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今季注目選手の前半戦

2012シーズンも試合数上では、折り返し地点を通過。
そこで、今年の開幕前に注目ポイントとして挙げた10選手(一部、監督など含む)のここまでを振り返ってみたいと思います。
(成績は7月15日現在)

ちなみに、今年の2月に注目したい選手として挙げたのは、下記の10の選手・監督など。

1 ダルビッシュ (レンジャーズ)
2 青木 (ブリュワーズ)
3 黒田 (ヤンキース)
4 筒香 (横浜DeNA)
5 栗山監督 (北海道日本ハム)
6 和田監督 (阪神)
7 楽天打撃陣
8 李大浩 (オリックス)
9 野村祐 (広島)
10 伊志嶺 (千葉ロッテ)


1 ダルビッシュ 17試合 10勝6敗 防3.96

初登板では、特に制球面で不安な要素を見せたものの、その後徐々にアジャストしていき、前半戦だけでリーグでも上位に入る10勝を挙げたダルビッシュ。
昨年までの日本での圧巻の成績に比べると物足りなさを感じるものの、及第点あるいは上々の出来と評する解説者の意見も散見され、その実力の真価が問われるのは後半戦のピッチング次第と言えるかもしれません(そのスタートの登板では打ち込まれたようですが)。
ちなみに、勝利数10はア・リーグ3位ながら、防御率3.96はリーグ19番目。オールスターに出場した投手のなかでも防御率は一番悪いか二番目に悪い数字だったと思うので、試合への出場自体はほぼ無いと思っていました。また、与四死球65(四球57・死球8、109イニング)という数字は、いまだボールへの対応がしっくり行っていないことの表れでしょうか。
いずれにしても、私たち一般ファンにとっては、「MLBの投手のトップに立つ」ことを期待することができる、現時点で唯一の投手といっていいダルビッシュ。おそらく本人も「こんなものじゃない」と思っているでしょうが、後半戦、さらにはポストシーズンで、日本のファンをさらに熱狂させてくれるようなピッチングを是非。


2 青木 79試合 .297 5本 11盗塁 出塁率.370

シーズン前は、決してレギュラー扱いではなかった青木。しかし、開幕から出場時には地道に結果を出し続け、5月下旬からはレギュラーに定着。打率も3割近くをキープし、先日、ついに規定打席にも到達しました(.297はナ・リーグ16位)。
正直、今年のシーズン前はダルビッシュに関する報道一色、また近年日本人野手のMLBでの活躍が低調だったせいもあり、露出的にはかなり少なかった青木のMLB移籍。現在の日本球界で一番ヒットを打つ選手の扱いとしてはあまりにも寂しい感じもありましたが、結果を残したことで、見事にレギュラー野手の座を獲得しました。
正直、いくら最近日本人野手が悉くMLBで低調な成績に終わっているとはいえ、青木が通用しないとなると、それこそ日本人野手がMLBで成績を挙げることは今後しばらく無いのではと思っていました。そんななか、逆境を跳ね返して、現状成績を残している青木の活躍は、日本球界にとっても大きいことではないでしょうか。
できれば、ポストシリーズでもその活躍を見たいところですが、現状、ブリュワーズは首位と8ゲーム差なので、ちょっとそれは難しいか。いずれにしても故障に気をつけながら、後半戦はさらに1ランクアップした活躍も見たいところです。


3 黒田 18試合 8勝7敗 防3.67

開幕当初は負けが込んだ黒田ですが、その後持ち直し、現在、自身の勝敗としては1つの貯金。防御率はダルビッシュを上回る数字(リーグ15位)。イニング数はチームでも2番目ということで、獲得したヤンキースのフロントが目論んだとおりの成績は残せているというところでしょうか。
在籍チームの使命上、レギュラーシーズンはもとより、ポストシーズンでの活躍も求められるというところで、シーズン終了を最高の形で迎えるべく、今後も1試合1試合、1球1球を丁寧に投げていくのでしょう。
なお、5月に出た自身の本「決めて断つ」は、なかなか面白い内容(構成は生島淳氏)。第1章のタイトルが「挫折」で始まっているのも黒田らしい。同年代として、まだこの先何年も頑張ってほしい投手です。


