WBCは怖い、そして面白い。
2013年 03月 06日
初戦となったブラジル戦では、あわや敗戦の危機。続く中国戦でも「圧倒」とまではいかない内容ということもあって、日本代表に対し批判的な声、またその出来を不安視する声もありますが、2試合、そしてB組の試合も見て思ったのは、「やはり、国際試合は普段見慣れているペナントレースとは別物なんだ」ということ。
そのことを確信したのは、実は日本代表の阪神との強化試合。
0-1で日本代表が負けた試合だったのですが、終盤、その10日前に自分が実際にキャンプで見た中日-阪神の練習試合で、二軍クラスといってもいい中日打撃陣にメッタ打ちにあった阪神・伊藤和(1回2/3イニングで7被安打7失点)に対し、日本代表打撃陣が2イニング、一人のランナーも出せずに凡退したのを見て。
その事実を目の当たりにして、「もう、レベルが違うから打てる」とかいうことで説明がつく次元のものではないと痛感しました。
話は戻って、さきの日本vsブラジル戦。
正直な所、試合前は、自分も「いくら、ブラジルがパナマに勝ったといっても、日本とはまだまだレベルの差があるだろう」と思っていたくちだったのですが、いざ試合が始まると、田中のストレートをいとも簡単(のように見えた)に弾き返すブラジル打線。さらには、杉内からも、攝津からも得点を奪うという展開。
特に「もう、レベルの差とかなんだとか言ってられない」と思ったのは、4回、杉内がサトウツギオに同点となるセンター前タイムリーヒットを打たれ、さらにランナーを二塁においてマガリャンエスを迎えた場面。
それまで甘く入った変化球を狙い打たれたケースが多かったため、内角に杉内のストレートを投げれば抑えられるだろうと思っていたところ、相川は内角へのストレートを要求。
ところがマガリャンエスは、これをものの見事に引っ張りきって、レフトポール際にあわや勝ち越し2ランという当たり(本当にあと少しで入るという当たりだった)。
正直、自分が相川の立場だったらパニックになっていたと思います。
その後、3番手で登板した仲尾次オスカルの7回のピッチングは、日本の野球ファンに「本当に負けるのではないか」と思わせるに十分な内容。
そのとてつもない逆境を跳ね返した、8回先頭打者の内川のレフト前ヒット、そして同点タイムリーの井端のヒットは本当に貴重な一打でした。
なお、初戦のブラジル戦、2戦目の中国戦の解説は古田敦也氏と工藤公康氏でしたが、アテネ五輪予選、そしてソウル五輪を経験しているぶん、古田氏の解説の方が説得力があるように感じました。
一方、日本が属するA組と時を同じくして始まったB組では、台湾が初戦でオーストラリアを撃破。さらには、韓国を5-0で破ったオランダにも8-3で勝利し、結果、B組トップでの第2ラウンド進出を決めました。
第1ラウンド最終戦で台湾に逆転勝ちし、台湾、オランダと並ぶ2勝1敗とした韓国は、結果的に初戦のオランダ戦での5点差負けが最終結果を決することになり、第1ラウンドでの敗退。
このB組、またベネズエラ・プエルトリコ・ドミニカ共和国が入ったC組(もう1チームはスペイン)、さらにはアメリカ・カナダに加え、こちらも侮れないメキシコ・イタリアがいるD組に比べれば、まだ日本のいるA組は難度の低いグループだったかもしれません。
それでも、「圧倒」どころかかなり冷や汗ものでの第2ラウンド進出となった日本代表。
当然というべきか、いろいろな部分で疑問が呈されることも多いようですが、自分はあまり批判をする気にはなれません。
山本浩二監督という人選には、当初「?」という思いもありましたが、実績的には一番適任と思われる梨田氏を選択するということをしなかった以上(落合氏は元々受ける気なし。一部で報道された野村克也氏は「今後のプロ野球を考えるうえで選手にスポットが当たる大会にした方がよい」という観点で考えると「無し」だと思います)、山本監督という選択はありだったのかもという印象(それぐらい、現在の日本には40~50代での実績ある監督が少ないとも言える)。
