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2017ペナント 横浜DeNAは強くなったのか?

先週の日曜日、横浜DeNAは、ペナント143試合の141試合目で、ようやく3位でのCS出場を決めた。

思えば、7月下旬には4位巨人に7ゲーム差。CS争いというより2位を狙う勢いだったが、8/18~20に眼下の相手、巨人に3連敗(これが今季初めての同一カード3連敗)。さらに9/8~10に、2位を争う阪神に3連敗と、キーとなる直接対決で手痛い連敗を喫した。
ただ、厳しいチーム状況のときも、連敗を最大4までにとどめたこと。そして、苦手としていた阪神相手の最後の5連戦を3勝1敗1分けとしたことで、結果、巨人を振り切っての3位死守となった。

これで、2年連続のCS進出
貯金も6(※CS決定時)と、昨年の借金2という成績から、勝ち星も伸ばした(シーズン勝ち越しは、なんと16年ぶり)。

ただ、首位・広島との差は、今季も15ゲーム以上(※CS決定時)。
2位の阪神にもやや離され、特に、勝負所で、リリーフ陣の安定度の違いを見せつけられた。
クライマックス・シリーズの結果はどうなるかわからないが、「ペナントを制するには、まだ不足しているものがある」という現実は、厳然としてある。

ということで、CSに入ってペナントでの課題が忘れられてしまう前に、2017年のペナントシリーズで、どの課題がクリアされ、どの課題がクリアされなかったのかを見ていきたい。

なお、本ブログでは、一昨年の2015年(中畑監督4年目)のシーズン前に、「横浜DeNA 三大ウイークポイントは解消されるか」として、下記の3つを挙げた。

 1. 二遊間の守備力
 2. キャッチャー陣のレベル
 3. セットアッパー・ストッパーの未確立


当時は、中畑監督の3年間で勝率.351→.448→.472と徐々に勝率を上げ、勝負以前の状態だったTBS時代から、なんとか他球団との勝負の土俵に上がれるまでにはなってきたところ。ただ、中畑監督4年目(横浜DeNAとしての4年目でもあった)となる2015年は、また、勝率.437と後退してしまった。

それから2シーズンが経った、2017シーズン開幕直前には、注目ポイントとして下記を挙げた。

 1. 関根大気
 2. 外国人先発投手の2人
 3. セカンド・サードの争い
 4. 第2キャッチャーのレベルアップ
 5. 青山ヘッドコーチ
 6. 三嶋・白崎

この2つの記事で挙げたポイントをふまえて、今回は、下記の5つについて、直近3年間を中心とした推移、そして現在の状況を見ていきたいと思う。

 1. キャッチャー陣のレベルアップ
 2. 二遊間の守備力
 3. セットアッパー・ストッパーの未確立
 4. 外国人先発投手の成績
 5. ドラフト上位選手の活躍度


(なお、各年の評価は、(白星)☆の数とした)


1. キャッチャー陣のレベルアップ

 2015年 ☆☆★★★ (嶺井・髙城・黒羽根)
 2016年 ☆☆☆★★ (戸柱・髙城)
 2017年 ☆☆☆☆★ (戸柱・嶺井・髙城)

長年、横浜のウイークポイントと言われ続けてきたキャッチャー。鶴岡を久保康の人的補償で阪神に獲られた2014年は、黒羽根がレギュラーを務めたが、守備でのミスがかなり目立った。
翌2015年は、2年目となる嶺井、そして髙城、黒羽根の3人起用に。しかし、ワンバウンドのキャッチングに象徴されるように、守備面での力不足は如何ともしがたく、プロ野球史上ワースト記録となる68暴投という不名誉な記録も残った。

