熱いぜ! スーパーフェザー
2018年 08月 12日
世界ランク上位に長い間いながら、世界戦のチャンスになかなか恵まれず、ついにアメリカでそのチャンスを手にした伊藤が、悲願の世界チャンピオン獲得を果たした。
思えば、このスーパー・フェザー級は、近年の日本ボクシング界において、実力のあるボクサーが群雄割拠している、最も面白いクラスの一つといっていい。
伊藤が快挙を達成した後、自分はTwitterで、下記のようなツイートをした。
「敵地で王座獲得の快挙を果たした、伊藤雅雪。一度は王座獲得もリスタートを余儀なくされた、尾川堅一。伊藤に勝つも尾川に連敗し階級アップの道を選んだ、内藤律樹。ロシアでの激戦後グローブを置いた、金子大樹。伊藤に負け金子に勝ったのち引退も再びリングに戻った、仲村正男。日本のスーパー・フェザーは熱い。」
上記のボクサーたちは、数年前、まさに日本ランクの上位で凌ぎを削ったボクサーたちである。
そして、タイトルと名のつく試合が増えたこと、また、東洋太平洋タイトルが、第二の日本タイトルのような状況になってしまっていることもあり、強者との対戦を避ける傾向の多い近年の日本ボクシング界のなかでは、珍しく各選手同士が、結構な確率で拳を交えているのも特徴的である。
○伊藤雅雪 vs ●仲村正男 (2014.7.30)
○内藤律樹 vs ●伊藤雅雪 (2015.2.9)
○仲村正男 vs ●金子大樹 (2015.8.21)
○尾川堅一 vs ●内藤律樹〔第1戦〕(2015.12.14)
○尾川堅一 vs ●内藤律樹〔第2戦〕(2016.12.3)
(※勝敗は、いずれも判定)
さらに言えば、このスーパー・フェザーは、2010年1月の世界王座獲得から2016年4月にわたりWBA王座に君臨した内山高志。そして、「続けていたら死んでいた」とコメントした内山への世界王座挑戦失敗から再起して見事にWBC王座を獲得、海外の試合でも見るものの心を揺さぶった三浦隆司という、両世界王者がいた階級でもある(上記で挙げた5人のうち、金子が、内山高志の世界王座に挑戦し、終盤ダウンを奪う健闘を見せたものの、大差判定で敗れている)。
ただし、さきの伊藤、尾川と、敵地での世界戦となったように、スーパー・バンタム級以下の階級と比べると、海外の強豪の絶対数も多くなるためか、日本で世界戦を行うことが難しくなる階級でもあると言える。それは、ある意味で、世界王者になってもなかなか日本での知名度が上がらないという状況にもなり得る。
一方で、今回の伊藤のように、本場のファンの心に届く試合をすれば、日本という狭い枠にとどまらず、世界のボクシングファンに知られる存在となる可能性も秘めている。
違う階級の話にはなるが、国内では敵なし、世界主要4団体すべてでランキングトップ10に入っている、元日本スーパー・ライト級王者・岡田博喜は、先日、アメリカの王手プロモーション・トップランク社と契約(村田諒太に続き、日本人2人目)。今後は主戦場をアメリカに置き、世界タイトルを狙うとのことである。
現在のスーパー・フェザーは、さきにも挙げたように、尾川がキャリアを中断。また、内藤律樹は、階級を2階級上げ、スーパー・ライト級に転向と、ひところほどの強豪が目白押しという状態ではないかもしれない。
ただ、日本・東洋太平洋王者には、それぞれ、末吉大、三代大訓という、帝拳、ワタナベジムのホープがいる(ちなみに、末吉は、4回戦時代、伊藤雅雪に1-2の判定で敗れている)。
三代大訓は、仲里周磨、正木脩也という、これまた期待の若手を破って現在の位置に来ており、自身が出演したネットラジオ番組では、末吉といつか戦いたいとも言っていた。
世界への流れの幹が太ければ太いほど、それは価値のあるものになる。
より「熱い」ボクシング界にするために。



























