ロジャー・フェデラーが現役を引退した。
名を成したスポーツ選手を「レジェンド」と評することは多いが、フェデラーは、まさにレジェンド中のレジェンド。
残した通算成績、トップレベルに君臨した長さ、そして、そのプレーの華麗さも含め、すべての競技を通じても、最も「レジェンド」と呼ぶにふさわしい選手と言ってもいいのではないか。
グランドスラムでの優勝は、20回(全豪6回、全仏1回、ウィンブルドンは5連覇を含む8回、全米5回)。
これは、ナダルの22回(豪4、仏12、英2、米4)、ジョコビッチの21回(豪9、仏2、英7、米3)に次ぐ歴代3位ではあるが、グランドスラムの準決勝進出回数・45回、そして、準々決勝進出回数・56回は、いずれも歴代最多。
グランドスラム出場記録 79回も歴代最多の数字である(通算成績は、369勝60敗)。
グランドスラムを含むツアー優勝回数は、103勝。
これは、コナーズの109勝に次ぐ歴代2位(グランドスラム20勝、年間最終戦6勝、マスターズ1000・28勝、500シリーズ・24勝、250シリーズ・25勝)。
そして、2004年2月2日から2008年8月17日までの「237週連続ランキング1位」。
これは、いまだ破られない大記録である。
(なお、2004年2月2日から2022年2月27日までの、実に19年もの間、ランキング1位の座は、いわゆるビッグ4が独占した。内訳は、フェデラー310週、ナダル210週、ジョコビッチ361週、マレー41週。ジョコビッチは、2021年3月8日付けランキングで、フェデラーの310週の記録を抜いた)
この2004年から2008年の「無双」とも言える強さを誇った時代も凄かったが、2017年、全豪で5年ぶりのグランドスラム制覇を果たし、その後も2017ウィンブルドン、2018全豪を優勝し、5年半ぶりのランキング1位(36歳での1位は、アガシの33歳を抜き、史上最年長)を果たした復活劇も凄かった。
なお、「復活」という言葉を使ったが、2003年~2015年まで、常に年間ランキング1~3位をキープ。その後、2017~2019年も3位以内。
テニスというスポーツでトップに居続けることは、本当に並大抵ではない。
1年中、世界を転戦するスケジュール。シングルスの5セットマッチの場合、長いときは5時間近くの試合になることもある。
さらに、上位に行けば行くほど試合数が増え、かつ強豪との対戦も増えるという、過酷な環境。
自分がテニスを見始めたのは、レンドル、エドバーグ、ベッカーが凌ぎを削っていた時代からだが、その3選手とも、トップクラスに位置していたのは10年ほど。
その後、90年代、無類の強さを誇ったサンプラスも、トップ3をキープしたのは9年ほどで、32歳で引退した。
「ビッグ4」以降のテニス界を嘱望される選手たちも、思うような成長を成し遂げられなかったり、怪我に苦しんでランキングを落としている選手も多い。
そうしたなか、20年近く世界のトップに居続け、37歳にしてグランドスラム優勝を成し遂げたそのキャリアは「驚嘆」の一言。
なお、プレースタイルもキャラクターも全く違う、ナダル、ジョコビッチの存在も、第一線でプレーを続けようと思う「心」に火を灯し続けた要因だったかもしれない。
2017年、復活を果たしたナダルとフェデラーの、それぞれ2度のグランドスラム優勝(全豪:フェデラー〔グランドスラム決勝での対戦としては、2011年全仏以来となる、ナダルとの決勝戦〕、全仏:ナダル、ウィンブルドン:フェデラー、全米:ナダル)は、テニスファンへのプレゼントのようにも思えた。
すべてのプレーが、スーパーハイレベルだったフェデラー。
相手が一歩も動けない、フォアハンドのエース。
片手バックハンドによるダウンザライン。
相手の鋭角に入るクロスを、さらに超鋭角に返すクロス。
コートのサイドラインの外からネットを通さずに巻き込む、常識外のショット。
ベースラインからの、バックハンドドロップショット。
そのなかでも、最も印象に残るショットを挙げるすとするならば、自分は、サーブを挙げたい。
寸分の狂いも無く、狙った点、そしてラインに打ち、あっという間にキープする。
桁外れに速いサーブではないが、自分が優位な場面はもとより、自身が劣勢な場面でも、エースが確実に取れるポイントに打ち込み、簡単にポイントを取って行く。
信じられないスーパーショットだけでなく、この恐ろしいまでの安定度を誇るサーブがあったからこそ、フェデラーは、長きにわたってトップの座に君臨し続けたと言えると思う。
スポーツ選手の引退に、「寂しさ」を感じることはあっても、いわゆる「ロス」を感じることは少ないが、ことフェデラーに関しては、「ロス」とも言える思いになった。
正直、フェデラーのここ数年の出場状況からすると、ファンも関係者も、その「引退」が遠くないことはわかっていたはずだ。
ただ、実際に、「100%真剣勝負のフェデラーが見られない」という事実を突きつけられたことによる「喪失感」は大きかった。
現役最後の舞台となった、レーバーカップ。
ナダルと組んだダブルスの試合終了後、笑みを見せたフェデラーだったが、途中、涙で言葉に詰まる場面もあった。
改めて、フェデラーの素晴らしさは何だったのだろうと考える。
もちろん、その残した成績は素晴らしい。
しかし、何より、そのテニスが魅力的だったのは、技術もさることながら、「テニスというスポーツが好きだ」ということが、そのプレーの端々から伝わってきたからではないかと思う。
また、ほとんど動揺の色を見せないプレー中の表情と、優勝したときの感情を爆発させた表情とのコントラストも、フェデラーというプレーヤーに魅了された一因でもあった。
記憶にも記録にも、強烈に残る、ロジャー・フェデラー。
そのプレーは、間違いなく、世界中のテニスファンによって、未来永劫、語り継がれていく。
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