ぜひ地上波でオールスターを
2009年 07月 15日
三沢選手が亡くなってはや1ヶ月経ちました。
先々週ディファ有明で行われたお別れ会には、2万5000人以上のファンが詰めかけたとのこと。それはまさに、三沢選手がプロレスファンに与えた影響の大きさを物語る数だったのではないでしょうか。
ただ、そのニュースを見て思ったことが一つ気になったことがありました。それは、今回駆けつけたファンのうち、どのぐらいの人たちが「今もプロレスを見続けているか」ということ。
「四天王プロレス」と言われ、全日で三沢、川田、小橋らが身体を削りまくるプロレスを見せていたのは90年代。当時は外国人レスラーも印象に残る選手が多く、90年代後半は秋山の台頭もあって、どのカードにも魅力がありました。
一方の新日も、91年に蝶野がG1クライマックスをSTFで制した頃から熱気がヒートアップ。武藤、橋本の存在は言うに及ばず、天コジタッグら脇を固める選手たちの層の厚さ、そして武藤vs高田、nWo、橋本vs小川とトピック満載でファンを飽きさせませんでした。
しかし、それから10年近く経った今、当時ほどの熱を持ってプロレスを見ているファンはどれだけいるでしょうか。さらに、今年に入ってNOAHの地上波中継もなくなり、お金を払わずにテレビでプロレスを見られるのは土曜深夜(しかも結構遅い)に放送している新日の30分だけになりました(関東の場合。UHFでの中継は除くとして)。
もしかしたら「バックドロップやドロップキックをテレビで一度も見たことがない」という若い人も結構いるのではないかと思います。
だからこそ、今回の「三沢選手の死を切っ掛けに」というと語弊がありますが、プロレスから少し離れていた人もプロレスのことを少し振り返ったであろう今回のことを契機に、三沢選手の追悼興行をNOAHだけでなく他の団体も交えて、しかも地上波で放送して、昔プロレスを見ていた人、さらには日頃はプロレスを見ない人に、もう一度「プロレス」をアピールするチャンスとしてほしいと思います。
現実の動きを見ると、先日、NOAHの田上新社長が、9月に武道館、10月に大阪府立で追悼興行を行うことを発表。他団体の参加は未定とのことですが、ある意味「プロレスを一般にアピールする最後のチャンス」とも言える今回だからこそ、団体の垣根を越えて「プロレスの素晴らしさ」を伝える大会を行ってほしいです。
ということで、考えてみたのが下記のカードです。なお、「三沢選手追悼興行」ということを念頭に置いているため、NOAHの選手中心のカードであるところはご容赦を。ちなみに、自分もこのところはNOAHの試合を数ヶ月に一度テレビで見るぐらい、また他団体は年に数回見る程度なので、現在誰と誰が組んでいる、反目しているという流れは完全に無視して考えています(^^)。
■第1試合
青木篤志 小川良成
谷口周平 vs 菊池毅
太田一平 渕正信
本当は「渕 vs 百田」を第1試合にしたかったのだが、百田退団ということでこの6人タッグに。青木の試合は一度も見たことがないのだが、ひとまずここに入れさせてもらった。「若手vsベテラン」というわかりやす過ぎる構図だが、やはり渕の存在がポイント。
■第2試合
鈴木鼓太郎 石森太二
リッキー・マルビン vs 飯伏幸太
NOAH勢3人にDDTの飯伏が交じるという4人タッグ。2年前にやった「KENTA・石森 vs 丸藤・飯伏」は久々に衝撃を受けた試合だった。4人がベストのパフォーマンスを発揮すれば、初めてプロレスを見た人にも十分プロレスの素晴らしさが伝わるのでは。
■第3試合
獣神サンダーライガー ザ・グレート・サスケ
金本浩二 vs 新崎人生
他団体の興行でやるのはもったいなさ過ぎるカードだが、ぜひやってほしいカード。新崎人生は毛色が違うかとも思われた全日本参戦時に結構フィットしていたのが印象的だった。ライガーは直接三沢と交わる機会は少なかったが、三沢の死に色々な思いを抱いている一人だろう。
■第4試合
田上明 西村修
佐野巧真 vs 越中詩郎
田上の最近の戦いぶりを考えると、「試合には出ず挨拶のみ」ということも考えたが、このメンバーなら生きるのではというマッチメイク。どこかには絶対入れたかった越中はこの試合に組み込んだ。地上波放送ではダイジェストしか流れないかもしれないが、通にとってはファン心をくすぐるカードかも。
■第5試合
