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2022 横浜DeNA投手陣 -オールスター前までを振り返る-

7月24日で、オールスター前の日程が終了。
横浜DeNAの成績は、89試合(シーズンの約62%)で、42勝45敗2分の借金3。

なお、7月はまだ全試合を終了していないが、月別の勝敗見ると下記のようになる。

 3・4月 10勝15敗(-5)
 5月 11勝11敗(±0)
 6月 11勝12敗(-1)
 7月 10勝7敗2分(+3)

シーズンも中盤を過ぎ、三浦監督の、特に野手の起用についてはファンのなかで色々な意見があるようだが、勝敗に関してはやはり投手の占める割合が大きいと思う。
今シーズンは、キャンプスタート時開幕前交流戦前と、3度、横浜DeNA投手陣について書いてきたが、改めて、オールスターブレイクというこの時期に、ここまでの成績を振り返っていきたい。
途中途中で、他球団やリーグ全体の話もはさむが、4つの項目に分けて見ていこうと思う。


1. 先発投手陣の勝利数

今シーズン、本ブログで一貫してこだわっている、先発投手の勝利数。
ここまでは、下記のような数字である。

1 大貫 15試合(87.2)7勝4敗 防2.36
2 今永 11試合(73.2)4勝3敗 防2.93
3 濵口 10試合(60.2)4勝4敗 防2.67
4 ロメロ 12試合(58.0)4勝5敗 防5.43
5 上茶谷 9試合(48.2)2勝6敗 防4.99
6 東 9試合(47.1)1勝5敗 防4.75
7 石田 8試合(42.1)3勝2敗 防3.83
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8 坂本 6試合(28.0)0勝3敗 防6.11
9 京山 6試合(27.2)0勝1敗 防3.90
10 有吉 1試合(4.0)0勝1敗 防6.75
11 石川 1試合(2.1)0勝0敗 防7.71 
12 ピープルズ 1試合(1.0)0勝1敗 防36.00

(※数字は先発での成績〔救援登板を除いた成績〕。括弧内はイニング数)

先発勝利数の合計は「25勝」。
このままのペースでシーズン終了まで行ったとすると「40勝」。
以前に、過去の優勝チームの先発勝利数から試算した「54勝」とは、まだだいぶ開きがある。

今季は、今永が左前腕の肉離れで開幕に間に合わず。
濵口・石田は、開幕早々、コロナウイルスに感染。
3・4月、開幕ローテに名を連ねていた東・ロメロも成績が上がらず、二軍落ち。
ここまでコンスタントにローテを守っているのは、大貫ただ一人。
7月になって、ようやく先発陣が揃ってきた感はあるが、京山、阪口、坂本、ルーキーの徳山といった、先発陣に食い込んでほしい投手たちは、まだ結果を出すに至っていない。

なお、ここまでの、セ・リーグ各チームの先発勝利数と、それを全試合に換算した数字は、下記のとおり。

【ヤ】 35勝(91試合)→ 55勝 62.5%
【神】 39勝(94試合)→ 59勝 84.8%
【広】 34勝(95試合)→ 51勝 73.9%
【D】 25勝(89試合)→ 40勝 59.5%
【巨】 30勝(96試合)→ 45勝 66.7%
【中】 23勝(89試合)→ 37勝 60.5%

(先発勝利数・チームの消化試合数・全試合に換算した場合の先発勝利数〔小数点以下は四捨五入〕・先発勝利数がチーム勝利数に対して占める割合)

首位ヤクルトが多いのはわかるが、目を引くのが阪神の先発勝利数の多さ。
チーム全体のQS率も58.5%(リーグ2位。1位は広島の62.1%)と高い数字を挙げているが、何と言っても、青柳・伊藤の安定度の高さが大きい。
 
●青柳
 15試合(111.1)11勝1敗 防1.37 93.3%

●伊藤
 11試合(81.2)7勝2敗 防1.87 81.8%

(※括弧内はイニング数、パーセンテージはQS率)

西勇輝という、先発としてイニングをある程度消化してくれる投手の存在もあるが、何より、この2人の出色の成績が、序盤の記録的敗戦ペースから5割復帰を成し遂げた大きな要因だろう。

