「野球解説」の捉え方
2016年 04月 12日
それをもたらした大きな要因が、ロペスの「3番」から「5番」への打順変更でした。
ラミレス監督は当初、2番に梶谷を入れ、「梶谷→ロペス→筒香」と、ヤクルトのように、2・3・4番にチームの一番強い打者を持ってくるという狙いがあったかと思いますが、梶谷の故障離脱により、その構想は開幕前から崩れてしまいます。
加えて、ロペスに代わって5番に入ったロマックはからっきし打てず。さらには、ロペス自身も打率1割台と不振をかこい、「3番・ロペス」が打線がつながらない一番の要因では、という声が、ファンのなかからもありました。
そんなロペスを、開幕14試合目にして5番にした途端、いきなり3本塁打の大爆発。
そのことについて、『プロ野球ニュース』で、高木豊氏が下記のような分析をしていました。
「もともと、ロペスは早打ちのバッター。しかし、その前の2番を打つ荒波も早打ちのバッターのため、ロペスとしては、多少ボールを見ざるを得ず、そのことが調子が上がらない原因だったのでは。一方、相手投手は(4番を打つ)筒香に対して、警戒心もあり、多くの球数を使う。そうして神経を使った次の打者へは、若いカウントでも比較的甘い球が来やすい。それが今回、ロペスの早打ちのスタイルと合ったのではないか」
なんとなく感覚的に「3番・ロペス」より「5番・ロペス」の方がいいのでは、という思いはありましたが、改めてこう分析されると、なるほどなと思いました。
結果論や、そこで起きたことだけに対しての解説に終始する解説者も散見されるなか、高木氏の解説は、野球の「見方」を教えてくれるものが多く、その発言が信頼できる解説者の一人でもあります。
一方、ロペスが大爆発した日の前日の、横浜DeNAが負けた試合を振り返った『プロ野球ニュース』にて。
負けているにもかかわらず、ベンチで笑顔で談笑している選手、また、ベンチにふんぞり返っている(ように見える)選手の姿を見て、高木氏は「負けているチームの姿勢としては、おかしいのではないか」と指摘していました。
確かに、チームの負けが続いているなか、「負けているのにヘラヘラしている。そんな姿勢が、チームが勝てない要因となっているのではないか」という見方は、あると思います。
ただ、「負けてるのに、選手がベンチで笑っている」=「勝つ意識が足りない」と決めつけるのは、必ずしも、チーム内の実際の姿をとらえているとは限りません。
さきの映像で映されていたのは、移籍してきた藤岡が、登板を終えた後、おそらくコーチと話している場面だったのですが、もしかしたら、移籍したての藤岡をリラックスさせるためコーチが冗談を言った、というようなことも考えられます。
映像の「切り取り方」というのは、制作をする人ががいかようにでもできますし、ましてやダイジェストの場合、かなり編集側の意図した形での映像設定が可能だと思います。
もちろん、さきの高木氏のコメントは、今回、切り取られた場面だけではなく、試合中のベンチ全体の様子をずっと見たうえでのものだったのかもしれません。
ただ、解説者の「試合中、笑っているようだから、勝てないんだ」といったようなコメントを、ファンがそのまま受け取り、「今の横浜が弱いのは、勝つ気持ちが足りないからだ!」と短絡的に決めつけてしまうのも危険だな、と感じました。
(このブログで何度か書いていますが、スポーツにおいては、「気持ち」も大事ですが、それ以上に「技術」の大事さを軽視してはいけないと思います)
なお、その高木氏に「感動した」と言わしめたのが、土曜日の阪神vs広島戦、9回、「抜かれた」と思われた大飛球を、背走しながら掴み取った阪神・江越のプレー。
真後ろの打球への対応という難しさに加え、「やられた!」と思いながら背走する心の動きも考えると、非常にいろいろなものが詰まったプレーでした(さらに言えば、横田とのレギュラー争いに一度は敗れたものの、そこから先発のチャンスを掴んだ江越の気持ち、という要素も)。
冷静かつ的確な分析が得意な解説者に、その「分析」を超えたコメントをさせるようなプレー。
今年は、どれだけ、そうしたプレーを見ることができるでしょうか。



























