人気ブログランキング | 話題のタグを見る

「横浜優勝」を逃して。

記事初めに一つ、おことわりを。

2つ前の投稿で、「9月中に、以前に書いた各球団の『育成力』の記事の改訂版をアップする」と書いたのですが、2023年のペナントの成績を反映させたいと思ったので、これについては、ペナント終了後(クライマックスの始まる前あたり)に、アップをしようと思います。

------

ということで、今回は表題の件について。

2023年のペナントも、9月半ばに、両リーグとも優勝が決まり、残りも、あとわずか。
そうしたなか、横浜DeNAは、140試合目で、クライマックスシリーズ出場を決めた。

その約2週間前の、9月14日。
阪神が、2023年のセ・リーグ優勝を決めた。
横浜DeNAとのゲーム差は、16ゲームだった。

6月下旬、交流戦明けの阪神との直接対決で3連勝し、5月中旬以来の首位に立った。
しかし、その後の連敗ですぐに逆転され、阪神に追いすがったと言えるのは、7月上旬ぐらいまで。
優勝に必要な「8月以降の加速」も全くできず、優勝はおろか、今年も、本当の意味での「優勝争い」をすることなく、シーズンが終わろうとしている。

開幕前に、「「横浜頂戦」のポイント。」として、いくつかの注目点を挙げたが、正直、個人的には、不安の方が大きかった。
大貫・今永が開幕不在という状況で迎える先発陣。さらには、オープン戦で全く打てなかった打線。
実際、シーズンに入ると、開幕から4連敗。

しかし、平良・東の復活もあり、4月は「驚異的」と言っていいペースで白星を重ねる。
その後、5月中旬に一度失速するが、バウアーが本来の実力を見せ始めたこともあり、前述のように、一度は阪神を再逆転する。

だが、7月以降、「優勝を勝ち取る」には程遠い勝敗ペースで、阪神に瞬く間に引き離された。
今季の貯金は、阪神に3タテした6月25日の12が最大である(9月29日現在、貯金7で、残り3試合すべて勝っても、貯金は10どまり)。

正直、東・バウアー・今永という、リーグでも屈指の先発3投手を擁し、かつ、リリーフ陣にも、150km、あるいはそれに近い球速を投げる投手を数多くそろえ、打線も、打点王と首位打者を獲得する打者がいる状態で、「優勝争い」すらできなかったという現実は重い。
しかも、来季は今永、そして、バウアーが抜ける可能性が大きいことを考えると(さらに言えば、スタメンを外れることも多い宮﨑の体調が、来季以降どこまで持つかという懸念も)、余計に「今年、優勝できなかった」ことの重みを感じる。
8月以降は、ゲーム差を考えれば、優勝という目標がかなり難しいという状況が続いており、心の準備はできてはいたが、実際、阪神の優勝が決まった時は、虚無感を感じた。
その阪神自体も18年ぶりの優勝だったのだが、その間、決して低迷期だったわけではなく、2位・8回、3位4回を記録して、それでもなお、17シーズン優勝まで届かなかったことには、「優勝」までの道のりの遠さを感じざるを得ない。

そんな2023シーズン、横浜が優勝を逃したと、個人的に思う要因について、今回は、4つのポイントを記していきたい。


1. 先発4番手以降の不安定さ

さきに、リーグ屈指の先発3人(東・バウアー・今永)と書いたが、それに続く4番手以降の先発投手が弱かった。
実績的にも、年齢的にも、この3人に続いてほしいのが、石田と大貫だったが、石田は23試合で4勝9敗・防御率3.97・QS率26.1%、大貫はわずか12試合の登板(4勝4敗、昨年は24試合に登板)と、先発としての合格点には遠く及ばなかった。

なお、このブログで、たびたび出している、

優勝に必要な先発投手勝利数の目安 … 54勝
●内訳は、先発1・2番手で24勝先発3~5(6)番手で24勝、その他の投手で6勝

という数字(算出の根拠はこちらの記事を参照)。

今季のDeNA先発陣に当てはめてみると、下記のようになる。

●先発1・2番手 … 26勝(東16・バウアー10)
●先発3~6番手 … 18勝(今永7・石田4・大貫4・濵口3)
●その他の投手 … 7勝(平良4・ガゼルマン3)
合計 51勝

目安の54勝にあと3勝まで迫りはしたが(140試合消化時点)、3~6番手の勝利数の不足が、阪神との差にもつながっている。

なお、阪神の先発陣は、下記の数字である。

●先発1・2番手 … 22勝(村上10・大竹12)
●先発3~5番手 … 26勝(伊藤10・才木8・西勇8)
●その他の投手 … 15勝(青柳8・西純5・ビーズリー1・桐敷1)
合計 63勝

