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「ペナントに絶対は無い」 -2013 セ・リーグ順位予想-

昨日のパ・リーグ編に続いて、今回はセ・リーグの2013順位予想を。

こちらも、まず昨年の順位予想を振り返ってみます。

 1 東京ヤクルト
 2 巨人
 3 広島
 4 阪神
 5 中日
 6 横浜DeNA

優勝チームをヤクルト、3位に広島と、攻めた予想をしたのですが、結果は巨人が開幕後のつまずきも何のその、結果的にはぶっちぎりでの優勝を決めました。
広島は9月上旬までは3位の座を守り、15年ぶりのAクラスが見えかけていたのですが、そこから粘り切れず、クライマックスシリーズ進出を逃すことに。
一方、主力野手の高齢化、また若手野手が軒並み育っていないことを考えて、下位に予想した阪神と中日は、阪神は5位に低迷、中日は予想に反して2位という結果となりました。

さて、主力層に動きがあるチームも多い2013年の順位はどうなる?ということで、今年は下記のように予想をしてみました。

 1 東京ヤクルト
 2 巨人
 3 広島
 4 中日
 5 阪神
 6 横浜DeNA

パ・リーグと同じく、こちらも順位ごとに各球団の寸評を書いていきたいと思います。


1位 東京ヤクルト

おそらく、野球解説者の順位予想では、ほぼ100%巨人が優勝だと思いますが、自分は今年もヤクルトを優勝候補に。

昨年は、3・4月こそ15勝8敗2分け 勝率.652と好スタートを切りましたが、5月中旬、交流戦に入ったところで急失速。2週間にわたって10連敗を喫し、5月の勝率はなんと.286。
その後、6月は4つの貯金を作るも、7・8月は故障者続出の影響もあり、逆に2ヶ月で8つの借金。それでも、9月に入ると息を吹き返し、最後はプレーオフを争うライバル広島をグッと引き離し、3位に滑り込みました。

そんなヤクルトを今年も優勝に推す理由は、以下の要因です。

1. 戦力の厚み
2. 選手のモチベーション
3. 野球の巧さ
4. 巨人に苦手意識を持っていない

一つ目の戦力の厚みについては、ヤクルトファンからも「えっ?」という声が聞こえてくるかもしれませんが、レギュラー層を見てみると、他球団が苦労しているキャッチャーに相川中村の2人のレギュラークラスがいます。
内野もファースト畠山・セカンド田中は確定として、サードを宮本岩村が争い、ショートも故障が治れば川端ですが、その代わりとして森岡と怪我から1年ぶり復帰の川島が控えます。
外野に関しては、通常ならば左翼・ミレッジ、右翼・バレンティンは確定。残るはセンターですが、候補に挙げられるのが雄平上田松井淳飯原と、かなりレベルの高い争いとなっています。
ちなみに、昨年の499得点は巨人の534得点に次ぐリーグ2位。3位・広島の427得点を大きく引き離しています。

一方の投手陣も、館山石川村中ロマン・ルーキーの小川八木(or赤川)で先発6人の枠は埋まります。
救援陣も、松岡山本哲押本、昨年飛躍を遂げた日高平井、そしてバーネットと実績を上げているメンバーが並びます(押本は開幕一軍からは漏れたようですが)。

二つ目に上げた「選手のモチベーション」ですが、各選手のコメントからは「今年こそ小川監督を胴上げしよう」という意気込みが伝わってきますし、何より本人の発言から察すると今年は宮本のラストイヤーとなる可能性が高いです。

三つ目の「野球の巧さ」は、各試合で垣間見られる「アウトになっても、ランナーを先の塁に進める意識」といった部分で感じるところ。

四つ目で触れた巨人との対戦成績ですが、昨年は9勝11敗4分け。その前は2011年が12勝8敗4分け、2010年が11勝12敗1分けで、3年間合計と32勝31敗9分けと、ほぼ拮抗しています。

