プロ野球 各球団の「思ったよりも」 -パ・リーグ編-
2013年 04月 27日
両軍ともベンチ入り野手を全員使い果たした5時間ゲーム。
8対7という、野球で一番面白いと言われるスコアのとおり、二転三転の非常に見がいのある試合でしたが、さすがに疲れました(^^)。
しかも延長11回には、オーロラビジョンが故障で、表示の無いまま、試合が進行。
試合開始からメンバーや打順が大幅に変わっていたこともあり、最後の方は、スマホでYahoo!の速報を見て次の打者が誰かをチェックしながら、試合を見ていました。
さて、開幕から1ヶ月が経ちましたが、各チーム、開幕前の予想とは違っている部分もあり。そんな予想通り行かないところが、ペナントの面白さでもあります。
ということで、今回は、そういった、開幕に比べて「思ったよりもプラスだった部分」、あるいは「思ったよりも、マイナスの状況になっている部分」をチーム別に拾っていきたいと思います。
まずはパ・リーグ編。
全体的な順位について言えば、西武のここまでの好調は予想外(4月26日現在、16勝8敗、2位に3.5ゲーム差)でした。
ただ、その他の5チームは、2ゲーム差の間にひしめきあい、予想通りの混戦状態。
西武の現在の強さも、このまま続くほど盤石とは思えず、今年も時期ごとに好調・不調のチームが入れ替わるペナントになりそうですね。
(チーム名の右の数字はチーム成績。数字は4月26日現在。また、◎○△×で、プラス→マイナスの状況を表してみました)
〔埼玉西武〕 16勝8敗
◎ 「思った以上に、金子がいい」
ルーキーながらオープン戦からスタメンで出場していた金子。その勢いのまま「開幕・一番」とは行かなかったものの、ペナントでもスタメンに名を連ね、さらにここまで打率.314、11打点と、予想を遥かに上回る活躍を見せています。さらに、4月中旬からは、永江に替わって本来の内野手で出場。西武好調の一番の原因といってもいい選手だと思います。
◎ 「思った以上に、先発陣が安定している」
岸・菊池・十亀・牧田・野上・涌井。この6人が4度ずつ登板。その間、5回までに先発がマウンドを降りたのは一度のみ。「6回で自責点3点以内」が基準のQS(クオリティ・スタート)をクリアした割合が、全体の75%と、かなり高い安定度を誇っています。昨年は規定投球回をクリアしたのが牧田と岸のみだったので、ここまでは昨年とは雲泥の差と言ってよいでしょう。
○ 「思ったよりも、片岡が元気」
西武好調の象徴として金子を取り上げましたが、ここ2年間、大幅に出場数が減少した片岡が復活してきたことも大きいと思います。ここまで全試合、一番で出場。打率は.239にとどまっていますが、四球などで出塁することも多く、秋山に次ぐチーム2位の17得点。守備でも片岡が入ることで締まる部分があるので、このまま故障なくシーズン通して活躍していってほしいところです。
△ 「思ったよりも、大石がストッパーとして試される場面が少ない」
当初、抑えに想定していたサファテがオープン戦で不安定だったため、半ば押し出されるような形でストッパーとなった大石。ただ、チーム全体が好調なこともあり、ここまではシビアな場面での登板は数えるほどです。成績自体は、9試合で4セーブ、防御率4.00。ストッパーとしてはまだまだ物足りない数字で、この部分は、今後、西武が優勝を争っていくなかでは、再考していく必要がありそうです。
〔千葉ロッテ〕 12勝11敗
△ 「思ったよりも、キャッチャーを変えながら起用している」
里崎の故障で、捕手層がかなり薄い状態での開幕となったロッテ。オープン戦では結構、江村を使っていたので、しばらくは江村に託すぐらいの覚悟で行くのかと思ったのですが、開幕戦のスタメンマスクは金澤。その後は、開幕直前のトレードで加入した川本と併用。最近は江村が先発マスクをかぶることもありますが、里崎が戻ってくるまでは、この3人を状況に応じて使っていく形で行きそうです。
△ 「思ったよりも、ピッチャーを何とかやりくりしている」
