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「横浜優勝」への道のり -ブルペン陣への懸念と今後に向けて-

4月を首位で終えた横浜DeNAだが、5月第1週は、ブルペン陣の層の厚さの必要性を、改めて痛感させられる1週間となった。

広島との1戦目、2戦目は、いずれも伊勢・山﨑を登板させる展開に(1戦目は、山﨑が秋山に勝ち越し打を浴びた後、坂倉に満塁弾を浴びて敗戦。2戦目は、3点差を守りきり、バウアーに来日初勝利をもたらす)。
続く広島との3戦目は、早めの代打策をとったこともあり、6回から、三嶋-入江-ウェンデルケン-森原とつなぎ、結果、サヨナラ勝利。

翌日のヤクルト戦は、今永が先発。中継ぎ陣を前の3試合で結構使っていることもあり、できれば今永に長いイニングを投げてほしいところだったが、風の影響もあり乱打戦となり、今永は5回で降板。
三嶋(2連投)、ウェンデルケン(4日で3試合目)とつなぎ、4点差で迎えた8回裏、復調を期待してエスコバーを起用したが、ホームラン、ヒット、四球で、1アウトもとることなく、伊勢に交代(4日で3試合目)。
伊勢が2アウトをとるも、濱田に粘られた後、今季初失点となる3ランを浴びた後、9回に登板した山﨑(こちらも4日で3試合目)が、長岡に逆転サヨナラ2ランを浴びて、乱打戦に競り負ける形となった。
続くヤクルトとの2戦目は、ウェンデルケン・伊勢は、ベンチ外。山﨑もできれば登板させたくない状況のなか、エスコバーと同じく、復調を期待しての先発起用となった濵口だったが、3回持たず。
「果たしてどう継投していけば…」という状況のなか、濵口の後を継いだ上茶谷がなんとかしのぎ切るも、4回まで。
ただ、中盤以降も打線が点を取り続け、さらにリードを広げたこともあり、石川(1イニング)-坂本(2イニング)-宮國(2イニング)という継投で9回までたどり着く。
3戦目は、雨天中止だったが、勝ちパターンの投手で、この週3登板未満の投手は、入江と三嶋だけ。上茶谷、坂本とも、前日30球以上投げている状況を考えると、もし、前々日、前日に続き、打撃戦となった場合はかなり厳しい状況だった。

前回の記事では、勝ちパターンの投手(この時は、明確に勝ちパターンで投げる投手の意で使い、主に山崎伊勢入江を念頭に置いていた)にプラスしての戦力の重要性を書き、三嶋森原ウェンデルケンの名を挙げた。
7回・8回・9回を投げる3人にプラスして3人の合計6人、信頼に足る投手がいれば、ある程度安定した戦いができるのではと考えての記事だった。
しかし、「優勝を目指す戦いが続く」という状況は、今まで以上に、勝ちパターン(あるいは僅差のゲーム)で投げる投手の登板機会が増える
そうなると6人では足りないということを思い知らされたのが、先週の一連の試合だった。

では、一体どれほどの投手が必要になるのか?
その参考となるのが、昨年優勝した、ヤクルトオリックスのブルペン陣である。

それぞれのチームにおいて、昨シーズン、救援で20試合以上登板した投手を、下記に挙げてみた。
(順番は、1番目は最多セーブの投手。2番目以降は、セーブ+ホールドポイントの合計数順。同数の場合は防御率が低い順番に記載)

ヤクルト】(救援平均回…3.59回)

1 マクガフ 55試合(防2.35 38S・6HP)
2 清水 50試合(防1.16 33HP
3 田口 45試合(防1.25 2S・19HP)
4 梅野 41試合(防3.00 20HP)
5 石山 38試合(防1.75 18HP)
6 今野 51試合(防3.72 1S・17HP)
7 木澤 55試合(防2.94 17HP)
8 久保 29試合(防2.70 8HP)
9 コール 34試合(防2.75 8HP)
10 大西 42試合(防4.45 6HP)
※大西の防御率は、先発(1試合)を含む数字。

20試合登板した投手は、計10人
マクガフ清水木澤が50登板を超えているが、それ以外の投手は50試合未満。
なお、原則9回を投げるマクガフ、8回を投げる清水に対して、田口木澤に関しては、様々なシチュエーションでの登板が多かった。
特に、試合中盤、どちらのチームに勝利が転ぶかわからない場面での登板が多かった木澤は、先発投手陣の層が薄いなか(二桁勝利の投手無し。チーム勝利数に対しての先発勝利割合61.3%は、DeNAの65.8%、阪神の79.4%を下回る数字)、チームを支えた。

オリックス】(救援平均回…3.00回)

1 平野 48試合(防1.57 28S・11HP)
2 阿部 44試合(防0.61 3S・23HP
3 近藤 32試合(防2.10 2S・16HP)
4 本田 42試合(防3.50 2S・16HP)
5 ビドル 33試合(防4.02 16HP)
6 ワゲスパック 22試合(防2.97 5S・7HP)
7 比嘉 30試合(防2.53 1S・10HP)
8 村西 22試合(防4.44 9HP)
9 黒木 27試合(防2.36 1S・7HP)
○ 山﨑颯 10試合(防3.00 1S・6HP)
○ 宇田川 19試合(防0.81 5HP)
※ワゲスパック・山﨑颯・ビドルの防御率は、先発での数字を含む(ワゲスパック…10試合、山﨑…5試合、ビドル…2試合)。