DeNAに話を戻すと、QS率に関しては、38.2%(89試合中34試合)と、リーグでも断トツの最下位。
ただ、実は、首位のヤクルトも49.5%と高くはない。
にもかかわらず、ここまで、2位以下に圧倒的な差をつけている。
ここに、今のプロ野球の投手起用の傾向が見て取れる。


2. LQSという合格ライン

投手の評価する指標の一つとして使用されるQS(クオリティ・スタート)は、6イニング以上、かつ、自責点3点以内と設定されている。
さらに、7イニング以上、かつ、自責点2点以内は、HQS(ハイクオリティ・スタート)と言われる。

ただ、先発投手のイニング数が年々短くなる傾向があるなか、HQSを達成する割合は、かなり少なくなっているのが現実。
一方で、好投していても、6回を待たず交代ということは、現在のプロ野球では珍しくなくなった。
これまでは、QS達成が先発投手のひとまずの合格ラインとも考えられてきたが、ことイニング数に関しては、さらに短いイニングを合格ラインとする時代に入りつつあるのかもしれない。
いわゆる、HQSならぬ、LQS(ロー・クオリティ・スタート)
現在のプロ野球にあてはめるとすると、その定義は「5イニング以上6イニング未満、かつ、自責点3点以内」とするのが適当だろう。

なお、首位ヤクルトの、HQS、QS、LQSの試合数・達成率は、下記のようになる(91試合消化時点)。

●HQS … 20試合(22.0%) 
●QS … 45試合(49.5%)
●LQS … 66試合(72.5%)
※LQS達成・QS未達成 … 21試合

さらに、HQS、QS、LQSを達成した試合での、チームの勝率を見てみると、下記のようになる。

●HQS … .750(15勝5敗)  
●QS … .689(31勝14敗)
●LQS … .738(48勝17敗1分) 
※LQS達成・QS未達成 … .850(17勝3敗1分)

HQS達成試合に比べ、QS達成試合の勝率が低いのはわかる。
しかし、先発の合格ラインをさらに低くしたLQS達成試合になると、今度は、QS達成試合に比べて勝率が高くなっている。
LQS達成・QS未達成の試合(5イニングで自責点3以内に抑えて、5回で交代、あるいは6回は投げ切らなかったケース)の勝敗は、なんと17勝3敗1分(勝率.850)である。
ちなみに、「LQS達成・QS未達成」の21試合の先発投手の内訳は、石川…5試合、高橋・原…4試合、サイスニード・スアレス・小川…2試合、高梨・小澤…1試合、となっている。

こう見ていくと、5回3失点以内に抑えられる先発投手をどれだけそろえられるか。さらに、先発投手が5回3失点以内に抑えた試合を、どれだけチームの勝利に結び付けられるかが、上位に進出するポイントと言っていいかもしれない。

では、横浜DeNAは、どうか。
DeNAのここまで(89試合消化時点)の、HQS、QS、LQSの試合数・達成率は下記のようになっている。

●HQS … 17試合(19.1%) 
●QS … 34試合(38.2%)
●LQS … 56試合(62.9%)
※LQS達成・QS未達成 … 22試合

それぞれの勝率は、下記のとおり。

●HQS … .867(13勝2敗2分)  
●QS … .688(22勝10敗2分)
●LQS … .642(34勝19敗2分) 
※LQS達成・QS未達成 … .591(13勝9敗)

ヤクルトと違い、LQSを達成した試合は、QSを達成したい試合より勝率が低い。
ただし、LQS達成・QS未達成の22試合について、3つの期間に区切って見てみると、違う部分も見えてくる。

●3/25-5/8(全31試合)0勝3敗
●5/10-6/12(全27試合)4勝3敗
●6/17-7/24(全31試合)9勝3敗
※6/12は交流戦最終日

最初の3分の1の期間は、LQS達成・QS未達成の試合自体が少ない。なお、3試合のうち2試合は、自責点は3点以内だが、失策があったため失点は4点以上という試合である。
次の3分の1の期間は、少し試合数が増えて、ほぼ五分五分の成績。
そして、交流戦以降はさらに試合数が増え、かつ、大きく勝ち越している。
上記は、濵口・石田の復帰(濵口は5/26、石田は6/5に復帰)の影響があると言えるが、大貫を6回前に交代させるケースが徐々に多くなっていることも関係している。

