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横浜DeNAのブルペン陣の現況とこれから

先週の横浜DeNAは、山﨑康晃の登板がクローズアップされた1週間となった。
登板した4試合ですべて失点。うち3試合はリードを守れず、チームもその3試合はすべて敗戦。先週まで1点台だった防御率は、わずか1週間で3.73となった。
土曜の試合から、ラミレス監督は、山﨑を休養させることを決断。土曜・日曜と、9回は、田中-三上のリレーとなり、いずれも勝利をおさめた。

シーズン前半の戦いでは、リーグトップの防御率を誇っていた横浜DeNAだが、交流戦後半あたりから失点を重ねる試合が多くなり、気が付けば、チーム防御率はリーグ5位(3.73)である(なお、1位は巨人の3.49なので、防御率5点台のヤクルトを除くと、各チームそこまで防御率に差はないが)。
その原因としては、ブルペン陣の投手が、もう、あと一人、二人足りないということがあると思う。
山﨑も、先々週までは、内容が昨年ほどではないながらも何とか踏ん張り、須田・田中といったところの奮投もあって、ともするとうまく回っているように見えるが、やはり、上位を狙うには、あと何人か安定した投手が欲しいところである。

ブルペン陣の投手というのは、おおかた、各チーム7人ほど。
その内訳は、大体下記のようになる。

1. クローザー
(勝ちゲームの9回に登板)

2. セットアッパー
(主に勝ちゲームの8回に登板)

3. ネオ・セットアッパー
(主に勝ちゲームの7回、あるいは僅差のゲームに登板)

4. サウスポー1

(競った場面での左打者相手だが、右打者相手に投げることも)

5. サウスポー2

(ワンポイント的起用。あるいは、ビハインドで左打者が多い場面での登板)

6. ミドルピッチャー1

(ビハインド、または先発投手が崩れた場面や点差がついた場面での登板)

7. ミドルピッチャー2

(ビハインド、または先発投手が崩れた場面や点差がついた場面での登板)

なお、3、6、7は、完全に造語だが、便宜上、上記のように名付けた。
また、チームの状況によって、もちろん多少の違いはあり、4~7は、そのときの陣容によって明確な差がなかったりもする。

さて、これを、8月7日時点での横浜にあてはめると、下記のようになる。

●クローザー 山﨑康
●セットアッパー 三上
●ネオ・セットアッパー 須田
●サウスポー1 田中
●サウスポー2 ザガースキー
●ミドルピッチャー1 加賀
●ミドルピッチャー2 久保裕

「クローザー」の山﨑康に関しては、先週、一気に崩れた感があるが、それまでは、内容が昨年ほどではないにもかかわらず、クローザーとしての役割は十分果たしていた。
一方、この土日には最後を締めた「セットアッパー」の三上だが、防御率は2.89と、今季は決して良くはない。
一方、防御率こそ3点台(3.05)で、時折、痛打を喫することもあるが、決して層が厚いとは言えないブルペン陣を支えているのが、「ネオ・セットアッパー」の須田である。今季はオープン戦から調子がよかったが、3年前からは考えられないぐらい、ストレートの伸びが増した。それは、38 1/3イニングで36奪三振という数字にも表れている。セットアッパー、クローザーとは違い、投げる場面もさまざまであるなか、十分、信頼に足るピッチングを見せてくれている。
「サウスポー1」とカテゴライズした田中は、防御率こそ1.08と良い数字だが、時折コントロールが定まらないこともあり、まだ完全に信頼をおけるというところまでは行っていない。それでも、昨年から格段にキレがよくなったカーブは、打者の的をはずすのに十分な効果を持っている。
一方、「サウスポー2」に位置付けたザガースキー。一時は連日の勝利を挙げたこともあったか、制球の不安定さ、また球種の少なさもあり、ここ4試合はすべて失点。チーム事情もあり、それでも一軍に居続けたが、さすがに8日に登録抹消となった。
そして、「ミドルピッチャー」と位置付けた、加賀久保裕の2人。両投手とも、イニングイーターとしての役割を果たすこともあるが、加賀は球種がストレートとスライダーの2種類のみ、久保も全盛時に比べるとだいぶ球威が落ちたこともあり、競った場面でも安心して送り出せるというところまでは行っていない(防御率は、加賀…4.00、久保裕…6.30)。
ということで、現状、ここまでのシーズン、合格点以上の働きを見せているのは、須田・田中。及第点が、山﨑康・三上というところではないか。

