移りゆく、チームの「顔」(パ・リーグ編)
2020年 03月 05日
開幕まで、あと2週間…ですが、オープン戦は異例の無観客試合。
公式戦開催も、開始時期も含め、現時点ではどのような形になるのかわからず、野球ファンにとって悶々とした気持ちが残る2020年の3月…。
遡って、2月は、キャンプのスタートとともに、選手名鑑も続々と発売される時期。
なかでも、週刊ベースボールの選手名鑑号を店頭で見ると、いよいよ今シーズンも始まるなという気がします。
その表紙に掲載される選手は「1球団につき一人」と、非常に“狭き門”。
選手の決め方については実際、責任者が決めているのか各球団担当が決めているのかはわかりませんが、選出者の野球観によるところは多少あるにせよ(^^)、ここに掲載される選手は、その年の球団の“顔”といってもいいでしょう。
ということで、今回は「1球団につき一人」掲載となった1999年(それ以前になると、全16人となり、何球団かは2人以上掲載)から現在までの選手名鑑の表紙を見ていくことに。
今回は、まずパ・リーグ編。
(※( )内は、前年の選手成績(太字はリーグ1位)。△はその年に移籍してきた選手)
【ダイエー/ソフトバンク】
1999 柴原 洋 (.314 2本 18盗塁)
2000 城島健司 (.306 17本 77打点)
2001 松中信彦 (.312 33本 106打点)
2002 寺原隼人 (新人団)
2003 寺原隼人 (6勝2敗1S 防3.59)
2004 城島健司 (.330 34本 119打点)
2005 松中信彦 (.358 44本 120打点)
2006 杉内俊哉 (18勝4敗 防2.11)
2007 斉藤和巳 (18勝5敗 防1.75)
2008 川﨑宗則 (.329 4本 23盗塁)
2009 川﨑宗則 (.321 1本 19盗塁)
2010 杉内俊哉 (15勝5敗 防2.36)
2011 和田 毅 (17勝8敗 防3.14)
2012 内川聖一 (.338 12本 74打点)
2013 攝津 正 (17勝5敗 防1.91)
2014 内川聖一 (.316 19本 92打点)
2015 柳田悠岐 (.317 15本 70打点)
2016 柳田悠岐 (.363 34本 99打点 32盗塁)
2017 柳田悠岐 (.306 18本 73打点)
2018 柳田悠岐 (.310 31本 99打点)
2019 柳田悠岐 (.352 36本 102打点)
2020 柳田悠岐 (.289 7本 23打点)
※2004年までダイエー、2005年からソフトバンク
南海時代からの長期低迷期に、1998年、21年ぶりのAクラスでピリオドを打って以降は22年間で8度の優勝、Bクラスは2回のみと、安定した強さを誇るホークス。
表紙にも、タイトルホルダーが並びます。
さまざまな選手が掲載されているのは、それだけ多くの選手が高いレベルの成績を残していることの表れともいえます。
そうしたなか、ここ最近は6年連続で柳田。今年に関しては千賀でもよかったのではとも思いますが、2015年はトリプルスリーを達成、2015~18年は4年連続で出塁率1位と、チームだけでなくリーグを代表するバッターに。
一方で、チームの強さを考えると、そろそろ柳田から表紙の座を奪う選手、特に野手が出てきてほしいところです。
【西武】
1999 松坂大輔 (新入団)
2000 松坂大輔 (16勝5敗 防2.60)
2001 松坂大輔 (14勝7敗1S 防3.97)
2002 松坂大輔 (15勝15敗 防3.60)
2003 カブレラ (.336 55本 115打点)
2004 松坂大輔 (16勝7敗 防2.83)
2005 松坂大輔 (10勝6敗 防2.90)
2006 松坂大輔 (14勝13敗 防2.30)
2007 涌井秀章 (12勝8敗 防3.24)
2008 涌井秀章 (17勝10敗 防2.79)
2009 中島裕之 (.331 21本 81打点)
2010 雄星 (新入団)
2011 中島裕之 (.314 20本 93打点)
2012 中村剛也 (.269 48本 116打点)
2013 栗山 巧 (.289 2本 33打点)
2014 浅村栄斗 (.317 27本 110打点)
2015 中村剛也 (.257 34本 90打点)
2016 秋山翔吾 (.359 14本 55打点)
2017 菊池雄星 (12勝7敗 防2.58)
2018 菊池雄星 (16勝6敗 防1.97)
2019 山川穂高 (.281 47本 124打点)
2020 森 友哉 (.329 23本 105打点)
