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「一番腹が立ったスポーツ本」 と 「一番面白かったスポーツ本」

仕事柄というのと、もともと興味があるということもあって、スポーツ関連の書籍はよく読みます。
本屋に行けば必ずといっていいほどスポーツコーナーに足を運び、知らない間に時間が経っていることもしばしばです。
でもって、当然、すごく面白いものから、「う~ん、中身が薄いなあ」と思うものまで、種々雑多な本があります。

そんな中、ここ2、3年見た中で、一番読んでいて腹が立ったのが「野球の国」(奥田英朗 著)〈光文社〉という本です。
タイトルに惹かれて、ちょっと手にとって読んでみたのですが、はっきりいって中身はまったくの期待外れでした。

もともと奥田氏は作家なのですが、この本は、著者が旅をしながらキャンプや二軍の試合などちょっとマイナーな野球の観戦をするなかで、そこで感じたこと、その旅の様子などを書いたものです(カテゴライズするとすれば、野球観戦エッセイ?)。
それだけ聞くと、「なかなか面白そうだな」と思う方もいるかもしれませんが、個人的には、旅をして野球を見た感想をダラダラと読まされているだけで、ただただ不快感ばかりが残りました(といっても立ち読み(しかも斜め読み)で済ませてしまいましたが)。

「著者が本当に野球を好きだということがわかる」といった書評もありましたが、そうしたマイナーな部分に目を向けている人は、一般の人でもごまんといるわけで、正直「自分の好きな旅行をして、それを書いただけで本になるなんて、なんていい商売なんだ」という感想しか残りませんでした。
また、「自分100%」の見方はいいとしても、どうしても著者の私的な旅行に無理矢理つきあわされているように思えてしまい、一見ノスタルジックなことが書いてあるのではと思わせる書名とのアンバランスさも含めて「アウト」でした(同意見が「WEB本の雑誌」というHPの書評欄にも載っていました(2003年3月))。

その一方、最近読んだスポーツ本のなかで一番面白かったのが、「延長戦に入りました」(奥田英朗 著)〈幻冬舎文庫〉という本です。

そう、上述の本と著者は一緒です(^^)。
もともとは全然買う気はなかったのですが、本屋でふと立ち読みをしているうちにはまってしまい、ついつい買ってしまいました。
内容は、これまた著者が、日頃スポーツに対してふと感じたことや疑問に思ったことについてつらつらと書いたエッセイ(しかもそうした疑問を解決するわけではなく、自分なりに結論を出す(^^))を集めたものなのですが、正直、電車の中で読むのがつらくなるほど笑えました。

ちなみに、買うきっかけになったのは、ヤクルト・荒木投手が復活の1勝を挙げたときのヒーローインタビューをとりあげた「スポーツ選手の涙と大衆の期待」。
一番笑ったのが「スポーツの国際化と名前の困惑」。
タイトルで一番インパクトがあったのが「レスリングのタイツはなぜ乳首を出すのか」です。

他にも、「図書館に置いてあるスポーツ新聞をめぐるバトル(^^)」とか、「駅伝中継高視聴率の謎を解き明かす」といった項目もありますが、「最近、疲れているなあ」という人には、かなりお勧めの一冊です。
もともとは雑誌に連載されていたもので、書かれたのは10年前ぐらい前のようですが、そうした古さはまったく気になりません。

この奥田氏。知っている人はもちろん知っていると思いますが、前述したとおり、昨年直木賞を受賞した作家でもあります。
といっても僕は奥田さんの小説は読んだことはなく、ある意味何の予備知識もなく上の2冊を読んだわけですが、もし今「野球の国」を読んだら、また感想は違うかもしれません。
いずれにせよ、読み応えのあるスポーツ本を読みたいなあ、と思う今日この頃です(最近読んだ本で他に良かったのは、「現役続行」(矢崎良一・他)〈竹書房〉)。
by momiageyokohama | 2005-06-03 01:45 | 野球(全般) | Comments(0)

「読んだ方が野球をより好きになる記事」をという思いで、21年目に突入。横浜ファンですが、野球ファンの方ならどなたでも。時折、ボクシング等の記事も書きます。/お笑い・音楽関連の記事はこちら→http://agemomi2.exblog.jp/


by もみあげ魔神
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