4 筒香 52試合 .204 5本 19打点

昨年終盤は一軍でもスタメンで出場し、今季は大きな飛躍の年と思われたシーズンでしたが、これまでのところ、その成績は予想を大きく下回るもの。
序盤の欠場の原因となった左足首骨挫傷や、昨年痛めた右手首の影響がどこまであるかはわかりませんが、内容を見る限り、将来に希望が持てるとはいえない打撃ぶり。鈴木尚のようなしなやかさと、松井秀喜ばりの長打力を兼ね備えたバッター、そして日本を代表するスラッガーにという期待は、日に日に淡いものとなっています。
技術的なことは詳しくはわかりませんが、今の筒香は甘く入ってきた半速球ぐらいしか打てる気がしない。真ん中のストレートも、センター前には打てても引っ張ってライトスタンドというのはまず望めず。ただ、もしこの選手を育てきれなかったら、それは球団としての責任が問われるでしょう。


5 栗山監督 40勝36敗6分 勝率.526 2位

序盤から、投打ともリーグ上位の成績を残し、順位も1~2位をキープ。監督としては、及第点以上の成績を残している感があります。ただし、ここへきて序盤不調だった西武、交流戦の不調から脱しつつあるソフトバンクが勝ちを重ねてきつつあり、5球団による上位争いのなかで、よりシビアな采配が求められる状況が続いていくでしょう。
個々の選手起用などを見ていくと、ここ数年成績を残せていなかった吉川への叱咤、武田勝をはじめとして各選手へのフォローコメント、2ストライクからでもスリーバントを命じる采配(5月の対広島戦での村田に対して)など、硬軟を場面場面で使い分ける形が見てとれます。
評論家時代に培ってきた野球を見る“眼”をフル回転してチーム作りに活かす一方で、その裏には“野球”自体が本当に好きなんだろうなあという感じも。
正直戦力的には、スレッジが長期離脱、ケッペル今季絶望、故障がちの金子の後継が未定、増井・武田久もいま一つ安定せずと、混戦を制していくには不安要素が多いですが、その采配・チーム作りには今後も注目をしていきたいと思います。


6 和田監督 32勝40敗8分 勝率.444 5位

5月中旬ぐらいまでは上位を保っていたものの、6月に入ってからはほぼ4位が定位置。7月に入ってからは5位に転落し、現在は4位広島から3.5ゲーム差と、若干あの暗黒時代をも思わせるような最近の戦いっぷり。ただ、これが和田監督の責任なのかどうかは、正直わかりません。
ここ最近の阪神というと、毎試合代わり映えのしない打線。野手陣に関しては、生え抜きのレギュラーは鳥谷だけというFA・移籍に頼り切ったチーム編成のツケが、この低迷の遠因なのではとも思います。
一方で、阪神の二軍戦の中継などを見ていて感じるのが、阪神関連マスコミの二軍野手陣への評価の甘さ。まあ、これは昔からといってしまえばそれまでですが、そろそろ、球団・マスコミ・ファン含めて、本腰入れて世代交代モードに入っていかないと、取り返しのつかないことになるような気もします。
今のところ、チーム編成の偏りが采配の足枷にもなっているように見える和田監督ですが、新・阪神の幕開けを開く旗頭になれるか、それとも暗黒時代に再び突入させてしまう先導役になってしまうのか、今季残りシーズン、そして来季の采配・選手起用が注目されるところです。


7 楽天打撃陣 打率.250(リーグ3位) 263得点(4位) 25本(6位)

シーズン前、一軍打撃コーチとして大久保氏、二軍打撃コーチとして田代氏と、実績のある指導者を迎えたことで、どれだけ変わるかが楽しみだった楽天打撃陣。
現状、数字上は、昨年のチーム打率.245から大きな変化が見て取れるというほどは変わっていませんが、新しい野手の台頭は目立ちます。その代表が「どろんこ3兄弟」とも評された銀次(61試合 .289)、枡田(41試合 .313)、阿部(30試合 .298。現在は二軍)といった面々。その他の選手を見ると、ここ数年打撃低調だった鉄平が.292と復調気配。一方、主軸候補の期待の高い牧田は.220(4本)と、まだ殻を破れず。同じく期待値の高い横川も一軍出場は8試合に留まっている状況。なお、二軍のチーム打率は.269でリーグ1位。
いずれにしても、他球団に比べて主軸を打つ野手が著しく不足(外国人野手3人の総本塁打は7本、松井稼も故障がち)している現状を考えると、あと2~3人、ブレイクする若手野手が欲しいところです。


8 李大浩 .295(7位) 15本(1位) 55打点(1位)