今年も、開幕から唐川が故障。さらにグライシンガーも右肩痛で開幕直前に離脱。小野、薮田、内といったところも一軍におらず、かなり厳しい状態で開幕を迎えましたが、ここまではどうにかやりくりしている状況。大量失点を喫する試合もありますが、各投手、決して防御率がいいとはいえないなか、それでも凌いでいって、松永-益田へリレー。ただ、この戦い方で長いシーズン乗り切るのは難しいと思うので、あと数人は安定した中継ぎ投手が出てきてほしいところです。
○ 「思ったよりも、鈴木大地がいい」
開幕直後は、途中出場でしたが、今江の不振もあって、開幕から1週間経ったぐらいからスタメンに名を連ねるように。今江のスタメン復帰後も、井口に代わってセカンドを守り(井口はファーストへ)、ここまでの打率は.390。ルーキーだった昨年から評価が高かった選手なので、このまま主力野手として定着する可能性も高いです。
△ 「思ったよりも、伊志嶺のスタメン出場が多くなっている」
2年目の昨年は、シーズン前の期待とは大きくかけ離れた成績に終わった伊志嶺。今年も、開幕スタメンに名前を連ねることはできませんでしたが、ここ2週間ほどは、スタメンで起用されることも多くなり、打率も.303。ただ、まだ打順は下位(7番か9番)であることが多く、清田・岡田が不振という状況下での起用なので、主力野手の座を取り戻すには、さらなる活躍が必要となってくるでしょう。
〔福岡ソフトバンク〕 11勝13敗
× 「思った以上に、ペーニャが打てない」
開幕前の順位予想では、軒並み評価が高かったソフトバンク。そのなかで、不安要素を挙げるとすると、打撃陣の核が決まるかというところでしたが、ペーニャが2年目を迎えて日本の野球に慣れてくるので大丈夫だろうと考えていたところでの、予想外の大不振。最近ようやく打率2割を超えましたが、それでも打率.203、そして本塁打ゼロ。それでも、長谷川、ラヘアらが予想より打っているので、なんとか勝ってはいますが、優勝を目指すのであれば、このままペーニャが7番で眠っているままでは厳しいでしょう。
× 「思ったよりも、先発のやりくりに苦労している」
シーズン前、多くの人がソフトバンクを上位に予想した大きな要因だったのが、先発陣の豊富さ。攝津・大隣・武田・山田・パディーヤ・寺原・東浜、さらには山中・陽・帆足・新垣といったところも控える布陣で、盤石だと思っていました。しかし蓋を開けてみると、パディーヤが1試合投げたところで故障離脱。東浜は登板した2戦とも序盤から失点しKO。武田・大隣も、まだ昨年ほどの安定感はなく、山中・寺原も序盤でマウンドを降りるという内容。チーム全体のQS率も、.375とかなり低い状況です。
○ 「思ったよりも、柳田の復調が早かった」
今季、小久保が抜けた穴を期待された柳田でしたが、開幕当初は成績が上がらず、チームも負けが続きました。スタメンから外れることもあり、「もしかしたら、このまま行ってしまうのでは…」という不安も抱きましたが、徐々に復調し、現在は打率.325、3本塁打。打率をこのままキープするのは難しいかもしれませんが、持ち前のフルスイングは、行けるところまで続けてほしいところです。
△ 「思ったよりも、今宮がシーズンのキーとなる選手になる気がする」
昨年は、開幕前の予想に反し、シーズン序盤は明石にポジションを譲った今宮でしたが、今季は開幕からショートの定位置を確保。ただし、打率は.205ということもあり、4月中盤からは9番での起用が続いています。ですが、その割には、ソフトバンクの試合をダイジェストなどで見ると、結構、今宮が映る場面が多くあり…。ある意味、川﨑がレギュラーを獲ったときと同じ起用法をされている今宮。今はレギュラーを「与えられている」状況ですが、今後の飛躍度合いが、チームの成績にも大きく影響を与える選手だと思っています。
〔東北楽天〕 10勝12敗
◎ 「思った以上に、マギーが打っている」
シーズン前、ジョーンズとともに、楽天躍進のカギを握る存在と思われたマギー。オープン戦で実際、球場で見たときは「結構、ボールを見てくる選手だな」程度の印象だったのですが、シーズンに入ると、予想以上に「率」を残す選手に。打率.403、4本塁打、15打点、出塁率.483という成績は、まったく想像していませんでした。ジョーンズも、打率は.260ながら四球が多く、出塁率は4割超え。2人のトータルで考えると、シーズン前の予想通り、というか予想以上の働きを見せてくれているといっていいでしょう。
