プロ野球 各球団の外国人選手獲得力は?(セ・リーグ編)
2016年 02月 17日
その鍵を握るのは、先日の「キャンプ~オープン戦のチェックポイント」でも書きましたが、新外国人選手ではないでしょうか。
ということで、今回は、2011~2015年の外国人選手の成績がどうだったかを振り返ることで、各球団の、外国人選手獲得力を見ていきたいと思います。
5年という対象期間は、10年ぐらいまで伸ばしてしまうと、獲得における体制変更などもあるかと思うので、5年ぐらいが現状をはかるには適当かなということでの長さです。
なお、各選手については、そのシーズンの成績に応じて、A~Eに分類をしました。
また、それぞれA~Eに得点をつけ、その合計点を、チームの獲得力と考えました。
【A】 リーグでもトップクラスの成績 (4点)
(タイトル獲得、およびそれに準ずるような成績)
【B】 合格点を与えられる成績 (3点)
(打率3割前後・本塁打30本前後・防御率3点以内・投球回180イニング以上etcの要素を、1~2点以上クリアしている)
【C】 及第点の成績 (2点)
(規定打席・規定投球回到達、または到達していないもののほぼ主力として活躍。または、活躍期間は短いがインパクトのある活躍をした選手)
【D】 戦力として物足りない成績 (1点)
(主力として活躍できなかった選手。なお、短期間活躍したものの出場試合数が少ない選手もここに含む)
【E】 全く活躍できず (0点)
(外国人枠の関係、育成の目的で獲得のため、一軍出場が限られた選手も、ここに含む)
なお、複数年在籍している選手は、その年ごとに、2013年…A、2014年…B、2015年…C、とカウントします。
(外国人選手の場合、獲得力に加え、いい選手をどれだけ長く在籍させることができるか、という部分も大事になってくるので)
その他の表示については、下記のとおり。
・チームの計○点は、野手と投手の合計点
・「野手…20/15」の表示は、野手が20点で、うち最初から自チームで獲得した選手(他のNPBから獲得した選手を除く)が15点という意味
・選手名の右の数字は、在籍シーズン(ex. 2015年の場合、(15)と表示)
・選手名の太字は、その年に入団した選手
・下線は、他のNPBの球団から移籍してきた選手
・※がついている選手は、以前、同球団に在籍していて、その年に復帰してきた選手(ただし、最初のNPB在籍球団でない場合は、対象外)
・FA権取得により外国人枠を外れた選手も、リストに含める
・そのシーズンに、一軍で出場した選手が対象(二軍のみ出場の選手は含めない)
今回は、まずセ・リーグ編。
合計点が高かったチーム順に、紹介します。
1位 阪神
(計56点、野手…22/19、投手…34/25)
〔野手〕
【A】 マートン(14)
【B】 マートン(11)、マートン(13)、ゴメス(14)
【C】 ブラゼル(11)、マートン(12)、マートン(15)、ゴメス(15)
【D】 ブラゼル(12)
【E】 コンラッド(13)、ペレス(15)
〔投手〕
【A】 メッセンジャー(13)、メッセンジャー(14)、呉昇桓(14)
【B】 メッセンジャー(11)、メッセンジャー(12)、スタンリッジ(11)、スタンリッジ(12)、スタンリッジ(13)、メッセンジャー(15)、呉昇桓(15)
【C】 -
【D】 ボイヤー(13)
【E】 鄭凱文(11)、鄭凱文(12)、ザラテ(12)、ザラテ(13)、サンティアゴ(15)
飛びぬけて外国人選手獲得力が高い、という印象は無いのだが、マートン、メッセンジャー、スタンリッジなど活躍した選手の在籍年数が長いこともあり、この計算方法では1位となった。
この計算期間よりは少し前になるが、ブラゼル、アリアス、シーツなど、他球団から獲得した選手が比較的長く在籍するのも、この球団の特徴。ある程度の金額を出せるという側面もあるだろうが、外国人選手にとって居心地のいい球団なのかもしれない。
