日本人対決に隠れてしまいがちな、日本野球の置かれている「リアル」
2017年 06月 25日
ダルビッシュが7回2安打10奪三振無失点、田中が8回3安打9奪三振無失点と、両者相譲らずという結果になったが、互いの意地みたいなものあったのか、両投手の投手としてのポテンシャルを改めて再認識させられる試合でもあった(土曜の朝という絶好の時間帯ということもあり、こういう試合こそ、地上波で放送してほしかったが)。
メジャーでの日本人投手対決に心躍った日でもあったが、一歩引いて冷静に見てみると、今季、MLBで投げている日本人投手は、ダルビッシュと上原を除き、かなり成績を落としている。
◇田中将大 14勝4敗 防3.07 → 5勝7敗 防5.74
◇ダルビッシュ有 7勝5敗 防3.41 → 6勝5敗 防3.12
◇岩隈久志 16勝12敗 防4.12 → 0勝2敗 防4.35〔5/7 DL入り〕
◇前田健太 16勝11敗 防3.48 → 5勝3敗 防4.62
◇上原浩治 2勝3敗7S 防3.45(50試合) → 2勝4敗2S 防2.84(27試合)
◇田沢純一 3勝2敗 防4.17(53試合) → 1勝1敗 防7.31(17試合)
(※成績は、2016年→2017年(6/23現在)の順)
成績が上がらない原因は、それぞれの投手によって違うであろうが、今季は野茂がドジャースで登板した1995年以来、22年ぶりに日本人メジャーデビューがゼロとなる可能性もある(元ロッテの中後がメジャー入りを目指し、現在2Aで登板を重ねているが)。
さらには、規格外の存在といえる大谷翔平は別として、今後、新たな日本人野手のメジャーリーガーの誕生が見られるのは当分先になりそう……というのが、2017年の日本球界の現実である。
第4回WBCでの日本代表が結果・内容とも、見ているファンの期待をある程度満足させるものであったこと。また、パ・リーグのチームから発祥した「旧来の体制頼みではない、ファンの獲得策」が実っていることもあり、人々の趣味嗜好が多様化するなか、国内の野球人気は、結構活況を呈していると思う(もちろん80・90年代のかなり大多数の人が野球を見ている時代からは割合は減っているだろうが、時代が変わっているなか、そこでの比較はあまり意味があるとは言えない)。
しかし、今後、野球をする人の減少が予想されることも含め、将来に向けては、かなり戦略的な方策を立てなければ、日本野球のレベルとメジャーのレベルの差がどんどん広がっていく可能性がある。
一昔前は、有望な日本人選手をMLBに簡単に行かせないようにするには……ということが議論になっていたが、今後は、球界全体で「メジャーでも通用する選手を輩出するにはどうしたらいいのか」を考えなければいけない時代が来るかもしれない。
もちろん、それはプロだけでなく、アマチュアも含めて。直接的なところで言えば海外FA取得期間の短縮、間接的には「甲子園システム」の見直しまで、検討の対象とする必要も出てくるだろう。また、日本人選手がその実力に見合った報酬を受け取れる制度作りという意味では、日米間移籍制度の再整備も必要となる。
なお、今年からスタートしたスポーツWebサイト「VICTORY」では、ダルビッシュの日本野球への提言的な記事が載っており、結構興味深い内容だった。日本のトップ選手がメジャーでの4シーズンを通して感じたことというのは、ある種の説得力がある。
その他、日本人メジャーリーガーという意味では、今季での引退を表明した井口資仁、現在、オリックスの二軍監督を務めている田口壮なども、MLBでの経験を日本野球に還元でき得る存在である。
それこそ、オフシーズンなどに、NPBのコミッショナー、日本人メジャーリーガー(OBも含め)、NPBの球団代表、さらには高野連の会長、ボーイズリーグの指導者……などを集めて、公開シンポジウムなどをやってみたら、とも思う。
5年後、10年後、さらには20年後……に向けて、野球界がどういうビジョンを持っているかは、「野球がこの先生き残れるかどうか」ということに直結するのではないか。



