山本、宮城という、スーパーエース級の投手2人を抱え、また、パ・リーグのため、打順に影響されない継投が可能ということもあって、救援平均回は3イニングに留まる。
それでも、救援登板20試合以上の投手は9人にのぼる。なお、50試合以上登板した投手はゼロ
特徴的なのは、クローザーを平野としなかった試合が多数あること。チームの43セーブ中15セーブは、平野以外の投手が挙げている。
また、ワゲスパックのリリーフへの配置転換。さらに、20試合未満の登板数ではあったが、シーズン中盤以降に、宇田川山﨑颯という、強力なブルペンの新戦力が台頭したことで、最後、ソフトバンクをほんのわずか上回り、優勝を果たした。

この2チームを見ると、優勝するには、「ストッパー + シーズン20試合登板以上、かつ5ホールドポイント以上挙げる投手9人」の計10人、ブルペンの戦力となる投手が必要であることがわかる。

では、上記の2チームと比べ、横浜DeNA2022年のブルペン陣はどうだったか。

【横浜DeNA】(救援平均回…3.42回)

1 山﨑 56試合(防1.33 37S・3HP)
2 伊勢 71試合(防1.72 1S・42HP
3 エスコバー 70試合(防2.42 2S・38HP
4 田中 47試合(防2.63 16HP)
5 入江 57試合(防3.00 15HP)
6 平田 47試合(防4.29 14HP)

救援登板20試合以上の投手は6人
ヤクルトの10人、オリックスの9人と比べると、いかに一部の投手に負担が集中しているかがわかる。
さらに、前述の2チームは60試合以上登板の投手がいなかったのに対し、70試合以上登板が2人
中継ぎ・ストッパーの負担は、単に登板数だけではなく、球数やブルペンでの調整法とも関わってくるので、登板数だけで負担の程度を論じることはできないかもしれない。
ただ、勝ちパターンで投げる投手たちの登板数が、さきの2チームと比べてかなり多い。
このことが、昨年、首位ヤクルトに迫りながらも、8月下旬以降に息切れした大きな要因といってもいいだろう。

では、2023シーズン、ここまで(5月8日現在・28試合消化)のDeNAブルペン陣の登板状況はどうか。
28試合経過ということで、現在、救援で4試合以上の登板がある投手を挙げてみる。
(143/28≒5.1、4×5.1=20.4ということで、シーズン20試合登板に届くと仮定)

1 山﨑 15試合(防5.93 9S・1HP)
2 伊勢 14試合(防0.64 1S・11HP
3 三嶋 10試合(防0.00 6HP
4 入江 11試合(防1.74 6HP
5 ウェンデルケン 9試合(防2.00 4HP
6 森原 7試合(防0.00 3HP)
7 上茶谷 7試合(防1.00 1HP)
〔○ エスコバー 9試合(防15.63 4HP)〕
〔○ 石川 4試合(防0.00)〕

なお、4試合以上した登板は9人だが、現在、防御率10点以上のエスコバー、また僅差のリードの場面での登板はまだ無い石川は、現時点では、対象から外したい(山﨑も現在の防御率は5点台だが、坂倉に満塁本塁打を打たれた試合前の12試合登板時点では、防御率1.54と安定)。
そうなると、中継ぎで一定以上の成績を挙げているのは7人
昨年の6人よりは多いが、まだ、目標とすべき10人には、3人足りない
さらに、山﨑伊勢は、シーズンに換算すると70試合以上登板のペースで、登板過多の危険性を感じる。
また、三嶋は、難病からの復帰となる年。入江ウェンデルケン森原も、DeNAにおいて一年通して勝ちパターンの投手として登板し続けた経験は無い(森原は楽天時代にセットアッパーの経験があるが)。
そう考えると、優勝には、あと4~5人、一軍で勝ちゲームにも起用できる中継ぎ投手が必要となるだろう。

では、具体的に、候補は誰になるか。
現在のファームの成績を見ると、故障からの復帰組となる、田中平田という、実績のある投手たちが、ある程度の数字を挙げている。
また、これからの若手というところでは、中川、さらに現在一軍にいる石川の台頭を期待したいところもある。
その他だと、一軍の先発にはなかなか定着できなかった京山の配置転換での可能性。
2021年・2022年ドラフトの大学・社会人投手組が、現時点で一軍の戦力になっていないなか、三浦、橋本に出てきてほしいといった気持ちもあるが…。
さらに言えば、DeNAに来て7年、2018年から5年連続で50試合以上登板。この5年のチームへの貢献度という点では、投手で一番といってもいいエスコバーが復活する姿を見ることはできるだろうか。

いずれにしても、ここまでの好調さとは裏腹に、冷静に見ると、ブルペン陣の層にかなりの不安がある、現在の横浜DeNA。
勝負はまだまだこれから、というより、9月・10月までの長いシーズンを戦い抜くためにも、一軍のブルペンの戦力「10人」という目標値は、優勝するための大きなポイントとなる数字だと思う。

今週は、新潟、そして移動日を挟んでの東京ドームでの巨人との2戦。そして、週末は甲子園での阪神3連戦。
徐々に継投の内容に変化が見られる部分もあるだろうか。

by momiageyokohama | 2023-05-09 00:46 | 横浜ベイスターズ | Comments(0)

「読んだ方が野球をより好きになる記事」をという思いで、21年目に突入。横浜ファンですが、野球ファンの方ならどなたでも。時折、ボクシング等の記事も書きます。/お笑い・音楽関連の記事はこちら→http://agemomi2.exblog.jp/


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