マートン、呉昇桓が抜けた2016年は、再び、外国人獲得力が問われるシーズンとなる。
2位 広島
(計53点、野手…16/16、投手…37/37)
〔野手〕
【A】 エルドレッド(14)
【B】 -
【C】 キラ(13)、ロサリオ(14)
【D】 バーデン(11)、エルドレッド(12)、ニック(12)、ルイス(13)、エルドレッド(13)、キラ(14)、エルドレッド(15)、シアーホルツ(15)
【E】 トレーシー(11)、バーデン(12)、ニック(13)、ロサリオ(15)、グスマン(15)
〔投手〕
【A】 バリントン(11)、サファテ(11)、ミコライオ(13)、ジョンソン(15)
【B】 ミコライオ(12)、バリントン(13)、ミコライオ(14)
【C】 バリントン(12)、サファテ(12)、バリントン(14)、ヒース(15)
【D】 シュルツ(11)、ジオ(11)、ヒース(14)、ザガースキー(15)
【E】 ソリアーノ(11)、ソコロビッチ(13)、フィリップス(14)
「自球団による獲得」という縛りをつけた場合は、ポイントは1位だった。
バリントン、サファテ、ミコライオ、ジョンソンと、コンスタントに、活躍できる外国人投手を獲得できているのは、獲得における基準が確立されている証。先発、リリーフ、両方でよい選手を獲得できていることも、特筆すべき事項。
ただし、投手獲得力がすぐれている一方で、野手の獲得には苦しんでいる。2016年は、珍しく他球団からルナを獲得したが、主軸を打つ打者に悩んでいるチームだけに、野手獲得の精度を上げることが、チームにとっても重要課題。
3位 ヤクルト
(計50点、野手…18/18、投手…32/32)
〔野手〕
【A】 バレンティン(13)
【B】 ミレッジ(12)、バレンティン(12)、バレンティン(14)
【C】 バレンティン(11)
【D】 ホワイトセル(11)、ミレッジ(13)、デニング(15)
【E】 ガイエル(11)、ミレッジ(14)、ミレッジ(15)、バレンティン(15)
〔投手〕
【A】 林昌勇(11)、バーネット(12)、オンドルセク(15)、バーネット(15)
【B】 バーネット(11)、ロマン(12)、ロマン(15)
【C】 バーネット(14)
【D】 ロマン(13)、バーネット(13)、ナーブソン(14)、カーペンター(14)、ロマン(14)
【E】 林昌勇(12)、ラルー(13)
昔から、外国人選手獲得力には定評のあるヤクルト。バレンティンという大当たりはあったが、ここ最近は、どちらかというと、投手の獲得の方で成果を挙げていると言えるか。
6年間在籍したバーネットが抜けただけに、2016年含め、今後も、外国人投手の成功度が、チームのカギを握るといってもいいだろう。
なお、過去に、活躍した選手を他球団(具体的には、ほとんど巨人だが)に獲得されたケースが幾度となくあるチームだけに、バレンティン・ミレッジとの大型契約など、流出阻止に苦心している様子も垣間見られる。
4位 巨人
(計42点、野手…13/11、投手…29/22)
〔野手〕
【A】 -
【B】 ロペス(13)、
【C】 ラミレス(11)、ロペス(14)、アンダーソン(14)
【D】 ボウカー(12)、エドガー※(12)、ボウカー(13)、アンダーソン(15)
【E】 フィールズ(11)、ライアル(11)、セペダ(14)、セペダ(15)、カステヤーノス(15)、フランシスコ(15)
〔投手〕
【A】 マシソン(13)、マイコラス(15)
【B】 ホールトン(12)、マシソン(12)
【C】 アルバラデホ(11)、ロメロ(11)、ホールトン(13)、マシソン(14)、ポレダ(15)、マシソン(15)
【D】 ゴンザレス(11)、ゴンザレス(12)、セドン(14)
【E】 グライシンガー(11)、トーレス(11)、ロメロ(12)、アコスタ(13)、メンドーサ(15)
