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2009年 12球団チームMVP (part3)

先日行われた「U-26NPB選抜 対 大学日本代表」。ちょっと見に行こうかとも思っていたのですが、調べた時にはすでにチケット完売。
見に行けなかったことは残念でしたが、斎藤投手、坂本選手、中田選手といった注目選手はいるものの、全体的にはそこまで知名度があるメンバーとは言えないなかでのこの盛況ぶりには、現在の「野球人気」を感じ、嬉しい気持ちになりました。

さて、前回前々回の続きです。

【巨人】

 ゴンザレス 投手 〔23試合 15勝2敗 防御率2.11 31四死球〕
 坂本 勇人 選手 〔141試合 .306 18本 62打点 87得点 5盗塁〕

ペナントを2位以下に圧倒的なゲーム差をつけて制し、クライマックスシリーズも優勝。そして、日本シリーズでも日本ハムを破り見事日本一に輝いた巨人。
これだけ強さを誇った1年であるので、チームMVP候補は幾人もいるわけで。
そうした意味では、「そこで誰を選ぶか」は選ぶ人の野球観が出てくるポイントでもあります。

自分のなかでの投手MVPは、ゴンザレス投手。開幕ローテには入っていなかったものの、一軍帯同後はヤクルト在籍時の一番良かった時期をはるかに上回る安定感。結果、13の貯金をチームにもたらした働きは見事でした。
特にコントロールのよさは数字にも表れており、32四死球(うち死球7)は規定投球回数に到達した投手のなかで2位(1位は31四死球のグライシンガー投手)。また、打撃の方でも.280(13安打)・6打点と、ただでさえ息が抜けない巨人打線にさらに厚みを持たせる活躍を見せました。
一昨年は怪我で登板機会ゼロ、昨年も6試合の登板ということを考えると、自由契約にしたヤクルトは責められませんが、それにしてもここ数年のプロ野球のなかでも一番、といっていいほどの飛躍ぶりでした。
ちなみに、ヤクルト時代、外国人枠の関係でゴンザレス投手と一軍・二軍の併用起用をされたガトームソン投手は、今季、韓国の起亜タイガースで13勝(4敗)という成績を残しています。

一方の野手部門。首位打者を獲得したラミレス選手、リーグ断然トップの勝利打点22を記録した小笠原選手、打撃にリードに素晴らしい活躍を見せた阿部選手など、候補が山のようにいましたが、自分が考えるMVPは坂本選手です。
5月から1番に定着。時期尚早論もあるなかでの快打連発は、前半戦の巨人を引っ張った存在といっても過言ではないでしょう。守備でも、センターに抜けるかと思われた当たりに対しスルッスルッと追いついてアウトにする広い守備範囲は、かなりピッチャー陣を助けたと思います(一方で19の失策もありますが)。
また、こうした成績面での貢献もそうですが、何より坂本選手の台頭は、90年代から続いてきた「『FAでかき集めて…』という巨人のイメージを変える」という意味で、巨人にとって非常に大きな出来事だったと思います。数年後のことまで考えると、巨人には、二軍にも大田選手、中井選手、橋本選手といった将来の活躍が期待される選手も数多くおり、「より感情移入して応援できる」素地が整っています。
坂本選手には、そうした選手達の先頭を走る役割もあると思うので、来季はさらなる期待とより厳しい視線が注がれることになるでしょう。


【中日】

 岩瀬 仁紀 投手 〔54試合 2勝3敗41S 防御率2.12〕
 井端 弘和 選手 〔144試合 .306 5本 80得点 出塁率.388 13盗塁〕

今季の中日の投手陣を見ると、大きく勝ち星を伸ばした吉見投手、1点台の防御率を記録したチェン投手など、大きく飛躍した若手投手が多いですが、やはりMVPを挙げるとしたら、今年もまたその最後を淡々と締めた岩瀬投手でしょう。
今年は、4月に亀井選手に逆転サヨナラ3ランを浴びるなど、「大丈夫か?」と思わせる試合も結構ありました。しかし、成績だけを見れば、41セーブ(リーグ最多)、防御率も2点を少し上回る程度と、チームの2位というポジションをしっかりと支えました。
一時期ストッパーを務めた浅尾投手が防御率3.49と、まだ安定感に欠けていることを考えると、来季以降も、その存在は中日になくてはならないといえるでしょう。