そう考えると、上記以外の投手で、現状、バックアップメンバーとして、どれだけの投手がいるのか?
現在、登録抹消となっている投手を含めた、各カテゴライズの候補投手を見ていくと、下記のようになる。

●クローザー 山﨑康
●セットアッパー 三上
●ネオ・セットアッパー 須田(平田、熊原、長田、エレラ)
●サウスポー1 田中(福地)
●サウスポー2 ザガースキー(大原)
●ミドルピッチャー1 加賀(小杉、ペトリック)
●ミドルピッチャー2 久保裕(藤岡、小林寛)

こう見ると、残念ながら、現在一軍にいる投手に取って代わる投手がほとんどいないというのが現実である。

・平田…何度かチャンスを与えられたが、コントロールのアバウトさは昨年より悪化。
・熊原…セットアッパー候補にとも思ったが、現在は先発で調整中。
・長田…突如制球を乱すコントロールの悪さが解消されず、ここまで6登板のみ。
・エレラ…右肩治療のため、帰国。
・福地…球威を買われ開幕一軍も、制球悪く炎上。二軍でもイニング数に迫る四球数。
・大原…ブルペンを支える数少ない左腕だが、今季は二軍でも結果を残せず。
・小杉…ストレートで押すピッチングも、使える変化球がフォークだけでは厳しく。
・ペトリック…中継ぎでは結果を残せず、先発に。
・藤岡…トレードで加入後、イニングイーターとしての役割を果たすも、故障離脱。
・小林寛…開幕前は一軍入りのチャンスがあったが、二軍でも防御率4点台。

上記の他では、新外国人ブロードウェイ、左肘クリーニング手術から復帰した林、ルーキーの野川などもいるが、あまり過剰な期待をかけることはできないであろう。
投手陣に余裕があれば、山﨑康を一度抹消して休養をさせたかったところだが、安定度の低いザガースキーですらなかなか二軍に落とせないぐらい、ブルペン陣の層は薄い。
もし、三上・須田・田中に故障が発生するようなことがあれば(もちろん、そうした事態は起きてほしくはないが)、さらに現況からブルペン力が低下する。

本来なら、経験は少ないものの良いものを持っている投手を、プレッシャーの少ないミドルピッチャーの位置で投げさせ、ある程度安定したピッチングができるようになったら徐々に後ろにもっていく、という形が理想であるが、現状、そうした可能性を感じさせてくれる投手はほとんどいない。
今後の残りシーズンについては、新たにブルペンの力となる投手を期待するよりも、先発投手の投げるイニング数を1イニング程度増やす方策をとった方が、投手力の低下を防げるようにも思う。

こうした状況を考えると、今オフの補強の大きなポイントとして、「ブルペンを支える投手」の獲得が挙げられる。

ここでもう一度、現況の横浜のブルペン陣について、見ていく。

●クローザー 山﨑康
(2年目/大学時代、抑え経験もあった為、抑えとしての起用も見据えた獲得)

●セットアッパー 三上
(3年目/チーム事情で現在のポジションに収まった格好。本人のモチベーションも含め、起用法再考の必要も)

●ネオ・セットアッパー 須田
(6年目/予想外の覚醒。中継ぎ適正◎)

●サウスポー1 田中
(9年目/フルシーズン投げた経験はまだ無いが、今後も現在のポジション濃厚)

●サウスポー2 ザガースキー
(シーズン途中入団/制球難+球種の少なさから、来期残留は厳しいか)

●ミドルピッチャー1 加賀
(7年目/今後、シンカー・チェンジアップを身に着けないと、長いイニングは厳しい)

●ミドルピッチャー2 久保裕
(14年目(移籍)/松坂世代の一人だが、上がり目はそこまで望めないか)

須田・田中については、うまく行けば、今後も何年間かブルペンを支えてくれるかもしれないが、クローザー・山﨑、セットアッパー・三上といった、チームの肝となる部分も、完全に確立しきれているとは言えない状態。

とにもかくにも「結果的にブルペン陣に収まった」という形ではなく、明確に「ブルペン陣を支える投手」の獲得策が必要となる。
トレード移籍といった方策もあるが、自前での獲得策としては、下記のような策が考えられるだろう。