そんな優勝に挙げたヤクルトですが、心配の種は何と言っても「故障する選手の多さ」。
昨年は、レギュラー野手が田中を除いて全員故障で離脱するという、あり得ない事態になりました。
今年も開幕からバレンティン・川端が怪我でいないというちょっと嫌な状況ではありますが、優勝を争うには「故障予防」は不可欠な要素でしょう。
また、投手陣に関しても、例年、救援陣が登板過多になり、シーズン中盤、調子を崩す、あるいは故障を発生するというパターンが多いので、上記で挙げた以外の久古・増渕・江村・大場・藤田といったところが、その負担を軽くできるかがポイントになると思います。


2位 巨人

投・打とも、戦力が揃っている。このことは、誰も疑問を挟む人はいないでしょう。
ただ、細かく見ていくと、不安な部分も見えてきます。

まず野手陣ですが、阿部坂本長野と、球界でもトップクラスの3人はいますが、その他のポジションについては、実は抜きんでた選手はいない状況(昨年のチーム打率は.256で、ヤクルトの.260より低い数字でした)。
おそらくサードは村田、ファーストは新外国人のロペスでスタートすると思いますが、2人とも「主軸」と言える活躍を見せられるかは微妙なところ(ロペスは、キャンプで見た限りでは、例年巨人に入ってくる外国人と比べると脆さを感じませんでしたが)。

一方、外野の2ポジション、そしてセカンドは、レギュラーが本決まりとは言えない状態なので、おそらく開幕でセンターを任される松本哲、そして育成契約から復活したセカンドの脇谷が、どこまでレギュラーに足る成績を残せるかが、序盤の戦いにおいては重要になると思います。
また、開幕前に左肩肩甲骨を骨折した鈴木尚の回復具合も気になるところです。

一方の投手陣に関しては、先発は、内海杉内ホールトン澤村宮國、そして菅野で、ほぼ盤石。
抑えも、WBCで再三厳しい場面を抑えきった山口と昨年ストッパーを務めた西村は信頼できますが、その2人と先発をつなぐ部分が少し心配。

高木京マシソン高木康と、昨年は好成績を上げた選手たち、そして新戦力のアコスタが、どれぐらい安定したピッチングをできるか。すでに昨年は目立たないながら巨人投手陣を支えていた福田が、オープン戦の不調もあって開幕一軍からは漏れた状況。
スケールの大きさを感じさせる笠原や、一岡、田原、小山など、他にもイキのいい若手投手がいるとはいえ、比較的投手交代のタイミングの早い監督だけに、この中継ぎの部分が崩れると、苦戦を強いられる可能性もあります。

なお、順位以外の部分で、巨人に望むこととしては、生え抜きの若手野手のレギュラー化
現在のレギュラー野手陣で、巨人が「育てた」と言えるのは坂本ぐらい(長野・阿部・高橋由は、ある程度最初から出来上がっていた選手という印象)。
育成期間を経てレギュラーをつかみ取った選手の数は、ファンの熱にも関係してきます。
今は、その一番の候補が大田なのかもしれませんが、いずれにしても長い目で見ると、ファンがより「熱い思い」を持って見られる選手の育成が必要となるでしょう。


3位 広島

昨年に引き続いて、今年もAクラスに予想しましたが、正直、今年は迷いました。
それでも、この順位にしたのは、ある程度、投手陣の駒が揃っていることを考えて。

前田健野村大竹バリントンの先発四本柱は、今年も変わらず。
そこに中日戦力外から這い上がった久本、また中崎戸田といった投手たちが先発を伺う状況です。

セットアッパー・抑えに関しても、今村ミコライオで計算は立つので、あとは先発と最後をつなぐ部分をどう埋めていくか
横山河内、そして昨年の一軍登板ゼロから舞い戻った永川勝、そして中継ぎでの起用が予想される福井が、どのぐらい相手打線を食い止めていけるかが、広島投手陣のポイントでしょう。

