判定でも「おっ?」と思う場面が少なくなかった(ただし、あくまで個人的な印象であるので、正確なことを記すのであれば、データ等での検証が必要であろうことも記しておきたい)。

続く4回表。小久保監督は、第3戦で好投(2イニングをパーフェクト。2奪三振)した、前田純を起用する。
第3戦の後、前田を、より良い場面で起用する可能性を示唆するコメントもあっただけに、その起用に驚きはなかった。
だが、その前田から、先頭の桑原がショートへの内野安打(このシリーズ、幾度となく、「桑原の打球 vs 今宮の守備」というマッチアップがあったのは印象に残った)。
そして、梶原がランエンドヒットでの内野安打で、1死一・二塁のチャンスを作る。
打席には、このシリーズ、ソフトバンクバッテリーの徹底した内角攻めの影響か、第4戦までで17打数2安打の牧。
ただ、この日は、前の打席に、大関のフォークをセンター前に運ぶなど、復調の兆しも感じられていた。そんな状況での2球目、内角高めに入ってきたストレートを弾き返した打球は、レフトスタンドへの3ランとなった。
4回表を終わって、4-0。

その後も、ジャクソンは、快調にピッチングを続ける。
この前の回、3回裏には、2死二塁の場面で、栗原相手に6球連続チェンジアップを続けて三振に取る、という場面もあったが、4回以降は、ヒットを許さず。

ソフトバンクも、前田の後、ピッチャーを繋ぎ、それ以上の追加点は許さなかったが、9回表、イニングまたぎとなった津森(おそらく、今季のペナントではほとんどイニングまたぎは無いと思われる)、そして木村光が3点を失い、DeNAが7-0で勝利。
なお、ジャクソンは7回まで投げ、8回は伊勢、7点差が付いた9回は中川颯が投げた。

これで、DeNAが、敵地での3連勝で、王手をかけた形に。

ただし、第6戦・第7戦、ソフトバンクは、有原、モイネロの先発が予想され、第6戦・第7戦のDeNAの先発が確固とした状態でないことを考えると、これでようやく五分、という見方も。

さらに、翌日の土曜は、雨の予報。これも、両チームにどのように影響するか。

○横浜DeNA(3勝)7-0 福岡ソフトバンク(2勝)●


【第6戦】(横浜スタジアム)

土曜日の試合は、雨天中止。
なお、横浜が38年ぶりの優勝を果たした、1998年の日本シリーズは、第1戦(横浜スタジアム)、第3戦(屋根が完成する前年の西武ドーム)の2試合で雨天中止があった。

両チームの先発は、大貫と有原で、両投手ともスライド登板となった。

第2戦では苦い思いを味わった大貫だが、この日は、積極的にゾーン内に投げ込んだ投球が功を奏してか、1回、2回と、無失点に抑える。

そして2回裏、先頭の筒香が、有原の落ち切らなかった変化球(見ていたときはフォークだと思ったが、実際はチェンジアップだった)を、バックスクリーン横へ叩き込む。
日本シリーズ序盤は正直、あまりヒットが期待できる雰囲気は無かったのだが、徐々に全盛期時の構えにも近くなっているように感じていた筒香の一発は、チームを、そしてファンを「その気」にさせるのに十分な一撃だった。

さらに、戸柱、森敬斗の下位打線で作った1死二・三塁のチャンスで、桑原が2点タイムリーヒット。
さらに、続く3回裏には、このシリーズ、打撃で急激な成長を見せている森が、押し出しフォアボールの1点をもぎ取り、4-0。

しかし、4回表、ソフトバンクも、柳田がセンター越えの2ランを放ち、2点差に。

結局、有原は3回(61球)で降板し、4回裏は、このシリーズ4試合目の登板となる尾形が無失点に抑える。

大貫も、4回でマウンドを降り、5回表は、第6戦の先発の可能性も考えられた濵口が、第2戦に続き、リリーフ登板。
牧原、甲斐、ダウンズを三者凡退に抑えると、ベンチに帰ってくる途中で、スタンドの観客を鼓舞。

そして迎えた5回表。
リリーフ登板となったスチュワート・ジュニアから、戸柱、森でチャンスを作り、1死一・二塁で、濵口の打順。
この後の投手マネジメントを考えると、できれば濵口にはもう1イニング投げてもらいたいので、濵口が送りバントをし、桑原に勝負を賭ける形かと思っていたが、三浦監督の選択は、「代打・佐野」。

