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第4回WBC。準決勝が終わり、思うこと

●日本 1-2 アメリカ○

第4回 WBC
日本代表の戦いは、準決勝で終わった。

日本代表にとって、2次ラウンドからさらにもう一段厳しい戦いになることは予想したが、思った以上にロースコアのゲームとなった。

勝負を分けたのは、2つの守備のミス。
それも、これまで幾度となくその守備で日本代表を救ってきた菊池と、こちらも、守備には定評のある松田のミスということで、日本のグラウンドとはまた違うアメリカのグラウンドでの内野手のプレーというものを考えさせられる試合でもあった。

打線も、終わってみれば、坂本の内野安打、小林のレフト前に落ちるヒット、菊池のライトへのホームラン、内川のライト前ヒットの4本に抑え込まれ、菊池のホームラン以外は、三塁までランナーが進んだ場面は無し。
先発ロアークのツーシームに右打者が内野ゴロに打ち取られるシーンが続くなど、一発勝負での動くボールへの対策という課題も残った。

また、打「線」という点でいうと、1次ラウンド・2次ラウンドも含め、筒香の前後のバッターが、もう一つつながりを欠いた感があった。
特に、三番を託された青木の調子が最後まで上がらなかった。おそらく本人も、調子が悪いことは自覚していたと思われるが、大会通じて少しフォームがオープンスタンス過ぎるように感じた。打球方向も、広角というより引っ張りに行った打球が目立ち、大会通算打率は.182。イスラエル戦の最終打席でツーベースを打った場面では、少し右足の開きが抑えられており、調子を戻してきたかなとも思ったが…。結果論で言えば、打順の入れ替えをしてもよかったかもしれないが、動くボールへの対応度の高さなど、メジャーでの経験値を買って三番に起用し続けた小久保監督の気持ちもわからなくはない。
また、激闘となったオランダ戦では大活躍だった中田だが、ある程度、大会期間が長くなってくると、引っ張り傾向強、かつコンタクト率の低いバッティングスタイルだと、相手投手のレベルが上がったときの期待度は低くなる。本人は「自分は器用なバッティングスタイルではないので」といったことを口にしているようだが、まだ28歳。3割・40本を打つような、さらにもう一段高いレベルを目指してほしい。

一方、投手陣では、湿り気のある気候の影響もあってか、準決勝では、菅野が2次ラウンドから一変した素晴らしいピッチングを見せた。それを継いだ千賀も1イニング目は三者三振の圧巻の投球。
それでも、菅野、千賀とも、数少ない甘く入った1球が得点につながるという結果に、一発勝負の怖さを改めて感じさせられた。
また、今大会では中継ぎ・抑えの投手を多く選出したこともあり、オランダ戦をのぞくと、継投で凌ぎ切ることができた試合が多かった。その一方で、ダルビッシュ・田中将大・岩隈・前田健太と、日本を代表する投手が軒並みMLBへ移籍したことで、日本代表としての「先発投手の層の薄さ」も顕在化した。今回のWBCで選出された投手の次に昨年実績を残した投手となると、菊池(雄星)、有原、野村(祐輔)、田口(麗斗)、岩貞といったあたり。正直、国際試合で強豪に立ち向かっていくにしては、かなり心許なさを感じるメンバーである。菅野や千賀の快投に浮かれることなく、次世代のエース候補が何人か出てくる土壌を作っていく必要があるだろう。

なお、今回のWBC日本代表は、常設化という形で取り組まれた、初めての日本代表でもあった。
監督も、初めて常設日本代表の監督という形で、小久保裕紀氏が就任。指導者経験無しでの代表監督就任は果たしてどうだったのかという疑問はあり、本人にとってもかなり苦しい3年半だったと思うが、試合数が少ないながらも、毎年、日本代表としての活動期間が設けられたことは意味があったと思う。少なくとも、第3回WBCの監督決定時のようなお粗末な状況からは、格段に、日本代表をとりまく環境は整備されたのではないか。
ただし、「週刊ベースボール」でスポーツライターの石田雄太氏が指摘していた、代表監督が担う仕事の範囲の広大さ、また、「WBC期間以外での日本代表」が野球人気に効果をもたらせているかなど、今後さらに改善していく必要があることも多い。

ともあれ、明日は、アメリカとプエルトリコの決勝戦。
そして、来週末、3月31日には、NPBも開幕する。

「野球ファンでよかった」
「野球を好きになってよかった」

そんな人が一人でも多く増える年になってほしい。


by momiageyokohama | 2017-03-23 00:47 | WBC | Comments(0)

「読んだ方が野球をより好きになる記事」をという思いで、20年目に突入。横浜ファンですが、野球ファンの方ならどなたでも。時折、ボクシング等の記事も書きます。/お笑い・音楽関連の記事はこちら→http://agemomi2.exblog.jp/


by もみあげ魔神
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