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ラミレス監督続投の必要条件

2018年のペナントも、両リーグの優勝が決まり、いよいよ残りわずか。

そんななか、横浜DeNAは、残り5試合で巨人と同率3位(10月2日現在)。最後までCSに出られるかどうかわからない状況だが、勝敗数に目を移すと、シーズンの負け越しは決定し(65勝71敗2分け、残り試合5)、2シーズン続けての勝ち越しはならなかった。
今季は、シーズンを通してみても5割以下での戦いが続き、昨年の73勝65敗5分けという成績からの「次は優勝を」という期待感を持ったうえで見ると、後退した感は否めず。それがラミレス監督への批判にもつながっているところがある。

では、自分はどう思ったか。
正直なところ、戦い方に不満の残る部分も数多くあったが、昨年後半の試合ぶりと同じく、「やりくり上手」という部分を改めて感じた一年だった。外部からはわからない細かいデータの活用も含め、ラミレス監督への評価というのは、なかなかしづらい面もある。
ただ、シーズン終盤、どうしても拭えない思いが出てきた。

それは、「今のチームは、もしかしたら『ラミレス監督でしか回せないチーム』になりつつあるのではないか」。
そのことは、監督としての「手腕の評価」という意味ではプラスの評価かもしれない。ただ、自分が危惧するのは「ラミレス監督仕様のチームになりつつあることで、伸びる可能性がある個々の選手の能力が抑えられている可能性がありやしないか」ということである。

具体的に、投手陣、野手陣に分ける形で見ていくことにする。

ラミレス監督の投手起用に関しては、「勝ち星を拾っていく」という面からみると、非常に上手いと感じている。
今季は、開幕から昨年成績を残した先発陣3人が故障で不在。さらに、それらの投手が復帰してきても試合を作るピッチングができず、先発陣に関しては、頼れるのはルーキーの東のみといっていい状態だった。
そうしたなか、開幕1ヶ月の凌ぎ方は見事だったし、なかでも、防御率5点台ながら、京山に6勝を挙げさせたのは、ラミレス監督の手腕といっていいだろう。
ブルペン陣も、中継ぎへ配置転換した井納が思ったより機能せず、山﨑康(中盤以降、失敗した試合はあったが)を除くと絶対的な投手がおらずという状況。こちらも、イニング途中での交代も全く辞さないラミレス監督のやりくり力(監督からすると、データに基づいての起用ということなのだろうが)で凌いだ試合が多かった。
ただし、「やりくり力」で勝ったということは、ある意味「各投手の実力不足やウイークポイントが目立たないようにした」ということでもある。好調時の山﨑康、パットン以外は安心して1イニングを任せられる投手がいないという現状は、優勝を狙おうとするのであれば、かなり心もとない状況である。

また、今永・石田を中継ぎで起用することで、「チームにも本人の復調にもいい影響を」という狙いも、今後そうした起用が実を結ぶかは、半々の確率ではないかと思う。
中継ぎで登板することで、先発時より思い切って腕を振れるという側面はあるかもしれないが、両投手が目指すべきは、「打たれない球を投げる」ことより「打ちにくい球を投げる」ことのような気がする。その観点からすると、中継ぎで腕を振れるようになることが果たして先発投手としてのスキルアップにつながっていくのかどうか…。
その他、井納・三嶋の中継ぎ起用については、自分もこのブログでとして出したこともあるので同意できたが、平良・砂田・三上あたりの起用法については、ラミレス監督の考えとは少し異なったりする(それについては、また時間があるときにでも書きたい)。


一方の野手陣の起用、そして攻撃での作戦面について。
こちらについては、相当不満がある。

周知のとおり、今季のDeNAはホームラン数がリーグ2位(だったのが、ここ数試合でついにトップに(178本塁打:10/2現在))にもかかわらず、得点はリーグ最下位(だったのが、こちらは先日の阪神戦での大勝で5位に(559得点:10/2現在))。
四球数はリーグ断トツで最小(DeNA:336(cf. 広島:585)。出塁率もリーグ最下位(.307)。そして犠打もリーグで最も少なかった(67)。
ほとんどの試合で、得点の半分以上がホームランによるもの。試合終盤、1点が欲しいところで、犠打も進塁打も無く、ランナーを一塁から進めることすらできないという光景の繰り返しは、もはや「得点を取ることを拒否している」ように見えることすらあった。