この日、第5戦に続き、ベンチスタートとなった佐野。
第5戦、何とも言えない表情(それこそ、昨年、チャンスの場面で代打を出された阪神戦のときの表情と共通するものも感じた)で、ベンチに座っていた佐野。
「代打の切り札」として起用されるには、かなり早いとも思われる場面。しかも、チャンスである反面、ゲッツーの可能性もあるという、結構厳しい場面での起用。
このシビアな状況で、佐野が、ライト前ヒットを放つ。1死満塁。
このヒットは、「チャンスを広げた」という意味でもそうだが、「いち野球選手としての思い」というものを考えても、重みがあった。

この佐野のヒットが、続く桑原の押し出しフォアボールへと繋がる。5-2。
さらに、梶原が、追い込まれてから、フォークをセンター前に弾き返すという、今季の成長の集大成のようなヒット。6-2。
ピッチャーは、ここで、スチュワートから岩井に代わる。
牧は、セカンドライナーに倒れるが、続くオースティンがデッドボールを受け、押し出し。7-2。
そして、筒香が、フェンス直撃の3点タイムリーツーベース。10-2。
ようやく調子を取り戻してきた宮﨑が、ショートの頭を越えるタイムリー。11-2。
テレビ画面を通してではあるが、この5回裏の横浜スタジアムの盛り上がりは、過去一番だと思っていた、1998年日本シリーズ初戦の1回裏の興奮を超えたように感じた。

6・7回は坂本、8回は伊勢が抑える。
そして9回のマウンドには森原。
2年前、伊藤裕季也とのトレードで楽天から入団したときは、そこまで注目されなかった右腕。
楽天時代、セットアッパーとして大活躍した翌年、クローザーを任されるも打ち込まれる試合が続き、本当に追い詰められた表情で投げていたこともあった。
そこから4年。
2死ランナー無しで迎えた柳田に対し、スライダー、フォークで追い込み、ストレートを1球はさんだ後、投じた4球目のフォーク。
柳田のバットは空を切り、横浜が、1998年以来、26年ぶりの日本シリーズ制覇を果たした。

○横浜DeNA(4勝)11-2 福岡ソフトバンク(2勝)●


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日本シリーズ終了後、さまざまな解説者、メディア、そしてファンが、DeNAの勝因、ソフトバンクの敗因について、持論を語っている。
ポイントとして多く挙げられているのは、東の登板、そして、桑原が、第2戦の後に飛ばしたとされる激。
逆に、ソフトバンクの敗因については、小久保監督の選手起用、はたまた、SNS上では、村上コーチが発したとされるコメントなどを挙げるものもあった。

勝負の勝因(敗因)はもちろん、一つではないと思うが、個人的に、今回の勝敗を分けた大きなポイントは下記の2つだと思っている。

一つは、ソフトバンクのブルペン陣の層が、打撃技術の高いDeNA打線を抑えられるほどには厚くなかったこと。
この要因としては、シーズンで20ホールドポイント以上を挙げていた、藤井(2勝19H1S・防1.80〔40試合〕)、松本裕(2勝23H14S・防2.89〔50試合〕)の2人が、故障で不在だったことも大きいだろう。
今シリーズ、大事な場面で起用された尾形と岩井だが、それぞれ、ペナントでは、12試合(2勝3H・防2.31)、15試合(1勝2H1S・防3.46)の登板しかなかった。
両投手とも、魅力のあるストレートを持ってはいるが、技術の高い主軸が居並ぶ陣容、さらには今シリーズは桑原が絶好調(打率.444・9打点もさることながら、31打席なんと三振ゼロ)、そして、森、戸柱と、下位打線も粘りのあったDeNA打線(その裏には、データチームの果たした役割があったとの記事も見られた)を抑えられるほどの力は、まだ無かったとも言える。
実は、第6戦の有原を除けば、ソフトバンクの先発陣は、敗れた第3戦から第5戦を含めても、試合を壊したとまでの投球はしていない(大関は3回を持たずの降板、スチュワートも4回までの登板には留まったが)。
問題は、その後を継ぐ「杉山・ヘルナンデス・オスナまで」の投手の層が薄かったことである。
その意味では、そのポジションを担ってくれることを期待された大津の出鼻をくじいた、第3戦の桑原の勝ち越しホームランの意味というのは、本当に大きかったと思う。

