2022年のプロ野球も開幕から2ヶ月が経過し、今日からは交流戦がスタート。
ここまでのシーズンを振り返ると、開幕前の期待に違わぬ活躍を見せている若手選手もいれば、開幕前はレギュラーや先発ローテでの起用が予想されるも、いざシーズンが入ると、一軍のレベルは高く、結局昨年までの主力選手にその座を譲っている若手選手もいます。
一方で、開幕前は、あまり名前が挙がっていなかったものの、シーズンが進むにつれ、存在感を見せ始めている若手選手もいます。
チームを強くするには、こうした若手選手の「育成」が重要だということに異論をはさむ人は、あまりいないでしょう。
ただし、「育成力」という言葉は、ちょっと漠然としているところもあります。
それならば、それを数値化してみたらどうだろう、というのが、今回のテーマです。
何をもって「チームの育成力によって育てられた」とするかというのは、正直、難しいところ。
ただ、数値化するのならば、何らかの目に見える基準が必要となります。
そこで今回は、下記の基準をもって、育成力の一つの指標とすることにしてみました。
●「入団3年目以降」に主力となった選手をポイント化
●ポイントについては、ドラフトの順位によって重みづけを図る
(順位が下位の選手ほど、数値を高くする)
もちろん、選手・球団の環境によって一概には言えない部分はありますが、「入団1・2年目から主力になった選手は、本人のポテンシャルに因るところが大きい」「ドラフト下位の選手ほど主力選手に育てるのが難しい」という仮説のもと、各球団のポイントを算出してみました。
なお、対象とする時期は、高校生と大学・社会人のドラフトが再び一本化された2008年から2020年のドラフト入団選手。
(★追記:
2023年、本記事の更新版として、
「育成力」に加え、入団2年目以内に主力となった選手を「即戦力獲得力」として、
また主力クラスに加え準主力クラスの選手もポイント化した、
さらに、2024年開幕前に、
改訂版をアップしています)
以下、細かいポイントの算出方法です。
1.
入団3年目以降に、初めて「A基準(主力クラス:基準の詳細は後述)」を満たした選手、あるいは、タイトルホルダーが対象
(入団1・2年目で、A基準を突破した選手は対象外)
※なお、対象となるのは、ドラフトで入団した球団での成績のみ(移籍した球団での成績は対象外)
2.
基準ポイントは、ドラフト1位入団:110点、2位:120点、3位:130点、以下、順位により10点ずつ多くなり、10位は200点。
なお、育成入団選手は、順位に関係なく、220点。
3.
基準ポイントは、「主力として活躍した年数」および、
2年目までに「B基準(準主力クラス:基準の詳細は後述)」に達したかによって、下記のように変更する(or しない)。
●2年目まで…B基準に達したシーズン無し、3年目以降…A基準を満たした年が「2シーズン以上」
→〔基準ポイントそのまま〕
●2年目まで…B基準に達したシーズン無し、3年目以降…A基準を満たした年が「1シーズン」
→〔基準ポイント÷2〕
●2年目まで…B基準に達したシーズンが「1シーズン」、3年目以降…A基準を満たした年が「2シーズン以上」
→〔基準ポイント÷2〕
●2年目まで…B基準に達したシーズンが「1シーズン」、3年目以降…A基準を満たした年が「1シーズン」
→〔基準ポイント÷4〕
●2年目まで…B基準に達したシーズンが「2シーズン」、3年目以降…A基準を満たした年が「1シーズン」あるいは「2シーズン以上」
→〔基準ポイント÷4〕
※なお、割った数の末尾が、2.5、7.5の場合は、2.5点を追加(例:110÷4=27.5→30ポイントに)。
4.
