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横浜DeNA 2016 開幕9試合を終えて -現実を見る-

プロ野球開幕から3カードが終了。
で、横浜DeNAは、3カードとも1勝2敗で、計3勝6敗

これまで、キャンプ終了時3月中旬開幕直前と、チーム雑感を書いてきましたが、ロマックが打てないこと、チーム全体として得点力が低いこと、そして先発と抑えをつなぐ部分が弱いことと、すべて想定内だったので、ある意味、予想どおりの状況とも言えます(できれば、この予想は外れてほしいところでしたが(^^))。

オープン戦中盤からヒットがぱったりと出なくなったロマックですが、クローズスタンスからほとんど間が無い、しかもどんなボールに対してもスイングの軌道が真ん中低めしか通らない打ち方を見る限り、現在の結果も致し方ないところかと(22打数2安打9三振)。ときたま選ぶフォアボールも、選球眼がいいことによる四球ではなく、バットが出ない(特にインコース)がゆえにフォアボールになっているだけなので、ラミレス監督が当初描いていた「70打点ぐらい挙げてくれれば…」という構想は、とても無理でしょう。
「一度、二軍で調整をして、調子を上げてくれれば…」という意見もありますが、フォーム自体に欠点があるので、二軍だからこそ来る甘いボールをホームランにすることはできても、弱点が完全にバレている一軍での活躍は、ほぼ難しいと思います(スタンスを思い切ってクエアorオープンスタンスにしてみるなど、大幅なフォーム改造をすれば一縷の望みはあるかもしれませんが)。
性格は非常にいいようで、笑顔も愛嬌がある選手ですが、残念ながら、性格のよさや愛嬌で打てるほど甘くはない世界…。

そのロマックを9試合目にしてスタメンから外したラミレス監督。
もっと早くスタメンから外すべきという意見も見られましたが、内容はともあれ、新外国人選手をある程度の期間起用し続けるのは、監督からしてみれば仕方のないところ。
当然、ロマックが打てない選手だったということの責任は、ラミレス監督にはまったく無いですし、心中では「おそらく打てないだろう…」と思っても、ある程度は起用せざるを得ないというのが、現場で指揮を預かる監督のリアルだと思います。

そのロマックの低打率もあって、9試合で23得点(1試合平均2.5点(延長戦も含まれるので、実際はもっと少ない))という、低得点力状態の横浜。
ただ、これも、開幕前からかなり予想できたところではあります。

チームが好調だった昨年前半のオーダーと比べると、梶谷石川バルディリスがいない状態。
これだけで、レギュラークラスが3人不在ということになりますが、それに加え、新外国人という特性上、打てないロマックをスタメンで使わざるを得ない。
ロペスの不振は予想外でしたが、これまでの3年間で2割3分台が最高の白崎、昨年打率.208の倉本に、不在となったレギュラー陣と同じ働きを求めるのは、ちょっと厳しいと言えるのかもしれません。
ただ、逆に言えば、こうした、まだ実績の少ない選手たちがシーズン中盤から、少なくとも、通常の主力クラス(2割8分以上)ぐらいの働きを見せてくれないと、チームが下位に低迷する可能性が高いというのも、横浜DeNAの現実。
シーズン前に「今年の横浜DeNAは『成長』を見るシーズン」と書きましたが、白崎、倉本あたりが安定して2割8分の打率を残せるようになっていく過程を見ていくことは、シーズンの一つの「楽しみ方」だと思います。

なお、少し話を戻して、現時点では、ロマック、ぺトリックと、今季獲得した外国人選手が全く戦力となっていない状況。
その責任は、当然、外国人選手を獲得した部門、そして最終決定をした人物(あるいは部門)にあります。
ただ、もう獲ってしまったものは仕方が無いというのも事実(^^)。
大事なのは、今回の獲得の失敗の原因はどこにあったかを、チームとしてきちんと把握することでしょう。
ロマックに関しては、正直、アメリカ時代の映像をいくつか見るだけでも、「同じラインでしかスイングできない」という欠点が見てとれます。さらに、ボールのコンタクト率の低さ、またサードの守備はかなり酷いというのも、ある程度の情報を入手すれば把握することができたはずです。
にもかかわらず、なぜ獲得を決断したのか。横浜のほかに阪神も獲得に乗り出していたという情報もあるので、横浜の外国人獲得部門の眼力だけがなかったというわけではないかもしれませんが、以前、外国人獲得力についての記事でも触れたように、まだ自チームによる外国人獲得ではほとんど実績の無いDeNA(その前のTBS時代も酷かったですが)。
モスコーソはさておき、昨年のビロウのような大失敗のあった投手獲得策の再考も含め、安定的に活躍する選手を獲得できるラインを早く構築してほしいところです。

最後に、ラミレス監督の采配について、少し触れたいと思います。
重盗の仕掛け、エンドランの多用など、所々で、その「色」を見せているラミレス監督。
広島3戦目での石田→長田の継投は、ちょっと高い授業料となってしまいましたが、継投は、一番、新監督が苦労する部分。
でき得るならば、山﨑康、三上のほかに、もう2人ぐらい信頼できる中継ぎがいる状況になってから、その継投の是非を論じたいところではあります(現状、上記の2人+須田以外は、1イニングすら抑えられない惨状なので)。
また、打者起用に関しては、昨日の9戦目で、白崎→山下幸、ロマック→松本、戸柱→高城と、思い切ってスタメンを3人変えてきましたが、残念ながら効果は出ず。
正直、今の横浜の厳しいところは、上記の3人のどれかが当たればという状況ではなく、その3人とも当たらないと勝負にならないという状況であるというところ(まあ、昨日は3人とも当たりませんでしたが(^^))。
個人的な印象では、山下幸はヒットこそ出ていたものの、まだ自分のバッティングが固まってのヒット連発というところまでは行っていない(昨年に比べて、随分始動が早くなった印象はありますが)。また、おそらく他の打順を動かしたくないがゆえに5番で起用された松本ですが、オープン戦の時から、気持ちが守りに入っているからか、最初から引っ張る気がないバッティングスタイルになってしまっていて、こちらも自分が主導権をもってバッティングをできている状態ではないという印象(そして今日、抹消になりましたが)。
一方、まだスタメンでの起用はありませんが、途中出場で存在感を見せている桑原、また、開幕直後の柴田・戸柱あたりは、ある程度、自分の間でバッティングができているように思いました。
なお、「3番・ロペス」は、ラミレス監督のこだわり(^^)なので、一つの策ではあると思いますが、梶谷が不在、そして主軸を期待していたロマックがこの状況であることを考えると、そろそろ軌道修正も必要かもしれません。
なお、現時点での個人的なスタメン希望は、下記のような感じ。

