人気ブログランキング | 話題のタグを見る

2011年のプロ野球

今年もあと2日で終わり。
なかなか時間がとれず、シーズン中録画していた「CSプロ野球ニュース」がまだ3週間ぐらい見られていない(まさかの年越し(^^))という状況ではありますが、今年のプロ野球で印象に残った選手・試合などを振り返ってみたいと思います。

●最も印象に残った選手

岡田 幸文(ロッテ)

以前、このブログの前半戦総括のところでも書きましたが、今シーズン見ていて、一番プロ野球選手の凄さを感じた選手。本当に数限りないほどの、守備範囲の広さを見せつけるプレーを見せてくれました。
なかでも、そのプレーの凄さを強烈に印象付けた試合が、対巨人戦での1試合3つのミラクルキャッチ(昨日のテレ朝の中居正広の特番でもクローズアップされていましたね)。しかも、この試合は9回、伊志嶺の逆転弾でロッテが勝利。この試合はたまたま終盤、ラジオで聞いていたのですが、実況アナが「今日の岡田は抜けない!」といったような発言をしていたのが印象に残っています。
昨年の日本シリーズでは、大松の怪我でスタメンのチャンスをつかんだ岡田選手ですが、正直、開幕前は、層の厚いロッテの外野陣でレギュラーをつかむのは難しいと見ていました(レフト:大松、センター:清田、ライト:サブローがレギュラーで、さらに評価の高いルーキー伊志嶺も入ってきたという状況だったので)。
それが、いざ蓋を開けてみると、清田の不調、またサブローの故障(さらに移籍)もあって、開幕から出場し続け、シーズン全144試合に出場。守備はもとより、昨年.176だった打撃が.267と向上したことも、スタメンを張り続けた大きな理由だったと思います。
パ・リーグの外野手では、他に糸井・坂口がゴールデングラブを取っていますが、確実性という点を考えると、個人的には岡田がNO.1です。
とにもかくにも、今一番、見甲斐のある守備をする選手(これまで、自分のなかで一番いい「外野手」はヤクルトの飯田でしたが、それに匹敵するぐらいの選手です)。来季もわれわれの想像を超えるプレーを見せてほしいとともに、多くのプロ野球ファンにそのプレーを見てほしいと思います。


●最も感嘆した選手

吉見 一起(中日)

今シーズン、最多勝(18勝3敗)・最優秀防御率(1.65)を獲得した吉見投手。
シーズン中、1試合通してそのピッチングを見る機会はあまり無かったのですが、CS、そして日本シリーズでそのピッチングを見て、そのコントロールの良さにただただ感嘆しました。
100球投げたとして、そのうち、コントロール的に打てる球はほんの数球しかないという制球のよさっぷり。しかも、ストレート、変化球(フォーク、ツーシーム、シュートといったあたり)ともに、コントロールがいい。
これだけ制球力がいいピッチャーを見たのは、最優秀勝率を獲った頃の郭泰源(外角低めへに糸を引くようなストレートを投げ込み、さらにそこからキュッと曲がるスライダーの制球が絶妙だった)以来。改めて、シーズン通して安定したピッチングを続けている理由がわかりました。
ペナントでの四死球数は27(四球23、死球4)で、規定投球回のピッチャーでは最少。監督が代わっても、そのピッチングの安定度は、まだまだ変わらないでしょう。


●最も印象的だった試合

9/24 中日 vs ヤクルト (ナゴヤドーム)

シーズン終盤、4連戦が2度あった中-ヤの対決1stラウンドの第3戦にあたる試合。
9回裏、中日が林昌勇から2死一・二塁のチャンスを作るも、ここで点を取らないと、時間切れ引き分けになるという展開。ここで、谷繁が落ちるボールを執念でレフト前へ運んで中日がサヨナラ勝ち。
これでヤクルトに3連勝し、ゲーム差を1.5ゲーム差に。翌日の試合は負けてしまいましたが、この3戦目に勝ったことで、中日が「ヤクルトに追いつける」という手応えをつかんだ試合だったのではないかと思います。
ちなみに、この試合のサヨナラの場面で見られた荒木ホームベースの隅をかすめるようなヘッドスライディング。他にも何試合かありましたが、結構好きなプレーの一つです。