タイトルホルダーは、上記で計算したポイントに、40点を追加。
タイトルの対象は、下記の通り。
〔投手〕
最優秀防御率、最多勝、最高勝率、最多奪三振、最多セーブ、最優秀中継ぎ
〔野手〕
首位打者、最多本塁打、最多打点、最多安打、最高出塁率、最多盗塁
〔投手・野手共通〕
MVP、新人王、ベストナイン、ゴールデングラブ
5. 基準の詳細
【A基準】(主力クラス)
〔内野・外野手〕
350打席以上(※2020年は294打席以上)、あるいはタイトルホルダー
〔捕手〕
300打席以上(※2020年は210打席以上)、あるいはタイトルホルダー
〔投手〕
110イニング以上、または、
セーブ+HPが20以上、または50試合登板
(※2020年は、93イニング、または、セーブ+HPが17以上、または42試合登板)、
あるいは、タイトルホルダー
【B基準】(準主力クラス)
〔内野・外野手〕
250打席以上(※2020年は210打席以上)、あるいはタイトルホルダー
〔捕手〕
220打席以上(※2020年は185打席以上)、あるいはタイトルホルダー
〔投手〕
95イニング以上、または、
セーブ+HPが15以上、または36試合登板
(※2020年は、80イニング以上、または、セーブ+HPが13以上、または31試合登板)、
かなり、説明が長くなりましたが、以下、入団3年目以降にA基準を突破した選手と、その算出したポイントを球団別に見ていきます。
なお、ドラフト入団の選手がどれだけチーム主力になったかも見ていくため、ポイント対象ではありませんが、入団1・2年目までにA基準を満たした選手についても記載をしていきます。
〔リストの見方〕
・青字…3年目以降に初めてA基準クリア
(かつ、2年目までB基準クリアなし)
・赤字…2年目までにA基準クリア
(※ポイントの対象外の選手。なお、A基準を初めてクリアした年数を〈 〉内に表示)
・紫字…2年目までにB基準を1年クリア、3年目以降に初めてA基準クリア
・黄字…1・2年目ともB基準をクリア、3年目以降に初めてA基準クリア
・黒字…A基準・B基準のクリアはないが、タイトルホルダー経験あり
・★印…タイトルホルダー経験あり
・太字は、A基準のクリアが2年以上ある選手
・ポイントの対象となる選手は、右端にポイントを記載
・各球団のポイント横の( )は、12球団中の順位
【ソフトバンク】
2008 5位 攝津 正★(投)〈1〉
2009 1位 今宮健太★(内)150
2010 2位 柳田悠岐★(外)160
2010 育4 千賀滉大★(投)260
2010 育5 牧原大成(内・外)110
2010 育6 甲斐拓也★(捕)260
2011 1位 武田翔太(投)110
2011 5位 嘉弥真新也(投)75
2012 1位 東浜 巨★(投)150
2013 1位 加治屋蓮(投)55
2013 2位 森 唯斗★(投)〈1〉
2013 4位 上林誠知(外)140
2013 育1 石川柊太★(投)260
2014 2位 栗原陵矢(外・内・捕)120
2015 1位 髙橋純平(投)55
2017 2位 高橋 礼★(投)〈2〉
2017 育2 周東佑京★(内・外)150
2018 1位 甲斐野央(投)〈1〉
総計:2055点(2位)
投手:965点(1位)
野手:1090点(3位)
総計ポイントで2位。
やはり、千賀・甲斐・石川・牧原・周東と、育成出身の選手を主力に育てた実績が目を引く。
一方で、今宮・武田・甲斐野は別として、上記のリストに挙がっていない選手を含め、ドラフト1位の選手の主力化に時間がかかっている、あるいは苦労している実態もうかがえる。
チームを支えてきた選手たち、特に野手陣がベテランと言われる年齢にさしかかっているチーム状況下、今後は、ドラフト上位で獲得する選手への鑑識眼、そして育成力が、強さを維持できるかどうかの鍵となりそう。
【西武】
2008 3位 浅村栄斗★(内)170
