シーズン3分の1を終えて -横浜DeNA交流戦前レビュー
2024年 05月 28日
交流戦を前にしての成績である。
シーズン全体からすると、約3分の1が終わった状況だが、首位阪神(貯金6)とは、4.5ゲーム差。
交流戦直前、最後の1週間は、ヤクルトに3連勝後、広島に3連敗という結果に終わった。
今季、シーズンの開幕前は、阪神を優勝に挙げる人が多数、次いで巨人という声が多かった。DeNAに関しては、今永とバウアーが抜けたこともあり、ファンの声を除けば、決して前評判は高くなかったように思う。
今回は、今年の2月に挙げていた3つのポイント、そして実際にシーズンが始まって感じた1つのポイントについて、見ていきたい。
1.先発投手
まずは、ここまで、先発した投手(9人)の成績を見てみる。
数字は、左から、防御率、先発登板数-QS達成数-HQS達成数、自身の勝敗-登板試合のチームの勝敗である。
1 東 2.11 9-9-5 4勝0敗-6勝3敗
2 大貫 2.30 9-6-2 2勝6敗-2勝7敗
3 ケイ 3.43 7-4-1 2勝4敗-3勝4敗
4 ジャクソン 5.29 7-2-0 2勝3敗-3勝3敗1分
5 中川颯 (5.66) 5-2-0 2勝0敗-4勝1敗
6 石田健 3.20 4-3-2 2勝2敗-2勝2敗
7 濵口 3.14 3-0-0 0勝3敗-0勝3敗
8 平良 1.04 1-1-1 1勝0敗-1勝0敗
9 小園 16.88 1-0-0 0勝1敗-0勝1敗
※中川颯は、リリーフ登板も含めての防御率
※QS…6回 自責点3点以内、HQS…7回 自責点2点以内
1番手の東は、登板した9試合ですべてQS達成。HQSも5試合あり、これはチーム総計の11の約半分。WHIP((与四球+被安打)÷投球回)が昨年の0.95から1.13と下がってはいるが、負け試合はゼロと、ピンチを迎えても失点を許さないピッチングは、エースと呼ぶにふさわしい投球だった。
続く2番手の大貫も、防御率は2.30と悪くない数字。しかし、勝敗は2勝6敗。QSは9試合中6試合で達成、WHIPも1.08と東を上回る数字ながら、この成績となっているのは、要所となる場面で無失点に抑えきれる力が不足していると言えるか。また、1試合あたりのイニング数も、東の7.11に対し、6.07と約1イニング少ない。正直、2番手の投手としては物足りない数字ではある。
ただ、昨年は13試合の登板であったことを考えると、この数字よりさらに高い数字を望むのは、過剰であるようにも思う。現時点で開幕からローテを守っているのは、東と大貫の2人だけであり、今後も、今の成績のライン以上をキープして投げ続けてほしいところ。
期待より低い成績に終わったという意味では、ジャクソンの方が、それにあたるかもしれない。
位置付け的には、2~3番手を期待した存在だったが、7試合中QS達成は、わずか2試合。序盤に大量失点を喫した試合もあり、チームの3本柱に入ることも期待したことからすると、現時点では、かなり物足りない数字となっている。
一方の新外国人・ケイは、入団時はエスコバーに代わる左の中継ぎ投手だと思っていたこともあり、ここまで先発投手としての実績を残したことは予想外でもあった。
ただ、替え時が難しい投手でもあり、6回・7回を投げる中継ぎ陣の安定度合いが、その登板試合の勝敗を大きく左右するといってもいいだろう。
予想以上の成績を挙げた投手が少ない先発陣のなかで、期待を抱かせるピッチングを見せてくれたのが、中川颯だった。オリックスを戦力外になった投手とはいえ、ファームでの奪三振率の高さなどから、移籍後の活躍を期待する声も大きかったが、プロ初勝利を挙げるなど、確実にチームの戦力となっている。阪神戦の9失点(3イニング)を除けば、防御率は3.66。3まわり目に入った時の投球など、課題はあるが、まだ大卒4年目ということを考えると、十分に伸びしろがある投手だと思う。
中堅どころの左腕2人は、石田健が、5月からの一軍合流で2勝2敗、濵口は、3試合に登板し、白星ゼロという結果。
なお、このブログでたびたび紹介している数字として、優勝に必要な先発投手の勝利数「54」という数字がある(算定の根拠はこちら)。
さらに、細かく言うと、先発1・2番手…計24勝、先発3~5・6番手…計24勝、その他の投手…6勝という内訳となる。
シーズンの3分の1である現在のDeNA先発陣の勝利数を単純に3倍すると、下記のようになる。
東…12勝、大貫…6勝、ケイ…6勝、ジャクソン…6勝、中川颯…6勝、石田健…6勝、平良…3勝。
合計すると「45勝」で、目標の「54勝」からは、かなり離れている。
正直、現在のファームで、一軍のローテで大きく活躍することが想像できる投手は、あまりいない。
森下が、ファームでチームトップのイニング数、防御率も1点台という成績を残しているが、まだ高卒2年目であること、また、被安打がイニング数を上回っている状況を考えると、一軍での戦力化は、もう少し先のように思われる。
二軍では防御率1点台の森唯斗も、現在の力では一軍では厳しいことがわかってしまったし、一軍初登板が厳しい結果に終わった小園も、もう少し時間がかかるだろう。
となると、先発の勝利数のペースを上げるには、ジャクソンの覚醒あたりに期待するしかないかというのが、現実。