◎ 「思った以上に、嶋の打撃が好調だ」
オープン戦で観戦した時に、オーロラビジョンに映った昨年の成績は、打率こそ.291ながら、打点がわずか8。試合には90試合以上出ていた(打席も250打席以上)ので、まさかの数字に思わず目を疑いましたが、今年はその打点をあっという間に超えて、現在18打点(チームトップ、リーグ全体でも3位)。もともと率は残せる選手(2010年も3割超え)ですが、この打点の大幅アップの裏にどんな意識の変革があったか知りたいところです。チーム防御率が4.29(リーグ5位)というのは気になりますが、ここまで全試合スタメン起用。果たして今季、「優勝チーム」の正キャッチャーとなることはできるでしょうか。
○ 「思ったよりも、牧田に存在感が出てきた」
13年目、今年で31歳ながら、「期待の若手」と紹介されたりすることもある牧田(^^)。今季は、開幕2戦目から5番で出場。打率は.227。ホームランは2本・打点は7と、決してクリーンアップに足る数字ではないものの、ジョーンズ・マギーに挟まれた打順ということもあって、存在感が増してきたように思えてきました。もともと守備はいい選手なので、このまま我慢して使い続ければ、本当の主力野手としてチームの軸になるかもと思っていたのですが…。左手首の故障で、全治3・4週間とのこと。「また、主力になるチャンスを逃したか」という思いが強く、ちょっと残念です。
△ 「思ったよりも、田中将大のピッチングの印象が薄い」
今年は、2月のWBC合宿から、ほぼフル回転。シーズンに入っても4試合で防御率1.86、3勝0敗と、数字だけ見れば文句の無い成績ですが…。実際の試合を見ていると、ランナーを背負って投げているケースが目立ちます。田中将大というと、やはり打者を圧倒するピッチングという印象があるのですが、今年は29イニング投げて、被安打が34とイニング数を上回っています。それでも、被本塁打0、与四球がわずか4というのが田中の凄いところですが、「さらに圧倒的なピッチングが見たい」と思う「ファンの欲」も満たしてほしいところではあります。
〔オリックス〕 10勝12敗
○ 「思ったよりも、足での仕掛けが多い」
今季から森脇監督が指揮を執り、「攻撃において、ほとんど足を使わない」というカラーが変わる可能性を半分信じ、半分は信じなかった開幕前。そんななか、ここまでのチーム盗塁数は15(リーグ3位)。昨シーズンが年間で49盗塁なので、ペースとしては約2倍です。ただ、坂口・後藤といったところは、まだ盗塁ゼロなので、他チームに大きく印象付けるといったところまでは行っていないでしょうか。
○ 「思ったよりも、安達が活躍している」
シーズン前、懸案事項の一つだったショートのポジション。平野恵が故障していなければ、後藤か平野のどちらかをショートに、という案もありかなと思ったりもしましたが、結果的には、開幕前の構想どおり、安達が守ることに。その安達、期待度の薄かった打撃でも勝利打点を挙げる試合もあるなど、まずは打線の機能化の一翼を担うことには成功。ここまでは先日の1試合をのぞく全試合でスタメン出場。守備で4失策を喫しているところに課題は感じますが、まずは予想を上回るスタートを切ったと言っていいでしょう。
○ 「思ったよりも、伊藤がスタメンで出続けている」
ショートと同様、オリックス野手陣の懸案ポジションといっていいキャッチャー。そんななか、今年は伊藤がほぼフル出場。さらに、こちらも安達と同じく、期待度が低かった打撃で.290という成績。日高、鈴木が抜けたことで、「もう出るしかない」という状況下での起用ではありますが、ここまでは及第点以上の活躍だと思います。ただ、先日の試合で、ワンバウンド投球を左鎖骨に受け退場したのが心配。現状、齋藤との捕手2人体制だったので、ここの層の薄さがチームの成績に影響を及ぼさなければいいのですが。
△ 「思ったよりも、若手投手をシビアな場面で起用している」