2009 1位 菊池雄星★(投)150
2010 2位 牧田和久★(投)〈1〉
2010 3位 秋山翔吾★(外)〈2〉
2011 1位 十亀 剣(投)〈2〉
2011 2位 小石博孝(投)60
2012 1位 増田達至★(投)〈2〉
2012 3位 金子侑司★(内・外)75
2012 4位 髙橋朋己(投)〈2〉
2013 1位 森 友哉★(捕)〈2〉
2013 2位 山川穂高★(内)160
2014 1位 髙橋光成(投)〈2〉
2014 3位 外崎修汰★(内・外)170
2015 1位 多和田真三郎★(投)70
2015 3位 野田昇吾(投)35
2015 7位 呉 念庭(内)85
2016 1位 今井達也(投)110
2016 3位 源田壮亮★(内)〈1〉
2016 5位 平井克典(投)〈2〉
2017 4位 平良海馬★(投)180
2018 1位 松本 航(投)〈2〉
2018 6位 森脇亮介(投)〈2〉
2019 1位 宮川 哲(投)〈1〉
総計:1435点(7位)
投手:745点(8位)
野手:690点(6位)
西武というと、昔から、自前で野手を育てる力に定評があるイメージが強いので、総計ポイント7位というのは、少し意外だった。
秋山・森が、2年目から主力になっているため、ポイントの対象外だったことも大きいかもしれないが、外崎以降、球団が育成して主力に定着したといえる野手がいない。
今後、渡部・古賀・ブランドン・鈴木・岸あたりが主力に育てば、「野手育成力の高い西武」復活と言えるか。
【日本ハム】
2008 1位 大野奨太★(捕)150
2008 2位 榊原 諒★(投)〈2〉
2008 3位 矢貫俊之(投)65
2008 5位 中島卓也★(内)190
2008 7位 谷元圭介(投)170
2009 5位 増井浩俊★(投)〈2〉
2010 2位 西川遥輝★(外・内)160
2011 2位 松本 剛(外)60
2011 4位 近藤健介★(外・捕)180
2011 5位 森内寿春(投)〈1〉
2011 6位 上沢直之(投)160
2012 1位 大谷翔平★(投)〈2〉
2012 1位 大谷翔平★(野)95
2012 3位 鍵谷陽平(投)65
2013 1位 渡邉 諒(内)110
2013 2位 浦野博司(投)〈1〉
2013 4位 高梨裕稔★(投)180
2014 1位 有原航平★(投)〈1〉
2014 3位 淺間大基(外)65
2014 4位 石川直也(投)140
2014 7位 髙濱祐仁(内)85
2015 2位 加藤貴之(投)〈2〉
2016 1位 堀 瑞輝★(投)150
2016 2位 石井一成(内)〈1〉
2016 7位 玉井大翔(投)85
2018 2位 野村佑希(内)60
2020 1位 伊藤大海(投)〈1〉
総計:2100点(1位)
投手:945点(2位)
野手:1155点(1位)
日本ハムといえば「育成」というイメージが強いが、そのイメージどおり、総計ポイント1位に。
ここ数年の低迷で、かつて賞賛されていた育成システムへの疑問を呈する声もあるが、他球団に比べれば、コンスタントに自チームでの育成による主力選手を生み出している。
ただ、他球団と比べて主力選手の放出ペースがかなり速い(そのことが若手の出場機会を増やすことにつながる側面もあるが)だけに、育成ペースが少しでも鈍ると、それがチーム成績の低迷に直結するリスクを持つ球団モデルとも言える。
2022年は新しい指揮官のもと、これまでとはまた違う若手起用の方法を試している感があるが、果たして、それが将来的にどれほどの実を結ぶことができるか。
【ロッテ】
2008 育5 西野勇士(投)220
2008 育6 岡田幸文★(外)260
2009 1位 荻野貴司★(外)150
2009 2位 大谷智久(投)〈2〉
2009 4位 清田育宏★(外)110
2010 1位 伊志嶺翔大(外)〈1〉
2010 2位 南 昌輝(投)60
