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横浜ベイスターズ 2011シーズン展望(野手編)

前回の更新から1週間ちょっと経ってしまいましたが、2011年の横浜ベイスターズ展望、野手編を。

と、前回の投稿との間に出た雑誌『野球小僧』の特集が、なんと「プロ野球10強2弱時代」でした。
「2弱」とは横浜広島。まあ、同じ2弱と言っても、昨年は10.5ゲーム。その前年は16ゲームも離されているので、広島ファンに申し訳無い気もしますが(^^)。
特集内容は、斉藤明夫や田代のインタビューや、データからの敗因分析、牛込氏のインタビューなど興味深い記事が多かったですが、「在籍選手の移り変わりから見る、この10年の弱くなっていった過程」などがあると、もっと面白かったですね。

さて、シーズン展望に戻って、前々回、予想(希望)スタメンを書いてからだいぶ時間が経ったので、もう一度下記に。

1 (遊) 石 川
2 (中) 森 本(松本)
3 (一) ハーパー(筒香)
4 (三) 村 田
5 (右) 下 園(吉村)
6 (左) スレッジ
7 (二) 渡辺 or 藤田
8 (捕) 武山(橋本)

まず、ここ数年、試行錯誤している1、2番。昨年は、序盤は「石川・早川」、シーズン中盤は「下園・石川」。で、ハーパーが3番に座ってからは、繰り上がる形で内川が1番に入り「内川・石川」という形になりました。このなかで一番機能していたのは「石川・早川」だった印象がありますが、早川の打率が1割台ということでコンビは解消。

今季は、石川森本渡辺藤田といったところが候補になってくるのでしょうが、今後のことを考えると、石川を本当の意味でのトップバッターに育てていくことが大事なのではないでしょうか。これは二遊間の争いについても言えることですが、年齢、またその足のアドバンテージ(38盗塁)を考えると、変に競わせるのではなく、石川は全試合使うべきではないかと思います。
課題は、打率(.294)からの伸びしろが少ない出塁率(.324。21四球は規定打席到達メンバー中、最少)。三振数91を減らすことと合わせて、試合に出続けることで、もう一段、階段を上ってほしいですね。

2番には、強い日本ハムを支えてきた森本を(昨年55犠打)。ただし、ここ3年続けて死球による骨折で中期離脱しており、今季も途中での欠場があるかも。となると、昨シーズンの最後、ちょっとだけレギュラーへの尻尾をつかみかけた松本にもチャンスはあるでしょう。

1・2番も問題があるなら、3~6番の中軸にも問題がある横浜打線。
ハーパー(途中加入で3割・19本)・村田・スレッジ(28本塁打)・下園(3割近辺をキープ)と並ぶ打線は、一見それほど悪くないように見えるものの、チーム総得点521点はリーグ最下位。ノーアウトのランナーが出ても、たまに出る本塁打ぐらいしか得点の臭いがしなかったのが実状でした。

ちなみに、さきの『野球小僧』のデータ特集では、横浜の進塁打率〔(安打+進塁打ゴロ+犠打)/(打数+犠打)にて計算〕の低さが指摘されており、それによると、村田.268、スレッジ.391、下園.394、カスティーヨ.353といった数字。他チームの主軸を見ると、新井貴.427、ラミレス.449、小谷野が5割以上ということだそうです。
とにかく、ノーアウトでランナーが出ても、内野フライ→内野ゴロ(セカンドホースアウト)→外野フライで結局無得点、といったように策も工夫も見られないのが昨年の横浜でした。

今回挙げた予想(希望)スタメンでは、「これだけ点がとれなかったんだから、昨年と同じじゃ…」という理由だけで、下園とスレッジの打順をあえて逆にしてみましたが、そうした付け焼き刃な対策だけではなく、個々人の意識を変えてもらわないと、得点力のアップは望めないように感じます。
そういう意味では、「足」という意味でも可能性がある吉村(09年に13盗塁)が、意識を変えたうえで5番あたりに座ってくれると、打線の機能がかなりアップするのではないかと思うのですが…。