ちなみに、LQS達成・QS未達成の試合の先発投手と、その試合の最終的な勝敗は、下記のようになっている。

 大貫 4勝1敗
 石田 2勝3敗
  2勝1敗
 ロメロ 2勝
 京山 2勝
 濵口 1勝1敗
 今永 0勝1敗
 坂本 0勝1敗
 上茶谷 0勝1敗

いずれにしても、先発の投球回がリーグ最下位(5.41回)という状況を考えると、「先発投手が、5回から6回途中で自責点3点以内」という試合をいかに取って行くかが、シーズン再開以降の鍵となっていくだろう。


3. 救援陣の安定

さきの「LQSの持つ意味が大きくなってくる」ということは、当然、「さらに、救援陣の安定の重要性が増してくる」ということでもある。

以前、ブルペン陣の役割を、下記のように定義した。

(1)クローザー
   …勝ちゲームの9回に登板
(2)セットアッパー
   …主に勝ちゲームの8回に登板
(3)ネオ・セットアッパー
   …主に勝ちゲームの7回、あるいは僅差のゲームに登板
(4)サウスポー1
   …競った場面での左打者相手だが、右打者相手に投げることも
(5)サウスポー2
   …ワンポイント的起用、あるいは、ビハインドで左打者が多い場面での登板
(6)ミドルピッチャー1
   …ビハインド、または先発投手が崩れた場面や点差がついた場面での登板
(7)ミドルピッチャー2
   …ビハインド、または先発投手が崩れた場面や点差がついた場面での登板

上記の役割において、キャンプスタート時の陣容予想は、下記の通りだった(2案挙げたうちの1案目)。

●ストッパー 三嶋
●セットアッパー 山﨑
●ネオ・セットアッパー クリスキー
●サウスポー1 エスコバー
●サウスポー2 砂田
●ミドルピッチャー1 伊勢
●ミドルピッチャー2 三浦

そして、実際は、下記のようになっている、

●ストッパー 山﨑
●セットアッパー 伊勢
●ネオ・セットアッパー エスコバー
●サウスポー1 田中
●サウスポー2 (不在)
●ミドルピッチャー1 平田
●ミドルピッチャー2 入江

このなかで、特筆すべきは、伊勢の飛躍と、田中の奮投だろう。

長年、後ろの3人のうちの「あと一人」に悩んでいたDeNAにとって、伊勢が勝ちパターンを任せられる投手になったことは非常に大きい。
三嶋の途中離脱、新外国人のクリスキーがそこまで安定した投手ではない、ということもあり、なおさら、その飛躍は救援陣にとって大きかった。

一方、田中については、いささか情緒的な表現にはなってしまうが、リードの場面もあればビハインドの場面もある、ワンポイントの場面もあれば1イニングを任されるケースもある、と文字通り「奮投」と言っていいピッチングを見せてくれている。
こちらも、砂田が不調、櫻井が故障明けということもあり、エスコバーがほぼネオ・セットアッパー的な役割であることを考えると、左の中継ぎの役割をほぼ一人で担っていると言ってもいい。

また、昨年は思うような結果を出せなかった入江が、まだ完全に信頼できるラインまでは行っていないものの、今後の可能性を感じさせる投球を見せているのも、チームにとっては明るい材料である。

なお、開幕前、救援陣の安定度を示す数字(勝ちブルペン力〔仮称〕)として、下記のような数値を定義してみた。

●対象とするのは、4人の投手(ただし、35イニング以上の投手が対象)
●4人の内訳は、チームにおいて、
(1)最多セーブ
(2)「ホールドポイント + セーブ」がチーム1番手((1)の投手をのぞく)
(3)「ホールドポイント + セーブ」がチーム2番手
(4)「ホールドポイント + セーブ」がチーム3番手
●下記の投手4人の防御率を下記の式にて計算
●〔(1)+(2)+(3)×0.7 +(4)×0.3〕÷3