しかし、2016年に、大きな変化が起こる。
社会人出身の戸柱がオープン戦から起用され続け、シーズンに入ってもレギュラーに。ここ数年見られなかったワンバウンドへの対応の安定、そして早いカウントでの無理のない内角球の効果的な使い方などは、近年の横浜では見られないものだった。この変化には、他球団でのバッテリーコーチの実績もある光山コーチが加入したことも大きいと思われる。
シーズン後半は疲れもあってか、戸柱も守備でのミスが少し目立ち、チーム全体での盗塁阻止率も.190と課題は残った(ただし、許盗塁数は、99→66と大きく減少)が、長年の懸案事項だったキャッチャーに、希望の光が見える年となった。

迎えた2017年も、戸柱がレギュラーを務めたが、濵口が先発のときは髙城がマスク。さらにシーズン終盤になると嶺井が多く起用されるなど、シーズン通して、ほぼ3人体制となった。
ラミレス監督は、キャッチャー3人体制をとった理由として、それぞれのリードの違いの活用などを挙げているが、戸柱・嶺井が打力も期待できるキャッチャー(戸柱は後半調子を落としたものの、シーズン52打点。嶺井も打率.248と、最近のキャッチャーのなかでは高い数字)であることも大きいだろう。
一昔前は「強いチームはキャッチャーが固定されている」というのが定説だったが、近年は強いチームでも、ソフトバンクのようにキャッチャーを併用するケースもある。
キャッチャー固定制がいいか複数制がいいかはチーム状況にもよるので一概には言えないが、戸柱が盗塁阻止率を昨年の.200から.353と大きく上げていること、髙城が昨年の山口に続いて先発投手の力を引き出すことに成功しているところなどを見ると、現在の3人体制は各選手のレベルアップにもつながっているように見える(嶺井のワンバウンドへの対応は更なる向上を見たいところだが)。


2. 二遊間の守備力

 2015年 ☆☆★★★ (石川・宮崎/倉本・白崎)
 2016年 ☆☆★★★ (石川・宮崎・エリアン/倉本)
 2017年 ☆☆☆★★ (柴田・石川・田中浩/倉本)

こちらも、キャッチャーと同じく、横浜の長年の懸案だった二遊間。特に、どうしても送球時にワンステップ余計に入る石川の守備(さらに肩も強くない)は、優勝を狙うチームにステップアップするのであれば、スローイングの動きの改善を、それができないのであれば、守備力の優れた選手のレギュラーへの抜擢が必要だと考えていた。
そんななか、石川の故障もあり、2017シーズン後半は柴田がスタメンにほぼ定着。大学時はショートの選手であったが、身のこなしの軽さもあって、セカンドでも特段の問題は無し。阪神戦でのサヨナラ負けなど厳しい経験も味わったが、だいぶ粘りの出てきた打撃も含め、レギュラーの座を奪えるまでに成長してきた。

一方のショートは、ルーキー時から、倉本が、ここ3年、ほぼ固定。
その倉本というと、どうしても指摘されるのが、守備範囲の指標であるUZRの低さ。今年も、ショートのレギュラーを張った選手のなかでは相当低い数値(-16.8。なおトップの源田は21.7)を記録している。ただ、個人的な印象では、倉本の守備がそこまで悪いという印象はない。三遊間の深い当たりを獲ってアウトにするといった場面を見ることは少ないが、いわゆる普通のゴロを普通にアウトするという部分では、堅実なプレーを見せている印象がある(1年目の頃、時折見られた送球のシュート回転もだいぶ減ったように見える)。
確かに、数字上で出ている倉本の守備範囲の狭さを考えると、昨年のドラフト時、源田(このブログで何度か書いたが、愛知学院大のときに見た守備は、ちょっとした衝撃だった)のような選手を獲るという選択肢もあったかもしれない。
ただ、そうした選手を獲らなかったこと、そしてラミレス監督の起用を見ると、現時点では、年齢的なことも考え、倉本の今後のレべルアップに期待するということなのだろう。