2011 1位 藤岡貴裕(投)〈1〉
2011 3位 鈴木大地★(内)〈2〉
2011 4位 益田直也★(投)〈1〉
2012 1位 松永昂大(投)〈1〉
2012 3位 田村龍弘★(捕)170
2013 1位 石川 歩★(投)〈1〉
2013 5位 井上晴哉(内)150
2013 6位 二木康太(投)160
2014 1位 中村奨吾★(内)70
2014 3位 岩下大輝(投)65
2015 1位 平沢大河(内・外)55
2015 4位 東條大樹(投)70
2016 1位 佐々木千隼(投)55
2016 2位 酒居知史(投)60
2016 5位 有吉優樹(投)〈1〉
2016 6位 種市篤暉(投)80
2017 1位 安田尚憲(内)110
2017 2位 藤岡裕大(内)〈1〉
2017 育1 和田康士朗★(外)40
2018 3位 小島和哉(投)〈2〉
総計:1885点(3位)
投手:770点(7位)
野手:1115点(2位)
日本ハム、ソフトバンクに次ぐ総計3位と、隠れた「高育成力チーム」と言える結果に。
少し前の時代となるが、育成の西野・岡田を主力に育てたのは見事。その後も、コンスタントに、主力となる投手・野手を育てているが、井上・二木以降、「主力として活躍し続けている」とまで言える選手がいないのは少し物足りないところ(安田は、出場試合こそA基準を2シーズン以上満たしているが、成績的にはまだまだ物足りない)。
2022年シーズン序盤は苦しんでいる印象もあるロッテだが、佐々木朗・松川・高部・佐藤都ら、今季飛躍を見せている選手に加え、藤原・安田・平沢ら伸び悩んでいるドラフト1位選手たちが殻を破ることができれば、十分巻き返しは可能だろう。
【楽天】
2008 6位 辛島 航(投)160
2009 1位 戸村健次(投)55
2009 2位 西田哲朗(内)60
2010 1位 塩見貴洋(投)〈1〉
2010 2位 美馬 学(投)〈2〉
2011 1位 武藤好貴(投)55
2011 2位 釜田佳直(投)〈1〉
2011 4位 岡島豪郎(外)70
2011 6位 島内宏明★(外)120
2012 2位 則本昂大★(投)〈1〉
2013 1位 松井裕樹★(投)〈1〉
2014 1位 安樂智大(投)55
2015 3位 茂木栄五郎(内)〈1〉
2015 5位 石橋良太(投)75
2016 3位 田中和基★(外)〈2〉
2016 5位 森原康平(投)40
2016 9位 高梨雄平(投)〈2〉
2018 1位 辰己涼介★(外)〈1〉
2019 1位 小深田大翔(内)〈1〉
2020 1位 早川隆久(投)〈1〉
総計:650点(12位)
投手:400点(12位)
野手:250点(12位)
そこまで「育成下手」という印象は無かったのだが、ポイント的には、投打とも断トツで少ない、12球団最下位となった。
今季のレギュラーを見ると、西川・浅村・鈴木・炭谷と、4ポジションが移籍組。投手も、先発ローテ中、岸・涌井の2人が移籍選手。
チームの順位を見れば、今季は交流戦前までで首位。ここ5年を見ても、2018年を除けば、まずまずの成績ということを考えると、そこまで心配しなくてもいいのかもしれないが、ここまで自チームで育てたと言える選手がいないと、他球団からの獲得力に陰りが出てきたときが心配。
特に野手に関しては、球団創設(2004年)まで遡っても、自チームで育てた(入団3年目以降に、A基準を2年以上クリア)といえるのは、銀次・聖澤ぐらい。
チームの将来を考えると、二軍のあり方など育成面での見直しが必要な時期に来ているようにも思う。
【オリックス】
2008 3位 西 勇輝★(投)170
2009 2位 比嘉幹貴(投)120
2009 3位 山田修義(投)65
2010 1位 後藤駿太(外)55
2010 4位 塚原頌平(投)70
2011 1位 安達了一(内)〈2〉
2011 3位 佐藤達也★(投)〈2〉