以前は、他球団で活躍した外国人選手を獲得するという形が目立ったが、最近は、自チームによる有望な外国人獲得の方向に向かっているように見える。2015年は、ともすると、下位に落ちる可能性もあったなか、マイコラス、ポレダという新戦力が、その危機を救った。
ただし、野手の獲得力の低さは、相変わらず。2015年はその象徴とも言える年となったが、ロペスを除くと、一年を通じて戦力となる外国人野手を、しばらく獲得できていない。
現状、主力野手と若手野手との力の開きが、まだ結構あると思われるなか、外国人野手獲得策の、抜本的な見直しが必要かもしれない。
5位 中日
(計38点、野手…16/16、投手…22/22)
〔野手〕
【A】 -
【B】 ルナ(13)、ルナ(14)
【C】 クラーク(13)、ルナ(15)、エルナンデス(15)
【D】 ブランコ(11)、ブランコ(12)、エルナンデス(14)、ナニータ(15)
【E】 グスマン(11)、カラスコ(11)、ディアス(12)、ゴメス(14)
〔投手〕
【A】 ソーサ(12)
【B】 ネルソン(11)
【C】 チェン(11)、ソト(11)、マドリガル(13)、カブレラ(13)、バルデス(15)
【D】 ソト(12)、ブラッドリー(13)、パヤノ※(14)、カブレラ(14)、ネイラー(15)
【E】 ネルソン(12)
獲得した選手のほとんどが、ドミニカ共和国出身。首脳陣が実際に現地で見てスカウトしてくる方針がクローズアップされたこともあったが、ここ最近の選手の顔ぶれを見ると、必ずしも戦力強化につながっているとは言えない感がある。
以前、何人かの選手が在籍していた、韓国からのルートも、最近は無し。
チームの軸であるショートを外国人選手が守り、一方で、ホームランを打てる外国人野手がスタメンにいないというここ数年のラインアップには、少し違和感も感じる。
今季の結果次第では、獲得方針の見直しをしてもよいのでは。
6位 DeNA(横浜)
(計35点、野手…22/6、投手…13/7)
〔野手〕
【A】 ブランコ(13)
【B】 ラミレス(12)、モーガン(13)、ロペス(15)
【C】 グリエル(14)、バルディリス(14)、バルディリス(15)
【D】 ハーパー(11)、スレッジ(11)、ブランコ(14)
【E】 ルイーズ(12)、サラサー(12)、ラミレス(13)
〔投手〕
【A】 ソーサ(13)
【B】 モスコーソ(14)
【C】 エレラ(15)
【D】 ブランドン(11)、ソーサ(14)、ソト(14)、モスコーソ(15)
【E】 リーチ(11)、ハミルトン(11)、ゴンザレス(11)、ブランドン(12)、ジオ(12)、ハミルトン(12)、王溢正(12)、クレイマー(12)、ソト(13)、コーコラン(13)、鄭凱文(13)、陳冠宇(14)、ビロウ(15)
11年までは、TBSがチームを保有。翌12年からはDeNAによる体制となったが、まだ前球団下の影響が残っていたと思われるので、新球団としての獲得力は、13年からを対象とすべきか(11~12年の在籍選手を見ると、改めて、獲得における付け焼刃ぶりがわかる)。
ただ、それを差し引いても、ここ5年で自チームで見つけて獲得したといえるのは、野手ではモーガン、投手ではモスコーソ、エレラのみ(しかも、モーガンは1年で退団)。
現在は、圧倒的に「他球団からの選手獲得」方針が目立っている状態だが、今後、本当の意味でのチーム力をつけるために、どこまで自力での外国人選手獲得力向上に、力を入れる腹積もりがあるか。
なお、広島のところで少し触れましたが、自チームよる選手獲得に絞ると、点数は以下のとおり。
1位 広島 53点
2位 ヤクルト 50点
3位 阪神 44点
4位 中日 38点
5位 巨人 33点
6位 DeNA 13点
6球団のうち、広島、ヤクルト、中日は、ほぼ自チームによる新規開拓で、外国人選手を獲得しています。
次回は、パ・リーグについて、見ていきます。



























