どんどんやってくれ
2007年 04月 13日
ただ、一横浜ファンとしては、「残念」というよりは、「やっぱりか」という気持ちが強いです。
逆指名制度が導入されたのは93年(ちなみに、その年の1・2位は、河原投手と波留選手)。自由獲得枠も含めると、もう制度が始まってから14年になります。
正直、今回、西武の裏金問題が発覚して以来、そうしたことをやっている球団が西武だけではないと思っていた野球ファンは多かったと思います。
過去、巨人の高橋由選手、ソフトバンク(元ダイエー)・山田投手などは具体名を挙げられて報道されましたし、さらにいえば、逆指名制度が始まる前から、「公表額以上の契約金受け渡し、学生時代からの金品授与」といったことは、ほぼ日常茶飯事に行われていたと思います。
ただ、そうしたことは、関係者や一部のファンの間で話題になることはあっても、今まで表立って報道されることはありませんでした。
今回の西武の一件で衝撃的だったのは、2選手が裏金を受け取っていたというニュースよりも、その後西武が設置した調査委員会で、「過去27年間で関係者(高校・大学・社会人監督ら)170人に謝礼金、契約金最高額を超えた支払いが15人計11億9000万円」という大量の具体的な数字が出されたことではないでしょうか。
発表後には、「そんな前のことまで遡ってやることはないんじゃないか」的なコメントが解説者や球団関係者から出されましたが、この発表には、池井優氏をはじめとする調査委員会の「今までの異常な状態を白日のもとにさらすべき」という気概が見てとれました。
多くのファンが、マネーゲームになっている現在のドラフトは変えるべきだと考えていると思います。ただしその一方で、高額な金額を提示したり、学生の時から囲い込み的な作戦をとることによって有力選手を入団させるやり方に対して、「プロ野球ってそういうものなのかもなあ」という思いが少なからずファンの中にあったのも事実だと思います。それこそ、西武の礎を作ったといわれる根本氏などは、そういった権謀術数が評価されているところもあります。
しかし今回、これまで「グレー」とされてきたこういったことが、「クロ」的な扱いとして報道されたことをきっかけにして、プロ野球、そしてアマチュア界は、これまでの悪しき風習を全面的に見直すべきでしょう。
ただし、その舵取りをしなければいけない立場にある根来コミッショナー(代行だか代理だか訳のわからない責任逃れの名称をつけていますが)が、そうしたリーダーシップをとることは、過去の行動を見る限り100%不可能。「結局、実際に話し合うのは、またいつものように球団首脳たち」というのでは、劇的な改革が行われるとは思えません。
そういう意味では、今回、週刊文春が那須野投手の記事を載せたように、こうした事例がさらにマスコミなどによって報道され、それによって、球界に「本当にこの問題をしっかり見つめ直さなければ、ファンはプロ野球にそっぽを向いてしまう」と本気で思わせない限り、問題は結局うやむやになってしまう可能性が高いです。
場合によっては、横浜でも、さらに他の選手についての違反事実が出てくる可能性もありますが、それでも、これまでの悪しき風習はファンの前に明らかにされるべきだと思います(子どものファンにとっては、ちょっとキツいかもしれませんが)。
そうすることで、プロ野球の改革に加えて、決して少なくないであろう「たかり」的要素を持ったアマ指導者の排除も進んでいくと思います。
この問題については、今後、また新たな事実が出てくると思いますので、随時思うところを書いていきたいと思います。
なお、横浜ファンとして、那須野投手は引き続き応援していきます。