スポーツ新聞の2つのコラムを読んで感じたこと
2014年 02月 18日
ただ、さすがに、ここ数週間のスポーツニュースのトップはソチ・オリンピックですね。
個人的には、開会式前にスキーモーグルの予選が始まるのを知り、「えっ、もう始まるんだ」という感もあった今大会。
ここ4、5日は、スノーボード男子ハーフパイプの平野・平岡選手の銀・銅メダルに始まり、渡部暁斗のノルディックスキー複合・個人ノーマルヒルでの銀メダル獲得、そして、羽生結弦のフィギュアスケート金メダル、そして葛西紀明のスキージャンプ個人ラージヒルでの銀メダル獲得と、日本人選手の好結果が立て続けに報道されています。
なかでも、葛西紀明の銀メダル獲得は、さすがに驚きました。
今季はワールドカップでも優勝(10年ぶり)しているとはいえ、ノーマルヒルの試合後には「腰を痛めた」との報道も。
それこそ、葛西が出始めのときというと、東輝あたりが全盛だったという印象。その後、須田・西方といったメンバーとオリンピックに出場。そして、あの98年の長野があり、その後、宮平などが台頭した時があり、さらに少し間が空いて伊藤大貴が出てきて……という、本当にさまざまな時代を経ての、41歳での銀メダル。
判で押したようなメディアの「感動をありがとう」キャンペーンに乗ろうとは思いませんが、同世代(厳密には自分より少し上ですが)としては、さすがに「勇気をもらった」と言わざるを得ません(^^)。
なお、今回は時間帯的に、競技全体をしっかり見るのは厳しいですが、一つの競技を下位から上位まですべて見ると感じるのは、国を問わず、本来の力を出せない選手は決して少なくないということ(もちろん、その逆の場合もありますが)、そして「3位以内に入ること」の難しさと凄さです。
そうしたなか、ふと目についた、先週のスポニチ掲載の吉永みち子氏(作家)のコラム。
細かい記述は違っているかもしれませんが、東京オリンピック開催に関して、安倍首相がメダル80個という目標を掲げていること、さらにそれをJOCの会長(もしかしたら、他の役職の人かもしれませんが)と話した際に、今度はJOC側から「それには、相応の強化費が必要」といった話が出たことについて、「メダルと金(かね)の話しか出てこない…」といった批判的な内容のものでした。コラムの内容と関係しているはわかりませんが、時期的にちょうど、高梨沙羅がメダルを逃した後ぐらいに掲載されていたと思います。
昔だったら、「ふむふむ。確かに、メダルと金でしかスポーツを見れないのは貧しい発想だよな」と賛同していたかもしれません(^^)。
しかし、少し冷静になって考えてみると、世界各国が、体制面、技術革新面、そして金銭面で、かなり強力な支援・強化体制を組んでいるなか、当然、日本も、金銭・体制面での大きなバックアップは必要(ナショナルトレーニングセンター(現在は「味の素ナショナルトレーニングセンター」)が一番わかりやすい例でしょうか)。
また、メダルがそのスポーツのすべてという気はさらさらありませんが、メダルという目標が選手たちのモチベーションをかきたてていることも、まぎれもない事実。選手たちの試合後のコメントを見ると、正直、力的にメダルまでは厳しいと思われる選手ですらも、「本気」でメダルを狙って挑んでいる様が感じ取れたりします。
そういう意味では、オリンピックに関しての単純な二極論的見方というのは、現在のオリンピック、そしてスポーツの置かれている状況を見誤ってしまうかもしれないと思いました(「スポーツ庁」発足への動きもありますし)。
強いて「これは違うだろう」というものを挙げるとするなら、「どうしても薄っぺらな伝え方しかできないのか(苦笑)」、または「どうしても実力以上に過剰評価する形でしか報道できないのか(苦笑)」と思ってしまう、メディア報道でしょうか(^^)。
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もう一つ、スポーツ新聞で気になったコラムが、今日の日刊スポーツに載っていた、宮本慎也氏のコラム。
前日の練習試合に出場した片岡治大について書いたものでしたが、「恥ずかしい巨人片岡の怠慢プレー」というタイトルのコラムでは、同選手のプレーについて、守備・打撃とも、かなり辛辣に書かれてありました。
具体的な指摘が数多くあり(キャッチャーから投手への返球のバックアップをしなければいけない場面でボールから目を切っていた、という指摘も)、「こうしたプレーは、他の選手にも悪い影響を及ぼす」ということまで書かれていました。
当の片岡本人は、どういった気持ちでプレーしていたかはわかりませんが、宮本自身が現役時代、いかに、細かいところまで目を配りながらプレーしていたか(本人は、それを当然のことと感じていた可能性が高いですが)がよくわかる内容でした。
もちろん、コラムで指摘されていたように、実際にこのことが「巨人のほころび」となるかどうかはわかりません。
ただ、もし宮本がコーチ(もしくは監督として)復帰したら、そのチームは「芯の通ったチーム」になるだろうと思いました。
なお、今シーズンは、あの前田智徳も評論家デビュー。
その他の現役を退いた選手も含め、多くの“元選手”たちには、ファン目線ではなかなか気づくことができない“野球の奥深さ”を、一つでも多く教えてほしいと思います。