世界のNISHIOKA
2011年 10月 03日
昨日の中継はWOWOWでしたが、無料放送ということもあって、ほぼリアルタイムで観ていました。
中継では西岡が圧倒的にポイントを獲っているように言っていましたが、自分の採点では、8Rを終わった時点で五分五分。その後、9R~12Rは西岡が獲って、結果4ポイント西岡の優勢と見ました。
両者、明らかな決定打というのは少なかった試合なので、スポーツニュースで見た人には伝わりづらかったかもしれませんが、序盤は、対戦相手であるラファエル・マルケス(46戦40勝(36KO)6敗)。元2階級王者)の左リードジャブの伸びに、この試合が本当の世界戦なんだということを感じさせられました。スタジオ解説の飯田覚士氏いわく「相手がスウェーすることを見越して長めに打ってくるジャブ」は、これまでの西岡の対戦相手にはなかなか見られなかった攻撃で、「もしかしたすると、このまま行ってしまうかも…」という思いがチラッと横切りました。
しかし、4Rあたりから、西岡の左ストレートが相手に当たり始め、徐々に相手の進撃を止める展開に。
マルケスもかなり慎重な戦いぶりだったので、「モンスターレフト炸裂」とまでは行きませんでしたが、中盤以降は徐々に西岡が距離を支配。試合の終盤は、左のストレート気味のジャブ、左ストレートからの右の返しも当たり始め、客観的な眼で見ても、西岡が勝った試合だと思います。
それにしても、今回、西岡が成し遂げたことは、改めてボクシング界にとって燦然と輝く快挙だと感じます。
ゲスト解説の香川照之は最後、感極まって泣いていましたが、試合の始まる前、リングサイドにドネアが、そして解説者席にはフリオ・セサール・チャベスがいる光景を見て、段々とこの試合の凄さが伝わってきました。
見事に勝利した西岡の次の対戦相手の最有力とされているのは、ノニト・ドネアです。
V10を成し遂げた長谷川穂積を、左フックと速射砲のような連打で下したあのモンティエルを、わずか2Rでマットに沈めた、あのドネアです(このKOシーンは、自分が20数年ボクシングを見てきたなかでも一番衝撃的といっていいほどでした)。
以前、亀田興毅が、「ドネアとやってもいい」と、まだアピールコメントに過ぎない発言をしていましたが、西岡は本当にドネアと戦う可能性があるわけです。しかもラスベガスのリングで。
今回の防衛戦で7度目の防衛。足かけ4年にわたりチャンピオンであり続けている西岡ですが、5度目のチャレンジにしてようやく王座を獲得したのは、世界初挑戦から8年後。デビューから数えると14年目のことでした。
世界初挑戦前から「必ずチャンピオンになる素材」と言われたのも、もはや過去のこと。
2004年、4度目の世界挑戦に失敗した後は、メインカードではない立場で試合をすることもあり、「まだ、粘り強くやっているんだ」とは感じるものの、そこからまた世界王座への道を切り開けるとは、正直あまり思っていませんでした。
しかし、試合によってはストレスの溜まる内容もあったものの、西岡は、その先がハッキリ見えるとはいえない戦いのなかでも負けませんでした。4度目の世界挑戦後、4年間に組まれた8試合をすべて勝利。それほど高くないレベルの相手もいましたが、5度目の世界戦前の4試合は、すべてKO勝利。
それでも、5度目の世界戦は、永年、西岡を追い続けてきた日本テレビではなく、テレビ東京での放送というところに、当時の西岡の置かれた立場が出ていたように思います。
その4年ぶりに掴んだ舞台での涙の初載冠。
それから4年間。35歳になっても、本当の意味での世界レベルをキープしているのは本当に凄いことです。
もちろん、端からみると順調そうに見えたこの4年の間も、苦難の時期があったのかもしれません。日刊スポーツによると、今回の防衛戦前も、プレッシャーで試合1週間前、乱暴な言葉遣いでスタッフにストレスをぶつけたということもあったようです。そこから、ジムの会長に叱責され、もう一度、自分を見つめ直して上がったリングだっだとのこと。
ほとんどのスポーツニュースでは、わずか15秒ほどしか報道されなかったこの快挙ですが、その裏には、そうした深い想い、そしてボクシングファンの永年の夢が詰まっていました。
新聞報道では次がラストマッチとも言われる西岡ですが、これだけ重い試合を戦った後、次の試合のことを考えるのは、まだ本人にとってみれば難しいかもしれません。
ただ、ボクシング関係者には、今回のことを是非、日本ボクシング界が世界に打って出るための契機としてほしい。ジムのプロモート力はそんなに大きくないかもしれませんが、現WBA世界スーパーフェザー級チャンピオンの内山高志などは、十分に世界の本場の舞台でも戦えるだけの力を持っていると思います。
西岡と同じく帝拳ジムの現WBCフェザー級チャンピオン粟生隆寛も、まだまだ伸びしろを感じる選手。
そして、年齢的にも、素材的にも、この先長い間、ファンを楽しませてくれるであろう、現WBC世界ミニマム級チャンピオン井岡一翔もいます。
(同じく、現世界チャンピオンである亀田興毅、清水智信選手は、まだ本当の意味での世界チャンプというところまでは距離がある印象です)
近い将来、西岡に続いて、世界のUCHIYAMAだったり、世界のAOU、世界のIOKAといった姿を、是非見てみたですね。



