この倉本の起用云々に関しては、守備面よりも、今季、打率.262・出塁率.292と、昨年から大きく数字を下げた打撃の方がポイントになるかもしれない。
今年はシーズン序盤、昨年より引っ張れる打撃を目指したものの、それが全くうまくいかず、結局、昨年のような打ち方に戻していた。
結果、それで復調につながりはしたが、それでも、2本塁打、そして18四球しか選べないという打撃内容はあまりに寂しい。
少なくとも来季は、ホームランとまで行かなくとも、右中間・左中間を抜くような当たりを量産するようなバッティングを見せてくれないと、チーム方針として、攻守にわたり新たな力のある選手の獲得に向かう可能性はあると思う。


3. ブルペン陣の安定

 2015年 ☆☆☆★★ (山﨑康・エレラ・長田・田中健)
 2016年 ☆☆☆★★ (山﨑康・三上・須田・田中健)
 2017年 ☆☆☆★★ (山﨑康・パットン・三上・砂田・田中健)

今季、横浜が、さらなる上位を狙ううえで一番の課題、そして最後まで解消できなかったのが、ブルペン陣の安定だった。

昨年は、勝ちパターンの継投はほぼ、山﨑康・三上・須田・田中健の4人で賄ったといって過言ではなかった。

しかし、今季は、昨年覚醒を見せた須田が、打ち込まれる場面が多く、5月には二軍落ち(防御率は、2.68から8.10に)。田中健も、23ホールド・防御率2.45から、11ホールド・防御率4.47と、大きく成績を落とす。そして、三上も防御率2.61から、勝ちパターンの投手の数字とは思えない5.12まで下落。正直、三上に関しては、昨年も、数字こそ残していたものの、ルーキー時のボールのキレからだいぶ落ちていた感があった(奪三振率は、ルーキー時の9.18から、ここ2年は5点台まで下落)ので、今季の不調は予想されなくもなかったが……。

この、昨年活躍した4人中3人が大きく数字を落としたなか、新加入のパットン、そして中継ぎ本格転向の砂田がともに62試合の登板(ホールドはそれぞれ、27、25)を果たした。
しかし、途中入団のエスコバーが重要な場面を任されるなど、様々な継投パターンが試されたが、後半戦、山﨑康の抑えが固定された以外は、最後まで、「安心できる」勝ちパターンの継投は作れなかった。
以前、手薄なブルペン陣の強化策として、井納・三嶋の配置転換という策を書いたこともあったが、いずれにせよ、山﨑康が来季以降も抑えとしてのポテンシャルを維持できるかということも鑑み、あと2人、勝ちパターンで抑えられる投手を作る必要があるだろう(一方で、三上の先発転向という策もあると思っている)。


4. 外国人先発投手の成績

 2015年 ☆★★★★ (モスコーソ・ビロウ)
 2016年 ☆★★★★ (モスコーソ・ペトリック)
 2017年 ☆☆☆★★ (ウィーランド・クライン)

こちらも、横浜の20年来の課題。
90年代中盤から、野手に加えて、シュワーズ、バークベックと、外国人投手を獲得し始めた横浜だったが、クルーンなど一部を除いて、ことごとく主力投手としての活躍はできず。特に、先発で獲った投手は成績を残せなかった。
2014年に獲得したモスコーソが9勝を挙げたときは、「ようやく、横浜も戦力となる先発投手を獲ることができるようになったか」と思ったが、その後の成績は尻つぼみに……。

そうした状況下、新たに獲得したクラインとウィーランドの2人の先発投手は、シーズンに入り明暗を分ける形となった。
オープン戦で早くも制球難が顔をのぞかせたクラインはシーズンに入っても結果を残せず、7試合で2勝3敗という結果に。
一方のウィーランドは、シーズン途中、故障による離脱はあったが、ナックルカーブと、内角へのストレートを安定して投げられる制球力で、横浜の外国人投手で初となる二桁勝利(10勝(2敗))を挙げた。
これで形の上では、外国人投手に関する不名誉な記録にピリオドを打ったが、ウィーランドが残留したとして、来年は各球団からのマークも厳しくなるだろう。
ウィーランドの成功(さらには、こちらも成功と言えるであろうパットンも)と、これまでの失敗例の経験を生かして、「成功する外国人投手の獲得」に関するノウハウを球団として構築していけるかは、チーム力の安定という部分でも大きな意味を持つだろう。