1. 外国人投手の獲得

今のプロ野球で、勝ちパターンのブルペン陣に外国人投手がいないチームは、かなり少数派である。広島のように、ジャクソン、ヘーゲンズと、そのなかに2人もいるケースはさすがにあまり無いが、自球団で獲得した外国人投手という意味では、この十年ぐらいを見てもクルーンぐらいしか活躍していない横浜は、それだけでかなり他球団に後れをとっている。
野手陣、先発投手陣にある程度目途が付き始めている現状、今オフは、ブルペン陣候補として3人以上獲得してもよいのではないか。
ただし、広島がシュールストロムを駐米スカウトとしたことで外国人投手の活躍率を大幅アップさせたように、本当の意味で「目利き」のできる人物をスタッフに加えることが必須だろう。
〔参考:プロ野球 各球団の外国人選手獲得力は?(セ・リーグ編)/(パ・リーグ編)

2. ドラフトでの獲得策

人数的には、これが一番、多くの可能性を持つ手段になると思うが、大切なのは、最初から「中継ぎ・抑え候補」ということを見越しての獲得をすること。
現在のプロ野球界であれば、下記のような投手をイメージしての獲得となるだろう。
(※一部、先発に転向した投手もいるが)

●クローザー・セットアッパー候補
森(ソフトバンク)、益田(ロッテ)、千賀(ソフトバンク)、田島(中日)、増田(西武)、増井(日本ハム)

●サウスポー1・2候補
宮西(日本ハム)、山口(巨人)、高橋聡(中日→阪神)、松永(ロッテ)、森福(ソフトバンク)、小川(中日)、戸根(巨人)

●ネオ・ストッパー/ミドルピッチャー候補
谷元(日本ハム)、大谷(ロッテ)


3. 先発投手の配置転換

1・2は、オーソドックスな補強策ではあるが、なかなか上手くいかないことも多い。
そうしたとき、考えられるのが、先発からの配置転換である。
幸い、現在のチーム状況は、先発投手がある程度いる状態。
では、具体的には、誰を転向させるか。
投げているボール的に、セットアッパー・クローザー適性があると思われるのは、現在、勝ち星が思うように伸びない井納、そして今季、まだ一軍登板ゼロの三嶋あたりである。
ただし、両投手とも、落ちるボールの精度に不安がある。また、相当に緊迫した状況での登板が続くという意味で、メンタルのタフさが求められるこのポジションを果たして務められるかという懸念もある。ただ、このまま、ブルペン陣を新たに担う投手が現れないようだと、こうした配置転換も現実味を帯びてくるのではないか。

最後に、今回は、感情をある程度抑えた形の筆致となったが、実際に投げるのは「人」である。
ブルペンから投手を送り出す際、他の残っている投手は、その投手を拍手で送り出す。
ただし、それでも力が足りなければ、その投手は容赦なく打ち込まれ、失点を重ねることとなる。
一方、見事に役割を果たしたときは、登板後、他のブルペン投手と喜びを分かち合うこととなる。
今回の記事では、1+1=2といったような絶対値的な書き方をしたが、ブルペン陣の力は、場合によっては、「1+1が4にも5にもなることもあるのではないか」ということを記して、今回は終わりにしたい。

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Commented by リチャード佐々木 at 2016-08-09 10:57
 はじめまして、某ブログでコメントを拝見してたことがありますが、コメントははじめてですね。

 率直に申し上げて、もみあげ魔人殿のご見識からすると失礼ながらかなり物足りない内容でした。まず、これまで我が軍が獲得した外国人投手のレベルの低さはもうなんとも言い様がないくらい酷いものです。おそらくは本日登録されるブロードウェイにしても二軍、三軍相手に失点を重ねており、実力には疑問符がつきます。ひさびさに「あたり」とされていたモスコーソにしても一昨年のいい時でやっと及第点でしょう。メッセンジャーやジョンソンには遠く及びません。有能な駐米スカウトは我が軍だけではなく、カープその他数球団を除く全球団の積年の課題であり、それが解決されるくらいなら・・・と思います。