井端選手は、攻撃・守備両面において文句のつけようのない数少ない選手ですが、特に今年は打撃面において、一時期は首位打者に経つなど印象に残る活躍を見せてくれました。
正直、井端選手をバッターボックスに迎えるときは、2ストライクをとってからが本当の勝負です(^^)。打率が3割を超える一方で、四死球の数も78(うち死球は6)。さらに得点圏打率も.348(リーグ1位)と来ては、「顔も見たくない」と思っている相手投手もかなりいるのではないでしょうか。
守備に関しては、もう言わずもがな。特に、外野との間に落ちそうな打球を背走してキャッチという場面を何度となく目にしました。「球際の強さ」という言葉が生やさしく感じられるほど、その球際での捕球・送球の堅固さは素晴らしいです。
できるならば、その守備力を、また日本代表にも還元してもらいたいところですが。


【東京ヤクルト】

 石川 雅規 投手 〔29試合 13勝7敗 防御率3.54 198 1/3イニング 34四死球〕
 宮本 慎也 選手 〔128試合 .294 5本 46打点 3失策〕

前半戦の貯金を後半の大失速で食いつぶしながらも、なんとか3位の座を死守した今年のヤクルト。
その投打の功労者は、1年を通じてチームを支えた上記の2選手ではないかと思います。
特に後半戦、リリーフ陣が苦しいなかでの石川投手の9月の連続完投は素晴らしかったです。数年活躍したのちに故障で長期離脱をする投手が多いヤクルト投手陣にあって、入団以来8年間で規定投球回に達したのが7回、そしてそのすべてで二桁勝利。今季は、キャリアハイの198イニングを投げ、「小さな中エース」(?)といっていい投げっぷりでした。
数字を見てみると、特筆すべきは奪三振の少なさ(^^)です。200イニング近く投げて、奪三振数は84。奪三振率は3.81で、12球団を見渡しても、なかなかこの奪三振率を下回る投手はいません。
しかし、逆にこの数字にこそ、石川投手のピッチングの素晴らしさが表れているとも言えるのでしょう。三振数も少なく、イニングを上回る被安打(203本)を浴びながらも、自身6つの貯金(勝ち数-負け数)は過去最高。
来季、この石川投手、そして館山投手に次ぐ3番目の投手がヤクルトに現れれば、さらに上の順位を得られるのではないでしょうか。

野手部門は、正直、青木選手と宮本選手、どちらにするか迷いました。青木選手は、シーズン中、ずっと不調不調と言われながらも、出塁率(.400)はリーグトップ
ただ、1年間コンスタントにチームに貢献したという点では、宮本選手の方が上回るのではないかと思い、上記のようにしました。
外国人選手の打撃がいまいち安定しないということもあり、今季は(というか去年もですが)クリーンアップも打ち、3割近い打率を残しました。四球が少ない(16四球)のがちょっと意外ですが、追い込まれても際どいボールをカットして、なかなか打ち取られない打撃は今年も健在。
守備でも、ファーストが構えたミットに吸い込まれるような送球は、いつ見ても素晴らしいと思います。
これは今年の試合だったか記憶が不確かなのですが、ランナーが一塁にいる場面で、サードゴロの打球がバットと一緒に飛んできたことがありました。このとき、宮本選手はバットをよけるために尻餅をついて捕球したのですが、その態勢でセカンドベースに寸分違わずボールを投げて、見事ホースアウトに。
実際にこのプレーを球場で見て、「宮本選手の体には「『どんな態勢からでも、相手のグローブ(ミット)めがけて投げる』というメカニズムが完全に染み込んでいるだ」と思いました。
自分のなかでは、もはや人間国宝の域に入っています(^^)。


次回ようやく、チームMVPの回、ラストです。
by momiageyokohama | 2009-11-25 00:33 | 野球(全般) | Comments(0)

「読んだ方が野球をより好きになる記事」をという思いで、20年目に突入。横浜ファンですが、野球ファンの方ならどなたでも。時折、ボクシング等の記事も書きます。/お笑い・音楽関連の記事はこちら→http://agemomi2.exblog.jp/


by もみあげ魔神
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