1999年から2000年中盤までは、ほぼ松坂が独占。なお、活躍時期がかぶる松井稼頭央は、今回のリストの対象より前となる98年のみ(西口と2人が掲載)というのは意外なところです(97年は西口。その前の年になると清原に)。
2009年以降は、打てる野手を次々に輩出するチームカラーを象徴するように、各年、好成績を残した野手が表紙に。
一方で、22年間で表紙に載った「投手」は、松坂・涌井・菊池(雄星)の3人のみ(野手は8人)。
来年以降、ここに顔を連ねる投手は現れるでしょうか。
【日本ハム】
1999 ウィルソン (.255 33本 124打点)
2000 正田 樹 (新入団)
2001 小笠原道大 (.329 31本 102打点)
2002 小笠原道大 (.339 32本 86打点)
2003 小笠原道大 (.340 32本 81打点)
2004 小笠原道大 (.360 31本 100打点)
2005 SHINJO (.298 24本 79打点)
2006 SHINJO (.239 20本 57打点)
2007 ダルビッシュ有 (12勝5敗 防2.89)
2008 ダルビッシュ有 (15勝5敗 防1.82)
2009 ダルビッシュ有 (16勝4敗 防1.88)
2010 ダルビッシュ有 (15勝5敗 防1.73)
2011 斎藤佑樹 (新入団)
2012 斎藤佑樹 (6勝6敗 防2.69)
2013 大谷翔平 (新入団)
2014 中田 翔 (.305 28本 73打点)
2015 大谷翔平 (11勝4敗 / .274 10本)
2016 大谷翔平 (15勝5敗 /.202 5本)
2017 大谷翔平(10勝4敗 /.322 22本)
2018 清宮幸太郎 (新入団)
2019 吉田輝星 (新入団)
2020 有原航平 (15勝8敗 防2.46)
北海道の地で25年ぶりのリーグ優勝(2006年)を果たした翌年以降は、甲子園を沸かせた選手がズラリ。
「そこまで有名ではない選手たちを、確立された育成方針で育てていく」チームという印象がありますが、一方で、話題性も含めて、「その年一番の選手を獲りに行く」球団の方針も見て取れます。
なお、SHIINJO、小笠原らが表紙に載った時代からさらに遡ると、落合→金子誠→田中幸雄→広瀬→田村→金石→西崎という顔ぶれに。
【ロッテ】
1999 黒木知宏 (13勝9敗 防3.29)
2000 黒木知宏 (14勝10敗 防2.50)
2001 黒木知宏 (10勝12敗 防5.18)
2002 黒木知宏 (11勝4敗 防3.02)
2003 小林雅英 (2勝1敗 37S 防0.83)
2004 小林雅英 (0勝2敗 33S 防2.87)
2005 清水直行 (10勝11敗 防3.40)
2006 渡辺俊介 (15勝4敗 防2.17)
2007 TSUYOSHI (.282 4本 33盗塁)
2008 西岡 剛 (.300 3本 27盗塁)
2009 西岡 剛 (.300 13本 18盗塁)
2010 西岡 剛 (.260 14本 26盗塁)
2011 井口資仁 (.294 17本 103打点)
2012 唐川侑己 (12勝6敗 防2.41)
2013 角中勝也 (.312 3本 61打点)
2014 鈴木大地 (.264 5本 50打点)
2015 鈴木大地 (.287 3本 43打点)
2016 涌井秀章 (15勝9敗 防3.39)
2017 涌井秀章 (10勝7敗 防3.01)
2018 鈴木大地 (.260 11本 52打点)
2019 藤原恭大 (新入団)
2020 佐々木朗希 (新入団)
90年代終盤から2000年代初めは黒木、2000年代後半は西岡が、球団の“顔”に。
その他の年も好選手が並びますが、他球団に比べると、少し地味目な印象も。
井口、涌井と、移籍選手が表紙を飾るのも、他球団にはあまり見られない傾向。
また、福浦が一度も掲載されていないのは意外でした(2001年に首位打者、01~06年まで6年連続3割)。
そうしたなか、2020年は、全球団でも一番の注目選手といっていいルーキー佐々木朗希が表紙に。
今後、確固たる成績を残して、ロッテのみならず、球界を代表する投手となれるか。贔屓球団の垣根を越えて、野球ファンの大きな楽しみでもあります。
【オリックス】
1999 イチロー (.358 13本 71打点)
2000 イチロー(.343 21本 68打点)
2001 谷 佳知(.284 9本 73打点)
2002 谷 佳知(.325 13本 79打点)
2003 谷 佳知(.326 5本 41盗塁)
2004 谷 佳知(.350 21本 92打点)
