野球選手の出囃子考
2009年 07月 07日
選手がバッターボックスに入る時 or 登板時にテーマ曲がかかるというのは、もはや当たり前の光景になりました。
「自分の好きな曲に乗って打席(マウンド)に向かう気分というのは、どれほど気持ちいいものだろう」と思いますが、それこそ自分の成績にも直結しかねないその選曲には、各選手かなりのこだわりがあると思います。複数の曲を用意している選手もいますし、なかには第1打席から第5打席まで全部違うなんて選手も。
で、プロ野球の場合、年代も趣味もいろいろな選手がいることもあって、新・旧・洋・邦・ヒット曲・マイナーな曲…、ジャンルもロック、ポップス、ダンス、テクノ、ヒップホップ、ラップ、メタル、レゲエ、演歌……とその登場曲は様々。印象通りの選曲をする選手もいれば、「こんなキャラなんだ」と意外なセレクトを見せる選手もいます。
自分の場合は観戦の多くが神宮なので、ヤクルトの選手のテーマ曲を聞く機会が多いですが、やはりある程度有名な曲、また選手のイメージに合っている曲というのは印象に残りますね。
例を挙げれば、福地選手の『Long Train Runnin'/Doobie Brothers』(弾むようなイントロのメロディが、足の速い福地選手のイメージにピッタリ)、青木選手の『カルミナ・ブラーナ』(曲の大仰な感じと、ヤクルトNo.1打者への期待感が見事にリンク)といったところは、耳にスッと入ってきます。
マニアック志向の強い自分としては、萩原投手の『Tongues Of Fire/東京スカパラダイスオーケストラ』といった「おそらく球場内でこの曲を知っている人は100人もいないだろうけど自分は大好き(ちなみに4年前に出したアルバム「Answer」の1曲目)」といった選曲に心躍ったりもするのですが、やはり球場全体を盛り上げるには、ある程度認知度の高い曲の方がいいでしょうね。
そうした意味では、現在のプロ野球界で一番盛り上がる登場テーマ曲といえば、西武・細川選手の『キヨシのズンドコ節』ではないでしょうか(^^)(註:関東の球場しか行かないので関東限定ではありますが)。
この「ズンドコ」の場合、曲がメジャーということに加えて、細川選手というどう見ても「おちゃらけ感」がないキャラクターの選手がこの曲を使うというところに、さらなる化学反応(^^)が生まれている気がします(現在、長期欠場中なのが残念)。
他にも、同じく西武の平尾選手の『学園天国』は特に意識せずともリズムに乗ってしまいますし、ロッテ・サブロー選手の『栄光の架橋』も、「いまだにアテネ五輪かよ…」と思いつつもメロディをくっきりなぞってしまう自分がいたりします。
また、一昨年の古田選手の引退試合で、ファンが若干感傷的な雰囲気に浸っているなか、この日限定でリリーフ登板した石井一久投手が『恋のダイヤル6700』に乗ってマウンドに向かった時は爆笑しましたし、数年前、巨人の星(孝典)選手が文字通り『巨人の星』のテーマで打席に向かったときは、巨人ファン・相手チームファン問わず、球場全体が一体となりました(^^)。
一方で、例に出して申し訳ないのですが、昨年、ヤクルト・川島慶三選手が登場曲として使っていた『札束/湘南乃風』は、ドスの聞いた歌声が多くのファンには刺激が強すぎたのか、その瞬間、球場が微妙な雰囲気になっていた印象がありました(曲自体はいい曲だったのかもしれませんが)。
「わかる人にはたまらない」という選曲もいい(ex.ロッテ・橋本選手。まさに名前そのまんまの『橋本真也のテーマ(爆勝宣言)』etc)のですが、球場に行っての感想としては、「もう少し、みんなが知っている曲を使う選手がいてもいいのでは」と思います。
一方で、それとはちょっと矛盾するかもしれませんが、藤川投手の『EVERY LITTLE THING EVERY PRECIOUS THING/LINDBERG』や、ヤンキース・リベラ投手の『ENTER SANDMAN/METALLICA』のように、最初は誰もが知っているという曲ではなくとも、いまや「この選手といえばこの曲」という素晴らしい関係が数多くできることも期待したいですね。
西武後藤武敏選手。1世代前の競輪の選手入場テーマ曲
なんですよねぇ。競輪好きな私としては「ツボ」でした(笑)。
西武の選手は、競輪選手とオフにトレーニングしたりしてるようなので、
実は後藤選手も競輪好きなのかも(笑)。
ちなみに、記事には書ききれませんでしたが、このご時世にチェッカーズなんぞで登場する(曲は『神様ヘルプ!』)、ヤクルト・木田選手のセンスがちょっと好きだったりもします(^^)。