キャンプ~オープン戦でのチェックポイント
2016年 02月 08日
今年は、時間の都合がつきそうなこともあり、久々にキャンプに行こうかなとも思ったのですが、いろいろなことを考えて見送ることに(^^)。
ということで、テレビ画面上でしかチェックができないのですが、この開幕までの2ヶ月弱、どのあたりをポイントに見たらいいのか、個人的に重視するポイントを書いていきたいと思います。
1. 新外国人
キャンプからオープン戦での、一番の見るポイントとなると、やはり新外国人選手。
特に、今季は、セ・リーグの6球団、そしソフトバンクをのぞくパ・リーグの5球団は、かなりの競り合いになると思われ、その意味でも、新外国人選手の成績が順位に大きく影響を与えるといえるでしょう。
ちなみに、外国人野手の動向を伝える際によく用いられるのが、「柵越え○本」という数字。しかし、打ちやすいボールを打ってのこの数字は、選手の力量をはかるのにほとんど意味が無いものだと考えています。
個人的に、新加入の外国人選手を見る際にポイントとしているのは、「外角低めへのボールになるスライダー、フォークへの対応」と「ヒットゾーンの広さ」。
前者は、実戦にならないと見えてきませんが、このボールを振らない場合は◎、手は出すもののスライダー系を拾える技術を持っている場合は○、ヒットゾーンには運べないもののバットに当てることができれば△(あわよくばファールで逃げることができる)、全く当たらない場合は×、と考えます。
また、「ヒットゾーンの広さ」ですが、打撃練習などでヒットにしているゾーンが、限られた範囲だけでないか(真ん中低めしか、いい当たりにならないetc)、そのバットの軌道も見ながら、その力量を測るようにしています。
実際、キャンプを見に行った際に象徴的だったのが、3年前の中日のルナとクラーク。フリーバッティングの際、ルナがコースに逆らわず、広角に強い打球を打ち分けていたのに対し、クラークは、時折フェンス付近まで飛ばすものの、打てるゾーンがかなり限られている印象を受けました(結果、ルナは毎年3割近くをマークし、今年でNPB 4年目。一方のクラークは、.238・25本塁打で一年で中日を去ることに)。
ただし、1点注意すべきなのは、チームによって「打率2割4分・ホームラン30本」の選手の意味合いが変わるということ。クリーンアップでこの数字の場合は「主力野手として物足らない」という評価になりますが、こうした選手を下位におけるチーム(ex. 日本ハムのレアード)の場合は、「確率は低いが意外性のあるバッター」という評価になったりします。
また、あまり無いケースですが、明らかに打てない要素があるため、一度、二軍で調整し、シーズンしばらくして一軍で成績を残し始めるケース(ex. DeNAのモーガン、昔のロッテのボーリックetc)もあるので、そのあたり、首脳陣の、可能性ある選手かどうかを「見極める眼」も大事になってくるでしょう。
一方の投手。リリーフ系の場合は、1. ストレートの威力、2. ストレートのコントロール、3. 武器となる変化球の存在、先発の場合は、1. 外角低めへの制球力、2. 直球系のボールが打ちづらいか(速さはなくても、汚いボールなら可)、3. 使える変化球が2種類以上あるか、といったところが、活躍できる選手かどうかの基準だと考えています。
2. 新人
キャンプで大きな話題となるのが、新人の存在。今年の場合は、楽天のオコエとロッテの平沢の露出が目立っています。
ただ、新人が取り上げられるのは、一番には、話題性があるから。必ずしも、その実力と露出度が比するわけではありません。
実際に、戦力として1年目から一軍に残る可能性は、その扱いからすると少ないととらえるべきでしょう(「当たり年」と言われる年に関しては、高確率で一軍に残るケースもありますが)。
なお、昨年の新人81名(その他、育成選手指名は22名)で、開幕からほぼフルシーズン一軍に出場し、及第点以上の成績を残したのは、山﨑康(DeNA)、高木勇・戸根(巨人)の3人ぐらい。また、一軍合流は5月からでしたが、有原(日本ハム)もその後、主力としての働きを見せました。
その他、課題は残ったものの、ほぼ一軍に帯同したのが、中村(ロッテ)、倉本(DeNA)あたり。