勝利数の関係上、先発1・2番手を村上・大竹としたが、投球回で考えると、伊藤が1番手とも言える陣容。
いずれにしても、先発5番手までの層を考えると、DeNAと、かなりの差がある。
青柳の「8勝」は防御率からすると、多い印象も受けるが、苦しいシーズンとなったなかでも、8月から9月にかけて、3失点以内の投球を続け、5勝したところに、優勝した要因の一端が見て取れる。


2. 「勝ちパターン継投」再構築の失敗

今季の序盤は、クローザー…山﨑、セットアッパー…伊勢、その前を、三嶋・入江・ウェンデルケン・森原といった投手で繋ぐという形だった。
しかし、セーブは挙げるものの、開幕から、山﨑の調子が上がらず。
さらに、序盤はよかったものの、交流戦あたりから、伊勢も、失点を重ねる試合が続く。
エスコバー(5月初めに抹消)、三嶋(序盤は好調も、6月に入り失点が続き抹消)といった実績のある投手が不調だったこともあり、シーズン序盤の陣容からは、再考が求められる状況となった。

だが、不調となった、山﨑、伊勢のその後の起用が、適切だったとは言い難い。
山﨑は、7月に配置転換されるまで、6敗を喫した。
さらに、伊勢に関しては、すでに5月頃から黄色信号が出てきた(6月に書いた記事でも、そのことに触れたが)にもかかわらず、夏場までセットアッパーを任せ、こちらも5敗(セットアッパーを任せられた時期までの数字)を喫し、防御率も3点台中盤まで落ちた。
現在は、ともすると、右のワンポイントのような起用をされているのを見ると、昨年の71試合登板という数字も含め、もう少し、その体調を考慮した起用はできなかったのだろうかと思う。
7月下旬以降、8・9回に関しては、ウェンデルケン-森原という継投パターンが確立したが、優勝するには、勝ちパターン継投で安定して投げられる投手が「6人」は必要な時代、この2人以外の陣容に不安を抱える状態で、阪神に追いすがることは難しかった。

なお、DeNAと阪神、それぞれのチームで、「ホールドポイント+セーブ数」が多かった6投手の成績を比べると、下記のとおりである(9月29日現在)。

DeNA】

●山﨑(49試合 防4.37/11HP・20S/7敗)
●伊勢(57試合 防3.24/36HP・2S/6敗)
●ウェンデルケン(60試合 防1.69/35HP・2S/2敗)
●森原(46試合 防2.32/12HP・17S/1敗)
●エスコバー(40試合 防4.55/13HP/1敗)
●三嶋(27試合 防4.84/9HP/1敗)

【阪神】

●岩崎(58試合 防1.33/15HP・34S/2敗)
●岩貞(50試合 防2.70/25HP/0敗)
●石井(43試合 防1.15/20HP/1敗)
●加治屋(50試合 防2.39/17HP・1S/4敗)
●島本(33試合 防1.78/17HP/2敗)
●桐敷(24試合 防0.98 14HP/0敗)※
※救援のみの数字(先発2試合をのぞく)

阪神の方が圧倒的に防御率がいいのが一目でわかるが、敗戦数も、阪神の9に対し、DeNAは18ある。
なお、島本・桐敷は、8月から勝利の継投パターンの一角に入った。
序盤の湯浅の不調に加え、ケラーの離脱、浜地の不調といった状況を、新旧の左投手の起用で乗り切った阪神と、山﨑・伊勢に代わる勝ちパターン投手を作る(具体的には、石川・入江の抜擢が必要だったか)などの再構築をすることができなかったDeNAとの差が、両チームのゲーム差となったといってもいいかもしれない。
(なお、NPB全体を見ると、「8人前後の勝ちパターンで投げられる投手を、試合やチーム状況によって使い分ける」という、さらに一段上の取り組みをしているオリックスというチームもあるが)


3. 見つからなかった「1・2番」の正解

序盤戦は、「1番・佐野」「5番・桑原」「6番・関根」の打順がはまった形のDeNA打線。
ただ、佐野が本来の実力からすると打率が上がってこない状況、さらに、桑原、関根に、もう1ランク上の活躍をしてほしい、という思いもあってか、6月上旬から、佐野が3番に、代わりに、5月中旬からは2番を打っていた関根が、1番に入ることとなった。
しかしその後、1番・2番の正解が出ることはなかった。
組み合わせ的には、「関根・桑原」の1番・2番が最も多かったが、両選手とも中軸以降を打っていたときと比べると、打率・出塁率ともに、大きく数字を落とした。

