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「第4回」WBCの意味

2017年初投稿。

今シーズンのペナント開幕まで、あと2ヶ月半。
だが、その前に、WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)がある(3/6~)。

2006年2009年2013年に続き、今回で4回目となるWBC。
第1回大会が行われたのは、早いもので、もう11年前になる。
これだけ回を重ねてくると、各大会、それぞれの「色」、そして「意味」というものも異なってくる。

降ってわいた、国別対抗の世界大会の開催というニュースに心躍った、「第1回大会」。それまでの五輪での日本代表のような制限(1チームからの選出人数の縛りがあるetc)がある形ではない、本当のオールスターメンバーでの日本代表が見られる。しかも、その日本代表が、アメリカのオールスターメンバーと雌雄を決することになる。
サッカーなどと比べたときに、野球の一番のウイークポイントである「トップレベルでの世界大会が存在しない」という部分も、埋めることができる夢のような大会……。そのときは、そう思った。
結局、松井秀喜、城島、井口といったMLB所属のプレーヤーは出場しなかったが、それでもイチローが、この代表メンバーに名を連ねた(MLB所属の選手では、他に大塚も参加)ことで、ファンの満足感は8割がた満たされたといってよかっただろう。
いざ大会が始まると、初戦の中国戦、そして台湾戦と、日本のトップの選手たちが躍動する姿にさらに期待が高まる。
しかし、3戦目の韓国戦での逆転負けで、ちょっとその空気に陰りが見え始める。
迎えた、日本の野球ファンの念願でもあった、真剣勝負でのアメリカ代表との試合。イチローの先頭打者弾という、これ以上ないスタートとなった試合だったが、あらぬことか、審判の誤審という形で水をさされることになる。
結果、このアメリカ戦に負け、さらにメキシコ戦の勝利のあと、この大会2度目の対戦となった韓国戦にも敗れ、ほぼ敗退かと思われた日本代表だったが、メキシコがアメリカに勝ち、失点率の差というギリギリの形で、決勝トーナメントに進出。3度目の正直で韓国を下し、決勝でキューバにも勝って、記念すべき第1回大会で世界一の座に。
なんとも劇的な過程を経て、最高の結果をつかみ取った日本代表だが、大会全体を通じてみると、第1回大会ということもあってか、不備が目立つ点も多かった。さきの誤審問題に象徴される審判のレベル。同じ相手と何度も戦うことになる試合形式。そして、対戦相手として熱望したアメリカ代表も、2次リーグ敗退という結果から考えると、果たして本当の意味での最強のアメリカ代表だったのか疑問が残った。
また、その後刊行された関連書籍(ex.石田雄太氏著「屈辱と歓喜と真実と―“報道されなかった”王ジャパン121日間の裏舞台」)などを読むと、日本代表にも、かなりの混乱と戸惑いがあったことが伺える。

その3年後に行われた、第2回大会
前回優勝したということもあり、日本国内での盛り上がりはかなり大きかったと記憶しているが、その前年には、北京五輪でメダルを逸するという苦い経験もあった。選手の選出にあたっては、中日の所属選手の辞退をはじめ、有力選手でも不参加となった選手も何人かいたが、日本代表の常連である松坂や杉内に加え、その後MLBへ行くことになる、ダルビッシュ田中将大岩隈といったところが名を連ねていたこともあって、オールスター感が強いメンバーだった。そして、「51番」は、今回も、メンバーに名を連ねた。
なお、監督は原辰徳。そして、日本のマスコミの悪弊とも言える「監督名+ジャパン」を使用しないための機先を制すように、「サムライジャパン」の愛称が使われることになった(ブログ過去記事「原ジャパンとは呼ばないで」)。
日本代表にとっての第2回大会は、ほぼ「韓国戦」と言ってもいいだろう。全9戦中、なんと5試合が韓国戦(他の4試合は、キューバと2試合、中国1試合、アメリカ1試合)。
第1回大会以上にカードの組み合わせに偏りがあることには正直辟易としたが、決勝の韓国戦は、文字通り死闘といっていい試合となった。「ここで打つか…」と思った、9回裏、抑えを任されたダルビッシュから1点をもぎ取った韓国チームの意地。そして、すべてを持って行ったといっていい、51番のセンターへと抜ける弾道は、まだ脳裏に焼き付いている。
一方、この大会でも、日本代表の選出方法(33名から最後、5名を落選とする方式)が物議を醸したり、前述した大会の試合形式など、日本代表、また大会全体を通じても、いろいろな問題が表出した。
また、個人的には、準決勝で対戦したアメリカ代表が、まるでワクワクしないアメリカ代表だった(外野を守ったアダム・ダンの守備のもたつきetc)ことに、大きな失望を感じた。

