可夢偉! 錦織! 西岡!
2012年 10月 08日
一人は、F1の小林可夢偉。
鈴鹿サーキットで行われた日本グランプリで3位となり、自身初の表彰台。
日本人が表彰台に挙がるのは、2004年アメリカGPでの佐藤琢磨以来8年ぶり。そして鈴鹿では1990年の鈴木亜久里以来22年ぶり。
ただ、鈴木亜久里のときは、スタート直後のセナ・プロストのクラッシュ含め上位陣が次々とリタイアしたことによる表彰台獲得。
今回、可夢偉の3位は、予選3位から好スタートを決め、最後、ワールドチャンピオン経験者でもあるバトンを振り切っての表彰台ということで、非常に価値の高いものだと思います。
今回はこのうえない結果となりましたが、正直、ここまでの可夢偉は、チームの戦闘力が上がったにもかかわらず、結果を残してこれなかったシーズンでした。
チームメイトのペレスが何度も表彰台に上がったとのは対照的に、なかなか決勝では上位に食い込めず。
今季12戦目となるベルギーGPで、ついに予選2位のグリッドを獲得しましたが、決勝ではスタートで出遅れたうえ、クラッシュに巻き込まれ、ノーポイント。
続くイタリアGPでは、ペレスが今季2度目となる2位に入り、その差は開く一方。
どんなに日本のマスコミが好意的に報道しても、チームメイトに負けている限りは上には行けないし、このままの成績だと来季のシートは無いのではと思っていたところでの、この表彰台獲得は、本当に意味のあるものだったと思います。
なお、今年の日本GP中継は、地上波での中継は無し。無料とはいえ、BSフジでの中継(しかも昼放送ではなく、夜9時からの放送)というところに、今の日本でのF1の置かれている状況が表れています。
中継自体も、一昔前の芸能人ゲストを多数呼んでいた頃のような華やかさは全くなく、解説:片山右京・近藤真彦、実況:福永アナという非常にシンプルな構成。
それでも、鈴鹿サーキットに10万人以上集まった(全盛期に比べれば、かなり減少してはいますが)ということは、まだ、それだけF1に魅力に感じ、そして日本のドライバーの可能性に期待しているファンがいるということでしょう。
いまやすっかり存在感のなくなってしまったフォーミュラニッポン含め、日本のフォーミュラ・レースの人気回復は容易ではないですが、今回の可夢偉の「結果」が、日本人ドライバーの可能性を大きく広げる契機になればと思います。
もう一人、「結果」を出してくれた日本人が、テニスの錦織圭(現在、世界ランキング17位)。
有明コロシアムで行われた、楽天オープン・シングルス決勝で、世界ランキング15位のラオニッチ(カナダ)を、7-6、3-6、6-0で破り、日本人初となるツアー2勝目を飾りました。
なお、決勝の相手となったラオニッチは、前日の準決勝で、今季の全米、そして五輪の覇者であるマレーを破った選手。そして、錦織自身も今回、準々決勝では世界ランキング6位のベルディハを破るなど、非常に内容の濃い優勝でした。
今回の楽天オープンはWOWOWで中継されており、今日の決勝戦は第1セットのタイブレークの途中から見ていたのですが、その堂々とした戦いっぷりに感嘆しました。
第1セットは、タイブレークを7-5で制し、獲得。
第2セットは、200kmを超える相手のサービスに苦戦しゲームを奪われましたが、第3セットの第2ゲームでは15-40から逆転し、ラオニッチのサービスゲームをブレーク。その後も、相手足元への速いリターンショットや、時折見せるフォアハンドのアドバンテージサイドからのドロップショットが決まり、勝負の第3セットをなんと1ゲームも落とさず、優勝を果たしました。
これで、世界ランキングは、さらに上がり15位に。
来季はトップ10入り、そしてグランドスラム4強、さらにはその上も手の届くところに来ています。
今の錦織のテニスは、本当に「躍動」そのもの。今回、決勝戦には多くの観客がつめかけていましたが、ぜひ、そのプレーを多くの人に見てもらいたいですね。
さて、こちらは来週の開催となりますが、ついに10月13日(日本時間14日)、カリフォルニア州カーソンにて、日本ボクシング史一番のスーパーマッチともいってもいい一戦が行われます。
世界スーパーバンタム級王座統一戦、西岡利晃(日本) vs ノニト・ドネア(フィリピン)。
このブログでも何度か、この一戦のことについては取り上げてきましたが、この試合見たさに、ついにWOWOWに入ってしましました(^^)。
30歳を超えて、誰もが予想し得なかった驚異的な強さを世界の強豪相手に発揮し始めた西岡と、長谷川を破ったモンティエルを一撃で葬り去った4階級王者・ドネアとの、スーパー・バンタム級頂上決戦。
この日本ボクシング界における「歴史的一戦」が、地上波では放送されないのはなんとも残念(録画中継でもいいので、どこかで放送してほしい)ですが、これだけワクワクする試合を、リアルタイムで体験できることを幸せに感じます。
ボクシングファンの間では最高に盛り上がっている一方で、一般的には西岡の名前を知っている人自体少ないという現実は少しずつでも変えられればと思いますが、とにもかくにも、ボクシング界に携わる人が、そしてボクシングファンが、さらなる「夢」を見ることができる結果になることを期待しています。
最後に。ああっ! オルフェーブル …………。