シーズン序盤はなかなか本塁打が出ず、「大丈夫か?」と思ったものの、徐々に打ち始め、現在二冠王。
前述の青木ではないですが、それこそ韓国で二度の三冠王が日本で成績を残せないようだったら、それこそ今後しばらくは韓国人野手の日本野球での活躍は見込めないだろうと思っていたので、まずは第一関門クリアというところでしょうか。
ただ、今後、各球団スコアラーがその弱点を分析し、各投手がそこを攻めてくることが予想されるので、そうなったときに、それを跳ね返すだけの力があるかが見ものとなってくるでしょう。また、前後を打つバッター(現在はバルディリスとT-岡田)の好調さも、マークが分散するという意味では、成績に大きく影響してくるのではないでしょうか。


9 野村祐 15試合 7勝3敗 防1.41

ここまで文句のない成績。やるとは思ってたけど、ここまでやるとは(^^)というほどの見事な成績です。何より外角への制球力が素晴らしく、たとえノースリーになったとしても(まあそうなること自体ほとんどないですが)、全然3球連続でストライクを、しかも打てないコースに投げることが可能。
投げ方にも無理な部分を感じないので、故障の可能性も低いでしょう。もしかすると、次回のWBCに選ばれる可能性も大きく、第二先発の役割をしっかり果たすことができるのではないでしょうか。
前田健太との二本柱は、今後、広島を、というより日本球界を代表するエース二人になるかもしれません。


10 伊志嶺(翔) 56試合 .189 1盗塁

昨年の活躍(126試合 .261 32盗塁)から、さらに飛躍の2年目になるかと思われましたが、開幕から結果が出ず。5月18日に二軍落ちした後は、いまだ一軍復帰はありません。
レギュラーの座はいまや完全に角中に奪われた格好。他の2ポジションも、岡田、清田(荻野貴)が出場しており、レギュラーへの距離が一気に遠のいている状態。
実は先日、ジャイアンツ球場へ巨人-ロッテ戦を見に行ったのですが、そこでもスタメンボードに名前は無し。怪我かなとも思ったのですが、ホワイトセルの代走で途中出場。実は、二軍での打率も.220という状態。1打席だけ立ったバッターボックスでは、その不調の原因は見て取れなかったのですが、現在、好調な一軍の陣容(さらに同じタイプの荻野貴が復帰)を考えると、まずは打撃である程度の結果を残さないと一軍登録ですら難しいでしょう。
右の俊足堅守の外野手というのは球界全体を見ても意外と少ない(パッと名前が上がるのは長野ぐらい)だけに、なんとか復調してもらいたいですが、今は“試練”の時期ということでしょうか。



長々と書いてきましたが、最後まで読んでいただいた方、ありがとうございました。
次回は、そろそろ「記憶に残る3試合」あたりを書こうかとも思っていますが、ボクシングでも書きたいことがちらほら。
そういえば、先日行った巨人-ロッテの二軍戦では、ロッテの神戸が8番でスタメン出場もヒットは無し。8番という打順が気にになって、成績をみると、なんと二軍でも打率.161の0本塁打。あの応援をもう一軍で見ることはできないか…と、ちょっと寂しい気持ちになりましたが、是非、伊志嶺と同じく、ここからの巻き返しを見せて欲しいです。
Commented by 粗忽庵 at 2012-07-16 23:04 x
異例の入団テストまでやらされた青木の活躍は嬉しい限り。本塁打5本は向こうでも驚いたんじゃないですかね。
 筒香はいつまで5番で使うのか?7番あたりで気楽に打たせてあげたいところです。
Commented by momiageyokohama at 2012-07-17 00:13
青木の5本塁打は、確かに予想以上の数字ですね(初本塁打はランニングホームランでしたが(^^))。
筒香は、現状、昨年よりもバッティングの形は悪いように思います。コーチ陣から有用なアドバイスをもらっているようにも見えない(今のノーステップ打法はちょっと疑問)ので、ボールの待ち方を変えない限り、上昇ないように感じます。
by momiageyokohama | 2012-07-16 20:21 | 野球(全般) | Comments(2)

「読んだ方が野球をより好きになる記事」をという思いで、20年目に突入。横浜ファンですが、野球ファンの方ならどなたでも。時折、ボクシング等の記事も書きます。/お笑い・音楽関連の記事はこちら→http://agemomi2.exblog.jp/


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