さもなければ、シーズン途中ではあるが、タイプ的には中継ぎとも思われる松本凌、さらには、中継ぎ投手として定着した感のある石川の先発転向という方策も、試してみてもよいのではとも思う。
バウアーとの交渉については打ち切りとの報道があり、球団も、新たな補強策を考えてはいるようではあるが、わかっていたこととはいえ、今永、バウアーの穴はそう簡単には埋まらないという現実を突き付けられた2ヶ月だったとも言える。
2.出塁率.320以上を見込める一・二番の確立
開幕オーダーでもあった「一番・度会」「二番・オースティン」。
度会の打撃能力。打率こそそこまで高くないものの、右に長打を打てることで相手にプレッシャーを与えることができるオースティンの存在。チームも開幕から白星を続けたことで、一・二番の最適解が見つかったようにも思えた。
しかし、ほどなく、度会のバットが止まる。さらに、オースティンの負傷離脱で、「度会・オースティン」の一・二番は、10試合で終わった。
そこからは、石上、関根が二番を務めるが、機能としたとは言い難い。
一方で、一番を務めていた度会も、なかなか打率が上がってこず、4月下旬に、一番から外れる。さらに筒香の加入もあり、5月上旬、首脳陣は、ファームで実戦を積ませる判断を下した。
その後は、打撃好調の蝦名が二番に入り、一番・桑原、二番・蝦名の形。さらには、オースティンの復帰により、一番・蝦名、二番。オースティンというオーダーが続いたが、オースティンの再度の負傷、さらに蝦名の好調がどこまで続くのか不透明な部分もあり、「一・二番をどうするか」という課題は、完全な解決策は導かれていない状況といえる。
なお、ここまで、一・二番のスタメンを務めた選手の内訳は、下記の通り。
一番(度会24、蝦名13、桑原8、神里1)
二番(オースティン17、関根10、蝦名7、石上6、桑原4、佐野1、山本1)
そして、トータルでの一・二番の数字(交流戦前まで)は、
一番 打率.237 出塁率.298
二番 打率.217 出塁率.294
となっている。
昨年の、
一番 打率.221 出井立.287
二番 打率.216 出塁率.268
ほど低くはないものの、目標としたい「出塁率.320」には、まだ及ばない(打率も、最低.260以上は欲しいところ)。
さらに言うと、今季は、三番も打率.230(出塁率.291)と、低い打率となっており、得点効率を上げるための上位の並びは、まだまだ再考の余地があると言える。
3.ショート
ここまでスタメンを張った選手の内訳は下記の通り。
石上…19、京田…13、森…7、大和…5、林…2
3、4月は、オープン戦で結果を残したルーキー石上が主に起用されたが、徐々に打率が下降し、5月上旬に抹消。
代わって、京田が入るケースが多かったが、この週末の広島戦では、森敬斗がインパクトのあるプレーを見せた。
私見だが、もし、打撃が復調してきたとしても、その守備を考えると、石上をショートで使い続けるのは厳しいのではと思っている。
林も、せっかくのスタメンのチャンスでの失策、また現状の打率(.133)を見ると、レギュラー争いからは大きく後退した感が否めない。
今後は、森、京田、そして大和を、併用していく形になるか。
来季も含めて、将来的なことを考えると、森に一気にレギュラーを取ってほしい思いもあるが、首脳陣がどこまで腹を括って起用し続けることができるか。
森としても、チームが、今ドラフトで宗山獲りに動く可能性を考えると、ショートのレギュラーを奪う最後のチャンスかもしれないという思いで、時間を過ごしてほしいところ。
チームを躍動させる可能性を秘めている選手だけに、ファンとしての期待は大きい。
4,ロースコアの接戦をどう獲るか
最後に、今季の新たなポイントを。
今季は、DeNAだけでなく、リーグ全体として、昨年に比べ、得点が少ない。
序盤に入った得点のまま試合が推移し、追加点が入らず、そのまま試合が終わることも少なくない。
つまりは、ロースコアの接戦をいかに獲れるかが、チームの成績を上げるカギとなる。
両チーム4得点以内、かつ、2点差以内という試合(9イニングにて)に絞って、ここまでのDeNAの成績を見ると、9勝9敗1分け。
さらに、対戦相手別に見ると、下記の左の数字となる。
対 阪神 1勝2敗1分け → 3勝4敗1分け
対 広島 2勝2敗 → 4勝7敗
対 巨人 1勝2敗 → 3勝5敗
対 中日 3勝2敗 → 4勝4敗
対 ヤク 2勝1敗 → 7勝4敗
(右は、トータルの対戦成績)
まだ、試合数は少ないが、上位のチーム(阪神、広島、巨人)には勝ち越せておらず、下位のチーム(中日、ヤクルト)には勝ち越し。それはそのまま、トータルの対戦成績にも反映されている。
昨年よりも、感覚として、得点、失点とも1点少ない結果が予想されるなかで、どうやって、相手より上回る得点で試合を終えることができるか。
そこでは、三浦監督の選手起用であったり、選手たちの1プレーへの意識の高さも、問われてくることになろう。
28日からは、交流戦がスタートする。
これまで、週5試合が続いたDeNAにとって、一つの正念場となる3週間となる。
一方で、2週目週末のエスコンフィールドを除くと、関東開催のゲームが続くことは、DeNAにとっては好条件かもしれない。
チームの力を高めていくためにも、収穫の多い、そして、でき得れば昨年に続く交流戦連覇を果たす3週間にしてほしい。



