●今年を最も代表する試合

7/20 北海道日本ハム vs 東北楽天 (東京ドーム)

今季前半戦をしめくくる試合。先発はダルビッシュ田中将大
日本ハムと楽天という対戦、しかも平日の試合で、東京ドームに44,826人(チケット完売で当日券無し)を集めたこの試合は、プロ野球ファンが「見たいと思う価値のある選手を見に行く」ということを最も表した試合だったと思います。9月に行われた田中-斎藤佑の対戦も注目を集めましたが、投手の技量を考えると、この試合が一番と言えるでしょう。
惜しむらくは、地上波(関東キー局)での生中継がなかったこと。今後のプロ野球のことを考えると、こういう試合が生中継されるような仕組みをNPBまたは各リーグの広報担当には作っていってほしいですね(パ・リーグは、いくらかそれにつながるような動きがありますが)。
なお、試合は、楽天が先制するも、日本ハムが4回に3点を奪ってダルビッシュに軍配。
来季はこの対決が見られないのが残念ですが、またこうした「選手で観客を呼べる」ような試合が1試合でも多く見られることを望みます。


●生観戦で一番よかった試合

10/9 ヤクルト vs 広島 (神宮)

自分が住んでいる立地上、今年も神宮での観戦が多いシーズンでした(ファンじゃないのに、ヤクルトの選手の登場曲をほぼ覚えてしまった(^^))が、そのなかで印象に残っているのがこの試合。
ヤクルトとしては、翌日から中日とナゴヤドームで4連戦を控え、絶対負けられないなかで迎えた一戦でしたが、先発の山本斉が序盤からコントロールがままならず、死球を連発し3点を先取される苦しい展開。
5回、肺炎から復帰したばかりの宮本のチーム初安打を皮切りに連打で2点を返し1点差。さらに上田のツーベースで青木が本塁に突入するも、倉のブロックに阻まれ同点ならず(体当たりした青木はしばらく起きあがれず)。
8回裏、それまで2失点に抑えていた先発のバリントンが100球を超えたためか、岸本に交代。
そこから代打福地が、赤松の頭を越えるスリーベースを放ち、続く青木が同点打。そして9回、雨が降り始めるなか、今村から福地がサヨナラ打を放ち、逆転勝利。
結果的にサファテがいなかったことで広島が凌ぎきれなかったという部分はありますが、山本が降板した後の中継ぎ陣の好投、青木の本塁突入、田中浩康の打席での粘り(これでもかというぐらいファウルでカット。9回は安打でサヨナラの走者に)、そして復帰してきた福地の連続安打と、チーム全体で勝利をもぎとった試合でした。
試合前、グラウンドに宮本が入ってきたときに、ヤクルトファンから「宮本さん、頑張ってー」と声援が飛んでいたのもいいシーンでしたね(観客数も、神宮にしては多い27,405人)。


●今年最も印象に残った野球本

未熟者」(藤川球児

今年は結構、野球に関する本をよく読んだ年でした。
以前紹介した「キャッチャーという人生」「ダメ虎を変えた!-ぬるま湯組織に挑んだ、反骨の11年」もいい本でしたが、印象に残ったという意味では、この藤川球児の本を挙げたいです。
刊行自体は2009年の3月(真弓監督1年目のシーズン前)の本ではありますが、藤川投手がどんな思いで、あのストレートを投げているのか、そしてピッチングをしているのか、はたまたプロ野球選手としての生活をおくっているかが、うわべだけの文字面ではなく、感情のこもった文章として書かれているのが非常に印象に残りました。選手の名前で出されている本は数多くありますが、そのなかでも、その思いが「じかに」伝わってくる本でした。
これまで、藤川投手を見ていて「あからさまではないけれど、感情を押し殺しているように見える場面も含めて、結構考えていることが表情に出る選手だな」という印象がありましたが、この本を読んで、その内実が少しなりともわかったように感じました。
読んだ後、そのピッチングを改めて見ると2倍楽しく、そして2倍深く見られる。そんな本です。