2011 4位 海田智行(投)140
2011 8位 川端崇義(外)〈1〉
2012 1位 松葉貴大(投)〈2〉
2013 1位 吉田一将(投)110
2013 2位 東明大貴(投)〈2〉
2013 3位 若月健矢(捕)130
2014 1位 山﨑福也(投)55
2014 2位 宗 佑磨★(内・外)100
2014 7位 西野真弘(内)〈2〉
2015 1位 吉田正尚★(外)70
2015 2位 近藤大亮(投)〈2〉
2015 3位 大城滉二(内)〈2〉
2015 10位 杉本裕太郎★(外)140
2016 1位 山岡泰輔★(投)〈1〉
2016 2位 黒木優太(投)〈1〉
2016 4位 山本由伸★(投)〈2〉
2017 1位 田嶋大樹(投)110
2017 3位 福田周平(内・外)〈2〉
2018 4位 富山凌雅(投)70
2018 7位 中川圭太(内・外)〈1〉
2019 1位 宮城大弥★(投)〈2〉
2019 2位 紅林弘太郎(内)〈2〉
総計:1490点(5位)
投手:870点(3位)
野手:620点(8位)
2021年、25年ぶりのリーグ優勝を果たしたオリックス。
優勝の要因の一つとして、以前の「補強によるチーム強化」方針から、「育成」に舵を切ったことが挙げられたが、総計1490ポイント中、420ポイントが、2021年で挙げたポイント。まさに、育成が実っての優勝となった。
2022シーズンも、1・2年目の選手を積極的に起用している感があるが、今季、杉本・紅林の成績がなかなか上がらないという状況もあるなか、本当に「育成力」のあるチームとなれるかどうかは、この先数年の結果を見て、ということになるだろう。
【巨人】
2008 4位 橋本 到(外)70
2009 1位 長野久義★(外)〈1〉
2010 1位 澤村拓一★(投)〈1〉
2011 4位 高木京介(投)35
2011 7位 田原誠次(投)85
2012 1位 菅野智之★(投)〈1〉
2013 1位 小林誠司★(捕)150
2013 3位 田口麗斗(投)130
2014 1位 岡本和真★(内)150
2014 3位 高木勇人(投)〈1〉
2015 7位 中川皓太(投)170
2016 1位 吉川尚輝(内)〈2〉
2016 2位 畠 世周(投)60
2016 6位 大江竜聖(投)80
2016 育5 松原聖弥(外)220
2017 3位 大城卓三★(捕・内)※
2018 1位 髙橋優貴(投)55
2018 6位 戸郷翔征(投)〈2〉
※2年目の打席数基準は「野手(捕手以外)+捕手の打席数」÷2を適用
総計:1205点(10位)
投手:615点(9位)
野手:590点(9位)
他球団からの積極的な「戦力獲得策」と、山口鉄也・松本哲也に代表されるドラフト下位(育成)選手の「育成」によって、2000年代後半から2010年代にかけて、幾度も優勝を果たした巨人。
しかし、ここ10数年を見ると、「育成」で大きな成果を上げているとは言い難い。
野手では、リーグを代表するバッターとなった岡本、育成出身の松原の2人がいるが、他に、主軸を打つ打者は育てられていない。
投手も、中川・大江と、中継ぎタイプの投手の台頭はあるものの、田口を除き、先発ローテに定着する投手は出てこず。
ただ、今季、次々と出てきている1・2年目の投手たちが、数年後も含めて、今後も一軍で主力として投げ続けることができれば、新たな「強さの幹」を作ることができるのではないか。
【阪神】
2008 3位 上本博紀(内)130
2008 4位 西村 憲(投)〈2〉
2009 4位 秋山拓巳(投)140
2009 6位 原口文仁(捕・内)80
2010 1位 榎田大樹(投)〈1〉
2010 3位 中谷将大(外・内)65
2010 育2 島本浩也(投)110
2012 1位 藤浪晋太郎★(投)〈1〉
2012 2位 北條史也(内)60
2013 1位 岩貞祐太(投)110
