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野球を「伝える」人たち -CS「プロ野球ニュース」アナウンサー評-

今週の月曜・火曜は、プロ野球交流戦は無し。
一昨年の交流戦後半のズラし日程もちょっとわかりにくかったですが、やっては休み、やっては休みといった日程は、ファンの立場からしても、ちょっと改善してほしいところです。

さて、そんなプロ野球の試合の詳細をチェックする番組として、個人的に欠かせないのが、フジテレビONE(旧・フジテレビ739)で放送しているCS「プロ野球ニュース」です。

2001年3月で、地上波の「プロ野球ニュース」が終了。
後継番組である「すぽると!」では、プロ野球を扱う時間が格段に減ったため(最近は、以前に比べれば野球の扱い方が丁寧になった感じはありますが)、少し途方にくれていたところで、CSでの放送開始を知り、すぐさま契約しました。
(ちょっとウロ覚えですが、「すぽると!」への移行に際し、当時、フジテレビの編成部だった亀山千広氏が、「サッカーやK-1など他のスポーツも脚光を浴びているなかで、もうプロ野球だけを特別なものとして取り上げる時代ではない」といったコメントをしていて、局の編成としては当然の判断なのかもしれないけれど、野球ファンとしては悔しかった記憶があります)。

そんな地上波から移行する形で始まったCS「プロ野球ニュース」ですが、始まってからはや10年以上。
録画で見ることが大半ではありますが、ほぼ毎回欠かさず見ることが習慣になっていて、個人的にはこの10年のなかで一番見ている番組でもあります。

現在のスタイルは、1時間の放送時間で、メインMCは解説者1名と女性アナウンサー1名(土曜日は男性アナ一人)。
それとは別に、毎回、解説者が2人出演(日曜日は、それに加え、ご意見番として関根潤三氏(御年86歳!)も出演)するという体制です。
試合すべてを解説付きで振り返るのは6試合中2試合ですが、その他の試合についてもコメントしなければならないので、なかなか解説者も大変だと思います(今シーズンの解説陣は、平松・谷沢・大矢・金村・笘篠・岩本・橋本・松本・達川・田尾・池田・片岡らの諸氏)。

しかしそれ以上に大変だと思われるのが、実況部分を担当するアナウンサー
6試合をわずか2人(もしくは3人)で担当しなければならず、しかも「プロ野球ニュース」なので、1試合につき5分ぐらいの実況が必要。ナイターの場合は、試合終了後からもそんなに間もない状況だと思いますし、各試合それぞれの流れを整理して、それを澱みなく伝えるという仕事は、かなりパワーのいる仕事ではないかと思われます。

現在、実況を担当しているアナウンサーは主にフリーアナが中心で、年齢的には中堅・ベテランの人が大多数といった印象。
今回は、その「プロ野球ニュース」に出演しているフリーアナウンサーについて、簡単ながら、印象・感想などを書いていこうと思います(CS「プロ野球ニュース」を見られない方、今回は申し訳ありません)。 
※出演アナは、2013年6月現在

石原敬士
元テレビ新広島のアナウンサーで、地上波時代の「プロ野球ニュース」にも、広島戦のときに出演していた記憶がある。2005年よりフリー。JSPORTSなどで中継の実況を担当することもあり、結構耳にすることが多い。個人的には、声が非常に聞きやすいアナウンサー。変なクセがなく、かといって平板でもなく、適度な強さを持っている声。読み間違いも少なく、安心して聞ける印象がある。
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梅田淳
元関西テレビアナウンサー。関西テレビ時代は、関東在住の人間にとっても、「プロ野球ニュース」だけでなく結構見る機会も多く、名物アナウンサーといった印象。そのため、フリーになったというのはちょっと意外だった。2008~2010年には、週末のメインMCも。その後、2011年はJSPORTSの「野球好きニュース」の方へ移ったが、昨年からまた「プロ野球ニュース」へ復帰。その実況ぶりは、よくも悪くも「色」がある。最近は、ちょっと言い間違いが目立つ感も。やはり担当ゲームは、阪神戦やオリックス戦が合っている。

荻島正己
かなりのキャリアを持つアナウンサーだが、個人的には子どものころに放送していた「JNNスポーツチャンネル」(TBS)の司会の印象が強い(出光ケイ(懐かしい!)とともに出演。その後、小林繁に交代)。その話しぶりは、一言で言うと「品がある」。にこやかな表情とともに、ある種の「プロ感」を感じるアナウンサー。中継の実況をすることはほとんど無いが、「荻島節」とも言えるその語り口調は、まだまだ「プロ野球ニュース」で聞き続けていきたいところ。
(※追記:2014年6月、亡くなられたとのことで、残念。荻島アナのような、適度且つ心地よさを感じる「色」を持つスポーツアナが、また現れてほしいものです)