さて、下位打線に行って、7番に関しては、現実的には、1・2番に入らなかった選手が入る可能性が高く、8番はキャッチャーが収まるということになるのでしょうが、問題はこのキャッチャー(まったく問題だらけですが(^^))。
昨年最も多く出場したのは武山(95試合)でしたが、打率は.187。
打撃への評価の高かった橋本は、打率.246と武山に比べれば、「打」への期待値は持てましたが、盗塁阻止率が.125。怪我もあって43試合の出場にとどまりました。
その他出場した細山田、新沼も盗塁阻止率という部分ではほとんど期待できず(それぞれ.125、.091)、チーム全体の阻止率.211はリーグ最低。さらに、それ以上に深刻なのが、112許盗塁という数字。他チームを見ると、広島69、ヤクルト70、巨人74、阪神42、中日66と、いかに横浜が敵チームに走られ放題かがわかります。

橋本に関しては、ロッテ時代も盗塁阻止率は低く、今後を考えるのなら、武山(阻止率.247)を我慢強く使うのが現実的な対応策ではないかと思います。他の正捕手候補である細山田・新沼も「肩」の面ではほとんど当てにならないので、あとは黒羽根あたりに期待をかけていくという感じになるでしょうか。
他球団への供給(谷繁、相川、鶴岡、斉藤俊)は欠かさない「捕手の名産地」横浜ですが、移籍後10年経っても、いまだ「谷繁退団後遺症」に悩んでいる感もありますね。

ということで、ざっと打線を見てきましたが、上では挙げなかった選手で期待値が高いのは、(昨年ファームで、.320、14本、12盗塁、16失策)。昨年見に行った一軍の試合での打撃練習時に、鋭い当たりを高い確率で放っていたのが印象的でした。
筒香も含め、こうした若手を、今後どういった形で一軍の戦力として育てていくのか。選手の成長任せではなく、「何年後にどこのポジションで」という明確なビジョンを、フロント・首脳陣は持って欲しい、と切に願います。

最後に。「打線」として見事に機能した1998年優勝時のスタメンをちょっと振り返ってみたいと思います。

1 (遊) 石 井 〔生え抜き・10年目〕
2 (中) 波 留 〔生え抜き(逆指名)・5年目〕 
3 (左) 鈴木尚 〔生え抜き・8年目〕
4 (二) ローズ 〔外国人・6年目〕
5 (一) 駒 田 〔FA・5年目〕 ※18年目
6 (右) 佐 伯 〔生え抜き・6年目〕
   右  中 根 〔移籍・1年目〕 ※10年目
7 (捕) 谷 繁 〔生え抜き・10年目〕
8 (三) 進 藤 〔生え抜き・11年目〕      ※は前在籍球団からの年数

ライトのレギュラーを佐伯・中根の2人と考えたとして、9人の内訳は、生え抜き6名外国人1名FA 1名トレード移籍1名。で、中根をのぞくと、みんな横浜在籍5年以上なんですね。
谷繁は8年目の96年からようやく「谷繁・秋元併用体制」から脱却。
石井は3年の投手経験を経ての野手転向。
鈴木尚が規定打席に初めて到達したのは5年目。
進藤がレギュラーを獲ったのも5年目でしたが、「守備力」で獲った定位置でした。

「打」の面はもちろん、外野の両翼をのぞくと(^^)、「守り」の面でも素晴らしいオーダーでしたが、このラインアップも一朝一夕に出来たわけではありません。駒田の獲得資金捻出と言われた、高木豊・屋鋪ら6選手の解雇といった出来事もありました。

現在の横浜に戻って、「今オフの森本・渡辺直はチームにいい影響をもたらすのでは」というファンのなかでの期待もあったりしますが、元々チームにいるメンバーが移籍選手の苦言を受け入れるような状態でないと、逆にチームが分解することも起き得ると思います。
また、前述のように、筒香ら若手選手のレギュラー獲得をただ選手任せにして、具体的な育成ビジョンがないようでは、どんなにいい選手でも育っていかないでしょう。

「頑張る」とか「今年はやります」とか、抽象的な言葉はもういりません。

ファンが求めているのは「目に見える変化」のみ。
Commented by 広角スラッガー at 2011-03-04 15:55 x
阪神もお願いします
by momiageyokohama | 2011-01-25 01:49 | 横浜ベイスターズ | Comments(1)

「読んだ方が野球をより好きになる記事」をという思いで、20年目に突入。横浜ファンですが、野球ファンの方ならどなたでも。時折、ボクシング等の記事も書きます。/お笑い・音楽関連の記事はこちら→http://agemomi2.exblog.jp/


by もみあげ魔神
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