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1球、1プレー、1場面を考えながら見る楽しさ

昨日(17日・日曜)は、久々に、横浜DeNAの試合中継を、最初から最後まで見ることができました(J SPORTS 1にて)。

勝敗としては、2-1広島が勝利ということで、横浜ファンとしては悔しい結果。
ただ、ロースコアながら、それぞれの場面、また場面場面での1球・そして1プレーを、その裏にあるであろう心情などを推測しながら見ていくと、非常に楽しいゲームでもありました。
そこで、印象的な場面だけを、振り返ってみます。


1回表。
石川、関根と倒れ2アウトランナー無しから、バッターは下園
今季、まだ一軍出場2試合目ながら、二軍で高打率を残してきた(.364)ことがうなずけるスイング。ストレート、変化球どちらにも対応できそうな落ち着いた構えから、ミートポイントに来るまで絶対前には突っ込まない打撃の確かさ。福井が投げるボールを、ファール、ファール、ファール、またファール…。
カウント3-2の時点で、フォアボールと間違え、一塁に歩きかける凡ミスはあったが、打ち直しの13球目を、見事ライトオーバーのツーベース。
その後、筒香フォアボールで、1死一・三塁の先制のチャンスでバッターはロペス
2ストライクを取られるまでは引っ張りのバッティングだったが、追い込まれると、追っ付けてくることもあるロペス。どんなバッティングをするかと期待していたが、福井が外角を狙ったストレートが内角高めへ抜けたことで、逆にボールの勢いにつられて三振。
ボールに勢いがあるピッチャーは、投げミスが、ときにラッキーに転じることもある。

1回裏。
先頭の田中が、いきなりライトへヒット。
ロースコア勝負を考えて、菊池は素直にファーストストライクを送りバント。立ち上がりはどのピッチャーも不安だと思うので、須田としては「先頭には打たれたけど、まず1アウトをくれてよかった」という気持ちかも。
続くバッターは。外角のシンカーなどでカウントを作り、一球、内角にストレートの見せ球を。丸が「勝負は外角の変化球だな」と張っていたところに、もう一球、内角のストレート。140km出るか出ないかのストレートに、丸、見逃し三振。
ここは嶺井のリード(と、そこに投げ切った須田の制球)が光った。
続く松山も、外角ストレートで三振に取り、先制を許さず。昨年までとは違う、ニュー須田の予感も。

2回裏。
いまだ、ヒットが出る気配がないシアーホルツをセカンドゴロに打ち取り、1アウト。
続くは、六番・ロサリオ。今シーズンはまだ1本もホームランを打っていなかったが、ここでボールが甘く入り、左中間スタンドへ第1号。
ボールが高めに浮くことはあまり無い須田だが、ボールに勢いがあるピッチャーではないため、失投が即長打につながる危険性も。
広島、1-0。

4回裏。
須田、松山を打ち取って1アウト。
バッターはシアーホルツ。初回と同様、シンカーを引っ掛けてもらって内野ゴロに、などと考えていたが、外角へのカーブが落ちていくコースが、少しだけ高かった。かる~いスイングから、シアーホルツが放った打球は、そのままライトスタンドへ。これまた、今季第1号。
ベースをまわっているときも、ベンチに帰って来てからも、シアーホルツの顔に笑顔は無かったが、とにかく広島が追加点。2-0.

6回表。
関根が、追い込まれてのフォークを、なんとかバットの先で拾い打って、結果、セカンドへの内野安打。
期待のホープという取り上げられ方はしているものの、決して一軍安泰だとはいえないという自身の置かれている立場を理解しているなかでの、必死のバッティング。その後、盗塁も決める。
さらに、前の打席で、8球粘ってフォアボールを奪った下園が、またフォアボールを選び、ノーアウト一・二塁。
バッターは筒香
ただ、内角のボール気味を無理やり引っ張った打球は、ファーストへのファールフライに。ランナー一・二塁で、引っ張りが要求されることの多いシチュエーションとはいえ、ちょっと強引さが目立つ筒香。
それでも、まだチャンスは続き、バッターはロペス。しかし、引っ張った打球は、サード正面への少し早目の、でも獲りやすいゴロで、5-4-3のゲッツー。
制球がいいとは言えないものの、ボールが高めに浮く(浮いたとしても、力のあるボールのため、致命傷にはならない)ことは少ない福井。ここでも得点を許さず。