ここでも、あえて、阪神の選手と比べるが、下記のような数字となる(9月29日現在)。

●関根(1番/30試合)… 打率.211/出塁率.279
●関根(2番/50試合)… 打率.251/出塁率.280
●桑原(1番/16試合)… 打率.224/出塁率.278
●桑原(2番/34試合)… 打率.237/出塁率.311
●近本(全成績)…打率.285/出塁率.378
●中野(全成績)…打率.288/出塁率.351

(参考)
〇関根(6番/34試合)… 打率.342/出塁率.402
〇桑原(5番/31試合)… 打率.299/出塁率.342

数字が全てを物語っているように思うので、多くは語らない。

なお、最近は、DeNAだけでなく、試合によって1・2番を変えることは、球界の潮流になっている感もあるが、そうした起用は、そのことによって数字が上がってこそ意味がある。
関根・桑原以外の選手も含めた1・2番の数字も、下記の通り、上位打線の数字としては、非常に低い。

●1番 … 打率.222/出塁率.289
●2番 … 打率.215/出塁率.268
(参照:佐野(1番)… 打率.245/出塁率.319)

ここ数試合は「一番・大田」という起用も多かったが、1年かけても、「1番・2番」の正解を見つけられなかった、2023年のペナントだった。


4. 選手交代の早さが生んだ「あと1枚」の不足

今シーズンの三浦監督の選手起用は、試合終盤での野手交代が目立った。

同点時でも、主力選手に代え、守備固めや代走を起用するケースが多くあった。
ただ、こうした早めの選手交代は、試合終盤の投手が盤石ではない状況、また、チャンスで得点が取れなかったとき等のことを考えると、諸刃の剣でもある。

実際、選手を代えたがゆえに、その後のチャンスで、打つ確率がかなり低い打者に委ねざるを得ないというシーンが何度となくあった。

宮﨑の交代に関しては、その起用状況を見る限り、かなり無理してプレーをしている可能性もあり、外から見ているだけでは何とも言えないところはあるが、他の野手の交代に関しても、結果、早さが「拙速」となった試合が多くあった。

試合終盤での早めの交代自体は、それこそ前任のラミレス監督も、一部の選手に行っていたし、それこそ、原監督の専売特許という印象もある。
ただ、それは、ある程度、控え陣に力のある選手がいてこそ、意味のある交代であったりもする。

その後のチャンスで、打率1割台の選手に託さなけばいけない状況や、「代打→守備固め」のような、1度の交代で2選手を使うような起用の頻発は、選手起用のどこかに問題があったのではと、振り返る必要があるだろう。

なお、賛否のあった、8月の阪神戦での、得点機での佐野への、代打・楠本の起用。
個人的には、「選手起用の一策」という視点だけで見ると、その後の好機に「代打・楠本」というカードが使えないという意味で、悪手だと思った(実際、その後の好機で、蝦名のところで代打を出せなかった)。
ただ、強引な打撃が目立ち、なかなか結果を出せていなかった佐野に対し、「お前は、こんな選手じゃないだろう」というメッセージを込めての交代であれば、意味はあるように思った。

いずれにしても、「もう一つ待った方がいいのでは」と思うことの多かった、今季の三浦監督の選手起用。
「守備・走塁ともに、控え陣にスペシャリスト的な存在がいない」という、チーム自体の問題もあるが(厳しい言い方をすると、現時点では、まだ若手野手に経験を積ませているだけの交代のようにも見える)、この部分について、どのような振り返りをしているかは、来季以降、指揮を執る執らないを問わず、指導者としての力量を高められるかの分岐点になるように思う。


今日は、クライマックスシリーズ進出が決まったという、ある意味喜ばしい日だったのかもしれないが、「そこが目標ではなかったはず」という意味も込めて、あえて「優勝できなかった」原因について書いた。

読み終えて、もやもやが残った人もいるかもしれないが、それが「優勝を逃した」ということなのだと思う。

by momiageyokohama | 2023-09-30 02:48 | 横浜ベイスターズ | Comments(0)

「読んだ方が野球をより好きになる記事」をという思いで、21年目に突入。横浜ファンですが、野球ファンの方ならどなたでも。時折、ボクシング等の記事も書きます。/お笑い・音楽関連の記事はこちら→http://agemomi2.exblog.jp/


by もみあげ魔神
カレンダー
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30