 「配置転換」についてもどうでしょうか。本文中にもご指摘はありますが、三嶋は制球に難がありますね。私の評価では「怖がってボールにbなる」のではなく「そもそも狙ったところに投げられない」真性のノーコンです(国吉と同じ)。投手に対して、ストレートの四球を出しかねない投手です。その上スタミナは十分ではありません。さらに中畑監督の行き当たりばったりの起用で心身ともに壊れてしまっています。
 井納については以前、ストレートをかなり評価されていましたね。しかし、実際には被打率は高いですよ。ルーキーの時ですからほんの参考にしかなりませんが、リリーフにはあまり適正がなかったですね。私はあまり向いていいるとは思いません。それに現在、「イニングを食える」つまり長いイニングを投げられる先発が山口俊しかいません。井納は好調時は山口に匹敵します。それこそブルペンが厚いとは言えないわけですから。もし井納がリリーフに回るならば「強化小杉」くらいの位置付けで、これはかなりの戦力ダウンです。井納にはかなり辛口なのですが、なんとか今の行き詰まりを打破してもらいたいです。

 結果的に物言いばかりですみません。ここまで食い違っていると私の方が間違っていることもあると思いあえて思ったとおり、コメントしました不悪。
Commented by momiageyokohama at 2016-08-09 18:45
>リチャード佐々木さん
コメント、ありがとうございます。

外国人投手の獲得ですが、仰るように、各球団、戦力となる投手の獲得には苦しんでいますね。
今年の2月に、ここ5年間の各球団の外国人選手の活躍度合いについて書いたのですが、特に、中継ぎ・抑えの投手の成功率はかなり低いです。

チームとしては、広島のほか、ヤクルト、日本ハムが及第点以上かな、という程度。その他のチームで、選手単位で見てみると、活躍できているのは、マシソン、呉昇桓、カルロス・ロサ、ソーサ、ウィリアムス(西武)ぐらいでしょうか。
そのなかでも、横浜の自球団による獲得投手の成功率は極めて低いです(^_^)。
ただし、裏を返せば、「このセクションの体制を見直すことで、大きな戦力アップをはかることができる」という見方もできます。そのため、強化の一策として挙げました。
Commented by momiageyokohama at 2016-08-09 18:49
>リチャード佐々木さん
1回で投稿できなかったので、2回に分ける形で失礼します。
もう一点、井納と三嶋の配置転換ですが、こちらも、仰る通り、抑えとしての適性があるかというと、かなりの危険度を伴うことも考えられます(^_^)。

ただ、山﨑康・三上の不調・故障時に代わる投手が皆無、そして、今オフ、必ずしも、後ろを任せられる投手を獲得できるとは限らない現況を考えると、チーム内部での配置転換という策も選択肢の一つとしてて考えておかなければいけないように思います(個人的には、三上が、本人のモチベーションや適性も含めて、このまま、セットアッパーとして野球人生を歩んでいく形でいいのか疑問を感じるところもあるので)。

井納については、ストレートを痛打される場面もありますが、実際に間近で見ると、そのストレートの球威には魅力があります(キャンプのブルペンや、バックネット裏に近い席などで何度か見たのですが)。また、後ろにまわることで、先発時より球速がアップすることも考えられます。もちろん、先発の柱として活躍してほしい気持ちもありますが、現在の横浜の先発・リリーフのバランスを考えた時に、一つの策として挙げました。

三嶋に関しても、一昨年の開幕戦、神宮球場での初回炎上を現場で見た身としては、リリーフでの「登板直後、四球連発」という姿も想像できます(^_^)。
ただ、二軍でも好成績を挙げているとは言えない現状、求められる役割を変えることで、「一軍レベルでバッターを抑えるには」という部分を改めて考える機会になればとも思います。

最終的には、ソフトバンクのように、各投手の登板数を調整しながらブルペン陣を起用していくのが理想ですが、まずは、考え得る可能性を一つ一つ試していって、強固なブルペン陣を作り上げていってほしいですね。
by momiageyokohama | 2016-08-09 02:37 | 横浜ベイスターズ | Comments(3)

「読んだ方が野球をより好きになる記事」をという思いで、21年目に突入。横浜ファンですが、野球ファンの方ならどなたでも。時折、ボクシング等の記事も書きます。/お笑い・音楽関連の記事はこちら→http://agemomi2.exblog.jp/


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