5. ドラフト上位選手(1~3位指名)の活躍度

 2013年 ☆☆☆★★ (白崎・三嶋・井納)
 2014年 ☆☆★★★ (柿田・平田・嶺井)
 2015年 ☆☆☆☆☆ (山﨑康・石田・倉本)
 2016年 ☆☆☆☆★ (今永・熊原・柴田)
 2017年 ☆☆☆★★ (濵口・水野・松尾)

 (※年は、当該ドラフトが行われた翌年を表示。左から1、2、3位)

このポイントに関しては、直近5年の評価を上記に書いた。
対象を全順位の選手としなかったのは、「入団前、どういった選手を高く評価していたか」を見ることで、球団の「見る目」があぶり出されるのではと思ったからである(他球団の指名との絡みもあるので、実質、3位と4位で大きく違いがあるわけではなかったりもするが)。
横浜「DeNA」となってからのドラフトは、TBS時代に比べ、だいぶ活躍度が上がった感がある。

なお、2012年以前のドラフト上位選手は、下記のようになる。

 2009年 ☆☆★★★ (松本・藤江・山崎憲)
 2010年 ☆☆☆☆★ (筒香・加賀・安斉)
 2011年 ☆☆☆★★ (須田・加賀美・荒波)
 2012年 ☆★★★★ (北方・髙城・渡辺雄)

2012年は、球団買収のゴタゴタもあり、ドラフトに腰を落ち着けて臨めなかったチーム状況が如実に表れている。
2010年は☆4つ、2011年は☆3つをつけたが、須田は、6年目で、ようやくの一軍定着。
また、2013年までの状況を考えると、もしかしたら、筒香の才能を潰してしまう可能性があったことは忘れてはならない。

横浜DeNA以降のドラフトを見ると、2015年の活躍度の高さが目立つ(山﨑康・石田・倉本)。2016年は、完全な主力として活躍しているのは、まだ今永だけだが、将来のエースになる存在ということで☆4つをつけた。
個人的に予想が完全に外れたのが、今年(昨年オフ)のドラフト。
「球威があるが、コントロールが悪い。得意のチェンジアップもプロでは見切られる可能性がある」と考えていた濵口が、まさか10勝を挙げ、チームを大きく支える存在になるとは思っていなかった。この活躍には、濵口を上位指名した球団の慧眼に加え、入団後、キャッチャー専任性や、傷口が広がる前の早めの交代など、濵口が投げやすい環境をチームが作ったことも大きいだろう。


こうして見ていくと、徐々にではあるが、横浜DeNAが、チーム戦力の底上げをしていくことができていることがわかる。
ただ、いくつかの点で、まだ物足りないところもある。逆に言えば、そこを埋めることができれば、より勝ち星を重ねていくことができると言えるだろう。

なかでも、今後、来季以降に向けて大事なポイントを挙げるとするならば、下記の3点だろう。

 1. 勝ちパターンで抑えられる中継ぎ投手を、あと2人作る
  (獲得・配置転換・育成etc、様々な方法で)
 2.「活躍する外国人投手」獲得策のノウハウ化
 3. 倉本の出塁率・長打力が上がらなければ、ショートの後継候補を獲得 or 育成



まずはその前に、来週末からクライマックス・シリーズが始まる。
昨年のCSを見てもわかるように、勝負の意味の大きい試合でしか得られないものが数多くあるはず。
その一戦一戦の勝負に注目したい。


by momiageyokohama | 2017-10-08 02:14 | 横浜ベイスターズ

「読んだ方が野球をより好きになる記事」をという思いで、21年目に突入。横浜ファンですが、野球ファンの方ならどなたでも。時折、ボクシング等の記事も書きます。/お笑い・音楽関連の記事はこちら→http://agemomi2.exblog.jp/


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