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歴代最強投手 追記

前回、「歴代最強投手ベスト10」についての記事を書きましたが、今回はその補足を。

選考の対象とした1982年から現在までで活躍した投手のなかで、今回選ばなかったものの、ネームバリューからすると、ベスト10に入いってもおかしくないピッチャーが何人かいます。
その一人は野茂英雄。ルーキーの年から4年連続最多勝(18勝・17勝・18勝・17勝)。日本人選手がMLBへ移籍することができる道筋を作った選手ともいえ(それ以前に、村上雅則氏という前例はあったものの、実質的にMLBへの道筋を作ったのは野茂と言えるでしょう)、野球界にとって非常に大きい功績を残した投手でもあります。
もう一人は、松坂大輔。こちらも、ルーキーから3年連続最多勝。春夏全国制覇を果たした高校時代の投げっぷりから始まり、150km前後のストレートと鋭く曲がり落ちるスライダーでバッターを次々と打ち取っていくピッチングは、ペナントだけでなく国際試合でもたびたび披露されました。
ただ、今回、両投手をベスト10に選ばなかったのは、不調時の制球力の悪さ。野茂の場合、四球の数もルーキーの年から4年連続リーグ最多。そのこともあり、日米通じて防御率が2.50以下だったことは一度もなく、二桁敗戦も9度記録しています。松坂も、決して制球がいい投手とは言えず、カウント2-3にすることも多く、抑えている割には球数が多いピッチャーでもありました。
もちろん、そうした“荒々しい”ピッチングをその投手の“魅力”ととることもできるのですが、四球でランナーを出すことの多い投手のため、「相手チームにとっては攻略のチャンスがないわけではない」ということで、今回の「最強投手」では選外としました。

なお、その他、今回、ベスト10に入れようか迷った“次点”投手も何人か紹介しようと思います。

ジェフ・ウィリアムス (阪神)
藤川・久保田とともに、“JFK”の一翼を担った、左の剛腕サイドスロー。
150kmを超えることもあるストレートに加え、左バッターの背中から曲がってくるスライダーはまるでテレビゲームのようでした。正直、「とても打てない…」と思って打席に入る左打者も少なくなかったのではないでしょうか。阪神の左サイドスローの中継ぎというと、田村・遠山といったところも思い浮かびますが、これらの投手の活躍期間が短かったのに対し、ウィリアムスは計7年にわたって阪神のブルペンを支え続けました。なお、今回、選外にしたのは、ドーピングに関する疑惑が晴れなかったためです。

郭泰源 (西武)
「オリエンタル・エクスプレス」とも呼ばれた、西武黄金時代の快速右腕。通算117勝は、NPBでの外国人投手最多勝利。この投手も150kmに届くこともあるストレートと、高速スライダーが武器のピッチャーでしたが、そうしたボールのキレに加え、コントロールも非常に良い投手でした。好調時には、外角低めのボールの出し入れだけでバッターを抑えることも。そうした制球力の良さもあり、二桁勝利を挙げた6度のうち、負けが二桁となったのは一度のみ。また、主力として先発ローテを担った85年・87~95年のうち、負け越した年は一度もありません。選外としたのは、故障により、シーズン中にたびたび離脱することが多い投手であったため。

大野豊(広島)
通算防御率は2.90。この数字はNPB歴代(投球回2000イニング以上)では30位の数字ですが、1970年以降に入団した投手では、斎藤雅樹に継ぐ2位の数字です。41歳にして最優秀防御率を獲得するなど、年齢を重ねても、素晴らしいボールを投げ続けた投手でもあります。躍動感溢れるフォームから、キレのある快速球と多彩な変化球を投げ込む姿は、広島ファンだけでなく、多くのプロ野球ファンの記憶に残っているのではないでしょうか。ただ、その姿は“最強投手”というよりも、投げっぷりが“格好いい投手”という印象が強く、今回のベスト10では選外としました。

なお、今回、最強投手として選ぶにあたってポイントとして挙げたのは、「“これは攻略できない”と思わせる投手」だったのですが、そうしたポイントとは全く違う観点で、ふと頭に浮かんだ投手が一人いました。

その投手は、川井貴志
2015年は、プロ野球界を代表するような選手が数多く引退した年でもありました。そんななか、この川井投手も39歳、プロ入り17年目のシーズンを迎えた年でした。ロッテ時代の2002~2004年には、中継ぎの主力として50試合前後の登板をしますが、その後は登板数が減少。2006年の楽天移籍後も、1シーズンでの登板数は最大で17。ここ4年間は登板数一桁に留まり、2015年もわずか5試合の登板に終わりました。
しかし、2016年も現役を続行することに。川井より年齢が上の選手は、NPBではもう8人ほどしかいません(三浦・岩瀬・レイ・井口・黒田・倉・松井稼・福浦)。
通算では300試合以上に登板している投手ではありますが、ここ数年の実績を見ると、“驚異的な粘り”とも言えるプロ野球人生を歩んでいるようにも見える川井投手。
こうしたところがプロ野球の一種の“面白さ”でもあると思うのですが、ある意味“最強投手”だなと思い、最後に挙げてみました。

by momiageyokohama | 2016-01-26 23:43 | 野球(全般) | Comments(0)

「読んだ方が野球をより好きになる記事」をという思いで、20年目に突入。横浜ファンですが、野球ファンの方ならどなたでも。時折、ボクシング等の記事も書きます。/お笑い・音楽関連の記事はこちら→http://agemomi2.exblog.jp/


by もみあげ魔神
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