あと58試合
2010年 07月 27日
前々々回の記事のあと、その詳細について書こうと思ったのですが、忙しかったのと、さらには「この忙しいのに、あんな横浜なんかにかけてる時間はないし、そんな気持ちも起こらない」ということで敢えて書きませんでした。
先日、これからの横浜の可能性を見るポイントとして挙げた3点について詳しく書こうとも思ったのですが、時間がもったいないので、ざっと書きます。
1 若手選手の台頭
一軍に出場している人数だけ見れば、他球団とそんなには変わらない。ただ、主戦力として活躍している人数、さらにはリーグを代表するレベルというところまで行くと、他球団と人数に差がある。
東野・越智・山口・坂本・長野・松本を要する巨人は別格だが、次から次へと若手野手が出てくる西武、吉見・チェン・浅尾・高橋と活きのいい若手投手が揃う中日、隔年投手が多いのがちょっと気にはなるが頭数的には結構若手投手が多い日本ハム、まだ発展途上ながら将来に期待が持てる投手が多いヤクルトなどと比べると、ちょっと寂しい。
これまで結果はあまり出ていないが、それでも小林太、吉村あたりを主力に育て上げるのは首脳陣の至上命題では。
2 攻撃陣の意識の変化
チーム打率(.256)自体は、中日・広島・ヤクルトとほぼ横並び(3位)も、得点は最下位(86試合で310点)。
ホームランはそこそこ打っている。犠打も数だけ見れば1位。盗塁数も昨年に比べればマシになった。出塁率が最下位(.312)であることに、得点能力の低さの一端を見ることができるのかもしれないが、そこまで説得力があるものではなく、もっと目に見えない選手個々の「意識」の部分に原因があるのだろうか。例に出して申し訳ないが、とにかく出塁してほしい、またランナー一塁からチャンスを広げてほしい、という場面で代打で出てくる金城がとにかく引っ張りまくる姿に絶望感を感じることは間々ある。
先日の巨人戦の2戦目、試合後のインタビューで、「打線は好調ですね?」という質問に、「そうですね、打線に関してはこのまま続いてもらえれば」と尾花監督が答えていたが、正直あの対巨人3連戦での打線は出来すぎ。案の定、続く中日戦では赤っ恥をかいた格好になったが、得点能力の低さについては、首脳陣がいまだ分析しきれていないというのが現状か。
3 外国人選手の獲得能力
ハーパーの予想以上の活躍で万々歳…とは思えない。
内川をライトにまわし、外野の1つのポジションを奪うチャンスをなくしたことが、将来の横浜にとってプラスになるとは思えないというのが正直な気持ち。
ただ、ハーパーもそうだし、成績的には物足りなさがあるものの、石川・藤田の危機意識を煽ったという意味ではいい獲得だったカスティーヨと、野手の獲得に関しては、ひとときの暗黒時代を抜け出たかもしれない。
問題はピッチャー。今年の5月ぐらいに、デニー友利氏が大リーグの解説中、何かの流れで「横浜がブーチェックを抑えにという話を聞いたとき、(実際にブーチェックを見たことがある身としては)頭に20個ぐらいクエスチョンマークがついた」と言っていたが、そんな投手を「抑え」にと考えてしまう、横浜の渉外部門は、チームにとってかなりのマイナスポイント。
最近のプロ野球は、いかにいい外国人投手を獲得できるかがチームの浮沈の鍵ともいえ、そうした意味ではこのディスアドバンテージをなんとかしないといけないのでは?
いずれにしても、残り58試合は、来季に向けて、球団さらには首脳陣に明確なビジョンがあるかが問われることになるのではないでしょうか。
例えば、現在二軍で好調な松本を一軍で起用していく腹づもりがあるのか。ハーパーとの来季の契約は?(年齢はまだ29歳ではあるが)。牛田が抜けた後(←復帰に時間がかかりそう)のセットアッパーのポジションは来季も日替わりでいくのか、それとも若手から目星をつけて持ってくるのか、筒香の一軍への定着のさせ方…などなど。
出自はどこか忘れてしまいましたが、松井稼がまだ西武にいたときに、松井が数年後メジャー挑戦で抜けることをあらかじめフロントが想定して、それに備えて中島を徹底的鍛えておいたという話を聞いたことがあります。
来季、さらにはその次の年までに具体的にどうしていくか、その明確なビジョンが横浜の戦いに見えなければ、正直その試合を見ることは時間のムダとしか思えない…というのが、2002年からの8年間で6回最下位(しかも、ほぼぶっちぎり)のチームのファンとしての率直な思いです。