2005 村松有人(.320 6本 51打点)
2006 清原和博△(.212 22本 52打点)
2007 平野佳寿(7勝11敗 防3.81)
2008 北川博敏(.280 9本 61打点)
2009 小松 聖(15勝3敗 防2.51)
2010 坂口智隆(.317 5本 50打点)
2011 T-岡田(.284 33本 96打点)
2012 坂口智隆(.297 3本 45打点)
2013 李 大浩(.286 24本 91打点)
2014 金子千尋(15勝8敗 防2.01)
2015 金子千尋(16勝5敗 防1.98)
2016 西 勇輝(10勝6敗 防2.38)
2017 西 勇輝(10勝12敗 防4.14)
2018 金子千尋(12勝8敗 防3.47)
2019 吉田正尚(.321 26本 86打点)
2020 山本由伸(8勝6敗 防1.95)
イチローが去った2001年以降は、20年間で、Aクラスがわずか2回と、低迷が続くオリックス。
イチローの移籍後は、しばらく谷が表紙に掲載されていましたが、その谷が成績を落とした後は、毎年のように掲載選手が変わっているところに、軸が固まらないチーム状況も見て取れます(今回対象の22年間で、14人の掲載選手はリーグ最多)。
その後、リーグを代表する選手になった金子、また“若きエース”西が表紙を飾りますが、その二人も退団。
代わって、ここ2年は、吉田、そして山本由伸が名を連ねていますが、こうした好選手が在籍しているうちに、再び優勝争いに絡んでくるチームになることはできるでしょうか。
【近鉄】
1999 大塚晶文(3勝2敗 35S 防2.11)
2000 ローズ(.301 40本 101打点)
2001 中村紀洋(.277 39本 110打点)
2002 ローズ(.327 55本 131打点)
2003 中村紀洋(.294 42本 115打点)
2004 岩隈久志(15勝10敗 防3.45)
2004年で球団の歴史に幕を閉じることとなった近鉄。はからずも最後に表紙に載る選手となったのは、当時まだ22歳の岩隈。
その前は、ローズ、中村紀洋が交互に登場。
2001年にリーグ優勝を果たした近鉄ですが、その前に優勝したのは1989年。その翌年は阿波野とブライアントの2人が表紙。さらに翌年は、前年にルーキーとしてタイトルを総なめにした野茂と阿波野が表紙を飾り、以降は3年連続で野茂。
その野茂の退団後は、石井浩郎→頭角を現して来たばかりの中村紀→巨人から移籍してきた石毛(博史)→赤堀、と続きます。
球団消滅から16年が経つ2020年シーズン、近鉄のユニフォームを着たことのある現役選手は、岩隈、そして奇しくも同じヤクルトに在籍することとなった坂口と近藤一樹の3人となりました。
【楽天】
2005 一場靖弘(新入団)
2006 岩隈久志(9勝15敗 防4.99)
2007 田中将大(新入団〕
2008 田中将大(11勝7敗 防3.82)
2009 岩隈久志(21勝4敗 防1.87)
2010 田中将大(15勝6敗1S 防2.33)
2011 田中将大(11勝6敗 防2.50)
2012 田中将大(19勝5敗 防1.27)
2013 田中将大(10勝4敗 防1.87)
2014 松井裕樹(新入団)
2015 安楽智大(新入団)
2016 則本昂大(10勝11敗 防2.91)
2017 則本昂大(11勝11敗 防2.91)
2018 則本昂大(15勝7敗 防2.57)
2019 則本昂大(10勝11敗 防3.69)
2020 鈴木大地△(.288 15本 68打点)
近鉄消滅と入れ替わる形で、50年ぶりとなる新球団として生まれた楽天。
その参入初年度の表紙は、岩隈かと思いきや、その後のスカウト活動を変える契機にもなった、ルーキー一場。
その後は、岩隈、そして日本球界のエースとなった田中将大、そして則本が名を連ねます。
顕著なのは、ほぼ投手が表紙だということ。野手が表紙に載ったのは、16年間で、今年の鈴木大地が初めて。山﨑武司という主軸はいたものの、生え抜きで長打が打てる野手がなかなか出てこないというチーム事情を表しているとも言えます。
生え抜きの選手が二桁本塁打を放ったのは、球団創設13年目となる2017年の、茂木・島内が初めて。以降も、2018年の田中の18本が最多で、20本を超えた選手はまだいません。
現在のメンバーを見ると、長打力を兼ね備えた主力野手の出現はまだ先になりそうな感もありますが、今季、その壁を超える選手が出てくるでしょうか。
ということで、今回はここまで。
次回は、セ・リーグ編です。



