そして、迎えた第3回。日本代表の監督選びは混迷を極めた。結果、消去法のような形で山本浩二監督に。メンバーも、第2回大会に出場したダルビッシュ・岩隈・青木・川崎といったところが、MLBに移籍したこともあって不参加。回を重ねるごとに、MLB移籍選手の増加で日本のトップ選手の参加数が少なくなるという皮肉な現象を招き、正直、第1回・第2回に比べ、スケールダウンした感じがあった。
いざ大会が始まっても、初戦のブラジル戦から大苦戦。8回、ようやく代打・井端の同点タイムリーで追いついて、その後、逆転勝ち。
この大会の日本代表のハイライトは、ある意味、2次ラウンド初戦の台湾戦ではないか。9回2アウトという状況まで追い詰められた状況下での、井端の起死回生の同点タイムリー。その後の、牧田のダイビングキャッチ、中田の勝ち越し犠飛、そして最後なんとかピンチを凌いだ杉内と、そこには2連覇したチームの強さというより、ただただ「勝たなきゃいけない」というチームの姿だけがあった。
しかし、サンフランシスコの地でプエルトリコに敗れ、3連覇は潰える。優勝は、そのプエルトリコを破ったドミニカ共和国。アメリカチーム以外の本気を感じた大会でもあった。
第3回大会の日本代表の準決勝敗退は、混迷を極めた監督選びを含め、制度面を含めた、その時点での日本の「野球力」が表れた結果といってもいいかもしれない。井端の度重なる神がかり的な活躍に興奮する一方、投打ともに、これまでの日本代表ではたびたび感じることのできた「絶対的強さ」を感じる場面(ex. 第2回大会でのキューバ戦の松坂のピッチングetc)が少なくなっているようにも思った。

そして、迎える、今回の第4回大会
過去3回の反省をふまえ、野球日本代表の常設と、メンバーのある程度の固定化。そして、専任監督の設置も行われた。
ただ、一昨年のプレミア12での準決勝敗戦。また、昨年秋の強化試合で投手陣が打ち込まれたことなどもあって、代表への期待値は、過去3大会に比べて高いとは言えない。また、ペナントでの指揮を執った経験のない小久保監督への評価も、マスコミ・ファン通じて、こちらも高くはない。
一方で、これで日本代表に入るのが最後かもしれない大谷翔平、さらには、これからの日本の四番・筒香など、新たな魅力的な顔ぶれが入ったことで、どこまで、野球ファン、さらには普段そこまで野球に興味が無い人を取り込めるか、「野球日本代表」というブランドの持つ力が試される大会でもある。
WBCの“歴史”という観点から見れば、第2回大会では「歓喜」を味わい、第3回大会は「涙」で終わった内川が、大会が終わったときに、どんな表情をしているかというところも追っていきたいが……。

本来、過去3回の大会の振り返りは短く書いて、第4回について、もう少し深く書こうと思っていたのだが、思いのほか前置きが長くなってしまった。
それだけ、いざ振り返ってみると、それぞれ、いろいろなものが詰まった大会だったとも言える(たとえ、アメリカが本気の代表でなかったとしても)。
ただ、今回の代表が、それだけの思いが詰まった代表になるかどうかは、まだ確信が持てない。
それは、広告代理店のバックアップもあってか、形式的な“準備”のうえでは、過去3大会に比べてきちんとしていることから来る、ある種の無味乾燥さからなのか。
それとも、4回目を数えてなお、日本以外の国も含め、ペナントシーズンとの両立というテーマがクリアされていないことへの虚無感からか。
それとも、特にストッパー、キャッチャーの顔ぶれを見たときに感じてしまう、一昔前と比べての選手不足から来る不安感からか。

一部を除けば、「野球を観る習慣」が無い人が多数といっていい現在の状況下、日本代表は、間違いなく、人々の野球への興味をかき立てる、大きな柱でなければいけないと思っているのだが、何か、もう一つ大事なものが抜けているような気がしてならない。
それが、本大会で見つけられればいいのだが……。


by momiageyokohama | 2017-01-17 02:17 | WBC | Comments(0)

「読んだ方が野球をより好きになる記事」をという思いで、21年目に突入。横浜ファンですが、野球ファンの方ならどなたでも。時折、ボクシング等の記事も書きます。/お笑い・音楽関連の記事はこちら→http://agemomi2.exblog.jp/


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