今季も、投手陣の層の薄さが心配されたオリックス。特に、岸田を先発にまわす構想もあり、中継ぎ以降のピッチャーがかなり厳しいのではと予想されました。そんななか、開幕カードのロッテ戦は、最初から2試合連続で延長12回となる展開。ここで、森脇監督は、2年目の佐藤達、ルーキーの森本、4年目の比嘉といった投手を起用してきました。ミンチェ、馬原といった実績ある投手が一軍にいないという状況もありますが、それでもこのあたりの実績の少ない投手に「賭ける」姿勢を感じました。佐藤達は故障で一時離脱となってしまいましたが、先発の海田も含め、これらの投手が一人前になっていけるかが、今年のオリックスのカギになりそうです。
〔北海道日本ハム〕 10勝13敗
× 「思った以上に、稲葉が打てない」
日本ハムの「思ったよりも(思った以上に)」を挙げるとすると、やはりまずはこれでしょう。50打数4安打で、打率.080。年齢のことはあるにせよ、「技術で打つ」選手と思っていただけに、ここまで打てないとは想像していませんでした。2000本以上ヒットを打っている選手に「ここをこうしたら」なんて言えるはずもありません(^^)。ただ、「このまま終わってしまう選手ではない」と思いたいです。
○ 「思ったよりも、アブレイユが打っている」
ゴールデンルーキー大谷も怪我をしてしまい、あまり明るいトピックがない日本ハムのなかで、数少ない明るい要素。7本塁打は、現在リーグトップ。三振24、得点圏打率.130に不安要素は感じるものの、テスト生から2月9日の入団だったため、名鑑の多くに名前自体が無いこの選手を「獲っておいてよかった」と思っている日ハムファンは少なくないでしょう。
× 「思った以上に、キャリアの少ない投手の登板が多い」
ケッペル、斎藤佑の離脱は計算済みだったとはいえ、開幕戦で武田勝が故障。さらにストッパーの武田久も怪我で離脱ということで、序盤から想定外の投手のやりくりとなった日本ハム首脳陣。ということで、昨年22試合登板の矢貫がフル回転(10試合・18イニング、防御率1.50)。さらに、ルーキー鍵谷が9試合、同じくルーキー河野が5試合。さらに、こちらもルーキー新垣が開幕9試合目で初登板初先発というスクランブル状態。鍵谷は防御率3.12と奮闘しているものの、チーム防御率は4.43と結構厳しい状況ではあります。
△ 「思ったよりも、大引がチームにフィットしている」
金子が、いつ復帰できるかわからないなか、チームのキーポイントでもあったショートの起用法。実績から言えば大引が一番手であることは間違いありませんでしたが、シーズン通して活躍することが少ない選手(規定打席到達はいまだ無し)だけに不安もありました。蓋を開けてみると、心配要素だった打撃では、3割前後をマークし及第点(開幕直後は打ちまくっていた)。このところ、他の選手に取って代わられる試合もありますが、日本ハム打線の一翼を担っていける手ごたえはつかんだのではないかと思います。ただ、金子も先日の試合で復帰したので、今後はオリックス時代からもう1ランク上がったプレーが求められてくるのではと思います。
ということで、今回も長くなってしまいました(^^)。
次回は、セ・リーグ編を!
○「思ったより、炭谷が成長している」
一昨年あたりまでリードだったら、野上みたいな技巧派は今年のような活躍を出来ていたかどうか…。バッティングもまさかの2割後半。
○「思ったより、片岡と浅村が早打ちしない」
片岡は故障前と変わって粘って四球を選んだりするようになりました。ようやく大久保コーチの呪縛から逃れたのかも。
△「思ったより、山崎がチームに馴染んでいる」
昨年同じ役割だった阿部は衰えが目立ち、原はポカが目立ちました。山崎は年齢よりプレーが若い印象です。
確かに、現在の成績を見ると、炭谷のリードが良くなったと言えるのかもしれませんね。
西武の試合はあまり細かく見ることはできてはいないのですが、浅村が早打ちしなくなったというのも意外でした。
それにしても、金子といい、秋山といい、年齢はともかく浅村が中堅に思えてしまうぐらい、西武の野手が出てくるスピードは早いですね(^^)。



























