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佐々木引退試合 part 2

(↓前回の続き)

さて、横浜が大きくリードして迎えた9回表。
前の回にピッチャー(木塚投手)に代打鈴木尚選手が出たことで、ピッチャーが代わることは間違いなかったのですが、一体誰が出てくるのか?
球場中が固唾を飲んで、アナウンスに注目したところで、「鈴木尚典に代わりまして、ピッチャー……」

岸本

???
おそらく、この日球場に来ていたファンは、「佐々木、登板回避」のニュースを知っていたと思います。それでも(佐々木投手の登板に)期待してしまうのが人情。
しかも、その前の回に、7点差がついていたにもかかわらず、木塚投手が投入されたということで、「クルーンはあるかな」というところでの凄い裏切られ方(^^)。思わずコケてしまいました(まあ、普通の試合で考えたら至極真っ当な継投なのですが)。

ちなみに、岸本投手は今季、近大から入ったルーキー。シーズン序盤は一軍にいて、厳しい場面での登板ではないながらも結構抑えていたのですが、少し均衡した試合での登板になったところでメッタ打ちをくらってしまい、二軍へ降格。その後、夏場の再昇格に続き、9月に2度目の再昇格。
実際に生で見て、ストレートは150km前後を記録し、フォークも結構な落差があるように見えました。
ただ、150kmを記録するとはいえ、バットには簡単に当てられるので、今後は制球力と他の変化球の精度(シュートなども投げるようです)を高めることが求められるかもしれませんね。

さて、試合に戻って、岸本選手がポン、ポンと2アウトをとったところで、またベンチから野村投手コーチが出てきました。

再び、「えっ、これはもしや?」と思ったところで、「ピッチャー、岸本に代わりまして……」

クルーン

ん~。何だ、この継投は(^^)。
いつもなら喜ぶところなんでしょうが、少々複雑(よくよく考えれば、佐々木投手は出場選手登録自体していなかったと思うので、投げることはありえなかったのですが)。

ただ、クルーンを生で見るのは初めてだったので(考えてみれば、前回の横浜戦観戦は、佐々木の真剣勝負ラスト登板(in神宮)だったんですよね)、どんだけ速いんだろうという気持ちをもって見ました。
あちこちでフラッシュが光るなか、投球練習を終えたクルーン投手は、最初の打者・城石選手のバットを粉々に折りながらも、レフト前ヒットを打たれてしまいました。
しかし、続く小野選手をサードゴロに仕留め、ゲームセット。
Aクラスをかけた直接対決の、まず初戦を獲ることができました。

そして、いよいよ佐々木投手の引退セレモニー。

「ピッチャー、○○(←よく聞き取れなかったのですが、実は阿波野)に代わりまして…」

佐々木

というコールとともに、ライトのポール付近にある室内ブルペンの扉から、リリーフカーに乗って佐々木投手登場。

ふとスコアボードに目を移すと、選手のところが、98年の日本シリーズ・9回裏のメンバーに代わっていました(ちなみに、1番・石井琢 2番・波留 3番・鈴木尚 4番・ローズ 5番・駒田 6番・佐伯 7番・谷繁 8番・進藤 9番・阿波野→佐々木)。

ダイヤモンド近くまで来た佐々木投手は、リリーフカーを降りてマウンド近くに立つマイクの方へ。
その後、オーロラビジョンで、そのプロ生活を振り代えるVTRが流れて、佐々木投手の挨拶。

ファンへの感謝、球団への感謝をひとしきり述べた後で、「生涯野球人・佐々木主浩であることを誓って、引退します」との言葉を持ってスピーチ終了。
オーロラビジョンで見る限り、その目には涙が浮かんでいたようにも見えましたが(顔も紅潮していた)、もう自分のプロ生活はやり尽くした、というようなスッキリした表情にも見えました。

スピーチ後は、リリーフカー(途中から歩いて)にて場内一週。
横浜ファンから大きな「佐々木」コールが挙がる中、選手達に胴上げされ、ファンに手を振りながらグラウンドを後にしました(実は、この後、また球場に出てきてファンに応えたらしい)。

個人的には、「悲しい」とか「寂しい」とかいう感情はなくて、「ああ、これで本当に引退したんだなあ」という気持ちでした。
アメリカから帰国後は、往年のピッチングを再度見ることはできませんでしたが、それでも佐々木投手の残した成績は、「凄い」の一言です。
人によっては、「9回限定という使われ方」を理由に、「江夏投手などの方がすごかった」という見方もあるようですが、佐々木投手も抑えをやり始めた頃は2イニング投げていたことも多かったですし、何より「佐々木が出る前に…」という相手チームのプレッシャーを考えると、投げたイニング以上の功績があると思います(ただ、「毎年、優勝争いの中で投げ続けた」という点では、(同時期に活躍した)高津投手に分があるかもしれませんが)。

個人的な趣向としては、プロ野球を見るとき、どちらかというと渋めの選手やレギュラーをとれそうでとれない選手の方に注目してしまう方なのですが、そんななか、佐々木投手は「これぞプロ野球選手」という選手でした。
プロ野球の並み居るバッターに、「あのフォークは打てない」と言わしめてしまう存在。0.64、0.90、1.75と3度の防御率2点以下という成績を出すまでもなく、その活躍はスーパーマンのようでした。
また、佐々木投手は、どうしても知名度が低い横浜(大洋)というチームの中で、唯一、野球を知らない人でも名前を知っている選手でもありました(自分が野球を見てきた20数年の中で)。

この日、球場には「夢をありがとう」「感動をありがとう」といった横断幕が目立ちました。
ただ、自分としての率直な気持ちは、

安心と精神安定をありがとう

です(^^)。

それこそ、横浜(大洋)ファンは、当たり前のように、9回を佐々木投手が抑えてくれたことで、少し感覚が麻痺しているかもしれません。
しかし90年代、横浜ほど、9回、リードした場面でファンが安心して試合を見ることができたチームはなかったと思います。
(↑)少し屈折した言い方ではありますが、上記の言葉と「お疲れさまでした」という言葉をもって、佐々木投手の引退を送りたい。そう思って球場を後にしました。

追記:なお、当日の臨場感をもっと知りたい方はこのページへ。
Commented by tim_morry at 2005-10-12 12:55
初めまして。私のブログへのコメント&トラックバック、ありがとうございました。リンクまでしていただいたんですね。感謝です!
こちらからもあとで、トラックバックお送りさせていただきますね。
スポーツ観戦記を中心としたブログを作っています。よかったらまた遊びに来てくださいませ!
by momiageyokohama | 2005-10-11 00:35 | 横浜ベイスターズ | Comments(1)

「読んだ方が野球をより好きになる記事」をという思いで、21年目に突入。横浜ファンですが、野球ファンの方ならどなたでも。時折、ボクシング等の記事も書きます。/お笑い・音楽関連の記事はこちら→http://agemomi2.exblog.jp/


by もみあげ魔神
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