「キャッチャー」「四番」「キャプテン」という3つの思い役割を阿部が背負っていることへの不安の声もありますが、他のメンバーを見たときに、阿部より打っている選手はいないというのが現状ですし、では他にキャプテンを任せる人がいるのかというと意外と見当たりません。逆に言えば、井端、稲葉、相川が入ったのはその重責をできるだけ緩和させたいという首脳陣の思いもあったでしょう(もちろん、阿部への負担が大きいということは事実としてはあるでしょうが)。
「猫の目投手起用」とも言われる継投も、「キューバ戦の前になんとしても第2ラウンド進出を決めておきたい」と考えれば、理解できる策。
第2ラウンドは、さらに「1試合ごとに状況が変わる」ということを考えると、相当臨機応変な投手起用が求められてくるでしょう。相手チームも日本投手陣をかなり研究していることが予想され、逆に言えば「マスコミの予想が当たるような投手起用をしているようでは、第2ラウンドは勝ち抜けない」と言えるかもしれません。
特に、今回のWBCは投手陣の球数制限が複雑(50球以上→要 中4日、30球以上or2試合連続→要 中1日)。さらには、勝ち抜けの仕方によって、試合が連日になったり1日空いたりする(しかも大会の「連投」の規定が、そのチームの試合自体が対象ではなく、実際の日にちが対象になるようなので、計算が相当複雑)ため、首脳陣、なかでもブルペンにいる与田投手コーチは、相当数のパターンを考えておく必要に迫られるでしょう。
明日のキューバ戦は、両チームとも第2ラウンド進出が決定。その第2ラウンドのことを考えるとどこまで手のうちを明かすべきか。かといって、次戦を考えると内容が悪い試合もできないということで、どうやって位置づけるか難しい試合にはなりますが、今後のことを考えたときに、地味かもしれませんが重要な意味合いを持つ試合になると思います。
そして、早くも金曜から始まり、さらには土~月には、準決勝進出の成否が決まる第2ラウンド。
「日本で一番野球が上手い選手たちが、必死になって野球をやる」姿を、また目に焼き付けていきたいと思います。
なお、巷で言われるほどには個人的に不満の少ない今回のWBCですが、そんななか、憤りすら感じることが一つ。
それは、チケットの高さ。
これは、すでにいくつかの野球関連のブログでも指摘されています(逆に、マスコミでこのことを指摘している所は少ない)が、ヤフオクドーム(福岡)での第1ラウンドでの料金が、最安の外野指定で4,000円、以下B指定 6,000円(ポールに近いフェアゾーンの外野席)、A指定 8,000円(ポールから内外野の切れ目までの席)、S指定 10,000円(内野席)…という料金設定。
そして第2ラウンドの東京ドームは、外野指定 5,000円、指定席C 4,500円(2階席)、指定席B 7,000円(ポールに近いポールよりファウルゾーンの席+2階席の前部分)、指定席A 12,000円(ファウルゾーンの外野から内外野の切れ目までの席)、指定席S 18,000円(内野席)…。
正直、中国戦での空席の多さには唖然としましたが、この料金の高さ、さらには日曜なのに19時という試合開始設定の遅さは、運営サイドが責められて仕方ないと思います。
何より選手に失礼だし、「そんなに野球のイメージを落としたいの?」と思ってしまうほどのボーンヘッド。
現場運営レベルでは、もしかしたらそうした料金設定にせざるを得ない状況があったのかもしれませんが、ほぼ満杯になっていた台中インターコンチネンタル球場と比べて、この点では「完敗」と言わざるを得ません。
さて、気を取り直して(^^)。
明日の第1ラウンド、そして金曜から始まる第2ラウンド、さらには8日(金曜)から始まるC組・D組の戦いも含めて、また国際試合の怖さ、そして面白さを体感していきたいと思います。



























