2017 開幕2週間時点での、12球団雑感
2017年 04月 16日
各チーム11~14試合と、ペナント全体からすると10分の1ぐらいというところだが、ここまでの各球団への感想を簡単に。
【パ・リーグ】
〔東北楽天〕
「2番・ペゲーロ」がはまり、開幕ダッシュに成功。防御率はリーグ最下位も、森原・ハーマン・高梨というブルペン陣の新戦力が活躍し、勝ちパターンの継投ができる。先発の森雄大を4回で降ろして継投で勝利をもぎとるなど、梨田監督の采配にも思い切りのよさが見える。過去に指揮を執った2チームではいずれも2年目にリーグ優勝しているという“2年目のジンクス”の再現なるか。
〔オリックス〕
開幕3連敗のあと、6連勝と投打ともに好調。小谷野・中島と、ここ2年不調だった移籍組に当たりがあることに加え、開幕2週目でのロメロの本塁打量産と、途中から一番に座った宮﨑の活躍も大きい。ただ、チームの柱となるキャッチャー、そしてセカンドの守備はまだ不安。“勢い”だけでないチーム力を、これからどう構築していくか。
〔埼玉西武〕
守備面では、入団前から注目していた源田(愛知学院大-トヨタ)の加入が大きい(個人的には打撃でももっと打てる選手だと思うが)。投手陣もいまのところ安定しており、地味にウルフの残留も大きかった。個々の野手の力がある割には“つなげる意識が低い”と言われる打線については、これから辻監督の真価が問われるところか。
〔福岡ソフトバンク〕
投打とも思ったより苦労している印象。デスパイネ、バンデンハーク、スアレス含め7人がWBCに選出された影響が、正直無いとは言えないだろう(スアレスは右ひじ手術で今季絶望)。ある程度固定していた今宮・本多の一・二番も機能しているとは言い難い。意外と早く川﨑の出番はあるかも。
〔千葉ロッテ〕
現状、パラデス・ダフィーの新外国人2人が打たないことがチームの成績に直結している(チーム打率は.196)。開幕時は二軍も、その後突如打ち始めたボーリックの例もあるが、近年のロッテの外国人野手の獲得力の低さをみると、今後打つ可能性は半々だろう。今年も伊東監督の“やりくり力”で勝ちを拾っていく戦いとなるか。
〔北海道日本ハム〕
ここ数試合の下位打線は、鎌ヶ谷のメンバーを見ているよう。育成選手はとらず、少ない登録選手で行くというチーム方針上、怪我人が続出(大谷、中田、谷口・杉谷・淺間・大田)すると、自然と戦いは厳しくなる。有原に早く勝ち星をつけたいところ。現在、打率1割台のレアード、中島、岡、そして西川の復調も待たれる。
【セ・リーグ】
〔広島〕
とにかく強い。優勝翌年ということでの反動もなく、投打がかみ合っている。特に打線が軒並み好調で、1試合の平均得点は6.3点。ブルペン陣では、中﨑がおらずヘーゲンズもまだ調子が上がっていないが、今村・中田が好調で、中継ぎにまわった薮田も機能。今のところ隙が見当たらないが、まだ対戦の無いDeNAが来週どんな戦いを見せるか。
〔阪神〕
現状、出入りの激しい戦いぶり。開幕前の予想より打つ印象だが、やはり糸井の加入が大きい。昨年急激に落ちた鳥谷も打撃好調。マテオ、ドリスに防御率ほどの信頼感はない感じもするが、メッセンジャー・能見・藤浪の先発3本はある程度の安定が見込めそう。今後、岩貞含め4番手以降の先発投手をどう回していくかがポイントとなるか。
〔巨人〕
坂本・阿部・マギーという主軸の好調と、その前後を打つバッターの低打率という、二つの両極端な側面を持つ現在の打線。一方、ルーキー2人(池田・谷岡)が名を連ねたブルペン陣だが、森福・山口鉄の実績ある左腕は信頼に足るとは言い難い。戸根、田原誠あたりが一軍にいない現状、カミネロの調子の見極めも含め、我慢の継投が続くかもしれない。
〔東京ヤクルト〕
先発投手は責任を果たしているが、あと一歩足りない試合が続いている。秋吉・石山は好調だが、ルーキが不安定。中継ぎに安定した投手があと2枚ぐらいはほしいが、松岡・久古が怪我でいないのが痛い。WBC帰りの山田・バレンティンは不発気味だが、そこまでの心配はないだろう。椎間板ヘルニアで離脱の川端の復帰はまだ先になりそう。
〔横浜DeNA〕
筒香の不調という要因を差し引いても、「戦い方が定まっていない」印象の試合が続く。開幕カードの5~7番(シリアコ・田中・倉本)は2カード目にして変更。オープン戦終盤は1勝10敗1分けだったが、勝負面でも内容面でもオープン戦を公式戦の準備に有効に使えなかった感がある。パットン・濵口という好材料もあるが、石田・今永の不安定さは心配。
〔中日〕
今季初勝利まで7試合を要した。開幕2戦目での田島の逆転弾被弾が何とも痛かったが、三ツ間の台頭など、ブルペン陣は比較的安定している。今後の打線の鍵はゲレーロだと思うが、京田・亀澤・溝脇らの活躍にも期待。ただ、高橋周・福田が二軍にくすぶっている状況はやはり寂しい。