もう一つの大きな要因は、第4戦のケイ、そして第5戦のジャクソンの出来が、とにかくよかったこと(そこには、戸柱のリードの工夫もあったであろう)。
両投手とも、7回を無失点。
実は、DeNAのウイークポイントは、勝ちパターン、あるいは競った場面でのブルペン陣の安定度。
この部分、確かに、CSでは、シーズン中とは見違えるような安定度というような評価もあったが、森原を除くと「パターンなき継投」という戦いを続けており、本当に競り合いとなった状況になったとき、果たして持ちこたえられるのか、という不安はあった。
ただ、今シリーズは、第3戦の先発の東も7イニングを投げており、同点、あるいは、1~2点勝っている場面で試合終盤に突入、という試合が1試合もなかった(3点差に範囲を広げても、第3戦のみ)。

その意味では、DeNA打線が、試合中盤に、比較的層の薄いソフトバンクの試合中盤のブルペン陣から得点を挙げられたため、勝ちパターン勝負の試合に持ち込まれることを回避できた、日本シリーズという見方もできると思う(もちろん、競った展開でも、自信をつけたDeNAブルペン陣が抑えて勝利したかもしれないが)。

その意味でも、非常に理想的な試合運びができた、第3戦以降の4試合でもあった。


さて、「日本シリーズ制覇」という大きなものを勝ち取った喜びを感じる一方で、選手たち、そして監督にも、「今回の勝利は、あくまで、クライマックスシリーズ、日本シリーズを制しての勝利。来年こそ、ペナントでの優勝を」という思いが、コメントの端々に感じられることにも、喜びも感じる。
思えば、1998年の優勝も、前年、ヤクルトとの優勝争いで、終盤、ものの見事にその差を見せつけられたことによる悔しさ、そして「優勝をするには、どのラインまで行かなければいけないか」ということへの強い意識を持ったことで果たすことができた優勝だったと思う。
ただ、日本シリーズを終えた今はそうした強い意識を持っていても、現在強く感じているであろう「日本シリーズ制覇」を果たした喜び、そして周りからの賞賛の声の中、ペナント優勝を渇望する思いを持ち続けるということは、実は容易なことではないとも思う。
また、実際のところ、投手陣に関しては、ペナントでの優勝を果たすには明らかに投手が足りていない部分もあった。
さらに、ポストシーズンでは成功確率の高かった三浦監督の選手起用も、ペナントにおいては、おそらく三浦監督自身のなかでも、反省点があるのではと思う。

ただ、このポストシーズンでは、森敬斗を筆頭に「選手が成長する」という姿を、まざまざと見せてもらった。
また、セットアッパーの座に戻ってくるまでに復活した伊勢の投げる姿も心を打った。
シーズン中あまり出番のなかったなかで、ポストシーズン、これだけの働きを見せてくれた戸柱。
中川颯、佐々木、森原、堀岡…という面々が活躍したことに、自分の人生を重ねている人もいるだろう。
今回、MVPを取った桑原だって、ペナントでは必ずしも満足できる結果ではなかったであろうところからのこの活躍である。
シリーズでは1試合の登板に終わった山﨑は、今、何を思っているだろうか。

以前、「『#横浜優勝』というハッシュタグには、優勝の意味の軽さを感じてしまう」という記事を書いたこともあったが、今回のポストシリーズ、そして日本シリーズの盛り上がりを見て、ある意味、「優勝」の重みを一番知っているのは、横浜ファンではないかと思ったりもしている。

この「日本シリーズ制覇」の経験を、果たして、来季、27年ぶりの「リーグ優勝」の糧として生かすことができるか。

2025年のペナントは、2025年3月28日、横浜スタジアムでの中日戦から始まる。

by momiageyokohama | 2024-11-09 02:38 | 横浜ベイスターズ | Comments(0)

「読んだ方が野球をより好きになる記事」をという思いで、21年目に突入。横浜ファンですが、野球ファンの方ならどなたでも。時折、ボクシング等の記事も書きます。/お笑い・音楽関連の記事はこちら→http://agemomi2.exblog.jp/


by もみあげ魔神
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