次いで、シーズンの一時期活躍した選手として、高橋光(西武)、西野(オリックス)、淺間(日本ハム)、江越(阪神)、小田(オリックス)、福田(楽天)、遠藤(中日)、石田(DeNA)といった名前が挙がるでしょうか。
上記のメンバーを見ると、高卒新人で活躍したのは、高橋光・淺間ぐらい。1年目から戦力となる可能性が高いのは、大学・社会人出身の投手、ということがうかがえます。
評価の高かった大学・社会人投手を1位・2位指名した、広島(岡田・横山)、DeNA(今永・熊原)あたり、シーズンに入って、こうした新人投手の活躍は見られるでしょうか。
3. 伸びてきてほしい選手の存在
開幕前のこの時期、各球団には、必ず「伸びてきてほしい」選手が幾人かいます。
「この選手がレギュラーあるいは、主力投手として定着してくれたら」「まだ一軍での実績は無いが、幾年かをかけてチームを代表するような選手に育ってくれれば」ともいうべき存在。こうした選手が、キャンプからオープン戦にかけて、期待に応えるような伸びを見せてくれるか。それは、プロ野球を見る、大きな楽しみの一つとも言えるでしょう。
なお、チームによって、そうした選手のポジション・年齢は異なります。
例えば、阪神・横田、巨人・岡本のような、数年かけて、チームの主軸に育っていってほしい選手。広島・鈴木誠、阪神・江越のような、レギュラーを掴むところまでいってほしい選手。中日・高橋周、DeNA・三嶋、ソフトバンク・東浜のように、「そろそろ、本当に主力になってくれないと」という選手。
こうした選手たちが、期待どおりの飛躍を見せてくれる可能性というのは、実は決して高くはないのですが、そのなかで、日本ハムは、そうした若手野手の順調な伸びが見られるチームだと感じます(先発投手に関しては、若干苦労していますが)。
また、オープン戦ではよかったものの、いざシーズンに入ると、結果を残せないというケースもあります。
その意味では、成績だけでなく、本人のなかに、「○○○ができているから、結果が残せている」という確固としたものがあるか、もしくは、コーチ陣が「よくなったポイント」を本人に明確に説明できるかどうか、ということも重要かもしれません。
4. ブルペンでの投球
ここまで、選手自体のことにスポットを当ててきましたが、では、練習などで、どの点に注目して見るか。
投手において、その大きなヒントをくれるのが、やはりブルペンでしょう。
テレビ画面では、なかなか実際のボールの良し悪しはわかりづらいですが、それでも、ボールの球筋を見せてくれる映像などに、そのヒントが含まれていることもあります。
個人的にポイントとして見ているのは、まずボールの「本当の速さ」。
近年では、ほとんどの投手は140~150kmを投げるので、ボールのスピード的には大差がないようにも思われがちですが、よくよく見ると、同じ140km台のボールでも、「見えるボール」と「見えないボール」の違いがあります。
文字で表すのは非常に難しいのですが、140kmを投げていても、球の軌道を追えるピッチャーと、投げてからほとんど見えずにキャッチャーミットに収まるピッチャーとがいます。
おそらく、それはボールの回転数の違いだったり、初速と終速の差だったりするのでしょうが、スピードガンの速さとは別に確実に存在する、ストレートの「本当の速さ」。
テレビ画面上で、これを判断するのは、かなり難しいのですが、一つのヒントとしては、キャッチャーの捕り方があるでしょう。
ボールを受けている捕手陣は、かなりの確率で「ナイスボール!」と言いますが、実際にミットで捕った際、「パスッ」と手ごたえの無い音がしていたり、ある程度、ミットを自由に動かして捕れるようなボールの場合、あまり威力のないボールである可能性があります(もちろん、キャッチャーによって、捕り方やミット音がそれぞれ違う場合もあるとは思いますが)。
また、一番わかりやすいのは、キャッチャー(あるいはバッター)目線からの映像。ピッチャーが投げてからほとんど球速が落ちることなく来るボールなのか、それとも、ある程度眼で追えるボールかの差は、結構如実にわかります。
なお、変化球については、なかなか、横からの映像(視点)でその良し悪しを判断するのは難しいですが、強いて言えば、どれだけバッターの近くで曲がっているかが、使えるボールかどうかを見極めるポイントでしょうか。
あとは、キャンプ中継で、フォームのスロー映像が出る場合などは、コントロールを乱す要素がフォームのなかに含まれていないか、をチェックするのも面白いかもしれません。
