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変わる横浜。そして変わりきれるか。

7連敗のあと、4連勝で、貯金1となった横浜DeNA。
そのなかでも、昨日の試合は、先発投手が序盤で降りた試合を、中継ぎ投手が粘ってモノにしたという、意味の大きい試合。昨日の中日の先発は経験の少ない若松でしたし、大野・山井・吉見と当たらなかったがゆえの3タテという見方もありますが、今週末も同じローテまわりでの中日戦(今度は中日のホームですが)。相手先発が少し落ちる時のような「勝てる試合」を勝っていくことは、混戦セ・リーグで上位に入る必須要素といえるでしょう。

さて、横浜DeNAですが、チームの成績だけでなく、観客動員も、大幅に増加した昨年よりさらに上昇の様子を見せています(※1試合平均 → 2013年 19,802人 →2014年 21,730人(9.7%増) →2015年 23,886人(4/26現在))。
球場で行われている色々なプロジェクトや、シーズン中のチームの様子を公開する映像の販売、その他のメディア戦略など、DeNAになってからの横浜は「ファンへの働きかけ」の要素が非常に目立ちます。
また、戦力づくりの面でも、日本ハムで実績のある高田繁氏のGM招聘に始まり、積極的な補強策、入団選手の戦力化率の向上(獲得策、育成面双方において)は、徐々に効果を挙げているように感じます。

思えば、長年、大洋・横浜ファンでありながら、成績のみならず、チームのあり方には、ほとんどの期間、不満を感じていました。

1 横浜という恵まれた立地ながら観客動員が少ない
2 神奈川のチームながら、地域の多くの人に親しまれているとは言えない
3 長期展望が見えないチームづくり
4 FA選手の活躍率の低さ
5 ドラフト上位獲得選手の活躍率の低さ
6 外国人投手(特に先発)の成功率の低さ
7 球場の入場料の高さ
8 球団の自立経営への意識の低さ

数少ない、横浜(大洋)の魅力であった「あきらめの悪さ」(大きく差がついている試合でも、最後まで粘り、ときに大逆転勝ちも)も、21世紀に入ってからは、どんどん薄れていきました。

個人的には、球団のフロント含め、プロとしてやっていることがあまりにお粗末。自身も社会で働く身として、「頑張っていないものが、プロとして成立している」ことが許せない気持ちもあって、2011年シーズンが終わったときには、一度、ファンの立場を離れて横浜を見ることにしました。

そのシーズンオフに、DeNAが球団を買収。それでも「一度離れる」と決めたこともあり、翌年は客観的に横浜(DeNA)を見ていましたが、その年のDeNAの取り組みをみて、「プロの球団」としての体制を作ろうとする「本気」度を感じ、翌年からは、またファンとして見ることに。

そして、横浜DeNAになり、4年目のシーズン。
前述したマイナスの要素は、かなりの確率で解消されつつあります(FA選手の成功率については、まだこれからの様相を見る必要があり、もちろん、すべてが問題なく進んでいる、というわけではありませんが)。
その変わり方は、チームのユニフォームこそ、そこまでは変わっていませんが、球団のあり方としては、180度転換されたといってもいいかもしれません。

先日、DeNAの初代オーナーだった春田真氏のが出ていましたが、買収時の舞台裏、また、球団経営への取り組み方など、かなり興味深い内容が書かれていました(DeNA本体に関する記述が多いので、野球に関する記述は全体の40%ぐらいですが)。
また、ベースボールサミットの横浜特集号では、高田GMの記事のなかで「昨シーズン途中、中畑監督が関根を一軍に上げたいと言ってきたが、もっと経験を積む必要があると判断し、ストップを掛けた。ただし、ペナントの行方が決まったら、一軍に上げ、(ベンチではなく)先発で使ってもらうよう伝えた」といった記述もありました。
日本ハムのような数値化されたシステムが、どこまで球団内に設置されているかまではわかりませんが、おそらく、DeNAとなる以前より、選手の能力値・戦力構成などについて、シビアに計算されていることが推測されます。

正直、98年の優勝(と、その元となった97年の2位)は、レギュラー野手が全体的に育ってきたところに、ちょうど権藤氏という投手コーチのスペシャリストが加わった(その権藤氏を招聘したのは大堀球団社長と言われていますが)ことで化学反応が起きた“偶然的要素”の部分が大きかったと思います(それこそ、97年の序盤は、ピッチャーがいなさすぎて、4人で先発ローテをまわすぐらい、その場しのぎ的な戦いだったわけで…)。

その意味では、横浜にとって初めて、戦略的に優勝を狙おうとしているのが、現在の状態だと思います。
戦力的にも、この4年で、他球団と比べても遜色ない、と言えるぐらいまでは来ました。負け犬意識も、昨年で、ほぼ払拭した感はあります。
ただし、センターラインである、ショート、キャッチャーの未固定化、また日替わりセットアッパーにせざるを得ない状況は続いています。グリエルの退団により、計算できる外国人投手を5月までにもう一人獲得することも、上位に上がるには必須の要素だと思います。

また、球団自体のことも含め、長期の視点で見ると、春田氏がDeNAを退社し新たな仕事に携わるように、人材の流動化も頻繁に行われる現在、DeNAの要職にある人が色々と代わっていく可能性も十分にあります(DeNA本体の業績による影響というのも少なからずあるでしょう)。また、中畑監督「以降」のことも考える必要があります。

そうしたなか、徐々に変革を見せ始めている横浜が、グラウンド内外ともに、魅力あるプロ野球球団としての存在を築けるか……。
もちろん、不安もありますが、今までにない視点での「横浜」の見方ができることに、少し楽しみも感じています。



by momiageyokohama | 2015-04-28 02:01 | 横浜ベイスターズ | Comments(0)

「読んだ方が野球をより好きになる記事」をという思いで、20年目に突入。横浜ファンですが、野球ファンの方ならどなたでも。時折、ボクシング等の記事も書きます。/お笑い・音楽関連の記事はこちら→http://agemomi2.exblog.jp/


by もみあげ魔神
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