これを、現在のDeNAに当てはめてみると、
(1)山﨑(2.20)
(2)エスコバー(1.91)
(3)伊勢(1.03)
(4)田中(1.96)
となり、数値は、1.81となる。

以前、昨年までの優勝チームの値から、この数値を「2.75以下にはしたい」と書いたが、それから考えると、ここまでは、十分すぎる数字と言ってもいい。

なお、セ・リーグ各球団の、勝ちブルペン力(もう少しキャッチ―な名称にしたいが(^^))は、下記のとおり。

●ヤクルト … 1.77
(マクガフ2.36 今野1.98 清水1.19 田口0.47)

●阪神 … 2.27
(岩崎1.77 湯浅1.80 アルカンタラ4.08 浜地1.27)

●広島 … 2.08
(栗林1.74 森浦1.38 ケムナ3.38 矢崎2.48)

●巨人 … 3.73
(大勢2.02 今村4.58 鍬原5.45 高梨2.63)

●中日 … 2.09
(R.マルティネス0.57 清水2.94 ロドリゲス2.15 祖父江4.15)

(※ホールドポイント数がチーム上位でも、現在の投球回から、シーズン合計で35イニング未満となると思われる投手は除外した)

今季は、「投高打低」と言われる状況(リーグ平均の防御率は3.42)のせいか、各チームとも、総じて数値が良い。
そのなかでも、トップは、2位に大きく差をつけているヤクルトの1.77。
DeNAは、それに次ぐ2位の成績なので、これを見ても、今季の救援陣は、ここまで非常に安定していると言っていいだろう。

なお、上記は、救援陣4人の数値だが、先発投手の投球回が減っていることを考えると、今後は、5人目の救援陣の数値も加味して考えた方がよいかもしれない。
(ポジション的には、リード・ビハインドいずれの状況でも投げる投手となってくる。今のDeNAだと、平田がそれに当たる)


4. 残りシーズンに向けて

ここまで見てきて、手薄な先発投手陣を、救援陣の安定が支えてきたのが、オールスター前までのDeNA投手陣だと言っていいだろう。

オールスター以降も、基本的に、その構図は変わらないかと思う。
ただ、夏場を迎え、また、シーズンも半分が過ぎ、救援陣の疲労も大きくなっていることが考えられる。
その意味で、新外国人ガゼルマン、そして、楽天からの森原の獲得は、的確な補強策と言っていいだろう。

両投手とも、現在の勝ちパターンの一角に入るまでは行かないかもしれないが、やや安定感に欠けるその前に投げる投手のポジションで、防御率3点を切る成績をあげてくれるようだと、投手陣の負担もかなり軽減される。
また、田中の負担増が心配されるという部分では、砂田の復調を期待したいし、全体的なことに目を向けると、ルーキー三浦の一軍登板も見たいところである。

先発陣に関しては、石田・濵口の復帰、ロメロ・東も再度一軍に上がって、序盤に比べて、だいぶ整ってきた感はある。
ただ、東がコロナに感染してしまい再び抹消されるなど、今後、故障や不調以外の要因で投手を欠く状況も十分に考えられる。
その意味では、再度名前を挙げるが、京山・阪口・坂本といった投手たちにも期待したい。
なお、先発陣のなかで、今永・ロメロは、特に初回の失点が多い(今永は11試合中6試合、ロメロは12試合中7試合で、初回に失点)ので、この部分は変えていってほしいところ。

オールスター明け最初の巨人戦は、コロナウイルスの影響で2試合が中止と、まだまだ先が読めない、2022年のペナント。
ヤクルトこそ抜け出しているものの、パ・リーグも含め、例年にない混戦状態は、どのような結末を迎えるのか。

一喜一憂、できれば、二喜一憂ぐらいのペースで、横浜DeNAの試合を見ることができれば、昨年、一昨年と見られなかった光景が見られるかもしれない。

by momiageyokohama | 2022-07-29 02:55 | 横浜ベイスターズ | Comments(0)

「読んだ方が野球をより好きになる記事」をという思いで、21年目に突入。横浜ファンですが、野球ファンの方ならどなたでも。時折、ボクシング等の記事も書きます。/お笑い・音楽関連の記事はこちら→http://agemomi2.exblog.jp/


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