 1 (中) 桑 原
 2 (二) 柴 田
 3 (右) 乙 坂 (荒 波)
 4 (左) 筒 香
 5 (一) ロペス
 6 (捕) 戸 柱
 7 (三) 白 崎 (宮崎・白根)
 8 (遊) 倉 本
 9 (投)

(※乙坂・白根は、二軍から上がってくる前提(^^))

いずれにせよ、「チーム力の弱さを、うまくごまかしながら勝ち星を拾っていく」ことと、「若手選手を起用しながら成長させていく」ことの両立をしなければならない点で、現在の横浜の監督の仕事は、かなり大変だと思います。
そのなかで、決して負のスパイラル(負けが込む→急場凌ぎの策→若手の力が伸びず→チーム力が上がらず、さらに負けを続ける)に陥ることなく、持ち前のコミュニケーション力と洞察力で、横浜というチームに、チームとしての「軸」を作ってほしいところです。

その他、各打者、状況を頭に入れてのバッティング、また先日の石田の失敗に見られるようなピッチャーのバントの精度など、徹底するべき「凡事」の徹底など、課題の多い現状の横浜DeNA。
ただ、それらを「伸びしろ」ととることで(^^)、また横浜DeNAの戦いを見ていきたいと思います。

今週は、ナゴヤドームでの中日戦→浜スタでのヤクルト戦。
中日戦は、球場の広さをバッテリーがプラスにしていくような配球を。そして、すでに傾向が出ていると思われるビシエドへの攻め方を間違えないこと。
一方、浜スタでのヤクルト戦は、ある程度得点を取られることは避けられないと思うので、それに対抗できる打線のつながりをどこまで構築できるかがポイントになるでしょうか。


Commented by 大宗 at 2016-04-05 01:07 x
 こんばんは。ベイスターズのあまりの貧打に、口あんぐりの今日この頃です。

 ロマック、ついにスタメンから外されましたね(近日中にまた復帰するという噂もあるみたいですが)

 ファンとしての心理上、また現状において5番打者が埋まらなければチームの攻撃状況が非常に苦しくなるのが必然という状況上、どうしてもロマックの復活を祈ってしまいますが、主筆の見立てではやはり苦しいですか。

 ところで、もしもロマックがどうしてもダメな場合、チームとしてどうするべきとお考えになりますか?

 未知の外国人野手、あるいは日本野球経験者を新たに獲得すべきなのか、それとも現状戦力の成長に期待するか。

 メンバーを見渡してみると、どうも筒香の後を任せられるバッターというのが見当たらない気がします。ロペスならという気がしますが、そうなると3番をこなせる選手を探さなくてはなりません。うーん、そちらならなんとか見つかるでしょうか。

 それにしても、梶谷の故障がここまで大きく響いてくるとは。まだまだ戦力層が薄い事を改めて実感しています。



Commented by momiageyokohama at 2016-04-05 12:13
>大宗さん
コメント、ありがとうございます。

ご指摘のとおり、今の横浜には三番を打てる選手はいません(^_^)(打撃だけなら下園がいますが、守備が…)。
なので、そのなかでもベターな選手ということで、乙坂を入れてみました。
昨年の打撃を見た限りは、ある程度引きつけて打てる選手(厳しいコースでも逃げることができる)ということでの選択です。
新しい外国人選手については獲った方がいいとは思いますが、チーム内にまだ外国人選手を獲るノウハウが構築されていないことを考えると、主力を任せられる選手を獲得できる可能性は少ないと思いますが(タイミング的に、開幕メジャーから漏れた選手を狙ってみるというのはアリだと思いますが)。
現実的には、それぞれの選手がレベルアップをしていくしかないのではないでしょうか。

ラミレス監督には、現在好調な先発投手のモチベーションに配慮をしつつ、チーム全体に「どんなに状況が厳しくても、自分は勝利を目指しているんだ」というメッセージを伝え続けてほしいですね。

自分は、チームの「伸びしろ」に期待しています(^_^)。
Commented by momiageyokohama at 2016-04-05 18:18
上記のコメント、急いで書いたので、補足訂正を(^_^)。
乙坂の「厳しいコースでも逃げることができる」というのは、ファールで逃げられる、という意味です。
あと、外国人選手獲得に関するところ、「主力を任せられる選手を…」の最後、「思いますが」の「が」は間違えて、打ってしまいました(^_^)。
今日こそは、勝ってほしいですねえ。
by momiageyokohama | 2016-04-05 00:41 | 横浜ベイスターズ | Comments(3)

「読んだ方が野球をより好きになる記事」をという思いで、20年目に突入。横浜ファンですが、野球ファンの方ならどなたでも。時折、ボクシング等の記事も書きます。/お笑い・音楽関連の記事はこちら→http://agemomi2.exblog.jp/


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