●2012年、最も期待する選手

国吉 佑樹 (横浜DeNA)

最後に、来シーズンにむけての項目を一つ。
毎年、シーズン終盤、若い投手が一軍のマウンドで投げるようになり、何度か好投して「さあ、来年は飛躍の年」と思いきや、全く活躍しないということを繰り返し続ける横浜(小林太、桑原謙、阿斗里、田中、眞下etc…)。
しかし、国吉の場合は、願望も込めてではありますが、そのラインアップに名を連ねる可能性は少ないのではと思います。

実は、支配下登録になって初登板となるイースタンの試合をたまたま見に行っていたのですが、そのときの印象は「大崩れしない投手」。
球速以上のストレートの切れ、また変化球の精度など、まだまだ伸ばしていってほしいポイントはありますが、比較的フォームが安定していることもあり、ボールがバラついて仕方がないということはあまり考えられないピッチングスタイル。一軍でも、1勝4敗ながら、防御率は2.30と、立ち上がりを除けば、総じて安定した投球を見せていました。
平均イニングが6イニング弱(8試合で47イニング)と、スタミナ面の課題などもありますが、今後、横浜の先発陣の一翼を担う存在として十分に期待できると思います(ただし、DeNAのフロントは、国吉に過大な期待をすることなく、圧倒的に足りない先発陣の補強をすべきだと思いますが)。その意味では、デニー、木塚両投手コーチはじめ首脳陣の育成力が大きく問われるところでもあるでしょう。


ということで、ざっと今シーズンを振り返ってきましたが、野球のテレビ観戦・生観戦をはじめ、読書でも野球、テレビも野球番組、さらにはTVゲームも野球、そして今年は試合数が少なかったですが週末の草野球と、今年も時間の多くを野球に使ってきた一年でした。
そのかわり、他の大事な何かを置き忘れている気もしなくはないのですが(^^)、そうした野球中毒の人は自分以外も結構いるのではと思います。
そうした中毒者がさらに熱中できるような、そして今まで野球に興味がなかった人も惹きつけるようなプレーや試合を、来年も数多く見たいと思います。


なお、低頻度更新のブログですが、訪問していただいた方、今年もどうもありがとうございました。
来年で7年目になりますが、またよろしくお願いします。
Commented by じぇにゅ at 2011-12-31 02:17 x
momiageyokohamaさん、こんばんは。
いろいろとあった2011年も終わりますね。

各球団の試合をしっかりと見られていて素晴らしいですね。
自分はベイスターズの試合に着いていくのがやっとで、他球団まで
手が回りませんでした。今年はスポーツニュースすら見ないことが
多かった。年々その傾向が強まっているのはベイスターズの見るに
耐えない成績と無関係ではないでしょう。

国吉は走者を出しても慌てない、試合中に修正が利くといった点を
評価しています。新首脳陣が変にフォームとか弄らないといいんですけどね。

来年はスポーツニュースの梯子で忙しくなることを期待します。
それでは良いお年を。
Commented by momiageyokohama at 2011-12-31 13:30
コメント、ありがとうございます。
自分の場合、一応、スカパーのプロ野球セットに入っていることもあって、チーム関係なく気になる試合を見るようにしています。それでも、今までは横浜の試合を中心に見ていたのですが、見るのに耐えられなくなって、他の試合を見ることの方が多くなっているここ数年です(^^)。
横浜についてはまた年明けに書こうと思っているのですが、何より先発陣への補強が無いのが心配。仕事の都合がつけば、数日間でも、来年キャンプを見に行きたいと思っているのですが、是非、「公式戦の試合内容」で話題を多く提供してもらいたいですね。
来年もどうぞよろしくお願いいたします。
by momiageyokohama | 2011-12-30 19:20 | 野球(全般) | Comments(2)

「読んだ方が野球をより好きになる記事」をという思いで、20年目に突入。横浜ファンですが、野球ファンの方ならどなたでも。時折、ボクシング等の記事も書きます。/お笑い・音楽関連の記事はこちら→http://agemomi2.exblog.jp/


by もみあげ魔神
カレンダー
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31