2013 4位 梅野隆太郎★(捕)110
2013 6位 岩崎 優(投)160
2014 4位 守屋功輝(投)70
2015 1位 髙山 俊★(外)〈1〉
2015 5位 青柳晃洋★(投)190
2016 1位 大山悠輔(内)〈2〉
2016 2位 小野泰己(投)〈2〉
2016 5位 糸原健斗(内)〈2〉
2018 1位 近本光司★(外)〈1〉
2018 3位 木浪聖也(内)〈1〉
2020 1位 佐藤輝明(外)〈1〉
2020 2位 伊藤将司(投)〈1〉
2020 6位 中野拓夢★(内)〈1〉
総計:1225点(9位)
投手:780点(6位)
野手:445点(11位)
以前は、巨人と同じく、「育成」より、他球団からの戦力獲得に重きを置いた強化策が目立っていた阪神。
しかし、気づけば、2005年以来、リーグ優勝から遠ざかっている。
その要因の一つでも言えようか、総計ポイントは9位と、「育成」面での実績を残しているとは言えない。
ただ一方で、2016年以降、2年目までに主力となっている野手の人数は12球団で最も多い。
これに、西純矢・湯浅・浜地ら、今季、頭角を現してきつつある若手投手たちの台頭が、うまくかみ合っていけば、(今季序盤の戦いからするとファンは信じきれないところもあるかもしれないが)近い将来のリーグ優勝もあり得るのではないか。
【広島】
2008 2位 中田 廉(投)120
2009 1位 今村 猛(投)〈2〉
2009 2位 堂林翔太(内)120
2010 1位 福井優也(投)〈1〉
2010 6位 中﨑翔太(投)160
2011 1位 野村祐輔★(投)〈1〉
2011 2位 菊池涼介★(内)〈2〉
2012 2位 鈴木誠也★(外)160
2013 1位 大瀬良大地★(投)〈1〉
2013 2位 九里亜蓮★(投)160
2013 3位 田中広輔★(内)〈2〉
2014 1位 野間峻祥(外)110
2014 2位 薮田和樹★(投)100
2014 3位 塹江敦哉(投)130
2015 1位 岡田明丈(投)〈2〉
2015 5位 西川龍馬(外・内)150
2016 3位 床田寛樹(投)65
2016 4位 坂倉将吾(捕・内)70
2016 5位 アドゥワ誠(投)〈2〉
2017 5位 遠藤淳志(投)75
2018 1位 小園海斗(内)55
2018 2位 島内颯太郎(投)60
2018 3位 林 晃汰(内)65
2019 1位 森下暢仁★(投)〈1〉
2020 1位 栗林良吏★(投)〈1〉
2020 2位 森浦大輔(投)〈1〉
総計:1600点(4位)
投手:870点(3位)
野手:730点(5位)
15年近くにわたる低迷期を経て、2016年~2018年、リーグ3連覇を果たした広島。
他球団からの戦力獲得に頼らず、自前で育てるチームカラーを象徴するかのように、総計1600ポイントは、リーグトップ(全体では4位)。
上記のリストには無いが、丸、そして鈴木誠也とも、「高卒4年目」で主力野手となっているところが興味深い。
2019年以降はBクラスが続いているが、昨年(2021年)は、文字通り「育成」を主眼に置いた選手起用が見られ、結果、坂倉・小園が主力選手に。
地道に「育成」を続けているその姿勢は、今季も含め、再び優勝を勝ち取る十分な土台となると思う。
【中日】
2009 1位 岡田俊哉(投)110
2009 5位 大島洋平★(外)〈1〉
2010 1位 大野雄大★(投)150
2010 3位 武藤祐太(投)65
2011 1位 高橋周平★(内)150
2011 3位 田島慎二(投)〈1〉
2012 1位 福谷浩司(投)〈2〉
2012 4位 杉山翔大(捕)70
2012 7位 若松駿太(投)170
2013 2位 又吉克樹(投)〈1〉
2013 5位 祖父江大輔★(投)〈1〉
2015 1位 小笠原慎之介(投)〈2〉
2015 3位 木下拓哉(捕)130
2015 4位 福 敬登★(投)180