一方、Aクラス入りに推すのをためらわせた原因とも言えるのが、昨年も貧打に終わった野手陣のインパクトの無さ。
昨年のチーム打率.233はDeNAとほぼ変わらず。復帰した栗原と新加入のルイスが、どれだけ活躍するかが、Aクラス入りのカギになるでしょう。

野手陣でもう一つ大きな心配なのが、二遊間の守備
昨年はショート・が22失策、後半戦からセカンドを守った菊池が58試合で9失策。5月の日本ハム戦では、9回に守備が乱れまくって4点差をひっくり返されたこともありました。
二遊間の守備は、ここ数年来の広島の大きな課題。昨年、29失策の堂林も含めて、石井琢・内野守備走塁コーチらの手腕が問われるところです。


4位 中日

広島とどちらを3位にするか迷った中日。
最終的に、投手陣に昨年ほどの安定度を感じられないことで、Bクラスとしました。

開幕前から先発投手の頭数が足りないことが指摘されていますが、実は昨年も、規定投球回に達したのは山内ただ一人。吉見が、何度か故障で離脱したために、一人のみだったということはありますが、他は、中田(先発22試合(以下、数字は先発登板数))、岩田(20試合)、山本昌(12試合)、雄太(11試合)、ソト(9試合)、大野(8試合)といったような内訳だった2012シーズン。
こう見ていくと、チェンの退団、そしてネルソンの不振(そして退団)の影響が大きいように感じますが、今季は昨年に輪をかけて、先発の陣容が不透明な雲行きです(47歳・山本昌はインフルエンザで開幕ローテは微妙)。

加えて、昨年、復帰したシーズン終盤は安定した投球を見せていた浅尾が、再び故障で離脱。
昨シーズン防御率1.15の田島の勢いが衰えていなければ、セットアッパーの代役は務められると思いますが、岩瀬の安定度が年々落ちているだけに、やはり浅尾の早めの復帰が待たれるところです。

そうした投手陣の戦力低下を補うべき打撃陣ですが、ブランコが抜け、代わりにルナクラークという2人の外国人野手が加入。
ルナは広角に打つ打撃、クラークは長打力と、おのおの打撃に特長を持った選手ですが、ルナに関しては、キャンプでの打球練習を見た限りでは、ある程度、率は残すような印象を持ちました。

それでも、大島平田(or松井佑)を除き、相変わらずレギュラー野手の平均年齢が高い中日。
特に、キャッチャー二遊間は代替がきく選手がおらず、この先を考えても、現在二軍にいる選手も含め、後継作りが急がれるところ。
キャンプの練習試合での5打数5安打を目の当たりにした高橋周平には、ぜひレギュラー野手の中に割って入ってほしいところですが、オープン戦では苦労した模様。
それでも、首脳陣には、「中日の未来を担う選手」として育てていってほしいところです。


5位 阪神

おそらく一般的な順位予想と一番違うチームが、この阪神でしょう。

西岡福留という、かなりの実績のある2人が加入。新外国人・コンラッドも加入し、新井良新井貴が兄弟同士でレギュラー争いをするほどの、野手陣の層の厚さ。
加えて、甲子園の春夏連覇投手・藤浪も加入したということで、上位に推す気持ちもわからなくはありません。
しかし、自分はこの順位にしました。

その一番の理由は、救援陣の層の薄さ
藤川が抜けたことだけでも、かなりの戦力ダウンですが、さらに、渡辺亮筒井といった実績のある中継ぎ陣が、故障で開幕には間に合わない状況。