7回表。
先頭の白崎がレフト前ヒット。
2点差ということで、普通に打つ形となった倉本だが、外角のフォークに空振り三振。1アウト一塁。
ここで、嶺井に代わり、代打・後藤
長打、単打、ゲッツー、いろいろな結果が考えられたが、福井がここでまたストライクが入らず、結局フォアボール。
7回ということで、ボールの勢いもなくなり始め、そろそろ抜け球が痛打となる危険性も。
そして、バッターは、須田に代わり、代打・バルディリス
ここで、ファーストランナーが同点のランナーということもあり、後藤に代走を送るかと思われたが、この日自打球でスタメンを外れたバルディリスが塁に出た場合に必ず代走が必要になることを考えたか、ここでは、後藤に代走を送らず。
そのバルディリス。
「今日は、この一打に」という意気込みが大きかったからか、少しスイングが大きい。最後は、外角の落ちる球を振って、空振り三振。ランナーはそのままで、2アウト、一・二塁(ここで、ファーストランナー後藤に、代走、高城)。
「なんとか、石川、打ってくれ」と思ったところで、ピッチャーが福井から、左のザガースキーに交代。
ただ、この交代は石川にとって、そこまで悪くない交代かも。石川の一番のウイークポイントは、内角低めへのストレートだが、そこへコントロールしきれる左ピッチャーはそうはいない(また、左打者の泣き所となる膝元へのスライダーというボールもない)。
丸々とした体から150kmを超すストレートを投げ込んでくるザガースキーだが、そのボールについていく石川。打率は一時期より下がったものの、状態は悪くない様子。そして2-2から、ザガースキーのボールを、センター前へ弾き返す。白崎がホームに返り、1-2。1点差。
続くバッターは関根。
ただ、ここはザガースキーが早めに追い込み、最後は落ちる球で空振り三振。ここはまだ、現在好調の石川との差を感じるところ。

7回裏。
代打が出た須田に代わって、ピッチャーは、久々登板の国吉
1点差に迫った次のイニングということで、非常に大切なイニングだったが、投球練習でのコントロールはバラバラ。
能力からすれば、山﨑康、田中が疲れているときのセットアッパー・ストッパーを任せたいところだが、この状態では、まだまだ……。
バッターが打席に入ってからも、制球は荒れ模様。
しかし、前の打席で本塁打を打ったシアーホルツが、ボール球に手を出してくれたおかげで、三振。1アウト。
続くロサリオも、外角へ流れる、かなりボール気味の球を振り続けてくれて、三振。2アウト。
梵もセカンドゴロに倒れ、結果としては三者凡退。
国吉のピッチングの内容を考えると、広島が突き放すチャンスが十分隠れていたこのイニングだが、1点差のまま、終盤へ。
こうした見えないチャンスを逃してしまうところが、ここまで、広島が得点力不足に悩んでいる一因かもしれない。

8回表。
ザガースキーが、前のイニングに引き続きマウンドに上がる。
バッター下園というところで、右の井手が代打で登場。
正直、ここは下園のままでもいいかなと思った。下園が決して左投手を苦手にするバッターでないことと、終盤、いい場面で代打・井手をとっておいた方が思ったのが、その理由。
井手は、ショートゴロで1アウト。
続く筒香も、またも内角のボール気味の球を引っ張って、ファースト、ファールフライ。この前日・前々日のバッティングの詳細は見ていないが、ちょっと強引さが目立つ筒香。
2アウトとなって、バッター・ロペスというところで、ザガースキーは交代。
代わってマウンドに挙がったのは、一岡、ではなく永川。この永川がコールされたときの、球場の微妙な反応は、中継画面からも伝わってきた。
で、その永川、ロペスにストレートのフォアボール。球場の空気は、ますます微妙な感じに。
続くはバルディリス、ではなく今日は白崎
高めのストレートに対し、ある程度自分のなかで振ることを決めてスイングしたように見えた白崎だったが、ボールは高く上がっただけの内野フライ。3アウト。
一岡が前々日に逆転弾を浴び、ヒースも中田も一軍におらず、今村もまだ信頼しきれないなか、決して格好いい形ではないものの、それでも、永川は自分の仕事を果たす。

8回裏。
ピッチャーは国吉から小杉に交代。
前回の巨人戦では、制球がバラバラだった小杉だったが、會澤をライトフライ。代打・新井をショートゴロで2アウト。
田中には、この日、猛打賞となるヒットを打たれるが、続く菊池を抑え、役割を果たす。