中嶋勝彦 近藤修司
カズ・ハヤシ vs 金丸義信
NOAH所属ではないが、絶対に入れたかった中嶋。ただ、さすがに何度もKENTAとやらせるわけにも行かず、入れ方に迷った。考えた末に思いついたのがこのカード。2007年の「中嶋vs近藤」は、ここ数年自分が見たなかでは1、2を争うベストバウトだった。タッグとしての力は未知数の両チームだが、それぞれ実力者だけにいい試合に持っていってくれることを期待。
■第6試合
斎藤彰俊 小島聡
モハメド・ヨネ vs 諏訪魔
自身のブログでは三沢への思いをありったけの感情を込めて綴っていた小島聡。その相手を敢えて斎藤彰俊に。その斎藤を支えるのはヨネ。そして残る一人は、これからのプロレス界を背負ってもらわなければいけない一人である諏訪魔で。
■第7試合
蝶野正洋 杉浦貴
鈴木みのる vs 後藤洋央紀
本来であればメインに近いところに持ってくるべき蝶野だが、首の状態なども考慮して、比較的早めの登場順、そしてこの相手に。「激しさを見せる」というより「いやらしさ」を見せる(蝶野・鈴木みのる)という意味では、少し他のカードとは違う毛色のカードになるだろう。
■第8試合
棚橋弘至 永田裕志
中邑真輔 vs 中西学
この試合も本来であればメインにすべきカードだが、「三沢選手追悼」という大会の意味合いを考えてこの位置に(後ろの方に持っていくと、逆に違和感も出てきてしまうので)。現時点で、棚橋、中邑を他団体の選手と戦わせるのはあまり意味を感じなかったので、敢えて新日同士の戦いに。4人には思う存分「新日の今」をアピールしてほしい。
■第9試合
森嶋猛 佐々木健介
力皇猛 vs 高山善廣
「プロレスラーは大きい」「プロレスラーは頑丈だ」そんな誰もが抱くプロレスラーへのイメージを体現するには格好の4人で行われるカード。高山あたりは「あいつらとはやりたくねえんだよな。でけえから」と文句を言いそうだが、とにかくヘビー級レスラーのダイナミックさをまざまざと見せつけてほしい。
■第10試合
小橋建太 川田利明
秋山準 vs 天龍源一郎
(レフェリー:和田京平)
言うなれば「レジェンド対決」。最近はハッスルを主戦場にしている2人の動きはちょっと心配(しかも天龍は御年59歳)だが、メンバー的にはこのうえないカードだろう。川田、天龍の登場曲が流れたときの会場の反応が見物。場合によっては、試合当日までこの2人が出ることは発表せず「X」扱いにしておくのもありだと思う。
■第11試合
潮崎豪 武藤敬司
KENTA vs 太陽ケア
NOAHの未来を担う2人と、気持ちの上では三沢の盟友と言っていいであろう武藤との戦いをトリに(武藤のパートナーは、他団体との交流戦はいつもケアと組んでいるイメージがあるのでケアで(^^))。
最終的には、潮崎、KENTAがプロレス初見のファンの心をどれだけ揺さぶれるかが、この大会が成功するかどうかの最大のポイントといっていいだろう。
とざっと書いてみましたが、本当は上記以外にも多くの選手に参戦してもらいたい気持ちがあります。怪我が治っていれば当然、丸藤に出場してもらいたいですし、NOAH参戦経験もある大谷、三沢同じく団体のエース兼社長でもある高木三四郎、また直接の接点はありませんがプロレス団体として一つのあるべき形を確立しているDRAGON GATEからも参戦してもらえれば、さらに大会としての厚みは増していくでしょう。
なお、テレビ放映については、一般視聴者へのアピールを考えれば、できる限り早い時間帯での放映を希望(最悪でも午後11時スタートにしてほしい)。
できれば、日テレで放送してもらえればと思うが、難しいだろうか。
もし放映できたとして、棚橋・中邑戦あたりの試合を放送することにテレ朝が難色を示すかも?
その場合は、あと1~3試合増やして第一夜・第二夜と2回興行に分けて、1日目はテレ朝、2日目は日テレという形でも。
もし、両局での放映が難しい場合はテレ東に交渉。
その場合、実況は現在フリーの福沢、若林、辻あたりではどうだろう。
できれば、局を飛び越えることになるが、平川、矢島、真鍋の実況も聞きたいが。
…などと、どんどんイメージは膨らみますが、ぜひNOAHも含めプロレス関係者には、こうした企画を「夢」に終わらせるのではなく「実現」させてほしい。
それが、90年代プロレスに少なからぬ影響を受けた一プロレスファンの願いです。