2015 5位 阿部寿樹(内)150
2016 1位 柳 裕也★(投)150
2016 2位 京田陽太★(内)〈1〉
2017 1位 鈴木博志(投)〈1〉
総計:1325点(8位)
投手:825点(5位)
野手:500点(10位)
総計ポイントでは全体で8位だったが、投手に限ると12球団中5位。
入団時に肩の不安があった大野、一軍定着までに8年を費やした高橋周平の台頭を、チームの「育成力」とするのは少し違うかもしれないが、大学・社会人卒4年目でレギュラーとなった阿部、入団3年目でようやく期待に応える形となった柳には、プロ経験を経ての「進化」が見える。
長年、若手野手の台頭が課題とされた中日だが、監督の交代もあり、2022年は、ようやく若手台頭の芽が出かけつつある年に。二軍も含め、現在の陣容を見ると、まだまだ物足りなさも感じるが、強かった落合監督時代から10年経ち、ほぼメンバーが入れ替わったことを考えると、育成力を磨く以外に、再びリーグの強豪となる道はない。
【ヤクルト】
2008 1位 赤川克紀(投)55
2008 2位 八木亮祐(投)60
2008 3位 中村悠平★(捕)170
2008 4位 日高 亮(投)70
2009 2位 山本哲哉(投)120
2010 1位 山田哲人★(内)150
2010 5位 久古健太郎(投)〈1〉
2012 1位 石山泰稚(投)〈1〉
2012 2位 小川泰弘★(投)〈1〉
2013 2位 西浦直亨(内)120
2013 3位 秋吉 亮(投)〈1〉
2014 2位 風張 蓮(投)60
2015 1位 原 樹理(投)〈2〉
2015 5位 山崎晃大朗(外)75
2016 2位 星 知弥(投)〈1〉
2016 3位 梅野雄吾(投)130
2016 4位 中尾 輝(投)〈2〉
2017 1位 村上宗隆★(内)〈2〉
2017 4位 塩見泰隆★(外)110
2018 1位 清水 昇★(投)〈2〉
総計:1120点(11位)
投手:495点(11位)
野手:625点(7位)
ヤクルトと言うと、個人的に、球場で一番見る機会が多いチームということもあるせいか、若手にチャンスを与える機会が多い球団というイメージがあったのだが、結果的に主力に育てることができた選手の数となると、総計ポイント11位と、非常に少ないことがわかる。
特に、先発に関しては、2008年入団以降の投手で、A基準を2年以上クリアしたことがある投手は、1年目から活躍した小川、そして原樹理のみ。
ここ10年で、最下位からの優勝を2度果たしてはいるものの、慢性的に投手に苦しんでいる状況は、育成力の弱さにあるといってもいいだろう。
ただ、野村監督時代から伝統的に長けている中継ぎ投手の育成については、清水・梅野の台頭など、良い兆候も見える。
また、中村悠平の牙城を崩すのはそう簡単でないものの、内山壮真には、大きな可能性を感じる。
【DeNA/横浜】※2012年ドラフトからDeNA
2008 2位 藤江 均(投)60
2008 3位 山崎憲晴(内)65
2009 1位 筒香嘉智★(外・内)150
2009 2位 加賀 繁(投)〈1〉
2009 育1 国吉佑樹(投)220
2010 1位 須田幸太(投)55
2010 3位 荒波 翔★(外)〈2〉
2010 5位 大原慎司(投)〈1〉
2011 4位 桑原将志★(外)180
2012 2位 三嶋一輝(投)〈1〉
2012 3位 井納翔一(投)〈2〉
2012 6位 宮﨑敏郎★(内)200
2013 2位 平田真吾(投)60
2013 4位 三上朋也(投)〈1〉
2013 育1 砂田毅樹(投)220
2014 1位 山﨑康晃★(投)〈1〉
2014 2位 石田健大(投)〈2〉
2014 3位 倉本寿彦(内)〈2〉
2015 1位 今永昇太(投)〈1〉
2015 4位 戸柱恭孝(捕)〈1〉
2016 1位 濵口遥大(投)〈1〉
2016 9位 佐野恵太★(外)230