9回表。
ピッチャーは、現時点での広島のストッパー・中崎
先頭バッターは倉本。その倉本が放った当たりは、一・二塁間へ。
普通、一・二塁間というのはヒットゾーンなのだが、相手が広島の場合は……。
予想どおり、菊地が滑りながらキャッチして、「また、菊地にやられたか」と思ったが、キャッチしきることができず、ボールがこぼれる。ノーアウト・一塁。
続くバッターは、途中から入った高城
高城、送りバントの構え。
で、少し高いと思われたストレートが、ストライクの判定。
高城も「えっ」という反応を見せ、中畑監督もベンチで「ボールだろう?」と言っているような口ぶり。
続くストレートも、バントがファールになってしまう高城。
追い込まれたことにより、バスターに切り替えかと思ったのだが、高城、スリーバント!
これが見事に決まり、1アウト二塁。
で、打順は小杉というところで、残りの野手が荒波・飛雄馬・黒羽根という状況で、代打で出てきたのは荒波
復帰後も、関根に押されがちでスタメン出場も少なく、そのたまにあるスタメンでも結果を残せているとは言えない荒波(打率も.205)。
中崎の球威を考えると、少し分が悪い対戦に思えたが、なんとかくらいつく荒波。
そして、中崎のストレートを目一杯振り切った打球は、三塁線のライン際へポトポトと勢いなく転がる。
捕って一塁へ投げてもセーフというタイミングで、中崎、會澤ともボールを見送るも、ボールは切れず、フェアゾーンのまま。
荒波、執念の一打で、1死一・三塁。
続くバッターは、一番・石川
前の打席では、ザガースキーのボールを弾き返してのタイムリー。当然、前進守備を引く広島の内野のポジションを考えると、2打席連続でのセンター前タイムリーもあり得るケース。
と同時に、同じようなケースでの、2日前の下園のセーフティスクイズも頭をよぎる。
ただ、ここで同点にしても、スクイズだと2アウトは取られてしまい、しかもビジターのため、相手の裏の攻撃を残す。
やっぱり、ここは打って逆転狙いが正しいか。
中崎の重いストレートにも、ついていく石川。フォークにもバットが止まる。そして、そのワンバウンドを必死で止める會澤。
迎えた2-2からの内角低めのストレートに、石川のバットが空を切る。石川が一番打てないゾーン。キャッチャーの捕ったところはボールゾーンだが、あれは手が出るコース。仕方ない。2死、一・三塁。
そして、バッターは関根
今から2週間前の5月2日、ナゴヤドーム。同じような劣勢、しかも大劣勢の場面で、福谷の150km近いストレートをものの見事に右中間へ弾き返し、奇跡の逆転打を放った関根。
そこから、現在の快進撃が始まったといってもいい横浜DeNA。
しかしこの場面。初球の甘いストレートに手が出ない。
ちょっと守りに入っているのか?
それでも、中崎の制球もバラけ、カウント3ボール1ストラーク。
バッティングチャンス。来るのは、ほぼ100%ストレート。
しかし、ここで来た真ん中へのストレートにも手が出ない関根。
ボールが来た瞬間、少し沈み込んだようにも見えた。フォアボールで塁に出ようという気持ちの表れか(なお、続くバッターはこの日2打席目となる井手)。
カウントは3-2。
こうなると、ストレート、フォーク、どちらの可能性も。
そして6球目。ほぼ真ん中に投じた中崎のストレートに、最後、崩れるように打ちにいく形になった関根。空振り三振。
結果、最後、二者連続三振で、中崎が抑える。広島、2-1で、なんとか勝利。


最後の荒波石川関根の場面は、久々に、まるで自分が打席に入っているかのような気持ちで見ていました。
けれんみの無い殊勲打を放った、あのナゴヤドームから2週間。
今度は、チャンスの場面で、若干、自身に負けたようにも見えた関根は、三振後、何を思ったのでしょうか。

いずれにせよ、同一リーグチームとの戦いは、今週で終了。
横浜には、いい形を継続したまま、交流戦へ入ってほしいです。

最後に、二軍戦で、キャッチャーの靏岡(鶴岡賢)が、頭部にデッドボールを受け、担架で退場したとのこと。
その前々日には、同じくキャッチャーの西森がクロスプレーで負傷したとの情報もあり、現時点での二軍のキャッチャーは、育成の亀井、一人のみ。
靏岡の状態が心配なのはもちろんですが、練習含めキャッチャー一人でまわしていくという訳にはいかない(山崎憲、柳田はアマチュアでのキャッチャー経験があるとのことですが、ピッチャー陣の調整なども考えると、本職の補充は必要ではと考えます)でしょうから、このあたり、選手をどう起用していくかも、一軍・二軍含めての、今後の横浜DeNAの課題になりそうです。


by momiageyokohama | 2015-05-19 00:26 | 横浜ベイスターズ | Comments(0)

「読んだ方が野球をより好きになる記事」をという思いで、20年目に突入。横浜ファンですが、野球ファンの方ならどなたでも。時折、ボクシング等の記事も書きます。/お笑い・音楽関連の記事はこちら→http://agemomi2.exblog.jp/


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