開幕は、久保を抑えにして、その前を福原安藤といったベテラン陣で賄う構想のようですが、正直かなり不安なものがあります。
キャンプ当初から、久保を抑えにすることは言われてはいましたが、“投球術”は持っているとはいえ、ボールのスピードは決してあるとは言えない投手なので、相手チームへのプレッシャーは、藤川に比べ格段に落ちます。
そう考えると、久保がストッパーを務められなかったときの代替策も考えておく必要があると思いますが、正直、代わりを務められそうな投手は見当たらない状況(昨年、一部でメッセンジャー・ストッパー案を言っていた解説者の人はいましたが)。
また、福原、安藤以外の中継ぎ投手も、藤原川崎加藤と、続けて好成績を挙げた実績があまりない投手たち(川崎の07・08年ぐらい)なので、こちらも不安があります。

一方、実績のある2人(西岡、福留)が加わった打撃陣。
これだけ成績を残している2人なので、オープン戦の実績にかかわらず、ある程度の結果を残すとは思いますが、心配なのは故障。
甲子園は天然芝であるとはいえ、その他の球場を考えると、約半分近くが人工芝でのプレーとなる今季。
さらに、2人とも、メジャーで故障歴もあり、フルシーズン出場できない可能性も考えておく必要はあるでしょう。
加えて、打撃陣に、本当の意味での四番がいないこと、そしてレギュラー野手に生え抜きの選手が2人のみ(鳥谷大和)ということで、誰がリーダーシップをとってチームをまとめていくのかというところも懸念される点です。

昨年は、負けだすと止まらなくなってしまったシーズンでもあった阪神。
少しの好調でメディアやファンから持ち上げられる一方、ちょっと成績が落ち出すと途端に攻撃される球団でもあり、投・打とも精神的な軸となる存在が抜けた今年は、意外と脆い土壌の上にのっかっているように思います。


6位 横浜DeNA

前々回の記事で、ある程度、寸評を欠いたので、今回は細かいことは省きたいと思います。

長い目で見ると、昨年の記事で書いた6つの要強化ポイントをどれだけ伸ばしていけるかが重要になってくるのではないでしょうか。
その6つとは、1. 若手先発投手の台頭2. 足攻3. 得点効率のアップ4. 外国人選手獲得能力5. キャッチャー陣の底上げ6. 筒香
2012年シーズンに関しては、それぞれの項目を5年満点として、1 - 2点、2 - 2点、3 - 1点、4 - 0点、5 - 3点、6 - 1点と考え、30点中9点という結果と評しました。
今年は4に関しては、モーガンの出来によって変わるところはありますが、ある程度、開幕前から結果は出ている状況(3~4点あたり)。
他の5項目に関しては、シーズンが始まってみてということになりますが、現在のところ期待薄、且つ再重要強化ポイントともいえるのが「若手先発投手の台頭」です。

2000年・2001年と三浦が11勝を挙げて以来、2年連続で二桁勝利を挙げた投手がいないという状況(追記:生え抜き投手にて)。この30年を振り返っても、本当の意味で二桁勝利を期待できる先発投手が、遠藤、野村、そして三浦しかいない横浜(大洋)。
そんな歴史を一掃するためにも、先発投手の育成は大命題。国吉加賀美と期待された二人が、早くも開幕から二軍と先行き不安な現状ではありますが、ルーキーの三嶋井納も含め、ローテを守れる投手を一人でも確立していくことが、最下位脱出への一番の方策ではないかと思います。

なお、野手陣に関しては、モーガンの見極め石川の守備力アップ、外野の控えとなる選手たちをいかにチームの戦力として効果的に使えるか、といったあたりがカギになるでしょう。


ということで、パ・リーグ以上に長々と書いてしまったセ・リーグの順位予想でしたが、パ・リーグが開幕から激戦が予想されるなか、それに負けない「競ったペナント」を期待したいと思います。
by momiageyokohama | 2013-03-28 03:53 | 野球(全般) | Comments(0)

「読んだ方が野球をより好きになる記事」をという思いで、20年目に突入。横浜ファンですが、野球ファンの方ならどなたでも。時折、ボクシング等の記事も書きます。/お笑い・音楽関連の記事はこちら→http://agemomi2.exblog.jp/


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