また、桑原・倉本といった昨年一年通してレギュラーを張った選手が序盤戦打てなかったこともあり、打順や出場選手が目まぐるしく変わったのも今季の特徴だった。
これも、ラミレス監督からすると、データに基づいたうえでの起用だったのだろうが、「一定期間、同じポジション(あるいは打順)で出続けることでの気づき」などのレベルアップの芽は摘まれているように感じた。
データ重視の選手起用は、裏を返せば、「実力的に足りない部分に気づき、そこを改善してくチャンスを奪う」側面がある。
相性がいいということで広島戦でスタメン起用される倉本だが、2017年の打撃フォームに比べ、今年は構えたときの「く」の字の角度が浅いように見える。このあたりの技術的な側面は、データに重きを置いた選手起用のなかで、どこまでフォローされているのだろうか。
「八番・投手」策も、九番を打つ野手の打率が低い現状では、「打率が低いにもかかわらず、七番打者が出塁重視ではなく、打ちに行かざるを得なくなる」「出場選手によっては、六番から九番まで、非常に貧弱な打線となる」「五番打者の得点減少」といったことをもたらす可能性があり、それでもこの策にこだわったことには疑問が残る。
結局のところ、「打線」のつながりで得点をとる「得点力」が相当低かった今季のDeNA。ソトの大当たりがそうしたマイナス点を補ってはくれたが、リーグ屈指の主力3人も、ロペスが来年で36歳、筒香の将来的な(MLBを含めた)FA移籍の可能性、最近故障欠場も多くなってきた宮﨑、という状況を考えると、チーム全体で「得点」をとっていく意識を高めていかなければ、数年後、さらなる得点力不足に陥ることも考えられる。


また、守備についても1点。今季は、ここ2年レギュラーを張った倉本について守備範囲という点で物足りないと感じたからか、FAで大和を獲得。オープン戦の最初は、セカンド・大和、ショート・倉本の布陣だったと記憶しているが、オープン戦の途中からショート・大和、セカンド・倉本の布陣に変えた。ただ正直、このコンバートは失敗に終わったと言っていいだろう。結局、大和の故障による途中離脱もあって、セカンド・ショートの両方で起用された柴田はその本来の守備力を発揮できたとは言い難く、シーズン後半は、捕ってからワンステップ余分に入る癖がいまだ解消されない石川に頼らざるを得なくなるなど、シーズンの最後まで“迷走”したまま終わった感がある。
いつの試合だったか、また、その時出ていた選手も忘れてしまったのだが、後半戦に入ってからの、とある試合。普通のショートゴロ→セカンドフォースプレーというプレーで、ショートが、セカンドの入るタイミングをつかめなかったからか、恐々とワンテンポ遅れて送球した場面があった。
「こんなの、キャンプの段階でクリアしておくべきことじゃないか」。正直、そう思った。
また、現在の野球は、よほど上手い選手を除いては、セカンド・ショート・サードをユーティリティー的に守らせるよりも、ある程度一定のポジションでの守備値を高める時代になってきていると思っている。その意味では、現在の、複数ポジションを守らせる選手起用には、「『二遊間の守備力』がチームへ与える影響を軽視し過ぎではないか」と感じる。

ここまで、特に野手起用に関しては、かなり厳しめの評価になってしまった。
ただ、「口撃」のような選手批判はしない姿勢など、ラミレス監督の「監督」としての振る舞いには、魅力を感じる部分も多い。

しかし、ここまで述べてきたように、たとえそれがデータに基づいたものだったとしても、「策」を重視し過ぎる選手起用は、長い目で見ると、チーム力の向上にはつながらず、逆に気づかないうちにチーム力を弱めている可能性もある。

果たして、ラミレス監督は「選手個々の実力の向上」という部分について、どんな考えを持っているのか、そして、もし来季以降、指揮を執るとしたら、具体的に、個々の選手の「野球選手としての力」の向上についてどんなプランを持っているのか。
「(監督自身の)さらなる選手起用スキルのアップ」と、「選手の能力向上ビジョンの明確化」。
もし後者に重きを置くのであれば、ラミレス監督には、来季以降も指揮を執ってほしい。
しかし、もし前者に重きを置こうと考えているのであれば、他の監督下でのチーム作りの方が、横浜DeNAというチームにとっては望ましいのではないか。


by momiageyokohama | 2018-10-03 03:06 | 横浜ベイスターズ | Comments(0)

「読んだ方が野球をより好きになる記事」をという思いで、21年目に突入。横浜ファンですが、野球ファンの方ならどなたでも。時折、ボクシング等の記事も書きます。/お笑い・音楽関連の記事はこちら→http://agemomi2.exblog.jp/


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