河路直樹
あまり目立った特徴はないが、「安定している」印象のあるアナウンサー。CSのサッカー中継で、その実況を耳にすることも多い。また、ゲームの「実況パワフルプロ野球」の実況も担当。ここでも、発売初期の実況アナだった安部(憲幸)アナ(元ABC。「10.19」2試合目の実況も)のエキサイトな実況ぶりとは対照的に、比較的落ち着いたトーンの実況ぶりだった印象がある。

河田浩兒
「元○○局アナ」といった肩書を持たない、異色(?)のアナウンサー。実況ぶりは、真面目な語り口調という印象だが、原稿を自分で書いているのか、表現に独特の言い回しを入れたりすることがある。また、映像から少し遅らせて「間」を置いてからしゃべり出すなど、実況に「工夫」が見えるのも特徴。なお、時折、解説の谷沢氏に、中日ファンであることを突っ込まれることがある。
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胡口和雄
元ニッポン放送アナウンサー。ニッポン放送のアナウンサーは、声はよく聞くことはあっても、なかなか顔を目にすることはないので、「プロ野球ニュース」に出演するようになって初めて「こんな顔をしていたんだ」と思うことが多い(他に、松元真一郎アナ、小野浩慈アナ、小林達彦アナなど)。語り口調は、ラジオのまんまで、基本ソフト。

下田恒幸
元仙台放送アナウンサー。仙台の放送局ということで、耳にする機会はあまり多くはなかったが、局アナ時代も、野球中継やモータースポーツ(SUGOサーキットでの開催時)の実況が結構印象に残っている。2005年よりフリー。個人的には、実況の確かさと、盛り上がったときの「熱さ」が、適度なバランスで混ぜ合わさっているという点で、好きなアナウンサーの一人。その熱さは、どちらかというと、フォーミュラニッポンやスーパーGTのようなカーレースでの実況で発揮されることが多い。フジの三宅アナの「いかにも」な声張り上げ(^^)ほどの露骨さは無いながら、ファンのテンションを絶妙な感じで煽るその実況ぶりは、アナウンサーの持つ技量としてもかなり優れているのではないかと思う。

須藤悟
CS放送開始当初から出演しているが、そこまで印象は強くない。調べてみたところ、元FM青森のアナウンサーとのこと。声は少し高めながら、語り口調は全般的にソフト。変に「色」をつけることもなく、試合に忠実に実況。「プロ野球ニュースの良心」といったところか。

節丸裕一
JSPORTSでのMLB中継の実況で耳にすることも多く、精力的に活動している印象のアナウンサー。見かけによらず40歳を超えているが、ベテランの多い「プロ野球ニュース」では、若手の部類に入る? 登場回数は以前より少なくなった印象もあるが、たまに、MLB関連などの話題のときに、取材で行っていたアメリカから電話出演することも。中継での実況は、結構「ファンとして思った感情」を出す印象(ただし、それを解説者に投げかける形をとるが)。年齢的にも、これから、さらなる自身の「スタイル」を作っていくであろうアナウンサー。
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土屋和彦
「プロ野球ニュース」登場は、比較的新しめ。GAORAのテニス中継などでも耳にすることが多い(コンビを組む解説者は、主に辻野隆三)。実況ぶりは、その表情とも相まって、「明るい」(^^)。どちらかというと、テンポを重視した実況という感じで、全体的にも「陽」な印象。

坪内千恵子
「プロ野球ニュース」の実況担当としては、数少ない女性アナウンサー。若干入れ込み気味に感じるときもあるが、出演するようになってから結構年数も経ち、登場頻度も高い。他に、ラジオ日本の野球関連番組や、テレビ東京の「レディス4(現:L4 YOU!)」の通販コーナーなどにも出演している模様。

中田秀作
元文化放送アナウンサー。番組開始時から出演している(2001年よりフリー)が、最初の頃は、「あのライオンズナイターの中田アナが出てる!」と、なんか変な感じがした(^^)。ライオンズナイターというと、やはり戸谷真人の印象が強いが、戸谷アナの野太い声と対照的に、オーソドックスな中田アナの語り口調は、特徴的ではなかったものの、意外と印象に残った。今でも、語り口調は基本オーソドックス。かなりのキャリアを持つベテランアナだが、それを変に押し出すようなことも無く、実況アナとしての職務を忠実に遂行している。

