世界を喰らえ
2012年 05月 02日
しばらく日本人の世界戦は空くかと思いきや、今週(というか、1戦目はあと数時間後)、日本人が海外のリングで行う世界戦が立て続けに行われます。
5/1 WBO世界ミドル級タイトルマッチ (ロシア)
〔王者〕 ドミトリィ・ピーログ(ロシア) vs 〔挑戦者〕 石田 順裕
19戦19勝(15KO) 33戦24勝(9KO)7敗2分
5/5 WBA世界フェザー級タイトルマッチ (シンガポール)
〔王者〕 クリス・ジョン(インドネシア) vs 〔挑戦者〕 木村 章司
48戦46勝(22KO)2分 30戦24勝(9KO)4敗2分
5/12 WBA世界ミドル級タイトルマッチ (ウクライナ)
〔王者〕 ゲンナジー・ゴロフキン (カザフスタン) vs 〔挑戦者〕 淵上 誠
22戦22勝(19KO) 25戦19勝(10KO)6敗
一般紙はおそらくベタ記事扱いであろうこの3戦。おそらくネットでしかその試合の様子を確認することができないと思いますが、双方の戦績を見てもわかるように、日本人選手の勝利を予想することがかなり難しい3戦でもあります。
元スーパー・ウェルター暫定王者にも就いたこともある石田順裕(のぶひろ)は、昨年、無敗の強豪であったジェームス・カークランドを1RKOで下し世界的にも注目を浴びる存在になったものの、前戦では元2階級王者に対し、フルマークの判定で敗戦(ただし、見た目の印象はポイント差ほどではなかったようですが)。
そして今回、キャリア全勝でKO率も8割近い王者のホームで戦うということで、かなり分が悪いと思わざるを得ません。
5日にシンガポールでの世界戦に挑む木村章司は、先月時点でランキングはWBA15位。
今年の1月、元世界タイトル保持者でもある李冽理に買ったとはいえ、2年前の世界初挑戦では4RKO負け(このときも海外(タイ)での挑戦)。
対するクリス・ジョンは、このところ試合のペースこそ遅い(3年で5試合)ものの、2003年に王座を獲得してから15度の防衛。4年前には当時日本ボクシング界期待の一人だった榎洋之を寄せ付けずに勝利。ここ5年KO勝ちが無いところが、数少ない付け込むポイントの一つかもしれませんが、いずれにしても百戦錬磨と形容してもいい王者です。
淵上誠は、先日の記事でも書きましたが、昨年末の佐藤幸治戦での大逆転KOと試合後のインタビューですっかりファンになってしまったボクサー。デビュー戦は敗戦、プロ5戦目までは2勝3敗。決して華々しいボクシングキャリアのスタートではありませんが、そのタコの足のような右ジャブが相手にとってやりにくいのか、昨年は佐藤戦も含めて4試合をすべてKOで勝利しています。
ただし今回の世界戦。正式に試合決定が発表されたのが昨日。試合2週間前に急遽決まったウクライナでの世界初挑戦と、コンディション的には相当に難しいシチュエーションでしょう。
日本人の海外での世界挑戦は、本当に長い間成功していません。その理由として、日本国内での世界戦よりも、ランキング的にトップと離れた選手である場合が多いということもあるとは思います。ただ、先日、王者の地元である南アフリカで世界戦を戦った高山勝成が、試合後「倒さないと勝てない」と語ったように、アウェーの不利というのは厳然としてあるでしょう。
直近で日本人が海外での王者奪取に成功したのは、なんと92年の平仲明信まで遡ります。
改めて見てみると、今回の3人の王者は3人とも無敗。さらに、うち2人は、日本人が獲得することは相当困難と言われているミドル級の王者。そして、1人は10年近く王座を守っている王者です。
どこからどう見ても王者奪取は難しいと思われる3戦ですが、それでも3人は自分の力を信じて戦うでしょう(そしてセコンドも)。
「勇気」と「戦略」と「気概」と「技術」と「心」が合わさって、20年ぶりに「海外での世界王者奪取!」のニュースが届くことを願います。



