2017 1位 東 克樹★(投)〈1〉
2017 2位 神里和毅(外)〈2〉
2018 1位 上茶谷大河(投)〈1〉
2018 3位 大貫晋一(投)〈2〉
2020 2位 牧 秀悟(内)〈1〉
総計:1440点(6位)
投手:615点(9位)
野手:825点(4位)
2000年代の暗黒時代から、DeNAとしての再スタートを経て、2010年代中頃から、ようやく戦えるチームとなりつつある、横浜DeNA。
今回の趣旨からは少し外れるが、2014年以降の入団1~2年目の選手の活躍率の高さは、チームが上昇していく様と符合している。
また、今回のテーマである、入団3年目以降に主力として活躍した選手を見ても、総計ポイントが、広島に次ぐリーグ2位(全体では6位)と、健闘した数字となっている。
ただ、その内訳を見ると、佐野・宮﨑・桑原など下位指名の野手の活躍、また、育成出身の国吉・砂田が一軍の戦力となったことで、大きくポイントを伸ばしている側面が大きく、人数的には多くはない。
特に、(入団3年目以降にという括りで)先発投手でA基準を2年以上クリアした投手はゼロ。
この部分が改善されなければ、「12球団で最もリーグ優勝から離れている球団」で居続けることになりかねない。
もし優勝できたとしても、1998年の優勝後に確立できなかった、「常に上位争いをできる」チームづくりの実現は夢想で終わるだろう。
以上、チーム別の内訳を見てきましたが、改めて各球団のポイントを並べてみると、下記のとおりに。
〔総計〕
1位 2100点 日本ハム
2位 2055点 ソフトバンク
3位 1885点 ロッテ
4位 1600点 広島
5位 1490点 オリックス
6位 1440点 DeNA/横浜
7位 1435点 西武
8位 1325点 中日
9位 1225点 阪神
10位 1180点 巨人
11位 1120点 ヤクルト
12位 650点 楽天
〔投手〕
1位 965点 ソフトバンク
2位 945点 日本ハム
3位 870点 広島
3位 870点 オリックス
5位 825点 中日
6位 780点 阪神
7位 770点 ロッテ
8位 745点 西武
9位 615点 DeNA/横浜
10位 590点 巨人
11位 495点 ヤクルト
12位 400点 楽天
〔野手〕
1位 1155点 日本ハム
2位 1115点 ロッテ
3位 1090点 ソフトバンク
4位 825点 DeNA/横浜
5位 730点 広島
6位 690点 西武
7位 625点 ヤクルト
8位 620点 オリックス
9位 590点 巨人
10位 500点 中日
11位 445点 阪神
12位 250点 楽天
全体的に、パ・リーグのチームの方が上位にくる格好。さらに、ここ10年のパ・リーグとセ・リーグの力の差を考えると、両リーグの育成力の差は、ポイント差以上に大きいと言えるかもしれません。
そうしたなか、セ・リーグで健闘しているのが、広島。
この総計4位の広島と、日本ハム・ソフトバンク・ロッテの上位3チームは、育成ビジョンが確立されており、かつ、実績も挙げているチームと言えるかと思います。
さらに言えば、プロ入り後、自分の力を伸ばすのにおすすめの球団とも言えるでしょうか。
これに続く、DeNA、オリックスは、今後数年の選手たちの活躍度合いで、真に育成力がある球団かを見られる立場。
一方、ポイント的に低かったチームは、球団として、育成実績が上がっていない現状の分析と改善に着手できるか否か。
今回提示をしてみた指標は、あくまで「育成力」の測り方の一つで、他の角度からの測り方もあると思います。
ただ、チームにとって重要な要素である「育成」視点からのチームの捉え方については、今後も、機会があれば記事を書いていければと思います。
【2023.10.25 追記】
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