坂信一郎
元文化放送アナウンサー。中田アナと同じく「ライオンズナイター」の実況をしていたが、フリーになった時期が早く(1989年頃?)、その後は、NACK5のライオンズ中継や、CSでのスポーツ中継(野球に限らず)など、幅広いメディアで実況を行っている。その語りは、声のトーン、テンポ、抑揚など、ほとんどのポイントにおいて、「これがアナウンサーの基本」とでも言うべき実況。言うならば「アナウンサーの教科書」とでも言えようか。「プロ野球ニュース」では時折、解説者にあえて脱線をしかけるような一面を見せることもあるが、キャリア早期にフリーアナになった経歴も含め、フリーアナの見本のようなアナウンサー。

松井みどり
元フジテレビアナウンサー。2007年よりフリーアナ。そして、2012年にプロ野球ニュースに「復帰」。まだ、女性アナがスポーツニュースのMCを務めることがほとんど無かった時代から、スポーツアナとして活動していたという点では、女性スポーツアナの草分けといってもいいかもしれない存在。フジテレビ時代、中継での実況を聞いたこともあるが、その後、実況に挑戦した女性アナたちと比べても、一番スムーズに聞ける実況だった印象がある。生スポーツ番組の出演は久々なこともあってか、時折、映像から実況が遅れることもあるが、久々となるプロ野球ニュースへの出演。できれば、今後もコンスタントに登場を続けていってほしいところ。なお、「TwellV プロ野球中継」リポーターで、その声を聞くこともできる。

山田透
言わずと知れた「THE・ラジオ中継アナ」。元ラジオ関東・ニッポン放送アナウンサー。1996年よりフリー。今現場で起きていることを、まさに「目に見えるように」実況するという点では、右に出るものはいないといってもいいアナウンサーだと思う(好みは分かれるかもしれないが)。「ラジオ中継は、基本、大げさ」というイメージも、だいぶん山田アナによるところが大きい気が(^^)。年齢を重ねても、そのテンションは落ちず、プロ野球ニュースの登場回数も多い。最近はテレビ中継での実況もしているが、やはり山田アナと言えば、ラジオでの実況中継という印象。特に、江本氏などとのやりとりは、ほとんど漫才の感も。自身のtwitterには「激熱実況で生涯現役を志す!」と書いてあるが、その言葉のとおり、生涯現役実況アナを貫いてほしい。

横山和正
番組初期から出演。詳しい略歴は知らなかったが、元テレビ高知アナウンサーだったとのこと。元阪神・ロッテの弘田澄男氏が一時期「プロ野球ニュース」に出てきた頃、昔の知り合い(幼なじみ?)だったといったような話をしていた記憶がある。出演開始当初は読み間違いをすることも多く、ちょっと気になったが、最近はそうしたこともあまり無い。番組の実況アナのなかでは最も出ているのではないかというぐらい登場回数も多く、「CSプロ野球ニュースの歴史を知る人物」とも言える?

松岡俊道
あまり登場回数は多くはないが、「きっちり仕事をして帰る」という印象(^^)。実況アナのなかでは、比較的早口か。他に、楽天戦などの中継で実況を担当することも。「プロ野球ニュース」内ではどちらかというと堅実なイメージがあるが、競馬・競艇番組の実況を務めることもある模様。


以上、ざっと「プロ野球ニュース」に出演しているフリーアナについて書いてきました。
フリーアナに関して言えば、他にも、CSなどで活躍しているアナウンサーは数多くいます。
そのなかでも、一番の大ベテランは島村俊治アナ(元NHKアナウンサー。「鈴木大地、追ってきた!」はあまりに有名)でしょう。
現在でも、プロ野球中継の実況をはじめ、MLB、さらには高校バスケまでと、幅広い分野で実況を続けています。
島村アナの一番の凄さは、超のつくほどのベテランとなった今でも、解説者に「競技者への敬意」を持って接していること。CS中継の場合は、正直、解説者としての技量が高いとは言えない元選手と組んで放送することも多いのですが、そんなときでも、島村アナは、相手が「第一線でプレーしてきた」選手であることへ敬意を払いながら、話を振っているさまが感じ取れます。

CS・BS中継を見ることができない人にとっては、なかなか耳にすることが少ないフリーアナウンサーによるスポーツ実況だとは思いますが、私たちがスポーツを知るうえで、こうした人たちの役割は実は大きい。
そんなことを「プロ野球ニュース」を見るたびに思います。


by momiageyokohama | 2013-06-11 03:33 | スポーツ中継 | Comments(0)

「読んだ方が野球をより好きになる記事」をという思いで、20年目に突入。横浜ファンですが、野球ファンの方ならどなたでも。時折、ボクシング等の記事も書きます。/お笑い・音楽関連の記事はこちら→http://agemomi2.exblog.jp/


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