5. 打撃練習
第2クールの段階では、まだ打撃投手相手のフリーバッティングが多いかと思いますが、この打撃練習も、じっくり見ていると、そのバッターの現在の状態がわかったりします。
大事なのは、「主導権を持ったバッティングができているかどうか」。
基本、フリーバッティングは、打たせること前提で投げているわけで、ここである程度、意志をもってヒットゾーンに飛ばせていなければ、試合で結果を出すことも難しいと思われます。
注意すべきは、広角に打っているから、自分の主導権でバッティングができているというわけではないということ。一見、うまく流して打っているように見えても、タイミングがズレたところ、たまたま反応で右方向に打球が飛んだだけ、というケースもあります。
逆に、基本、引っ張りの打球ばかりだとしても、自分のヒッティングゾーンに引き込んで打てている場合は、自分のバッティングができている状態と言えるでしょう。
この打撃練習に関しては、成績を残し続けている主力選手よりも、一軍・二軍のボーダーラインにいる選手、また、主力野手ではあるものの、近年成績が出ていない選手のバッティング練習の方が、見るべきポイントがたくさんあり、面白かったりします。
6. ポジション争い
キャンプも、実戦練習が多くなると、シーズンに向けたポジション争いの動向も見えやすくなり、今季、どのような布陣になるか、いろいろ想像を巡らせることになります。
特に、新戦力や、準レギュラーからレギュラーを目指そうかという選手、またコンバートをされた選手の存在は注目したくなるポイントです。
自分がファンであるDeNAの場合、センターにコンバートされた梶谷の守備の具合、それに伴うライトのポジション争い(荒波、関根、乙坂、桑原、松本etc)、さらにはキャッチャー、ショートの争いなどが見所となります。
なお、選手によっては、試合によって異なるポジションを守る選手もいるので、このあたりは、実際に映像を見られなくても、試合のメンバー表などを確認して、監督・コーチが、どのような構想を考えているのかを読み取ったりします。
また、DeNAの他、興味深いポジション争いとしては、ソフトバンクのライト、日本ハムのライト、楽天の外野陣、阪神のセカンド、中日のサードあたりでしょうか。
7. 投手起用
オープン戦前半から中盤での投手起用は、調整段階の投手も多いため、その投げる順番がシーズンとは直結しません。
ただ、新戦力や、これまで一軍実績が無い投手に関しては、その適性を見るため、ある程度、意図をもってのイニング数・各場面での起用となるでしょう。
オープン戦も、中盤を過ぎてくると、実際にシーズン中の中継ぎ・抑え起用を見据えた登板、また、4~6番手の先発投手絞り込みに入ってきます。
バーネットが抜けたブルペン陣のやりくりを考えなければいけないヤクルトの高津コーチなどは、「ストッパーを誰にするか(オンドルセク・ルーキ・ペレス・秋吉)は、最後まで決まらないだろう」といったコメントを出しているので、そのあたり、オープン戦は非常に大事な判断の場となるでしょう。
8. 最後の詰め
今季のプロ野球開幕は、3月25日(金)(なお、二軍の開幕は、イースタンが3/12、ウエスタンが3/15)。
その頃は、故障や調整遅れ等で、何人か開幕に間に合わない選手も出てくるでしょう。
一方で、キャンプは二軍スタートも、故障がなんとか治り、開幕に間に合うかもしれない、という選手もいます(今年で言えば、微妙なラインなのが、楽天の今江)。
さらには、あまりあることではありませんが、昨年のDeNA・山﨑康のように、開幕直前になって起用法が確定するケースもあります。
このように、キャンプから2ヶ月あまりかけても、開幕陣容が完全に決まるまでは、予断を許しません。
ファンの立場からすると、いざ発表された開幕の一軍メンバーを見て、主力選手の名前よりも、昨年は名前が無かった選手の名前を見て、「いよいよ今年のシーズンが始まるぞ」という思いが強くなったりもします。
果たして、今年の開幕スタメンは、どのような9人(10人)が名を連ねるのか。そして、シーズンが終わったとき、各球団はどの順位となっているのか。
そこに向けての地固めとなる2ヶ月を、期待感を持って見ていきたいと思います。



























